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2007.04.26

JR福知山線の事故から2年

2年前の今日、JR福知山線の尼崎電車区で、我が国の鉄道歴史上、最悪の大惨事が起こった。規定速度を大幅に超えた猛スピードでカーブに進入した快速電車は、脱線して、隣接するマンションへ激突して大破した。そして、必死のレスキューも間に合わず、多くの乗客が、電車内に閉じ込められたまま息をひきとった。107人が死亡、562人が負傷したこの大事故は、各テレビ局が生中継してたけど、大きくひしゃげた車両の映像や、次々と増えて行く死亡確認者の数に、全国の人たちが、その事故の大きさと恐怖を感じたと思う。

そして、今日、兵庫県尼崎市の総合文化センターで、遺族や負傷者たち約1400人が参列して、追悼慰霊式が営まれた。追悼慰霊式は午前9時に始まり、事故発生の午前9時18分には、全員で黙祷をした。そして、この式に、政府代表として、無責任なアベシンゾーの身代わりで出席させられた国土交通大臣のナンミョー冬柴は、「事故を風化させることなく、二度と繰り返さないよう全力で公共交通の安全対策に取り組んでまいります」と、いつものように、その場だけの無責任なコメントをした。JR西日本の山崎正夫社長に至っては、「安全を最優先する企業風土を作りあげることが、多くの犠牲に報いる唯一の道だと思います」と、心にもない言葉を口にした。

この2人の発言が、やってることと正反対だってことは、この2年間、何の対策もせずに、ミスやトラブルを連発してるJR西日本のオソマツな営業姿勢を見れば、一目瞭然だろう。そして、あたしが、何よりも呆れ返ったのは、この式の前日の24日にも、JR西日本のお家芸、「オーバーラン」が炸裂してたってことだ。24日の午後11時半ころ、兵庫県尼崎市のJR福知山線、塚口駅で、新三田発四条畷行きの7両編成の普通電車が、停車位置を50mもオーバーしてから、ようやく止まったのだ。2年前の大事故だって、この塚口駅のすぐ先で起こったっていうのに、2年も経っても、事故現場のすぐ近くで、こんなミスが日常的に起こってるなんて、何ひとつ反省も対策もしてないことの証明だと思う。


‥‥そんなワケで、あたしは、2年前の4月25日に、「1分の重さ」っていう日記を書いて、この大事故の背景にあるJR西日本の「日勤教育」について言及した。JR西日本の、特に、この事故の起こった尼崎電車区における「日勤教育」は、まるで戦争中の軍隊のような人権を無視したイジメであり、これによって、多くの運転士たちが、1秒でも電車を遅れさせないようにと、常にオーバースピードでの運行を強いられている。そして、それが、この事故の原因だってことを書いた。

当時の「きっこの日記」は、1日のアクセス数が3000から5000くらいだったけど、この日の日記は、初めて1万アクセスを超えて、2万近くまでふくれ上がった。そして、あたしの日記がヒキガネになったのかどうかは分かんないけど、2日後くらいから、各テレビ局のニュース番組やワイドショーでも、JR西日本の悪質な「日勤教育」のことを取り上げるようになった。そして、それまで、ずっと、「一部で言われている日勤教育などというものは存在しません」「何度も調査しましたが、そのような事実はありませんでした」ってトボケてたJR西日本の本社は、ついに、その事実を認めたのだ。

あたしは、これは、すごく大きなことだったと思ってる。だって、JR西日本は、当初、この大事故を「一運転士の責任」にしようとしてたからだ。会社側としては、常にキチンと社員たちに教育をして、正しく経営をしてた。だけど、今回、たまたま、一運転士のミスによって、こんな大事故が起こってしまった。会社としては、できる限りのことをしますが、原因責任は運転士個人です‥‥って姿勢を貫こうとしてた。だけど、あたしが日記で言及して、各報道機関も騒ぎ出したことによって、JR西日本は「日勤教育」の事実を認めざるを得なくなり、この大事故の責任も認めることになったのだ。

事故が起こる何年も前から、尼崎電車区の運転士たちの労働組合は、あまりにも酷い「日勤教育」に対して、数え切れないほどJR西日本の本社に掛け合ってたのに、本社はそれをずっと無視してた。数名の上司に電話で質問して、相手が「そんなことはやってませんよ」と答えたら、その言葉をそのまま信じて‥‥っていうか、ホントは「おかしいな」って感じたんだろうけど、社内の恥を外部に漏らしたくないから、お得意の「見て見ぬふり」をしてた。そして、再三に渡って本社に訴えて来る労働組合に対しては、「キチンと調査しましたが、そのような事実はありませんでした」って、大ウソをつき続けてた。つまり、労働組合からの報告を受けた時点で、JR西日本の本社が、ホントにキチンと内部調査をして、こんな人権を無視した「日勤教育」などやめさせていたら、この事故は起こらなかったハズだ。だから、言い換えれば、この事故は、JR西日本という会社の体質が起こした事故であり、起こるべくして起こった事故だったと言える。

