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2007.08.20

ボードレールな夜

Baudelaire ニポンの最高気温の新記録を更新しちゃった時を「モーショ」って呼ぶならば、今の暑さは、さしずめ「ミーシャ」って感じで、まあ、例年並みでガマンできる。ちなみに、「モーショ」と「ミーシャ」がナニゲに似てると思ったから言ってみただけで、別に深い意味はない。それで、カラオケでミーシャの歌マネをすると、どうしても田中真紀子の声に似て来ちゃうあたしとしては、この前、1日だけエアコンを使ったけど、次の日からは使ってない。いくら暑くても、例年並みの暑さなら扇風機だけで何とかなるし、ビキニで生活してるから南国気分がマンマンだ(笑)

 

だけど、サスガにたまんないのが、密着した猫がずっと動かない時の暑さだ。今は暑いから、猫たちに朝ご飯や晩ご飯をあげに行っても、食べるだけ食べたら、みんなトットとどっか涼しい場所に行っちゃう。いつもなら、食後に甘えて来るのに、今の時季は、猫も暑いんだろう。だから、順番にブラッシングはしてるけど、ヒザに乗って来たりはしない。だから、あたしもスカートに猫の毛や足のドロがついたりしなくて助かるんだけど、ゆうべは、久しぶりに、マックスがお部屋に遊びに来た。

 

音楽を流してたから、最初は気づかなかったんだけど、夜の10時ころ、キッチンの冷蔵庫に麦茶を取りに行った時に、ドアをカリカリ引っ掻く音と、「ジジジ‥‥ジジジジ‥‥」って音が聞こえたから、あたしは、すぐに、「セミだ‥‥」って分かった。それで、ドアチェーンをしたまま、玄関のドアを少し開けたら、アンノジョー、セミをくわえたマックスが入って来て、あたしの足元にお土産のセミを置いた今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?

 

 

‥‥そんなワケで、あたしは、マックスから、みうらじゅんが「いやげ」って名づけた「もらって迷惑するお土産」をもらっちゃったワケだけど、あたしのためにがんばって獲って来てくれたセミをマックスの見てる前で処分するワケには行かないから、とりあえず、マックスを奥のお部屋に入れてから、恐る恐るセミの様子を見てみた。そしたら、見た目には致命傷はないみたいだったから、玄関の小さなホウキで外に掃き出したら、ラッキーにことに、「ジジジジ‥‥」って鳴きながら飛んでってくれた。

 

で、マックスはといえば、いつものように、あちこちの匂いをかいでまわってから、ピョンとソファーの上に乗ったから、あたしは、雑巾で足の裏だけ拭かせてもらった。それから、チクワをちぎってあげたんだけど、手のひらに乗せて食べさせると、ザラザラの舌で舐めてくれるから、それが嬉しい反面、さっきセミをくわえてた口じゃん‥‥って思って、昆虫が苦手なあたし的には、ビミョ~な気分になる。それで、マックスはチクワを食べ終わったから、いつもの場所、テーブルの足元にトレーを置いて、そこにお水を用意してあげたら、ソファーを降りてお水を飲みに行った。

 

あたしは、ソファーに横になってダラダラしてたんだけど、お水を飲み終わったマックスが、またソファーの上に乗って来て、今度は、あたしのワキにベッタリと密着した。それで、最初は、撫でたりゴロゴロニャーしたりしてたんだけど、マックスが風を嫌がるから扇風機を止めてたこともあって、5分もしないうちに暑くなって来た。だけど、マックスは、目を細めて「グルルルル‥‥グルルルル‥‥」って言ってて、ぜんぜん動こうとしない。それで、あたしは、暑くてガマンできなくなって、ソファーの足元の座布団にマックスを移動して、自分にだけ風が来るように、一番弱い「微風」で扇風機をつけた。

 

それなのに、あたしがソファーにゴロッとしたら、マックスはソッコーで飛び乗って来て、またまたおんなじ体勢になった。でも、今度は、扇風機を最初の「弱」から「微風」にしてたから、マックスも極端には嫌がらなかったから、あたしは、そのまんま、マックスを撫でながらウトウトしてた。それにしても、猫は人間にくっついてても暑くないんだろうか? 人間のほうが猫よりも体温が低いから、あたしは暑いけどマックスは涼しいのかな?‥‥なんて思いながら、あたしは、シャルル・ボードレールの有名な言葉、「女と猫は呼ばない時にやって来る」ってのを思い出しちゃった。もちろん、これは、男性側からの言葉だけど、こんなこと言ってっから、梅毒で死んじゃうんだよね、ボードレールって。

 

そう言えば、頭脳警察の1973年の「仮面劇のヒーローを告訴しろ」ってアルバムに、PANTAさんっぽくない「まるでランボー」って曲が入ってて、1番はこんなリリックだ。

 

 

