猫400号の涙
62年も前に落とされた原爆の被害は、今でも続いてて、多くの人たちが苦しみ続けてる。それなのに、絶対に許されないこんな大量虐殺行為を詭弁で正当化し続ける加害国のアメリカと、そんなアメリカに文句のひとつも言えないばかりか、逆にヘラヘラとゴマスリに行っちゃう小池百合子のような売国奴が防衛大臣をやってるんだから、今のニポンの政府は完全に腐りきってるとしか言いようがない。だけど、百万歩譲って考えれば、アメリカによる原爆投下は、いくら人を殺してもかまわない「戦争」という狂気の中での行為であり、敵国を攻撃するのは当たり前であり、ニポンだってたくさんのアメリカ人を殺してる。だから、アメリカによる原爆投下は、絶対に許されない行為ではあっても、「戦争中に行なった敵国への攻撃」っていう背景を考えれば、その部分でのスジだけは通ってる。
でも、戦争中でもなくて、敵国を攻撃したんでもなくて、ニポン人がニポン人を大量虐殺して、それが何十年も経った今でも、数え切れないほどの人たちが苦しみ続けてるってのは、スジすら通っていないと思う。それが、水俣病だ。水俣病は、世界最大の公害病って呼ばれてるけど、1950年代に発生して、原爆と同じくすでに60年近くが経過してるのに、未だに解決されず、数多くの被害者が苦しみ続けてる。そして、妊娠中の胎児にも母親の体内の水銀が影響するから、原爆の被爆者と同じように、2世、3世の被害者がいる。
水俣病は、熊本県水俣市で起こった最初の水俣病だけじゃなくて、1960年代に新潟県で起こった第二水俣病がある。これは、政府が、最初の水俣病の加害企業である「チッソ」を守るために、チッソ水俣工場と同様の排液を川へと垂れ流し続けてた新潟県の「昭和電工」の鹿瀬工場の操業をやめさせなかったために起こった二次災害のようなもんだ。そして、この国の売国奴政府は、未だに、水俣病で苦しみ続けてる数多くの被害者たちの申請を受け入れずに、水俣病の認定を拒み続けてる。何でかっていうと、水俣病に認定したら、いろいろと保障しなくちゃなんないからだ。
‥‥そんなワケで、今日は「いかがお過ごしですか?」はカットしてくけど、水俣病と比べたら規模は小さいけど、それでも、何の罪もない多くの人たちが殺されて、未だに苦しみ続けてる被害者がいる公害病に、岐阜県で起こったイタイイタイ病がある。これも、水俣病と同様に、被害者たちは差別を受け、国に認定してもらえずに、苦しみ続けてる。そして、政府はと言えば、自分たちにタップリと献金してくれる大企業の側に立っての対応しかしないから、多くの被害者が泣き寝入りをしてる。
こういった公害病は、すべて、政府の大企業擁護によって、事実がインペイされて、被害が拡大して行った。カメムシ大臣を始め、自殺した松岡元大臣やアトガマの赤城元大臣など、あれほどの問題を連発していながら、徹底的に擁護し続けたアベシンゾーの姿勢を見れば、この国の政府がどこを向いて政治をやってるのかが良く分かると思うけど、自民党が政権を持ってるうちは、「国民のことなんかどうでもいい」「とにかく身内を守る」っていうお家芸が炸裂しまくってるってことだ。
だけど、今回は、そんなことじゃなくて、リトル視点を変えてみようと思う。それは、原爆にしても、公害病にしても、もちろん、多くの被害者たちはホントに気の毒だと思うけど、あたしが言いたいのは、お墓にも入れずに、それどころか、被害者の数にも入れてもらえない動物たちのことだ。広島と長崎に原爆が落とされて、両方で約40万人の人たちが殺されたけど、犬や猫は、いったいどれくらい殺されたんだろうか。爆心地から離れた場所にいて、人間とおんなじに、その場で死ななくても、被爆して、苦しみ続けて死んで行った犬や猫はどれくらいいたんだろうか。
水俣病の場合も、最初に異常が確認されたのは、港の周りにいる猫たちなのだ。港で水揚げされるお魚をもらって食べてた猫たちが、次々と変死して行って、それから、住民たちにも異常が見られるようになって行ったそうだ。そして、水俣病による猫の被害は、お魚を食べて水銀中毒になって死んで行ったケースだけじゃない。もっともっとかわいそうなケースもあったのだ。
水俣病が発生してから数年が過ぎた昭和34年(1959年)、熊本大学医学部の水俣病研究班は、水俣病の原因は「水銀」だって発表した。これによって、現地で水銀の混じった排水を垂れ流し続けて来た「チッソ」の工場が疑われ始めたんだけど、チッソ側は熊本大学の発表に強く反論して、この歴史的大犯罪の責任逃れをした。そして、その時に、「水俣病の原因はチッソ工場の排水じゃない」ってことを証明する目的で行なわれたのが、チッソの付属病院の院長だった、細川一(はじめ)氏による動物実験なのだ。
