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2007.04.01

地震の国の建築事情

まずは、新聞のニュースを2本紹介する。で、いつものことだけど、時間が経つとリンクが切れちゃうので、記事もコピーしておく。


「耐震不足、全国の新築中層マンションの1割で 国交省調査」 (毎日新聞)

国土交通省は29日、耐震データ偽造事件を受けて行った全国の中層マンション389棟を対象としたサンプル調査で、1割以上にあたる40棟が耐震強度不足の疑いがあると発表した。このうち大分県内の1棟は耐震基準の66%で既に補強工事を始めている。同省が建て替えの目安としている基準の半分以下はなく、書類の差し替えなど偽装行為も見つかっていないが、同省は「予想以上に設計上の問題が多い」として、今年6月に改定する建築確認検査のガイドライン(指針)に「設計図面に不整合がないこと」と明記し、指針を強化する方針。サンプル調査は、姉歯秀次・元1級建築士(1審判決で懲役5年)による事件を受け、国交省が各自治体を通じて昨年2月から実施。01年以降に建築確認された鉄筋コンクリート造りの中層マンション約6000棟から389棟を無作為に抽出し、同省の外郭団体「日本建築防災協会」(東京都港区)が設計図や現場の状況を検証した。この結果、基礎と骨組みの設計図(構造図)が構造計算書と一致していなかったり、耐震性を検証する際に建物に掛かる力を低く見積もるなど、耐震強度に疑問が残る物件が40棟に上った。耐震強度は基準の50~90%台で、今後、各自治体が詳しく再検証する。大分県宇佐市内の4階建て賃貸マンションは、昨年末に基準の66%と判明。施工ミスが原因だったが、自治体による完了検査などで見過ごされていた。国交省は昨年末、調査を終えた221棟について中間報告として発表。強度不足の疑いは約7%の15棟だけだったが、割合は増加した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070329-00000115-mai-soci


「戸建て分譲の一建設、強度不足新たに588棟」 (読売新聞)

東京都練馬区の戸建て分譲会社「一(はじめ)建設」が販売した住宅に耐震強度不足が見つかった問題で、すでに判明している681棟に加え、新たに588棟で強度不足が確認されていたことがわかった。同社は昨年6月の公表時、過去に分譲した2万7000棟の「全棟を調査した」と説明していたが、実際は3割程度の抽出調査しか行っておらず、問い合わせてきた購入者にも虚偽の説明をしていた。同社は昨年6月、耐震強度偽装事件を受けて実施した自主調査の結果、2000年6月以降に分譲した2階建て木造住宅のうち、外部の建築士に設計を委託した681棟の設計にミスがあったと公表した。同社は、この際、報道機関の取材に「全棟を調査した」と説明。電話などで問い合わせてきた681棟以外の購入者にも、「今までに当社から連絡がないのなら問題がないと考えてほしい」と話していた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070330-00000401-yom-soci


‥‥そんなワケで、今日は、文章のレイアウトの問題から「いかがお過ごしですか?」は抜きで行くけど、最初のほうは3月29日、あとのほうは30日のニュースで、イーホームズの藤田社長が命懸けで告発し続けて来たのに、政府も国交省もまるで取り合わなかった真実が、ようやく、少しずつ明らかになって来たようだ。藤田社長は、1年以上も前から、「少なくとも全国には200万棟を超える耐震偽装建築物が存在している」ってことを訴え続けて来た。これは、政府や国交省が、自分たちと通じてる本当の黒幕を守るために、姉歯元建築士やヒューザー、木村建設だけをスケープゴートにし始めた時点で、藤田社長が計算したものだ。藤田社長は、姉歯元建築士の関わっていない一般の物件のサンプリングから耐震偽装物件の割合を調べたところ、約15%に当たる物件の構造計算書に、改ざん、もしくは不整合が見つかったと発表した。

もちろん、この計算で出た数字を全国すべての建築物に当てはめるのは乱暴かもしれないけど、それでも、「もしも全国の建築物の15%が耐震偽装物件だとしたら」っていう仮説で考えた場合には、「全国に200万棟もの耐震偽装建築物が存在する」ってことになるのだ。それで、藤田社長は、そのことを訴え続けて来た。これは、損得だの何だのじゃなくて、国民の命を守るための命懸けの告発だった。だけど、藤田社長は、まるで口封じをされるがごとく、耐震偽装事件とは無関係の別件で逮捕され、通常なら在宅起訴が相当な微罪なのにも関わらず、長期間、身柄を拘束されて、その挙句、イーホームズは廃業させられた。

そう言えば、当時のコイズミ政権下で、自らを「偉大なるイエスマン」だって言ってハバカラなかった武部は、姉歯事件がオオヤケになった時に、姉歯の関わっていない他の物件も調べるべきだっていう多くの声に対して、たしか、「そんなことをしたら日本中が大変なことになる!」って言ってたよね。今から思えば、あれは、まるで世紀の預言者みたいな名セリフだったと思う。そして、その武部のセリフを裏付けるかのように、コイズミ内閣は、徹底調査どころか、これ以上問題が広がらないように、必死になって火消しに奔走して、末端の者だけをスケープゴートにして、被害住民のことよりも何よりも、「早期収束」のために動いたんだよね。

