恐怖の柏崎刈羽原発
今回の中越沖地震で、亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された方々のお見舞いを申し上げます。
7月16日、午前10時13分、新潟県を中心に起こった震度6を超える大地震によって、9人の死亡者と886人の重軽傷者が確認された他、約12000人もの住民が避難している。でも、これは、この日記を書いている16日深夜の時点での数字なので、今後、まだ増える恐れもある。そして、何よりも恐ろしいのが、アベ内閣と東京電力とがインペイし続けている柏崎刈羽原発の放射能による二次被害、三次被害だ。
今回の地震が発生してすぐに、「放射能はまったく漏れていないので安全だ」って発表した東京電力は、しばらくすると「冷却水は漏れたが放射能は検出されていないので安全だ」って言い換え、その次には「漏れた冷却水から微量の放射能が検出されたが人体や環境に影響はない」って言い換えて来た。まるで、最初は「消費税を引き上げる」って断言してたのに、世論の顔色を見ながら毎日のように発言をコロコロと変化させて、いつの間にか正反対のことを言い出しちゃったアベシンゾーとソックリだ。
そんなアベシンゾーは、たまたま今回の地震が選挙期間中だったから、その日のうちに現地へと駆けつけたけど、今年の3月の能登半島地震の時には、地震発生から19日も経ってからノンキに観光気分で現地視察したワケだから、この、自称「最高責任者」のオツムの中には、支持率のことと選挙の票のことしかないことは一目瞭然だ。それにしても、12年前の阪神淡路大震災での教訓が、3年前の新潟県中越地震にまったく生かされず、その新潟県中越地震での教訓が、今回の中越沖地震にまったく生かされていない「常に後手後手の政府の対応」を見ると、自民党とナンミョー党が国民の命など何とも思っていないことが良く分かる。
‥‥そんなワケで、今回は「いかがお過ごしですか?」は割愛してくけど、放射能を含んだ排水が大量に流れ出したことを認めた東京電力は、その後、放射能廃棄物入りのドラム缶が約100本も倒れて、そのうち数個のフタが開いていたことを認めた。そして、さらには、7号機の排気筒から放射能を検出したことも認めた。だけど、これらすべてにおいて、東京電力の担当者は、口をそろえて、「極めて微量なので人体に影響はありません」と繰り返している。
ちなみに、この柏崎刈羽原発ってのは、地球上で最大の原発であり、1号機から7号機までの総出力は820万キロワットを超える。これは、1986年の事故で歴史的大惨事を引き起こしたチェルノブイリの原発4号機の8倍以上なのだ。だから、もしもチェルノブイリと同様の事故が起こったとしたら、このニポンがすべて廃墟になるだけじゃなく、韓国、中国、ロシアを始めとした周辺国にも大被害を及ぼすことは簡単に想像できる。だって、チェルノブイリの事故の時に、3000km以上も離れたニポンにまで放射能が飛んで来たんだから、その8倍以上の規模の事故が起これば、この国が滅びるのは当然として、飛び散った放射能は全世界に拡散し、何万年も消えることはない。
そんな柏崎刈羽原発だけど、今回の地震による火災は、2時間以上も燃え続けてた。原発で火災が発生した場合には、通常は最長でも30分以内には鎮火して、速やかに放射能漏れなどの調査に取り掛かるのが国際的な常識なのに、2時間以上も鎮火できなかっただなんて、いったい何があったのか。もしも鎮火する前に大きな余震があったら、どうなっていたのか。そう思った人も多いと思う。
で、あまりにも恐ろしいことが分かったんだけど、この火事の消火に当たったのは、たったの4人だったのだ。それも、この原発内には消火設備がなくて、外部から来てもらって消火活動にあたっていたため、さらに時間が掛かったのだ。地球上で最大の原発に消火設備がなかったっていう事実にも呆れ返るけど、地球上で最大の原発が火災を起こしたのに、そこに消火に来た人間がたったの4人だったってことにも呆れ返った。
そして、危機管理対策には消極的なのに、いったん事故が起こると、お決まりのインペイ工作には積極的だ。今回も、周辺住民や国民に報告する前に、何よりも先に政府に報告して、政府と綿密な打ち合わせや口裏合わせをしながら、情報を小出しにしてる。それが、アベシンゾーのお得意の「バレそうになったぶんだけを認める」って方式の情報公開だ。年金問題でも、野党から追及されると、まずはゴマカシたりイイワケしたりして逃げ回り、証拠を突きつけられて逃げられなくなると、その部分だけを仕方なく認める‥‥ってことの繰り返しだった。そして、今回の放射能漏れに関する情報も、同様に、政府の都合によってデータが改ざんされてる。
