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2007.03.27

猫にマタタビ

Max124_1
あたしに、A君とB君ていう2人のお友達がいたとして、A君とB君もお友達同士で、3人で居酒屋さんとかで飲んだことも何度もあるし、3人でカラオケに行ったことも何度もあるとする。あたしがいなければ、A君とB君だけで遊ぶこともある。それで、A君はあたしのお部屋に遊びに来たことがあるし、B君もあたしのお部屋に遊びに来たことがあるんだけど、それぞれ別々に来たことがあるだけで、2人一緒には遊びに来たことがないとする。で、初めて2人そろってあたしのお部屋に遊びに来たら、なんか、ミョ~な空気になっちゃうもんなんだろうか?

‥‥っていうのは、最近、猫たちのことを書いてなかったけど、実は、ペペロンチーノが足をケガしてて、しばらく前から、化膿止めの抗生物質を飲ませてる。それで、いつもは、ご飯の時に外で飲ませてるんだけど、今日は、足に消毒薬も塗りたかったから、夜、お部屋に連れて来た。で、お薬を飲ませて、傷口を消毒したんだけど、もうほとんど治ってる感じで、ヤタラと元気に走り回ってたから、新しい猫ダンスを考えて、一緒に踊ったりしてた。

そしたら、しばらくして、マックスが遊びに来たのだ。玄関のドアをカリカリして、「ナンナ~ン!ナンナ~ン!」て呼ぶから、ドアを開けたら、サッと入って来た。それで、いつもみたく、玄関に立てかけてあるスケボーの匂いを嗅いだり、ブーツの匂いを嗅いだり、壁の匂いを嗅いだりしてから、スタスタと奥に入ってった。それで、ソファーの上にいたペペを見つけると、外じゃ仲良しなのに、ミョ~な雰囲気になっちゃって、中途半端な距離を取りつつ、耳を平たくして、横向きに、トトットトットトッて、反復横跳びみたいな変な動きを始めちゃった今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、あたしは、猫たちに順位をつけてるワケじゃないし、どの子もみんなおんなじに大好きだけど、やっぱ、ずっと前からメンドウを見てる子と、新しく仲間になった子だと、ずっと前からメンドウを見てる子のほうに愛着がある。そして、おんなじくらい前からメンドウを見てる子なら、あたしに甘えてくれる子のほうが、可愛いと思っちゃう。これは、別に、どの子よりもどの子のほうが上って言ってるワケじゃなくて、自然の摂理ってもんで、この感覚が六角形の柱になって何本も並ぶと、柱状節理が出来上がるって、地学の伊藤孝先生が言ってたとか言ってなかったとか(笑)

で、マックスとペペなら、おんなじくらい甘えん坊だし、おんなじくらい可愛いけど、ずっと前から可愛がってるマックスのほうが、付き合いが長いぶん、あたしは愛着がある。それに、マックスは、あたしの好きな白黒のパンダカラーだし、あたしの好きな丸顔だし、鳴き声も可愛い。それに比べて、ペペのほうは、白地に茶色とか濃いグレーとかのミケっぽいブチで、顔立ちや体型はスマートで、ヒョウみたいな感じだ。パッと見た感じは、マックスは見るからにドラネコって感じだけど、ペペのほうは血統書つきの高級ネコみたいに見える。だから、この2匹を並べて、見た目だけで里親を探したら、たぶん、ペペのほうが人気があると思う。だけど、あたし的には、マックスが大好きなのだ。

それで、おんなじくらいに好きって言いつつも、こんな感じだから、先にマックスがお部屋に来てて、そこにあとからペペが来たんだったら、そんなに変な雰囲気になんなかったのかもしんないんだけど、今回は、先にペペが来てたもんだから、なんか、変な雰囲気になっちゃった。何も気にしてないで、ソファーの上に寝転んで、自分の体をペロペロと舐めてるペペとはウラハラに、ミョ~にヨソヨソしい様子のマックスは、あたしが呼んでも近寄って来ないで、タンスとかドレッサーのイスとかの匂いを嗅いで回ってる。

‥‥そんなワケで、あたしは、何も悪いことはしてないのに、なんか、カレシの留守中に、別の男をお部屋に連れ込んだ尻軽女みたいな感じになっちゃって、自分のお部屋なのに、居ずらいったりゃありゃしない。それで、ペペのことは置いといて、とにかく、マックスを抱き上げて、ウリウリウリウリしてから、ブラッシングをしたりして、ゴキゲン取りをした。それから、冷蔵庫からチクワを持って来て、ソファーの右側にペペ、左側にマックスを座らせて、小さく切ったチクワを順番に食べさせたら、だんだんいつもの感じになった。

それで、あたしは、マックスだけとか、ペペだけとかなら、今までもお部屋に入れたことはあるんだけど、2匹そろってお部屋に入れたのは初めてだったから、ここはひとつ、みんなでマタタビパーティーでも開催しようと思って、あたしは、マタタビセットが入ってるキンチャク袋を持って来た。そしたら、マタタビには目がないマックスは、そのキンチャク袋を見ただけで、早くもコーフン気味になっちゃって、フガフガ言い出したから、とりあえず、マタタビの枝をあげた。ペペもマタタビが好きだけど、マックスほどじゃなくて、枝だけで十分な感じだ。だけど、マックスのほうは、まずは枝を舐めたり噛んだりして軽くトリップするけど、そのうち、もっと強いのが欲しくなって、マタタビの実を粉末にしたのをペロペロと舐め始める。

