七夕の負け犬
今日は七夕だったけど、東京は曇りで星なんか1つも見えないから、あたしは、1人でお酒を飲むことにした。それで、マンションの1階の奥さんから、放し飼いの健康鶏のモモ肉とタマゴをいただいてたから、ゴボウとコンニャクを買って来て、「ゴボウとコンニャクと鶏肉の煮物」って、あまりにもダイレクトなネーミングだど、久しぶりに煮物を作った。ゴボウは、乱切りにしてお水でアク抜きしておいて、コンニャクは味がしみるようにスプーンを使ってちぎって、モモ肉もゴボウやコンニャクにおんなじくらいの大きさに切った。それで、お醤油と、お砂糖も少し入れて、タカノツメをパラパラと入れて、あとは落としブタをしてコトコトと煮込んだだけだ。でも、出来上がってからしばらく放置して、冷めたらまた火を入れてから放置して‥‥ってのを何度か繰り返したら、すごく美味しくできた。
あとは、この前、俳句仲間が送ってくれた新タマネギで、ずっと食べたかったオニオンスライスを作った。普通のオニオンスライスは、辛味をとるためにお水に晒したりするけど、あたしはその辛味が好きだから、お水には晒さない。新タマネギをタップリとスライスしたら、深めの器に入れて、その上にオカカを山盛りにかけて、その真ん中にタマゴの黄身を落とす。これで、食べる時にお醤油をかけて、タマゴの黄身やオカカをぜんぶマゼマゼすれば、サイコーに美味しいってワケだ。
それで、あたしは、七夕っぽくオシャレにするために、焼酎はやめて赤ワインを飲むことにした。赤ワインって言っても、いつもの業務用の赤ワインだし、ワイングラスじゃなくて、普通の大きなコップにドバドバッと入れただけだけど、それでも、飲み物に色がついてるのは、ナニゲにゴージャスな感じがする。そして、さらに七夕っぽくオシャレにするために、いただきもののスモークチーズを切って、最後に、ブルーのシルクのドレスに着替えた。ドレスっても、生地が涼しいから、もともと夏場の部屋着として利用してるもので、見た感じは叶姉妹みたいだから、これで外を歩いたりはできない恭子の頃‥‥じゃなくて、今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、あたしは、お肉を食べるのもタマゴを食べるのもチョー久しぶりなので、美味しいことは美味しかったんだけど、それよりも、食べてる最中から、ヤタラと精力がつくのを感じたっていうか、なんだか野蛮な気持ちになって来た。やっぱり、ふだんからお肉を食べてると気づかないけど、1ヶ月も2ヶ月もお肉を食べないでいると、たとえ鶏肉でも、久しぶりに食べると、全身にワイルドな血が流れ始めるのを実感する。それで、こんなこと書くのもアレなんだけど、酔うにしたがって、だんだん人肌が恋しくなって来た‥‥っていうか、恋人とイチャイチャしたりとか、なんかラブリーなことをしたくなって来た。
しばらく前に、パチンコの「かっぱ伝説」を打った時に、スーパーリーチがさらにスーパーに発展して、「かっぱボール」っていうボーリング場でボーリングをするのになった。ボールを投げて、ウサギのオマルみたいなのにまたがってる将軍みたいなのを倒せば大当たりなんだけど、その時、あたしは、すぐに「ときめきメモリアル3」の神条芹華のことを思い出した。何でかっていうと、芹華はボーリングが大好きで、いつもはクールな芹華だけど、ボーリング場にデートにさそって、ワザと負けてあげると、すごく嬉しそうな顔をして喜ぶからだ。それで、芹華にゾッコンだったあたしは、芹華の笑顔が見たくて、何度もボーリング場にさそった。