たとえば、東京電力が「排水から放射能を検出した」って発表したのは16日の「20時10分」だけど、インペイされる前のデータには、その2時間も前の「18時10分」には、放射能の反応が出てたのだ。でも、その後、そのデータは削除されて、「調整中につき表示できません」という表示に変わり、今じゃ見ることはできない。つまり、東京電力の担当者は、少なくとも16日の18時10分には放射能漏れを知ってたってワケで、そこで何をしたのかって言うと、そのデータを消して、政府に連絡をして、「公表すべきかどうか」の指示をあおいだってワケだ。
そして、その後の東京電力の動きを見れば、この時点で政府から、「放射能は漏れたが極めて微量だから人体にも環境にもまったく影響はない、と言え」って指示されたことは一目瞭然だ。これが、実際に放射能を確認した「18時10分」から、東京電力が放射能を確認した時間としてウソの公表をした「20時10分」までの「空白の2時間」に行なわれた、政府による情報改ざん工作だ。
東京電力側は、放射能漏れを確認したのは「20時10分」だって言ってるけど、アベシンゾーの操り人形の塩崎官房長官は、「東京電力が放射能漏れを確認したのは20時28分だったのに、首相に連絡が入ったのは22時ころだった」って、さらに大ウソをつき、アベシンゾーの対応が遅れた理由を「東京電力からの報告が遅かったからだ」って言いつくろった。だけど、すでに東京電力側が「20時10分」だって発表してるものをあとから「20時28分」に改ざんしたバレバレの捏造もさることながら、「首相に連絡が入ったのは22時ころ」ってのには呆れ返る。「22時ころ」どころか、「18時10分」の時点で政府には真っ先に報告されてて、東京電力側の発表が遅れたのは、政府からの指示を待ってたからだってのに、盗っ人たけだけしいとはこのことだ。
さらには、ニポンのマスコミが報道した写真や映像にも大きな疑惑がある。ニポンの新聞やテレビでは、どこも「黒煙の上がる施設」の写真や映像しか報道しなかったから、当初の東京電力の「放射能漏れはない」って言葉をフォローする形にもなってた。だけど、ニポンにいる海外メディアの特派員たちがそれぞれの国へ送った写真は、ニポン国内で報道されたものとは大きく違ってた。世界に配信された多くの写真には、黒煙を上げる施設の後ろから、大量の水蒸気のようなものが空へと噴射されている様子がハッキリと映っていたのだ。それどころか、原子炉のわずか数十メートルところまで、アスファルトの地面が大きく隆起して波打っている様子など、あまりにも危険な状態だってことが良く分かる写真ばかりだった。
大量に噴射する水蒸気や、大きく隆起した施設内の地面など、ニポンのマスコミは、どうしてそういった部分を報道しないのだろうか。本来なら、どこよりも写したい部分、どこよりも報道したい部分だと思うんだけど、オチョボグチの誰かさんから報道規制でも敷かれてるかのように、どの新聞も、どのテレビも、まるで口裏を合わせたかのように「黒煙の上がる施設」の写真や映像しか報道しなかった。そして、CNNを始め、海外の各メディアが報道した写真の数々を見ると、その、あまりの違いに驚く。この事実を見ても、この国の政府が、国民のことなんか二の次で、自分たちのことしか考えてないことが良く分かるだろう。
表向きは、アベシンゾーが甘利経済産業大臣に命令して、東京電力の勝俣社長に厳しく指導するっていう茶番劇を演じて、国民には「シッカリとリーダーシップを発揮してる」っていうアピールをしたワケだけど、実際には、その東京電力の勝俣社長と事前に打ち合わせをして、マスコミ各社にも報道規制をして、危険極まりない放射能汚染の事実をインペイしてるってワケだ。ちなみに、甘利経済産業大臣と言えば、ついに堪忍袋の緒が切れちゃったオヤジさんにボコボコに殴られて顔が変形しちゃった赤城農水大臣とおんなじで、4000万円にも上る事務所費問題が発覚しちゃったんだから、自分の不正もインペイしなきゃなんないし、アベシンゾーのために柏崎刈羽原発の放射能汚染問題もインペイしなきゃなんないし、もう大忙しだ。
