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2007.05.15

大波乱だけど尻すぼみGP

1ヶ月のゴブサタでした~ってなワケで、今日は、もちろん、銀座のチーママ(大笑い)じゃなくて、F1担当のきっこがお届けしマッサ‥‥なんてことも、フォーメーションラップが始まる前から言ってみつつ、いよいよスタートしちゃった欧米ラウンドは、オーストラリアの開幕からこないだのバーレーンまでのアバウトなレースとは違って、タカアンドトシもダイエットコークを一気飲みしちゃうほどの洗練された展開が期待できることウケアイだ。なんたって、奥様は18才の岡崎友紀ってワケで、今回のスペインGPは情熱のフラメンコ、次のモナコはハラハラドキドキの市街地コース、その次のカナダはサリュージル!‥‥ってなワケで、F1ファンにとっては、練習試合が終わって、いよいよ本番が始まるって感じるのが、今回のスペインGPなのだぁ~!

で、アゴの空力のCD値が、どのドライバーよりも優れてた皇帝シューマッハ兄が、引責辞任‥‥じゃなくて、引退したのに、そのアトガマに座ったのがベテランのライコネンだったために、フェラーリの中じゃ先輩なのに、ナニゲにセカンドドライバーっぽい雰囲気になっちゃってたのがマッサだった。だけど、最初のとこで「お届けしマッサ」なんて書いてみたように、開幕っていうフタを開けてみたら、3戦連続のポール獲得ってワケで、「オレ様こそがフェラーリの顔だ!」って感じの大活躍をしてる。まあ、まるで官僚の天下りのごとく球団を渡り歩いて、仕事量の1万倍もの荒稼ぎをした晩年の落合博満みたく、どんなに打てなくても「オレ流」を貫いた怠け者とおんなじように、ライコネンも「オレ流」を貫いて連日飲みまくってるんだから、トレーナーの指示通りにトレーニングや体調管理をしてるマッサとおんなじマシンに乗ったら、そりゃあ、マッサのほうが前を走っちゃうよね。

だから、今回のスペインGPは、「3戦連続でポールを獲得したマッサが、そのまま優勝できるのか?」とか、「去年のスペインGPで優勝したアロンソが、フロントローからの好位置スタートで、今年も母国にニシキを飾れるのか?」とか、「3番グリッドからのライコネンが、チームメイトのマッサに実力を見せつけられるのか?」とか、「4番グリッドのハミルトンが、多めに燃料を積んでる利点を生かしてどこまで順位を上げられるのか?」とか、他にもいろいろとミドコロが満載な今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、あたしは、ドライバーだとバリチェロが一番好きなんだけど、どんなに優れたドライバーでも、明らかに能力の劣るマシンに乗ってたら、絶対に勝てるワケがない。特に、今年のホンダは、トヨタよりも劣ってるから、たとえ全盛期のセナやプロストがドライブしようとも、シューマッハ兄やアロンソがドライブしようとも、今のホンダのマシンじゃ絶対に表彰台は狙えない。もちろん、これは、ホンダの技術が低すぎるってだけじゃなくて、ニポン製のエンジンが驚異的な速さを見せるたびに、ニポン製のエンジンが勝てないように、マシンのレギュレーションを変更し続けて来たFIAのコソクなやり方も一因なんだから、頭ごなしにホンダを責めたくはない。

たとえば、1980年代のターボ車に対する数々のレギュレーションの変更は、ハッキリ言って、マクラーレン・ホンダに対する締め付けとしか思えない。ターボ搭載車だけ燃料タンクの大きさを縮小したり、2度に渡るターボの過給圧の制限、ターボのついてないNAエンジンの排気量アップ、そして、ターボ搭載車だけ最低重量アップなどなど、まるで、ホンダエンジンに対する山本リンダの狙い撃ちだ。そして、これほどまでに、毎年のようにホンダエンジンを締め付けるためのレギュレーション変更を続けて来たのに、それでも、マクラーレン・ホンダが、1988年に全16戦中15勝をあげたら、FIAは、ナナナナナント! 翌1989年、「ターボ禁止」っていう荒ワザを炸裂させちゃった!