そんなこともあって、酔ったあたしは、芹華に会いたくて会いたくてジンジャエールになっちゃって、気がついた時には、プレステ2に「ときめきメモリアル3」のソフトをセットして、ゲームをスタートさせてた。それで、あたしは、この時点で、すでに赤ワインを1リットルくらい飲んでて、ソートー酔ってたんだけど、久しぶりの肉食の影響なのか、血のような色の赤ワインを飲んだからなのか、とにかく人肌が恋しくて、その代償行為として、ゲームの中の恋人に会おうと思ってた。
‥‥そんなワケで、このゲームをやったことのある人なら知ってると思うけど、このゲームは、スタートさせると、最初のイントロの部分で、伝説のナントカ坂ってとこで、登場する何人かの女の子のうちの誰が1人とバッタリ会うことになってる。もちろん、別にその子を攻略する必要はなくて、単なる顔見せみたいなもんなんだけど、この時のあたしは、酔ってる上にモンモンとしてたから、コントローラーを握りしめながら、心の中で、「せりかぁ~~~せりかぁ~~~」って思ってた。
そしたら、ナナナナナント! 伝説のナントカ坂に現れた女の子の後姿は、間違いなく芹華の後姿で、クルッとこっちを振り向いて、何か言いたそうな目で、あたしのことを見つめてくれた! あたしは、その瞬間、言葉にできないような感動が全身を駆け巡っちゃって、胸がキュ~~~ン!としちゃって、映画「マスク」のCGみたく、心臓がハート型になってビヨーン!ビヨーン!ビヨーン!って飛び出しちゃった。それで、とにかくあたしは、少しでも早く芹華とラブラブになって、ボーリングに行ったり海や山に行ったり、イヌネコランドに行ったりしたかったから、赤ワインをガブガブ飲みながら、ゲームをサクサクと進めたんだけど、気持ちがアセリすぎてたのか、基本的なことを忘れてて、デートに誘っても「ちょっとその日は用事があるんだ」って言われて断られ続けた。
それで、やっと思い出したんだけど、芹華は、学校にいる魔物を退治する魔物ハンターで、日曜日は学校で魔物と戦ってることが多いから、デートに誘うんなら、日曜日よりも土曜日のほうがOKしてくれる確率が高かったのだ。だから、このことを思い出したあたしは、すぐに電話して、土曜日にデートに誘ったら、「うん、いいよ」って言ってもらえて、天にも昇るほど嬉しかった。好きな相手と最初のデートの約束をした時のこの感覚、そして、そのデートの日が来るまでのワクワク感、これって、ものすごく懐かしい感覚だ。ホントに、高校の時を思い出す。
このゲームの場合は、あたしは男の子になって、女の子を攻略するワケだから、「どこに誘うか」ってことを始めとして、会話の内容とかも、こっちが主導減を持ちつつも、相手に気に入られるように、相手の気分を害さないようにって、常に相手のゴキゲンを伺ってなくちゃなんなくて、ものすごくストレスが溜まる。でも、それは、好きでもない女を相手にしてる時だけで、相手が大好きな芹華なら、あたしはどこまでもヒクツになれる。どんなに自分の行きたくない場所でも、芹華が喜んでくれるならそこに行く。どんなに理不尽な注文を出されても、芹華の笑顔を見るためなら努力する。だって、あたしは、芹華のことが大好きだからだ。それに、ベロベロに酔ってるし(笑)
‥‥そんなワケで、このゲームには、甘えん坊でメンドクサイ「牧原ゆきこ」、変な関西弁を使うやかましい「相沢ちとせ」、アラレちゃんみたいで死ぬほどウザイ「河合りさ」、ヤタラとタカビシャで絶対にアリエナイザーな「御田まり」、河合りさの次にウザイ「渡井かずみ」ってのが出て来て、あたしは、どいつも死ぬほど大っ嫌いだ。そして、あたしが許せるのは、芹華のお友達で合気道をやってる「橘えみ」だけだ。だから、あたしは、最初にこのゲームをやった時には、何も分からずにスタートしたから、仕方なく「牧原ゆきこ」を攻略しちゃったけど、その他には、芹華を2回と「橘えみ」を1回しかやってない。