‥‥そんなワケで、柏崎刈羽原発が危険だってことは、何年も前から多くの専門家たちが指摘して来たことで、今回の事故は、十分に予想されてたことだ。柏崎刈羽原発の1号機の工事が着工されたのは1978年、2号機は1983年、3号機は1987年、4号機は1988年、5号機は1983年、6号機は1991年、7号機は1992年なんだけど、その後、1995年に阪神淡路大震災が起こり、2000年に鳥取県西部地震が起こった。で、この2つの大地震によって、それまでの「耐震設計審査指針」じゃ現実の地震には対応できないってことで、指針の改定論議がスタートしたんだけど、この国の政府は、国民のことなんて何も考えてないから、ダラダラと何年間も論議を続けてる間に、2004年には新潟県中越地震が起こり、2005年には宮城県沖地震が起こり、ようやく新しい「耐震設計審査指針」が作られたのは、去年、2006年になってからなのだ。
阪神淡路大震災で、あれほどの大被害を出て、「耐震設計審査指針」を見直そうってことになったのに、それが実現したのは、震災から11年もあとなのだ。そして、その間には、いくつもの大地震が起こり、多くの国民の命が奪われた。これが、この国の政府のやり方なのだ。そして、今回、放射能漏れの事故を起こした柏崎刈羽原発は、1号機から7号機までのすべての原子炉が、現在の「耐震設計審査指針」に適合していないばかりか、1号機に関しては、昔の「耐震設計審査指針」にすら適合していないのだ。
それどころか、柏崎刈羽原発の計画が練られた何十年も前には「安全な土地」って思われてた現地だけど、地質調査技術などが進歩した現在では、数々のプレートが組み合わさってる地震多発のチョー危険地域だってことが分かったのだ。つまり、もしも今、新しい原発を作る計画があったとしたら、柏崎刈羽原発のある場所は、「絶対に原発なんか建設しちゃいけない極めて危険な地域」ってことになる。
ようするに、絶対に原発なんか建設しちゃいけない極めて危険な地震多発地域に、今の安全基準や耐震基準にまったく適合してないオンボロの原子炉が7つも林立してるってのが、この地球上で最大の原子力発電所である「柏崎刈羽原発」ってワケなのだ。そして、そこには、消火設備もなく、今回みたいに火事になった場合には、普通の火事が起こった時とおんなじに、119番に電話して消防車を呼ぶしかないなんて、デタラメもここまで行ったらノーベル賞モノだろう。
‥‥そんなワケで、4月19日の日記、「六ヶ所村ラプソディー」に書いたけど、青森県の六ヶ所村のプルトニウム生産工場では、11年も前に「耐震設計に計算ミスがあった」ってことに気づいていながら、それをずっとインペイし続けてたってことが、今年になって発覚した。使用済み核燃料を収める高さ12mの金属容器の切断装置をはじめ、施設内の複数の建造物が、震度5程度の地震で倒壊する恐れがあるのだ。これは、1993年に耐震計算を行った時に、数字を誤入力したことが原因なんだけど、何よりも恐ろしいのは、担当者がこの計算ミスに気づいたのが3年後の1996年だってことだ。
耐震計算を行なってから3年後の1996年てのは、この切断装置をはじめ、施設内の複数の設備が設置された年なのだ。つまり、この担当者は、実際に装置や設備が設置される時になって、3年前の耐震設計に計算ミスがあったってことに気づいたのだ。だから、気づいた担当者が、すぐにその事実を報告して、計算をすべてやり直して、正しく設置していれば、何も問題はなかったのだ。だけど、この担当者は、この時点で、3年前の計算ミスを発見した。つまり、このデータのまま装置の設置工事をすると、耐震強度が不足して、震度5程度の地震でも倒壊する恐れがあるってことを知っていた。だけど、その事実を報告して再計算するどころか、発見した計算ミスをインペイして、強度不足のデータのまま設置工事をして、以来、11年間も、その事実をインペイし続けて来たってワケだ。
六ヶ所村のプルトニウム生産工場では、現在までの試験運転だけで、すでに、長崎に落とされた原爆の500発ぶんにも相当する約5トンものプルトニウムが作られてる。そして、今年の11月からの本格稼動が始まれば、年間に原爆1000発ぶんのプルトニウムを生産し続けることになる。現時点でも、周り中に放射能を撒き散らしていて、広範囲に渡って海や土壌が汚染され始めてるけど、こんなデタラメなもんが本格稼動したら、この国どころか、この地球が完全に滅亡しちゃう。