庶民には手が届かない1本何万円もするような高級ブランデーやシャンパンはそのままで、庶民の楽しみだったビールの税率だけを大幅に引き上げた政府。そして、ビールの売り上げがガタッと落ちたため、各メーカーは、税率が低く、安く消費者に提供できる「発泡酒」を開発した。でも、その発泡酒が売れまくったら、今度は、その発泡酒の税率を大幅に引き上げた政府。そして、発泡酒の売り上げも下がったため、今度は、「第3のビール」を開発した各メーカーと、その「第3のビール」の税率も引き上げようとしてる政府。これとおんなじ図式なのが、1980年代のFIAと各チーム、特に、マクラーレン・ホンダとの戦いだった。

ボブ・マーリィの歌に、「ラットレース」ってのがあるんだけど、まるで今のアベ内閣みたく、国民をイイナリにするための悪法を次々と作り出して行く暴力的な政府と、知恵を使ってそれに対抗する庶民との「イタチごっこ」を歌ってる。つまり、英語圏だと「ネズミ」だけど、ニポンだと「イタチ」ってワケで‥‥って、そこじゃなくて、結局は、権力を持つ者の横暴に対しては、庶民は知恵で戦うしかないってワケで、FIAが次々とターボ車を締め付けるレギュレーションを作り出して来たのに対して、そのたびに新しい技術で対抗し、どんなに重いハンディキャップを科せられても、16戦中15勝して、最終的に「ターボ禁止」って言わせたホンダは、FIAとの戦いに全面勝利したってことになる。

‥‥そんなワケで、F1界の自民党と呼んでも過言じゃないFIAは、1991年に、ジャンマリー・バレストルからマックス・モズレーへと会長が変わって、現在へと続いてる。で、今までに何度も書いて来たけど、このモズレー会長ってのが、これまたアベシンゾーとおんなじで、自分の都合でどんどんレギュレーションを変えちゃう大バカなのだ。アベシンゾーが、自分と癒着してる企業やホニャララ団、カルト教団や右翼団体などを優遇するために、次々と国民を縛り付けるための悪法を強行採決してるけど、これとおんなじで、モズレー会長も、自分と癒着してるフェラーリチームが有利になるようにと、コソクなレギュレーションの変更を繰り返してる。

モズレー会長がレギュレーションを変更する時の大義名分は、「安全なレースのために」ってセリフで、排気量の縮小にしても、燃料タンクの形状変更にしても、空力システムの変更にしても、すべては「安全なレースのために」って旗のもとに行なわれて来たんだけど、これまたアベシンゾーとおんなじで、言ってることとやってることが正反対なのだ。アベシンゾーは、「戦後レジームからの脱却」とかノタマッて、A級戦犯の岸信介とおんなじことをやろうとしてる。「戦後レジームからの脱却」を謳うんなら、何よりも先に、まずは、「戦後レジーム」を作った張本人の岸信介を否定することこそがスタートなのに、これほどトンチンカンな大バカも珍しい。小池百合子にお願いして、辺野古のジュゴンよりも先に、アベシンゾーを「国内稀少野生動植物」に認定してもらいたいくらいだ。

で、モズレー会長も、「安全なレースのために」って印籠(いんろう)を掲げながら、「タイヤ交換の禁止」や「エンジンは2レースで1機」っていう、言ってることとやってることが正反対なレギュレーションを炸裂させて来た。これらは、すべて、フェラーリのように高性能なマシンを有するチームにとっては有利だけど、弱小チームにとっては命取りになる。そして、その結果、予選から決勝まで1セットのタイヤしか使えない各チームは、決勝で次々とタイヤがバーストして、レースはメチャクチャになった。エンジンも、白煙を上げてリタイヤするマシンが相次いだ。

そして、タイヤに関しては、あまりにも危険だってことで、今はタイヤ交換が復活したけど、その代わりに、予選でのノックアウト方式はそのまま継続してる。以前のタイムアタックであれば、どのチームのマシンにも平等にチャンスがあったけど、今の方式は、強いチームに有利になってる。だから、去年ならフェラーリとルノー、今年ならフェラーリとマクラーレンばかりが、スターティンググリッドの2列目までを独占してるってワケだ。これが、自分と癒着してる企業や団体を優遇するために、弱者を切り捨てる悪法を次々と強行採決してるアベ内閣と似たようなもんてワケで、シューマッハ兄が長いことチャンプの座にいられたのも、もちろん実力があったからこそだけど、それだけじゃなくて、常にフェラーリチームを優遇するモズレー会長のハカライがあったからだ。

