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2007.04.06

疑わしきは罰せよ!

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厚生労働省は、4日、スイスの「ロシュ・ダイアグノスティックス社」が製造してる「リベラーゼHI」など、9種類の研究用試薬に、アメリカ産の牛の脳神経から抽出した物質が使われていることが判明したため、狂牛病に感染する恐れがあるとして、これらの試薬を当面は使用しないようにって、各関係機関に通知した‥‥って話を聞かされても、あたしたち一般の人は、何のことだか分かんないし、自分には関係ないような感じがして、ナニゲに、他人事みたいな気がしちゃう。だから、もうちょっと分かりやすく説明すると、この「リベラーゼHI」ってのは、ニポン国内のほとんどの「膵島(すいとう)移植」で使われてる薬だ。「膵島」の「膵」は「膵臓(すいぞう)」の「膵」ってワケで、この文字の通り、膵島ってのは、膵臓全体に島のように点在してる内分泌細胞が集まった部分の名称で、「ランゲルハンス島」とも呼ばれてる。で、この膵島の役目は、インシュリンを分泌することだ。

ここで、ようやく、一般の人にも聞き覚えがある「インシュリン」て言葉が登場したけど、これで分かるように、この膵島が機能しなくなると、インシュリンを分泌しなくなる。つまり、糖尿病ってワケだ。それで、軽度や中度の糖尿病の場合は、たいていが自分でインシュリンを持ち歩き、必要に応じて自分で注射してる。だけど、重度の糖尿病患者になって来ると、インシュリンを注射しても、血糖値をコントロールすることができなくなる。そんな時に行なわれるのが、「膵島移植」の処置ってワケで、これによって、重度の糖尿病患者は、様々な合併症などを予防することもできる。

つまり、この「膵島移植」ってのは、重度の糖尿病患者にとって、まさに、医学の進歩によって命を救われたってことで、ホントに素晴らしいことなのだ。それなのに、ニポン国内のほとんどの「膵島移植」に使われてた「リベラーゼHI」に、狂牛病の原因と言われてる異常プリオンがタップリと含まれてるアメリカ産の牛の脳神経から抽出した物質が使用されてたことが判明した今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、この発表は、各報道機関によって、大きく表現が異なってる。ある新聞では、アメリカ産の牛の脳神経から抽出した物質が「混入している恐れがある」っ書いてるのに、別の新聞では、「添加されていることが判明した」って書かれてる。これは大きな違いで、前者でなら、「今回、たまたま、間違って混入してしまったかも知れない」って意味に取れるけど、後者なら、「分かった上で意図的に添加し続けて来た」って意味に取れる。だから、前者なら、しばらくの間だけ使用しないように気をつければいいワケだけど、後者なら、過去何ヶ月とか、過去何年とか、ニポン国内で「膵島移植」をした人たちのほとんどに、狂牛病に感染してる可能性が出て来たってワケだ。

で、ここまで説明しても、自分や自分の家族に「膵島移植」をした人がいたり、現在、糖尿病で、今後、「膵島移植」をする可能性のある人以外は、話はクルリンパと戻るけど、「自分には関係ないような感じがして、ナニゲに、他人事みたいな気がしちゃう」って人もいると思う。だけど、「膵島移植」をした人たちが、マサカ、狂牛病の感染源が添加された薬を使われてたなんてミジンも思ってなかったように、何の病気にもかかってない健康な人たちでも、コレとおんなじようなケース、つまり、自分の知らないうちに、狂牛病の感染の恐れのあるものを摂取してたってケースがいろいろとあるのだ。

たとえば、数年前までは、ニポン国内の誰でも知ってる有名な化粧品メーカーが、アメリカ産の牛のプラセンタ(胎盤)など、極めて危険な部位を原料にして基礎化粧品類を製造、販売してた。だけど、狂牛病問題が大きくなって来たことによって、コッソリと商品を回収して、そのまま、ナニゴトもなかったかのようにしてる。これは、1社だけじゃなくて、複数の化粧品メーカーがやってたことだ。そして、何よりも無責任なのは、これらの化粧品は原材料の表示義務がアイマイなため、ほとんどの製品には、アメリカ産の牛のプラセンタが使用されてたことが表示されてなかったのだ。

