あたしの好き嫌い
皆さん、ご存知の通り、あたしは「好き嫌い」がハッキリしてるんだけど、それを言えるのは、この「きっこの日記」の中だけの話だ。ここは、あたしのストレス発散の場でもあるから、好きなものは好き! 嫌いなものは嫌い!ってハッキリと書いてるけど、実生活で、それも、お仕事の場でそんなことを言ったら、脱水が終わったあとのタオルみたく、アッと言う間に干されちゃう。だから、あたしは、どんなに嫌いな人とでも、普通に笑顔で話してるし、できる限り波風を立てないように生活してる。
ま、これは、あたしだけじゃなくて、ほとんどの人がそうしてると思うけど、ガマン強いほうだと思うあたしでも、あまりにも理不尽なことや、男の十八番である「自分の立場を悪用した性的関係の強要」をされた場合には、グツグツと煮えたぎるマグマが、プレートの弱い部分を突き破って、ドドーン!と噴火することがある‥‥って、伊藤孝先生直伝の地学的な表現を使ってみたけど、この「きっこ休火山」が噴火したのは、アシスタント時代から今までの14年間で、たったの一度だけだ。それは、今から8年くらい前に、あたしの業界では力があることで有名な、ある大きな事務所の社長から、あたしがノドから手が出るほど欲しかった仕事を回してくれる見返りとして、体を要求された時だ。
あたしは、その社長から呼び出された時、それまでコツコツと努力して来たことが認められたんだと思って、天にも昇る気持で、その事務所に向かった。それなのに、体の要求を断わったあたしに対して、その社長が言ったセリフは、「お前の代わりなんか掃いて捨てるほどいるんだぞ!」だった。そして、その場で、腕をつかまれて、ソファーに押し倒されそうになったあたしは、完全にブチ切れて、テーブルの上に出されてたコーヒーをその社長の顔にぶっかけて、相手がひるんだ隙に、その部屋を飛び出して、盗んだバイクで走り出す~行き先も~分からぬまま~暗い夜のトバリの中へ~えええ~~~誰にも襲われたくないと~逃げ込んだ~この夜に~仕事干された気がした~26の夜~ううう~~~って、別にバイクは盗んでないけど、あとは事実な今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、あたしは、今だから平気で書いてるけど、この時は、悔しくて悔しくて朝まで泣き続けた。夢にまで見てた憧れのお仕事の話だったから、少しでも良い印象を与えようと思って、一番大切にしてたシルクサテンのブラウスを着てったんだけど、お家に帰って来てから気づいたら、襲われた時に、ボタンが1つ取れてた。苦手なお裁縫で、泣きながらボタンをつけたことを思い出すと、今でもその時の悔しさと情けなさが蘇って来る。だけど、ホントの地獄は、それから始まった。当時のあたしは、独立したてで、アシスタント時代のコネやツテで何とか何本かのお仕事を回してもらってたんだけど、この社長が手を回して、あたしは、そのほとんどのお仕事を下ろされたのだ。
それから、1年近く、あたしは、メインのお仕事を干されて苦しんだ。同期のヘアメーク仲間からは、「きっこは怒らせちゃいけない相手を怒らせたんだよ」って言われた。だけど、それなら、ファッキンなエロオヤジに、黙って自分の体を差し出してたら良かったって言うの? この時のあたしの気持ちは、うまく説明できないけど、襲われたことに対する恐怖や怒りよりも、「自分の努力や技術が認められたんだ」って思ってたことが、そうじゃなかったって言う悲しさのほうが大きかった。だから、たとえ、背に腹は変えられないからって、他の一部のヘアメークみたく体を差し出して、お仕事を回してもらってたとしても、それは、自分の実力で手に入れたものじゃないから、そんなもん、嬉しくも何ともない。だから、今でも、あたしの行動は間違ってなかったって思ってる。