‥‥そんなワケで、FIAとフェラーリチームとの癒着は、モズレーが会長になるずっと前から続いてた。F1に参加してるチームの唯一の収入源は、全世界に配信されるテレビ放映権料のうちの約半分なんだけど、これが各チームに平等に分配される。だけど、FIAと癒着してるフェラーリチームだけは、長年に渡って、この分配金の他に、特別なお金を受け取っているのだ。そして、このフェラーリだけの特別扱いは、公然の事実として他のチームもみんな知ってるから、他のチームとの不協和音の原因にもなってた。この辺のことについては、FIAと参加チームしか内容を知ることができないF1のコンコルド協定によって規定されてるから、あたしもあんまり詳しくは分かんないけど、今もゴチャゴチャともめてるみたいだ。

どっちにしても、FIAとフェラーリチームとの癒着は今も続いてるってワケで、今年からの新レギュレーションによって、去年までの「フェラーリVSルノー」の図式は、完全に「フェラーリVSマクラーレン」の図式になっちゃったけど、決して「ルノーVSマクラーレン」の図式にならないのは、常に、フェラーリに有利なレギュレーションが裁定されてることの証拠だろう‥‥って、ついつい、こんな話をダラダラと書いて来ちゃって、今、ハッと気づいたんだけど、今回のスペインGPのことをぜんぜん書いてない。で、話題をムリヤリに1コーナーでオーバーテイクしてみようとしたら、モズレー会長のバックアップを受けて強引マイウェイのマッサが、怒涛のライン取りで、母国に2度目のニシキを飾ろうとしてるアロンソを弾き出した!

アロンソは、何とか4番手あたりに戻ることができたけど、最初っから熱いレース展開だな~って思って観てたら、これが、大波乱の幕開けのゴングだったみたいだ。マッサのライン取りに怒りが爆発したアロンソは、次のコーナーでマッサのマシンを止めて、マッサをマシンから引きずり出して、殴る蹴るの大乱闘‥‥ってのは大ウソだけど、シューマッハとブルツが接触して、ブルツのフロントウイングをふっ飛んでリタイアしちゃったし、ウェバーもどっかのトラブルでリタイアしちゃったし、スタート時から調子の悪かったトゥルーリもリタイアしちゃったし、ライコネンもエンジンかギアかなんかのトラブルでリタイアしちゃったし、挙句の果てには、スピードの左リアタイヤが、ホームストレートエンドでバーストして、これまたリタイア。スピードのバーストは、リアを映してる車載カメラの映像も流して、タイヤがバーストしてふっ飛ぶ瞬間を見たんだけど、恐かった。で、まだ10周くらいしかしてないのに、アッと言う間に5台ものマシンがリタイアしちゃったワケで、こんなに荒れたスペインGPは観たことない。

そして、その後は、マッサのマシンが、給油後にこぼれたガソリンに引火して、燃えながら発進してみたり、ハイドフェルドのマシンが、まだタイヤのナットを締め終わってないのに発進してみたりと、コース上だけじゃなくて、ピットも荒れ始めた。結局、コース上もピットもハレホレ状態で、ぜんぶで8台ものマシンがリタイアしちゃったんだけど、特に、今回は、上位スタートのマシンが次々とリタイアしたもんだから、スーパーアグリのタクマが、タナボタで8位に入賞しちゃった。それで、フジテレビ持ちでスペイン旅行がしたかったのか、F1なんかぜんぜん興味もないダウンタウンの浜ちゃんが、後輩芸人をボコボコにぶん殴った時に出る、例の「うひゃひゃひゃひゃ~!」っていうバカ笑いをしながらピットを大行進して、初入賞に感激してる鈴木亜久里に、空気の読めない場違いな言葉を投げかけてるとこで放送は終わった。

‥‥そんなワケで、ぜんぜんミドコロがなくて、パッとしないレースだったけど、結果は、マッサが2連勝を果たして、アロンソの母国優勝を阻止した。だけど、アロンソも3位に入賞して、何とか表彰台に上ることができて、最低限のメンツは保つことができた。そして、2位はと言えば、全盛期のプロストのような沈着冷静なドライビングと判断で、波乱のレース展開をうまく回避したスーパールーキーのハミルトンだった。ハミルトンは、デビュー戦で3位入賞を果たして以来、2位、2位、2位と、優勝こそないものの、4戦連続で表彰台に上るという快挙を続けてて、ついにドライバーズポイントでトップに立った。で、次はいよいよ難しいモナコだから、ハミルトンのホントの実力が試されると思うけど、それ以外にも、いろんな意味でワクワクする材料がそろってるから、フジテレビはなるべくカットしないで、アホなタレントなんか使わないで、できるだけレース自体を放送して欲しいと思う今日この頃なのだ。


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