あたしの手のひらに、マタタビの粉末を少しだけ出すと、狂ったように舐め始めるんだけど、最初のうちはコーフンしすぎてて、鼻息で粉末を飛ばしちゃったりする。だから、最初だけは、手のひらにちょっとお水を垂らしてから、そこに粉末を混ぜて、それを舐めさせる。でも、2~3回ほど舐めると、だんだんに酩酊状態になって来て、鼻息も静かになって来るから、そしたら、乾いた粉末だけでも大丈夫になる。そして、あとは、新しいマタタビの枝を1本与えとけば、両手で上手に持って、舐めたり、噛んだり、自分のホッペにスリスリしたりして、至福の世界へと突入してく。

で、人間にも、お酒の好きな人と苦手な人がいるように、猫にも、マタタビの好きな猫とそうでもない猫がいるし、マタタビが好きな猫でも、猫によって、酔っぱらい方はいろいろある。あたしが、今までに、いろんな猫たちにマタタビを試してみた経験から言うと、ほとんどの猫はマタタビに興味を示すけど、10匹か20匹に1匹くらいの割合で、ほとんど興味を示さない猫もいた。それから、興味を示した猫の中でも、このマックスみたいに、メチャクチャ好きなのはマレで、たいていの猫は、ペペくらいの感じだ。うちの猫たちだと、マックスの他には、小林君がマタタビ大好きで、シンナーを吸ってる田舎のヤンキーみたいに、だらしなくヨダレをダラダラと垂れ流すほど夢中になっちゃうけど、逆に、ハナコは、あんまり興味を示さない。だから、一概には言えないけど、年を取ると、だんだんに興味を示さなくなるのかもしんない。

‥‥そんなワケで、マタタビってのは、疲れた旅人が、山道でマタタビの実を採って食べると、アッと言う間に元気になって、また旅を続けた‥‥ってとこから、「マタタビ」って名づけられたってのが、一般的な語源とされてる。だけど、これは、もともとあった「マタタビ」って名前からこじつけられた俗説だそうで、1番有力だと言われてるのは、アイヌ語の「マタタムブ」が語源だって説だ。「マタ」は「冬」、「タムブ」は「亀の甲」って意味で、これは、亀の甲のようなデコボコなマタタビの実の形を表わしてるって言われてる。

ちなみに、マタタビの実は、正常なものは3cmくらいのツリガネ型で、可愛らしい形をしてる。だけど、6月ころの花の咲く時季に、マタタビアブラムシが飛んで来て、花の中に卵を産みつけると、その幼虫が寄生した実ができる。そして、その影響で、亀の甲のようなデコボコなカボチャ型の実になる。これを「虫こぶ」って呼んで、「虫が寄生してる」なんていうと気持ち悪いと思うけど、マタタビアブラムシが寄生した「虫こぶ」の実のほうが、栄養価や薬効が何倍も高くなり、漢方薬としても遥かに価値が高くなる。もちろん、猫にあげる場合でも、こっちのほうが喜ばれる。

ただし、人間が食べる場合には、サスガに、虫が寄生してるのなんかイヤだから、正常なツリガネ型の実のほうを使う。塩漬けや味噌漬けなどの他に、ホワイトリカーに漬けて、マタタビ酒にもする。だけど、薬効だけを考えた場合には、「虫こぶ」の実で作ったマタタビ酒のほうが、効き目がある。だから、「虫こぶ」の実のほうは、乾燥させて粉末にして、漢方薬として重宝されてるってワケだ。

で、猫がマタタビで酔っぱらうのは、マタタビの実や葉や枝などに含まれてる「マタタビラクトン」と「アクチニジン」て物質によるものだけど、これは、猫だけじゃなくて、ライオンやトラなど、猫科の動物全般に効果がある。動物園でも、ライオンやトラなどがストレスで元気がなくなったりすると、ストレス発散のために、マタタビを与えてるとこが多い。だから、もしかすると、ヤマネコとかは、自分のお気に入りのマタタビポイントを何ヶ所か持ってて、「今日はマタタビでもやりたい気分だニャ~」って日には、そのポイントに行って、野生のマタタビを楽しんでるのかもしんない。

‥‥そんなワケで、あたしは、久しぶりに、猫たちとマッタリした時間を過ごして、いっぱい癒された。それにしても、猫って、どうしてこんなに可愛いんだろう。ホッペも、肉球も、鼻も、耳も、シッポも、ザラザラの舌も、鳴き声も、仕草も、何から何までがすべて可愛い。そして、言葉も通じないし、見るからにぜんぜん違う生き物のあたしなんかに、どうしてこんなに心を許してくれるんだろう。もしも自分が猫だったらって考えると、自分の何倍も大きくて、意味不明の生き物である人間なんかに、ここまで無防備にはなれないと思う。だから、マックスやペペが、あたしのお部屋に遊びに来てくれて、こうして心をひらいてくれてるのは、あたしのことを信じてくれてるからであって、だからこそ、あたしも、この子たちとの関係を大切にして行こうと思った今日この頃なのだ。


【今日のオマケ】

「マタタビで酔っぱらう猫たちの動画」
http://vision.ameba.jp/search/tag.do;jsessionid=CE55EB2C3EB2E9DDE2E9F5F3893CE585?tag=4062


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