食品として口から食べる場合と違って、化粧品のように皮膚から吸収する場合は、感染に関しては解明されてない部分も多いから、あたしがテキトーなことを書くワケには行かないけど、「異常プリオンは、口から食べなければ、どんなに長いこと皮膚に塗り続けても、絶対に狂牛病には感染しない」ってことが証明されない限り、こんな化粧品、製造するべきでも販売するべきでもないと思う。百歩譲って、製造して販売するのはメーカーの自由だとしても、それなら、せめて、キチンと原材料を表示して、消費者が選択できるようにすべきだと思う。

‥‥そんなワケで、ここまで読んで来ても、糖尿病でもなく、化粧品を使う女性でもない、健康な男性たちは、まだ、他人事だと思ってるかもしんない。だけど、狂牛病のホントの恐怖は、こんなレベルじゃないのだ。たとえば、糖尿病でもなく、化粧品を使わない人でも、お寿司を食べる人はたくさんいると思う。そして、あたしたちニポン国民の多くは、回転寿司に行ったことがあると思う。また、スーパーやコンビニに売ってるお寿司を食べたことがあると思う。

そんなお寿司の中に、誰でも見たことがあると思うけど、「サーモン」がある。これは、全国の回転寿司屋さんの9割以上、普通のお寿司屋さんの7割近く、そして、スーパーやコンビニなどのほぼ10割が、アメリカやカナダから輸入した「養殖サーモン」を使ってる。そして、このサーモンは、何をエサにして養殖されてるのかって言えば、アメリカやカナダの牛の肉骨粉なのだ。今までに何度も書いて来たから、ここでは詳しくは書かないけど、この肉骨粉は、ニポンに牛肉を輸出するために取り除かれた危険部位、つまり、牛の脳みそや目玉、脊髄などや、狂牛病で死んだ牛も丸ごと粉末にしたもので、肉骨粉自体の輸入は、何年も前から禁止されてるほど、危険極まりないものなのだ。

ニポンをはじめ、ほとんどの国では、この肉骨粉を家畜の飼料にすることを禁止してる。あのデタラメなアメリカでさえ、牛の飼料にすることだけは、サスガに禁止してる。だけど、アメリカの場合は、牛以外の家畜の飼料にすることは禁止してない。だから、アメリカでは、この危険極まりない肉骨粉をニワトリに食べさせ、そのニワトリの糞を集めて、それに味をゴマカスための糖蜜をかけて、食肉牛の飼料にしてる。それが、通称「ヨシノヤカット」って呼ばれてる吉野家の牛丼用の牛肉になってるってワケだ。

そして、あまりの危険さに、買い手がつかなくて有り余ってるアメリカの肉骨粉は、他の飼料とは比べ物になんないほどの安い値段で、アメリカやカナダの養殖業者へと売られて行き、サーモンの養魚場などで使用されてるのだ。ちなみに、アメリカやカナダで養殖されてるサーモンは、そのほとんどが、ニポンへ輸出するためのもので、現地の人たちは、天然物のサーモンしか口にしないそうだ。そりゃそうだよね。安全で美味しい天然のサーモンが簡単に手に入る国に住んでるのに、わざわざ狂牛病の肉骨粉なんかで養殖した気持ち悪いサーモンなんか食べるワケないよね。

‥‥そんなワケで、ニポンの政府が、いくら北朝鮮に経済制裁を加えてるって偉そうにノタマッてても、現実には、北朝鮮のアサリやマツタケが、中国産に偽装されて、年間に何万トン、何十万トンって輸入されてる。そして、あたしたちは、知らず知らずに、北朝鮮に経済援助しちゃってる。これとおんなじで、いくらアメリカ産の狂牛肉から危険部位を取り除いたって言ったって、その取り除いた危険部位を食べさせて育てたサーモンが、ニポン中の回転寿司屋さんの中をグルグルと回り続けてるんだから、こんなアホな話はないと思う。もちろん、それだけじゃなくて、フリカケとかの加工品の中に入ってる「サケ」だって、そのほとんどが、この「養殖サーモン」なのだ。

もちろん、これは、法律で禁止されてるワケじゃないから、ニポンの企業が、輸入することも、加工することも、販売することも、何ひとつ問題はない。そして、加工食品には、原産国の表示義務はないから、ただ単に「鮭」とか「鱒」とか「サーモン」とかって表示するだけでOKだ。だから、どこのサーモンを使用してるのか知りたかったら、あたしたち消費者は、わざわざそのメーカーに電話して、いちいち聞かなくちゃなんない。一般の消費者が、ここまでしないと、安心できる食品を口にすることもできないなんて、これでも先進国と言えるのだろうか? これこそが、体裁ばかりを気にしてデタラメをやり続けて来たコイズミ改革の結果なんじゃないだろうか?