そして、去年の10月に判決を受けた藤田社長は、アパの耐震偽装をはじめとした、この国に蔓延してる耐震偽装問題と、その事実を知りながらインペイし続けてる国交省の罪を告発した。だけど、マスコミは、そんな藤田社長の命懸けの告発を完全にスルーした上に、まるで頭のおかしい人間がデタラメなことを叫んでいるかのように、藤田社長を笑い者にするような記事を書いた。そして、その後、あれほど「事実無根」だって言い張ってたアパの耐震偽装が発覚したら、今度は、政府が総出でのアパ擁護を展開し、塩崎官房長官に至っては、悪質極まりないアパを「立派だ」とホメタタエる始末。ここまでアカラサマだと、呆れるよりも笑いがこみ上げてきちゃうよ。

徹底的に潰されたヒューザーや姉歯とは正反対に、政府が総出で擁護し続けるアパや水落を見てると、まるで、ライブドアと日興コーディアル証券との「雲泥の差」を見てるような気がして来る。おんなじどころか、ヒューザーよりもアパ、姉歯よりも水落のほうが遥かに大掛かりで悪質なのは一目瞭然なのに、片や、すべての罪を着せられて社会から抹殺されたのに対して、誰かさんと太いパイプでつながってるほうのアパや水落は、この国の権力者たちが全員集合して擁護しちゃうんだから、開いた口からナントカ還元水が噴き出しちゃうよ、まったく。

‥‥そんなワケで、今回の調査は、全国の中層マンション約6000棟から、389棟を無作為に抽出して行なわれたものだけど、そのうちの1割以上にあたる40棟に耐震強度不足の疑いが見つかったってことは、藤田社長が訴え続けて来た「全国の物件の約15%に耐震偽装の可能性がある」って言葉も、確実に真実味を帯びて来たことだろう。そして、今回、発覚した耐震偽装マンションの中には、耐震強度が基準の半分、5割ほどしかないものまであったワケで、こんなもん、どう考えたって、「計算ミス」とは言えないだろう。最初から、契約者を騙す目的で、建築費を安く上げるために、悪意を持って構造計算書を偽装しなかったら、ここまで低い数字にはならないハズだ。

もちろん、中には、ホントに単純な計算ミスから、強度が足りなくなったマンションもあるかもしんない。でも、もしもそうだとしても、そういった構造計算書のミスを発見するために、多くの検査機関があるワケだ。389棟のうちの40棟に耐震強度不足の疑いが見つかったってことは、6000棟をすべて調べたら、約620棟のマンションが危険だってことになる。つまり、この中層マンションだけでも、約620棟もの物件のツジツマの合わない構造計算書が、各検査機関を素通りしたってことになる。イーホームズは、14件の見逃しで廃業させられたけど、それなら、これら約620件もの構造計算書の偽装を見逃した各検査機関に対しては、国交省はどんな処分をするんだろう。マサカ、何のオトガメもなしってことはないよね?

とにかく、今回の検査で分かったことは、悪質な建設会社は、ヒューザーやアパだけじゃなかったってことだ。ヒューザーやアパなんて、氷山のホンの一角だったってワケで、この結果を見れば分かるように、全国には、まだまだいくらでも悪質な建設会社が存在してたってワケだ。そして、検査機関に関しては、イーホームズだけを批判してたけど、他の検査機関だって、最低でも1割以上の物件の構造計算書の偽装を見逃してたってワケだ。もちろん、これは、中層マンションだけの話なんだから、中層マンションよりも倒壊の恐れが少ない低層マンションなら、もっと多くの物件が手抜きで建てられてるんじゃないかって、普通は想像するだろう。そして、マサカ、こんな立派なマンションはインチキをしてないだろうって思うような超高層マンションだって、立派なホテルまで耐震偽装してたアパの例を見たら、そうも思えなくなって来る。

さらには、絶対にアリエナイザーだと思ってた一戸建てでさえ、最初にニュースを紹介した「一(はじめ)建設」みたいな業者もいるんだから、マンションや一戸建てを買おうとしてる人たちは、もう何も信じられないと思う。だけど、これが、長年に渡って、建設業界をパトロンにしてる自民党の森派が、この国を牛耳って来た結果なんだし、そういった政治家や政党を支持して来たのは国民なんだから、誰も文句は言えないだろう。そして、国民の命に関わる何よりも大切な住居において、これほど悪質なインチキが蔓延してる元凶は、ヒューザーが潰されてもアパが擁護されてる事実や、ライブドアが上場廃止になっても日興コーディアル証券がオトガメ無しって事実を見れば、誰の目にも明らかだろう。そう、これこそが、政・官・財の癒着が生み出した結果だってワケだ。

‥‥そんなワケで、権力のある政治家に、たくさんのお金を渡してた企業は、どんなに悪どいことをしようが、さらには、それがバレでオオヤケになろうが、それでも、まるでカメムシ大臣やナメクジ大臣が擁護され続けてるように、権力者に守ってもらえる。だけど、政治家に渡してた金額が少なかったり、官僚とのパイプが細かったりすれば、何かあった時には、守ってもらえるどころか、ホントの黒幕を守るために、スケープゴートにされちゃったりする。結局、この国の政治なんてもんは、政権与党の政治家と癒着してる一部の人間たちだけのために行なわれてるワケで、バカを見るのは、いつでも一般の国民だけだと思う今日この頃なのだ。


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