それに、この事件のオカゲで、あたしは、ブライダルのお仕事やメーカーの講師のお仕事など、生きてくために何でもやるようになって、今じゃそれがメインになりつつある。だから、人生は七転び八起きなのだ‥‥なんて、演歌みたいなことも言ってみつつ、ま、昔話は元シブがき隊の布川敏和に任せとくとして、話はクルリンパと戻るけど、あたしは、「好き嫌い」がハッキリしてる。だけど、その「ハッキリ」が、「白は好き!」「黒は嫌い!」っていう「ハッキリ」とは違うのだ。
たとえば、あたしは、「おそば」が好きで、「ラーメン」が嫌いだ。だから、両方を選べる状況だったら、絶対におそばを食べる。だけど、あたしの嫌いな「ラーメン」てのは、行列のできるラーメン屋さんとかの「ラーメン」のことで、田舎のおそば屋さんのメニューにあるラーメンとか、インスタントの「欽ちゃんラーメン」とかは、ワリと好きだ。もちろん、それでも、そこにおそばがあれば、絶対におそばのほうを食べるけど、とにかく、あたしは、行列のできるラーメン屋さんとか、ラーメン激戦区とか呼ばれてる地域にある人気のラーメン屋さんとか、そういうとこのラーメンが嫌いだ。
で、あたしは、何よりもおそばが好きで、たいていは「もりそば」を注文するけど、真冬でガタガタ震えるような日は、「きつねそば」を注文する。つまり、ニポンに冬がなければ、あたしは、1年中ずっと「もりそば」を注文するってワケで、「もりそば」こそが、一番美味しいおそばのスタイルだと思ってる。老舗の名店とかなら、「せいろ」って言ったりもするけど、基本的には、やっぱり「もりそば」だ。
それで、こんなにおそばが好きなあたしが、どうしても許せないものに、「ざるそば」がある。そう、「もりそば」に細く切った海苔が乗ってるだけなのに、100円も高くなる不条理な食べ物だ。あたしが、何で「もりそば」が好きなのかって言うと、それは、どんなおそばよりも、「そば」の香りを楽しめるからだ。それなのに、その「そば」の香りをダイナシティにしちゃう海苔なんかを乗せて、さらに値段が高くなるなんて、あんなもん注文する人って、アホなんじゃないかと思う。何よりも、おそばに海苔を乗せるなんて、粋じゃない。
おそばを美味しく食べるためには、「そばつゆ」「わさび」「ねぎ」だけでパーフェクト・ラブってワケで、これ以外には、ヨケイなものは何もいらない。そして、仕上げとして「そば湯」をいただけば、おそばのフルコースはつつがなく終了する。もちろん、小皿について来る「わさび」は、ホンの少しだけ残しておいて、残った「そばつゆ」に「そば湯」を注ぐ時に、その「わさび」を入れるのがポイントだ。
‥‥そんなワケで、あたしは、おそばが大好きなのに、その中でも一番好きな「もりそば」に、海苔が乗ってる「ざるそば」は嫌いだ。「ざるそば」なんかを食べるくらいなら、「鴨南蛮カレーそば」とかのゲテモノそばを食べたほうがマシだと思うくらい、「ざるそば」が嫌いだ。だから、あたしの冷蔵庫には、コンビニの「もりそば」に入ってる、細く切った海苔の小袋が、いっぱい溜まってる。ま、溜まった海苔は何かの時に使うからいいんだけど、それにしても、コンビニの「もりそば」って、ちゃんと「もりそば」って書いてあるのに、何で海苔なんか入れてるんだろう? 海苔なんか入れる余裕があるんなら、そのぶん、そば粉の割合を増やすとか、ねぎの量を多くするとか、もっとやるべきことがあると思うんだけど。