あたしは、「犯罪」の場合には、冤罪を防ぐ意味でも、「疑わしきは罰せず」ってのはジンジャエールだと思う。だけど、直接、国民の健康や命に関わる「食品」の場合には、この考え方には反対だ。これほど危険だって言われてるのに、それでも、アメリカ産の狂牛肉が輸入されてんのも、危険な肉骨粉で育てたサーモンが何十万トンも輸入され続けてんのも、吉野家みたいなやり方がマカリ通ってんのも、みんな、「疑わしきは罰せず」の考え方を利用して、「まだハッキリと危険だって証明されてないから、今のうちにドンドン輸入して、ジャンジャン流通させて、ガンガン儲けちゃえ」ってことだと思う。

少しでも安い原価で、できるだけ多くの利益を上げるってことは、商売の基本なんだと思うけど、それが「食品」である以上、こんなやり方をされたら困る。アメリカ産の狂牛肉を平然と使用してる企業の言いぶんとしては、「国が『安全だ』って言ってるんだから問題ない」ってワケで、最悪のケースとして、何年後かに狂牛病の国民が多発して、その原因がその企業の食品だったってことが証明されたとしても、「あの時点では国が『安全だ』と断言したものを使ってたんだから、文句を言うなら国に言え」ってことになる。つまりは、アメリカ産の狂牛肉が、安全だったとしても、危険だったとしても、どっちに転んでも、自分たちは痛くも痒くもないってワケだ。

だけど、仮にも、消費者に食品を提供して商売してる企業が、こんな認識でいいのかな?って、あたしは思う。いくら国が「安全だ」って言ったからって、「すき家」のゼンショーみたく、政府の現地調査を信用せずに、自分たちでキチンと独自の現地調査をした上で、現段階ではアメリカの牛肉はリスクが高いとして、使用しないことを宣言してる企業だってあるのだ。加工食品にしても、原産国の表示義務がないのをいいことに、アメリカ産の狂牛肉を使いまくってる大手メーカーもあれば、「エスビー食品」みたく、消費者に安全で安心な製品を提供するために、アメリカをはじめとした狂牛病の発生国からの輸入を全面停止してるメーカーもある。ようするに、企業姿勢の問題なんだと思うけど、アメリカ産の狂牛肉を使い続けてる企業のほとんどが、自民党議員に政治献金を送り続けてる企業だって事実を知れば、耐震偽装問題とおんなじように、最後にバカを見るのは消費者だけだってことが分かると思う。

‥‥そんなワケで、「劣化ウラン弾」にしたって、当初は、放射能が検出されたとかされないとか、放射能のことだけで論じられて来た。そして、劣化ウラン弾を「安全だ」と言い張ってたクルクルパーたちは、「放射能が検出されなかった」っていう改ざんされたバカ丸出しのデータを伝家の宝刀のように掲げて、今、この瞬間も苦しみ続けてる、数え切れないほどのガン患者や白血病患者、奇形児などとの関連性について、常に否定し続けて来た。だけど、結局は、放射能の有無に関わらず、ウランという金属自体が、その特性として、人間のDNAに異常をもたらしてたことが分かり、ガンを始めとした病気の原因になってたってことが分かったトタン、それまで騒いでたクルクルパーたちは、急に静かになっちゃった。これとおんなじで、今は、まだ、ハッキリと証明されてないことでも、いつかは真実が解明される。だから、あたしは、「食品」に関しては、「疑わしきは罰せず」じゃなくて、少しでも疑いがあるうちは、絶対に輸入したり流通させたりしちゃいけないと思う。そして、それでも輸入したり流通させたりするんなら、せめて、原産国の表示を義務づけて、消費者に選択させるべきだと思う今日この頃なのだ。


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