橘えみの時は、あたしが階段から落ちて足の靭帯を損傷して動けないからゲームをしたのに、この女も階段から落ちて足の靭帯を損傷して入院するっていう、あまりにもワンダホーな展開にダッフンしちゃったけど、水着になったらダイナマイトバディーだし、実際に肉体関係も含めてお付き合いするんなら、胸がペタンコの芹華よりも、橘えみのほうが、今のあたしのモンモンとした気持ちは解消されるような気がする。でも、そういった方面のことは置いといて、とにかく、あたしの精神状態は、「愛に飢えて荒野を彷徨うハイエナ」みたいな感じだったから、何よりも芹華をデートに誘って、芹華に楽しんでもらって、芹華の笑顔を見たかった。あたしは、自分が楽しませてもらって満足するタイプじゃなくて、相手の楽しんでる姿を見て満足するタイプだからだ。
で、2回、デートに断られたあと、ハッと気づいたあたしは、日曜日じゃなくて土曜日にデートに誘ってみたら、簡単にOKしてもらえて、すごく嬉しかった。そして、デートの日までは、学校に行っても授業をサボッてお昼寝ばかりして、体力を溜めてた。自宅では、コーヒーが好きな芹華に、いつかプレゼントするために、園芸セットを買って、コーヒーの木の栽培を始めた。コーヒーの木の栽培をすれば、自家製のコーヒーが手に入るだけじゃなくて、コーヒーに関する話題も身につくから、デートの時に芹華を退屈させない会話ができるようになる。
それで、デートの当日、あたしは、ものすごくワクワクドキドキしながら待ち合わせの場所に行ったら、ちょっと遅れて来た芹華は、あたしを見るなり、「あ~あ‥‥」みたいな顔をしてから、「何だい?そのカッコ‥‥まあいいけどね‥‥」ってノタマッた。あたしは、数少ないお洋服の中から、「カジュアルシャツ」「綿パンツ」「スニーカー」っていう普通の組み合わせで行ったのに、お気に召さなかったみたいだ。あたしは、ものすごく悲しくなった。楽しみにしてたデートの最初のヒトコトが、着てるものに対するダメ出しだなんて、あまりにもひどすぎる。
ハッキリ言うけど、このゲームの「服装による相手の反応」って、絶対に設定がおかしい。たとえば、冬山にスキーに行くのに、「セーターとデニムパンツ」や「皮ジャンとデニムパンツ」だと文句を言われるのに、「背広に革靴」で行くと気に入ってもらえる。真夏に海に泳ぎに行くのに、「Tシャツと短パン」で行くと文句を言われるのに、「黒シャツと黒パンツと革靴」で行くと気に入ってもらえる。こんなのメチャクチャだ。
‥‥そんなワケで、結論から言うと、あたしは、2回ほど芹華をデートに誘って、2回とも服装にダメ出しをされたとこで、ゲームをやめた。すでに赤ワインを1.5リットルくらい飲んでて、もう、ちゃんと考えながらゲームができる状態じゃなかったし、2回も続けてダメ出しをされたことで、プチ・ハートブレイクしちゃって、気持ちが凹んじゃったからだ。それで、あたしは、ベロベロに酔ってて、モーローとしてる意識の中で、必死にゲームをセーブしたとこまでは覚えてるんだけど、次にハッと気づいた時には、ソファーの下の床で寝てて、シルクのドレスは胸のとこまでまくり上がってて、パンツ丸出しだった。美味しいお料理を作って、オシャレにスタートした七夕の夜のハズだったのに、結局は、ゲームの中の女の子に冷たくされて、やんなっちゃって、パンツ丸出しでフテ寝しちゃうなんて、あたしは、久しぶりに「あたしって負け犬だな‥‥」なんて再確認しちゃった今日この頃なのだ(笑)
★ 今日も最後まで読んでくれてありがとう♪
★ よかったら応援のクリックもよろしくお願いします!
↓ ↓
人気blogランキング
| 固定リンク