みっともないオレはまるでランボー
卑怯者のオレはまるでヴィヨン
乱暴者のオレはまるでユーゴー
梅毒のオレはまるでボードレール
でもね君にゃ詩なんてわからない

 

 

でも、実は、この歌って、ブリジット・フォンテーヌの1968年のファーストアルバム、「Brigitte Fontaine Est Folle」に入ってる「Comme Rimbaud(ランボーのように)」のカヴァーだったりして、あたしは、この曲に関して言えば、ブリジット・フォンテーヌの原曲のほうが好きだったりする。ちなみに、この「Brigitte Fontaine Est Folle」ってアルバムタイトルは、直訳すると「ブリジット・フォンテーヌはキチガイ」っていう意味で、それじゃマズイってんで、邦題は「ブリジット・フォンテーヌは…」って「…」でゴマカシてる。で、このアルバムタイトルからも想像がつくように、「素敵な癌」だの「愛玩人間」だの「不適応」だの「僕が君に作ってあげた子供」だの、イッちゃってる傑作が満載のワンダホーなアルバムなんだけど、当然、フランス語だ。でも、あたしの持ってるのはニポン盤なので、親切なことに、ちゃんと和訳がついてる。

 

 

Je suis sale comme Rimbaud
Je suis lache comme Villon
Debauchee comme Hugo
Syphilitique comme Baudelaire
Mais peut-etre apre tout
N'aimez-vous pas la poesie

 

 

私はランボウのように穢(けが)れている
私はヴィヨンのように卑劣だ
ユーゴーのような放蕩者
ボードレールのような梅毒患者
でも恐らく
あなたは詩なんてお好きじゃないわね

 

 

‥‥そんなワケで、原曲とリリックを比べてみると、PANTAさんのセンスの良さが分かるけど、リリックだけじゃなくて、アレンジもセンスがいい。だから、痒いとこに手が届く「きっこの日記」としては、どっちの曲も聴いたことのない人のために、ブリジット・フォンテーヌの「ランボーのように」と頭脳警察の「まるでランボー」とを聴き比べられるように、両方の試聴サイトをリンクしておくので、興味のある人はどうぞ♪

 

 

「ブリジット・フォンテーヌ」
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=282965

 

「頭脳警察」
http://mysound.jp/music/detail/tU9FI/

 

 

で、この頭脳警察の「まるでランボー」は、もちろん試聴じゃ最後までは聴けないけど、3番の最後のとこに、「テンカンのオレはまるでゴッホ」って歌詞がある。これって、ちょっと前の日記、「差別用語という差別」で取り上げた「放送禁止用語」か「差別用語」だと思うんだけど、このアルバムは何も問題なくリリースできたから、1973年には「テンカン」は使ってもいい言葉だったんだろうか?‥‥なんて疑問を持ちつつも、話はクルリンパと戻って、「女と猫は呼ばない時にやって来る」って名言を吐いたボードレールだけど、ナポレオンが亡くなった1821年に生まれてるんだから、うんと昔の人だ。ちなみに、1821年っていうと、ニポンだと江戸時代の文政年間で、2年後の1823年(文政6年)には勝海舟が生まれてる。だから、フランクザッパに言うと、ボードレールは勝海舟と同時代の人ってワケだ。

 

それで、ボードレールっていうと、すぐに「梅毒で亡くなった」ってことが取り上げられちゃうけど、あたしとしては、お酒だの阿片だの向精神剤だのハシッシュ(固形大麻)だののマニアってイメージのほうが強い。ボードレールは、こうしたモノをいろいろと楽しんで、時には「アルコールとハシッシュを一緒にやったらどうなるか」なんて実験をしたりして、こうしたモノによって得られる快楽を「人工天国」って呼んで、いくつかの作品も残してる。だけど、ラリッたボードレールがガードレールに突っ込んで死ななかったのは、自動車が作られ始めたのが1850年ころだって言われてるから、まだ、そんなに自動車は一般的じゃなかったからだろう‥‥って言うか、まだ、ガードレールがなかったからだろう。

 

‥‥そんなワケで、「女と猫は呼ばない時にやって来る」って言ったボードレールだけど、「Le Chat(猫)」っていう詩では、「来たれ美しき猫よ、人恋うるわが胸の辺に」なんて書いてる。でも、これは、ホントは猫のことじゃなくて、女性を猫に見立てて表現した詩だって言われてる。今でこそ、女性を猫に見立てたり、猫を女性に見立てたりするのは「良くあるパターン」になっちゃったけど、当時は、すごく斬新で、オリジナリティーのある表現だったみたいだ。ま、猫でも女性でも、ボードレールが「来たれ美しき猫よ、人恋うるわが胸の辺に」って言った時には、どっちも来なかったってワケで、逆に、今のあたしみたく、寄って来られると暑くてかなわない時に限って、やって来てスリスリしたんだろうね。だから、今夜のあたしは、何となくボードレールの気持ちが分かったような気がした今日この頃なのだ。

 

 

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