細川医師は、838匹もの猫を集めて、そのうちの1匹、「猫400号」に、チッソの水俣工場から垂れ逃がされていた排液を飲ませるという信じられない実験を始めた。これで、この猫が何ともなければ、チッソには水俣病の責任はないっていうワケだ。だけど、毎日、20ミリリットルの排液を飲まされ続けた「猫400号」は、3ヶ月後に、人間の水俣病患者に酷似した症状を発症した。そして、細川医師が、その事実を会社側に報告したら、会社側は、「たった1例の実験だけでは、排液が原因だとは言えない」って言って、この実験結果を公表しないように命令して、事実をインペイしたのだ。ようするに、猫が何ともなければ、すぐにでも実験結果を公表して、自分たちの無罪を証明するための材料にするとこだったのに、自分たちにとって都合の悪い結果が出ちゃったから、自民党ゆずりのインペイを炸裂させたってワケだ。
で、細川医師は、会社側の命令によって、さらに猫実験を続けた。今度は、9匹の猫に排液を飲ませる実験を始めたんだけど、9匹のうち7匹が発症して、これで、水俣病の原因はチッソの工場の排液だってことが確証された。だけど、この実験結果も、必死に責任逃れをしようとする会社側の命令によって、公表されないどころか、こんな動物実験をしたっていう事実すらもインペイされることになった。だから、細川医師は、自分が行なった動物実験によって、水俣病の原因が分かったのに、会社側の命令によって、その原因をインペイさせられたことで、苦しんでいる多くの水俣病患者たちと、責任逃れをもくろむ会社側との板バサミになって、苦しみ続けることになった。
そして、この実験から11年後の1970年、肺ガンのために入院してた細川医師は、水俣病の裁判の証人として尋問を受けることになったんだけど、その時に、チッソの圧力によってずっとインペイさせられ続けてた猫実験について、初めて証言した。これによって、当時、そんな実験が行なわれたことも、1959年の時点でチッソ側が「排液が原因である」ってことを認識した上でインペイ工作をしてたことも、すべてが明るみに出たってワケだ。そして、細川医師は、この年の10月13日に、自らが証言した水俣病裁判の結果を知ることもなく、肺ガンのため、69才の生涯を閉じたのだ。
だから、細川医師は、死の間際に、ずっと苦しみ続けて来たことを話すことができて、悔いは残らなかったと思う。そして、あたしは、細川医師の名誉のために付け加えておくけど、細川医師は、とても立派な人だった。チッソの付属病院の院長に就任した時に、会社側から、立派な院長室を作ろうっていう話があった時、細川医師は、「そんなお金があるのなら、診察室や病室を1つでも多く作って欲しい」って言って、ずっと断り続けて来たような人物なのだ。
もちろん、会社側の命令によって、残酷な動物実験に手を染めたことは許されない。だけど、何よりも許されないのは、会社側の卑劣なインペイ工作によって、犠牲になった猫たちの命が、水俣病で苦しんでる人たちのためにならなかったことなのだ。あたしは、当然、動物実験には大反対だ。だけど、人間の命を救うために、他に方法がなくて動物実験をしなきゃならない現実も理解してる。だから、動物実験てのは、必要悪なんだと思ってる。たとえば、1匹のモルモット、1匹の猫を犠牲にしたことによって、何千人、何万人ていう人間が救われるのなら、それは仕方ないことなのかもって思う。
だけど、この「猫400号」のケースみたいに、特定の企業の都合だけで殺された猫たちは、ホントに浮かばれないと思う。ちなみに、「猫400号」のあとに実験された9匹の猫たちのうちの1匹、「猫717号」のホルマリン漬けの標本は、細川医師がチッソの付属病院を退職した時に自宅に持ちかえり、昭和43年(1968年)に、政府が公式見解として「水俣病の原因は水銀である」って発表した時に、熊本大学医学部の教授に送ってる。つまり、これは、水俣病の被害者たちを助けるために標本を利用して欲しいっていう、細川医師の気持ちだったのだ。
‥‥そんなワケで、あたしは、いつでも人間のことしか考えてない人間中心の世の中のあり方には疑問だらけだし、特に、残酷な動物実験には絶対反対だ。だって、動物実験ほど、人間の都合だけで行なわれてる残虐な行為は、他には考えらんないからだ。だけど、さっきも書いたように、理想だけじゃ生きてけないんだから、世の中のすべての動物実験を廃止することはできないと思ってる。でも、人間の命とはぜんぜん関係ないことで、残酷に殺され続けてる動物たちがいることも事実なのだ。たとえば、NHKが行なってたカラーテレビの動物実験では、生きたまま頭に大きな穴を開けられた猫たちが、脳みそに電極をつけられて、視覚効果の実験をさせられて、実験後には次々と殺された。他にも、化粧品なんかの開発のために殺された動物も数え切れないほどいるし、人間の命を救うためじゃなくて、人間の娯楽のために殺されてる動物たちがどれほどいることか。だから、あたしは、動物実験にも厳しい法律を作って、人間の命を救うための動物実験以外は、絶対に禁止するべきだと思う今日この頃なのだ。
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