だけど、あたしは、「海苔」は大好きだ。つまり、「おそば」も「海苔」も大好きなのに、「ざるそば」は嫌いってワケで、これは、「おそうめん」や「ひやむぎ」は好きだし、「果物のカンヅメ」も好きなのに、おそうめんやひやむぎの中に、サクランボやミカンが入ってるのが許せないのとおんなじだ。生ハムもメロンも好きなのに、「生ハムを乗せたメロン」が許せないってのとおんなじだ。パイナップルは好きなのに、「酢豚」に入ってると許せないのとおんなじた。リンゴは好きだし、ハイヒール・リンゴさんのことも好きなのに、ポテトサラダの中にリンゴが入ってるのは許せないのとおんなじだ‥‥って、書き出すとキリがないんだけど、とにかく、1つ1つは好きなものでも、その組み合わせによっては、大っ嫌いになるってことだ。
これが、あたしの、好き嫌いはハッキリしてるのに、その「ハッキリ」が、「白は好き!」「黒は嫌い!」っていう「ハッキリ」とは違うのだ‥‥って部分なのだ。たとえば、あたしは、温泉やスーパー銭湯は大好きだけど、何よりも嫌いなのが、「水着着用」の温泉やスーパー銭湯だ。いつも狭いお風呂に入ってるからこそ、タマに広い温泉やスーパー銭湯に行った時くらい、手足を伸ばしてゆったりと楽しみたいのに、そこで「水着着用」って言われると、ガクッと来ちゃう。水着を着て温泉に入るくらいなら、近所の銭湯に行ったほうが遥かに楽しい。つまり、大好きなおそばや温泉だからこそ、1つでも気に入らないことがあると、ものすごく嫌いになっちゃうってことだ。
‥‥そんなワケで、イマイチ良く分かんないあたしの「好き嫌い」の基準なんだけど、さらに分かんなくしてるのが、「好きなおそばと好きな海苔を足すと嫌いになる」ってのの、もう一歩、先の世界だ。それは、おそばに海苔を乗せた「ざるそば」が嫌いなあたしにも、好きな「ざるそば」があるってことだ。それは、「とろろそば」だ。いつもは「もりそば」しか注文しないあたしだけど、夏場で、ものすごく体力が落ちてる時で、お金にちょっと余裕のある時には、「とろろそば」を注文することがある。そして、その「とろろそば」のおそばは、海苔が乗った「ざるそば」になってるけど、この場合は、海苔の乗ってない「もりそば」じゃダメなのだ。
「とろろそば」の美味しさは、「とろろ」と「そばつゆ」と「うずらの玉子」と「ねぎ」と「わさび」と、そして、「海苔」の生み出す複雑なハーモニーによるもので、この場合は、「海苔」も重要な役割を果たす。つまり、「おそば」と「海苔」だけの組み合わせはNGなあたしだけど、そこに「とろろ」っていう第三の刺客が現れると、まるでチャーリーズエンジェルの3人のように、あたしの「好き」のツボにハマるってワケだ。だから、「生ハムを乗せたメロン」が許せないあたしだけど、その上に、さらに「イカの塩辛」でも乗せてみたら、大好きになる可能性も‥‥あるワケない(笑)
‥‥そんなワケで、何よりも「美しい女性」が好きなあたしが、MAXの玲奈ちゃんや、児島玲子ちゃんや、春馬ゆかりちゃんを大好きなのは、その外見が美しいからだけじゃなくて、内面も美しいからだ。「美しい女性」が好きなあたしにとって、タレントさんやモデルさんたちは、美しい女性ばかりで、誰を見てもドキドキしちゃう。だけど、そのほとんどが、「私が!」「私が!」の自己顕示欲のカタマリだし、アイドルの乱れ具合はメチャクチャだ。ハロプロのアイドルを見れば一目瞭然のように、未成年でも、タバコ、お酒、セックスに溺れてるし、テレビカメラの回ってないとこでは、自分のファンのことを平気で「キモイ!」と言い放ち、ファンからのお手紙やプレゼントはゴミ箱に投げ捨ててる。こんなのがゾロゾロといる芸能界で、テレビカメラが回ってないとこでも、誰にでもやさしくて明るいMAXの玲奈ちゃんや、児島玲子ちゃんや、春馬ゆかりちゃんは、奇跡のような存在だ。だからこそ、あたしの「好き!」のツボの内角高めにドスン!とハマってるワケで、これからも、あたしは、大好きな人たちを応援して行こうと思う今日この頃なのだ。
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