この事故が起こるずっと前から、尼崎電車区では、たった数秒でも電車を遅れさせたら、「教育」という名目で、人権を無視した酷いイジメを何日間も受けなくちゃならなかった。そして、あまりにも卑劣なイジメの連続に耐えられなくなり、何人もの運転士たちが自殺して行った。そして、そういった職場の現状を本社に訴えても、本社は無視をし続けて来た。こんな現状を見れば、事故を起こした若い運転士が、どんな思いでオーバースピードのままカーブに進入したのか、誰にでも簡単に想像できるだろう。

あたしは、この事故の原因も責任も、100%、JR西日本の「日勤教育」にあると思ってる。だから、尼崎電車区で運転士たちに「日勤教育」という名のイジメをしていた上司たちが、どうして刑事責任を負わされないのか、不思議でしょうがない。前にも書いたけど、上司たちからの「日勤教育」に耐えられなくなって自殺した何人もの運転士たちの中には、自分を死に追い込んだ上司たちの名前を実名で遺書に残してる人もいる。

‥‥そんなワケで、このJR福知山線の大事故では、死亡者の数ばかりが取りざたされるけど、一命を取りとめた人たちの中にも、両目を失明してしまった人や、足を切断した人、全身が麻痺して車椅子の生活になってしまった人をはじめとして、一生、重い障害を背負って行かなければならなくなった人たちもたくさんいる。女性で、顔や体に大きな傷が残ってしまった人もいる。大地震などの自然災害ならともかくとして、もしも、自分が電車に乗っていて、その鉄道会社の内部の問題が原因で大事故に遭い、一生、障害や醜い傷を背負っていかなければならなくなったとしたら、どんな気持ちになるだろうか。もちろん、それでも、亡くなった人たちのことを思えば、一命を取りとめただけでも‥‥って思う人も多いだろう。だけど、自分に何ひとつ非のない状況で、一民間企業の企業体質が原因の事故に巻き込まれたと思うと、体だけじゃなく、心に負った傷も癒えないと思う。

そして、この事故による被害者は、「死亡者107人、負傷者562人」って言われてるけど、ホントはこれだけじゃない。これらの被害者たちのご遺族たちも、もちろん被害者だけど、そうじゃなくて、この事故が原因で、自殺してしまった人もいるのだ。この事故で、最愛の婚約者を失った女性は、その後の、あまりにも冷酷なJR西日本の対応に生きる希望を失い、自殺してしまった。ようするに、死亡した被害者の家族は「遺族」として認められて、見舞金や慰謝料の対象になるけど、まだ籍を入れてなかった婚約者は、「遺族」とは認定されないのだ。

この女性は、婚約者と何年間も同棲していて、夫婦同然の生活をしてた。そして、この事故の数ヶ月先に、結婚式を挙げる予定だった。だけど、この事故により、最愛の婚約者を失っただけじゃなく、事実上のダンナさんを失ったワケだから、生活もして行けなくなった。だけど、JR西日本の対応は、「入籍していない以上、遺族とは認められません」というもので、見舞金や慰謝料の対象にならないばかりが、遺族者名簿に名前を載せることすら拒否されたのだ。

この女性は、事故後、1年間に渡り、JR西日本に対して、ご両親とともに訴え続けて来た。この女性の訴えは、「お金など1円もいらないから、自分の愛していた●●さんの遺族として、遺族者名簿に名前を載せて欲しい」というものだった。これが、愛する人との結婚を何年間も夢見て、つつましやかな生活をして来たこの女性にとっての、せめてもの願いだったのだ。でも、JR西日本は、1人の女性のこんな些細な願いすら聞き入れず、冷酷に拒否し続けて来た。そして、夢も希望も失ってしまったこの女性は、事故現場の近くのマンションから飛び降りて、自殺してしまった。

‥‥そんなワケで、こういった事件は、マスコミはほとんど報じないけど、実際には、この事故によって、自殺した人たちが何人もいる。新聞やテレビで報道された「死亡者107人、負傷者562人」という数字は、単なる表面上のものであって、この数字の他にも、この事故によって自殺に追い込まれた被害者が何人もいる。そして、そうした自殺の原因を作ったのは、JR西日本の人を人とも思わない冷酷な対応なのだ。そんな会社の社長が、「安全を最優先する企業風土を作りあげることが、多くの犠牲に報いる唯一の道だと思います」なんて言ったって、誰が信用するか。そして、カルト教団の手先のナンミョー冬柴の「事故を風化させることなく、二度と繰り返さないよう全力で公共交通の安全対策に取り組んでまいります」なんて言葉も、まったく信用できない。とにかく、カルト教団の力を借りないとこの国を支配できない自民党が、国土交通大臣のイスを「ナンミョー指定席」にしてるうちは、電車にも恐くて乗れないし、駅前のホテルにも恐くて泊まれないと思った今日この頃なのだ。


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