‥‥そんなワケで、原発の問題で何よりも怖いのが、この、国によるインペイ工作だ。事実をキチンと情報公開して、常に最善の対応をするのが当たり前なのに、核兵器を作りたくてウズウズしてるアベシンゾーが、官房長官時代から売国奴の二階俊博と組んで強引に推し進めて来た「核燃料サイクル協議会」、別名、「メイド・イン・ニポンの原爆を作る戦争マニアの会」は、何よりも国民に真実を知られることを嫌う。だから、この六ヶ所村のインペイ工作にしても、今年の3月11日に起こった「ウラン・プルトニウム混合溶液の二重装荷事故」にしても、今回の柏崎刈羽原発の放射能漏れ事故にしても、何か問題が起こったり発覚したりするたびに、すべては、「事実のインペイ」に始まり、「データの捏造」へと流れ、その捏造したデータを発表して国民を騙し続けて来た。
そして、これら一連のインペイ工作は、電力会社側が勝手にやってるワケじゃなくて、政府と綿密に連絡を取りながら、政府の指示によって行われてるのだ。さらに言えば、電力会社側の技術者が計算ミスや事故に気づいても、それを独断で発表することはできない。まずは政府に報告して、政府の許可が出ないと、国民に向けては発表できないのだ。つまり、今回の東京電力によるコロコロと変わる放射能漏れの報告にしても、すべては「政府のフィルター」を通った情報であり、すべては「アベシンゾーの都合」によって改ざんされてる大ウソの情報なのだ。
ニポンのマスコミは、口裏を合わせたかのようにダンマリを決め込んでるけど、海外メディアで報道された何点かの写真を見ると、黒煙の上がる火災現場の背後で、ものすごい量の水蒸気を噴射してる施設が見える。そして、これらの写真がネットに流れて騒ぎになったら、まるで、その騒ぎを火消しするかのように、東京電力は、それまでは「何ともない」って言ってた「7号機の排気筒」から、放射能を検出したことを認めた。そして、排水やドラム缶と同じく、「放射能は極めて微量なので人体にも環境にもまったく影響はない」って大ウソをついた。あんなに大量の水蒸気が噴き出してるのに、「放射能は極めて微量」って、あまりにもムリがありすぎるよ‥‥。
あのさあ、現在の「耐震設計審査指針」にぜんぜん適合してない何十年も前のポンコツ原子炉を危険極まりない地震多発地域の真ん中におっ建てて、何の補強も対応もしないで稼動し続けて来て、その上、最低限の防災対策すらして来なかったんだよ。つまり、今回の事故は、天災じゃなくて人災なんだよ。そして、そのインペイは、政府と電力会社がグルになって行なわれてるのに、表向きは、政府が電力会社を指導してるような茶番劇を演じて、国民を騙し続けてる。
‥‥そんなワケで、あたしとしては、何よりも心配なのが、柏崎で避難生活をしてる人たちの健康被害だ。大量の放射能が大気中に撒き散らされたのに、政府によるインペイ工作と捏造情報によって、危険な現地にとどまり続けなきゃなんないなんて、ホントに気の毒だ。この国の政府が、少しでも国民のことを考えてる政府だったら、一刻も早く被災者たちを安全な地域に移動させるだろう。だけど、ご存知の通り、この国の現在の政府は、身内の不祥事は政府グルミで擁護するけど、国民の命なんか虫ケラほどにも思ってないアベ内閣なんだから、そんなことは期待できない。危機管理能力がゼロってだけじゃなくて、年金問題から原発問題に至るまで、自分に都合の悪いことはカタッパシからインペイしてばかりのアベシンゾーなんかに、この国をオモチャにさせてる以上、こうなることは分かってたことだ。だから、あたしたち国民は、自分の命は自分で守るしかないワケだし、その最後のチャンスが今回の選挙なんだから、このまま世間知らずのオボッチャマのワガママに付き合わされて殺されたくない人は、どんなことがあっても、絶対に投票に行って欲しいと思う今日この頃なのだ。
【参考資料】
「柏崎刈羽原発の地震地盤論争と新指針」(原子力情報資料室)
http://cnic.jp/modules/news/article.php?storyid=445
「地震学からみた日本の原子力発電所の耐震安全性」(PDF資料)
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/seminar/No95/ishibashi031212.pdf
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