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2007.08.18

差別用語という差別

Dj1
ゆうべ、NHKで、京都の「五山の送り火」の生中継をやってたので、あたしは、最初から最後まで見てた。「完全生中継」って謳ってた通り、オナジミの「大」の文字だけじゃなくて、「妙」と「法」や、鳥居の形や船の型もぜんぶキチンと中継してたし、遠景だけじゃなくて、現場で火をつけるとこもちゃんと中継してて、すごく良かった。カメラワークや解説もなかなか良くて、生放送なのによくあそこまでできたと思ってたら、ハイビジョンカメラを25台を使ってたんだって。だから、次々と点火されて行く離れた山々の様子をちゃんと順番に伝えてて、映像もキレイで素晴らしかった。

それで、進行は去年の「紅白歌合戦」の総合司会をした黒崎めぐみアナで、ゲストは宗教学者の山折哲雄氏だったから、なかなか深い話が聞けて、番組が進むうちに、だんだんと厳かな気分になって行った。だけど、あたしがシンミリとご先祖様のことを思い始めたトタンに、原稿を読み始めた黒崎めぐみアナが、突然、「チクビ!」って言ったので、あたしは「えっ?」って思ったんだけど、黒崎めぐみアナは、すぐに、「地区の送り火の係の人が~」って言い直して、ナニゴトも無かったかのように先へと進んで行った。それで、あたしは、思わず噴き出しちゃって、せっかくの厳かな気分が吹き飛んじゃった。

それにしても、「地区の送り火」を「チクビ」って、慌てるにも保土ヶ谷バイパスだ。まあ、「紅白歌合戦」で都はるみのことを「ミソラ‥‥」って言っちゃって、数ヶ月後にNHKを辞めてった生方恵一アナもいるし、もっと前には、生放送で「支那そば」って言っちゃっただけで、NHK上層部に反省文を書かされたアナウンサーもいるんだから、そんなのに比べたら屁でもない間違いだけど、少なくとも、あたしの厳かな気分がダイナシティになっちゃったことだけは事実な今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、前にも書いたことがあるけど、あたしは、何で「支那そば」が放送禁止用語なのか分かんない‥‥って言うか、「シナソバ」がダメなのに「シナチク」なら言ってもいいってことが理解できない。だって、「支那そば」って言う料理名がNGなんじゃなくて、「支那」の部分だけがNGなワケでしょ? それなら、「シナチク」だって、漢字で書けば「支那竹」なんだから、おんなじ「支那」って文字が入ってるし、さらには、「支那竹」は「支那そば」の中にも具として入ってるじゃん。それなのに、「支那そば」のほうだけがNGって、どうしても分かんない。それに、東京都で一番偉いジイサンは、テレビだろうと何だろうと「支那」「支那」「支那」「支那」って連発してんじゃん。何で誰も文句を言わないの?

NHKの生放送中に「支那そば」って言っちゃって、上層部に反省文を書かされたアナウンサーは、中国や中国人のことを誹謗中傷する気持ちなんかぜんぜんなくて、ただ単に「ラーメン」のことを自分が使い慣れてた呼び名で言っちゃっただけなんだよ。それも、今から40年以上も前のことだから、町のラーメン屋さんだって、「支那そば屋」って看板を出してるお店のほうが多かっただろうし、お店のメニューにも「支那そば」って書いてあったと思う。そんな背景の中で、何の悪意もなく、ただ「支那そば」って言っただけで、反省文を書かされたってワケだ。

それに比べて、東京都で一番偉いジイサンのほうは、中国や韓国に対して明らかに悪意を持ってて、相手の国や国民を誹謗中傷する発言の中で、ワザと「支那」とか「三国人」とかって言い方をしてる。こっちのほうが、よっぽどタチが悪いと思うんだけど、バックの右翼や宗教団体が怖いからなのか、誰も文句を言わない。こんなことがマカリ通るんなら、「放送禁止用語」だの「差別用語」だのなんて言い方をしないで、「立場の弱い者だけが使っちゃいけない言葉」って言うか、そうじゃなかったら、「放送禁止用語(権力者を除く)」とかって但し書きをすればいいじゃん。

あたしは、放送禁止用語を定めることには何も反論なんかないけど、定めるんだったら、徹底的に施行して欲しいと思う。アナウンサーは使っちゃダメだけど、権力者なら使ってもいいなんて、絶対におかしい。それから、「放送禁止用語」や「差別用語」の中に、「使い方によってはNG」ってのがあるんだけど、これもおかしいと思う。一例をあげると、「百姓」って言葉だ。これは、相手に向って「この百姓が!」って使い方は「放送禁止用語」であり「差別用語」でもあるんだけど、農家の人自身がテレビ局のインタビューを受けて、「こんなに雨が降らないと、わしら百姓は大変ですよ」って言っても、何も問題にならない。

もちろん、この2通りのパターンを見れば、前者は明らかに差別的な使い方をしてるし、後者は何も問題がないって思うだろう。だけど、こんなふうに、「使い方によってはNG」なんていうテキトーな決められ方をされちゃったら、どんな言葉でも「放送禁止用語」や「差別用語」になっちゃう。たとえば、メスの犬のことを「雌犬」って言っても何も問題ないけど、人間の女性に向かって「この雌犬が!」って言ったら、完全にマズイと思う。「山おんな壁おんな」っていうドラマをやってるけど、この「壁おんな」っていうのだって、完全な差別用語だ。古くは、バストの小さな女性に対して、「洗濯板」だとか「ベニヤ板」だとかって言ってたし、言われたほうが不愉快な気持ちになるんだから、「使い方によってはNG」って言うんなら、この「壁」だって「洗濯板」だって「ベニヤ板」だって差別用語になる。背の低い人に向かって「豆」、太った人に対して「タンカー」、歯の出てる人に「カンナ」って、どんな言葉もみんな差別用語になっちゃう。

だから、あたしは、「放送禁止用語」や「差別用語」を決めるのは構わないと思うけど、「使い方によってはNG」ってのは無しにして欲しいと思う。「放送禁止用語」や「差別用語」に決められたら、いつ、いかなる場合に、誰が、どんな使い方をしても、すべてNGにすべきだと思う。農家の人がテレビ局のインタビューを受けて、自分のことを「百姓」って言っても、放送する時には「ピー」にするべきだし、知事であろうと大臣であろうと、オオヤケの場で差別用語を使ったら、キチンと謝罪させるべきだと思う。絶対に、特例なんて作っちゃダメだと思う。だいたいからして、「放送禁止用語」や「差別用語」なんててもんは、「倫理」に基づいて作られ始めたもんなのに、シチュエーションによっては使ってもいい放送禁止用語だの、人によっては使ってもいい差別用語だの、これほど倫理観のカケラもない話はないと思う。

‥‥そんなワケで、あたしが、何よりも疑問に思うのが、政見放送だ。政見放送は、当然、NHKでも流されるワケだけど、政見放送では、どんな「放送禁止用語」でも「差別用語」でも言いたい放題なのだ。たとえば、「ゆきゆきて神軍」でオナジミの奥崎謙三なんて、3回くらい立候補してるけど、当選することが目的じゃなくて、政見放送で言いたいことをしゃべることが目的なのだ。その証拠に、3回目に立候補した1983年の衆院選の兵庫1区の時の政見放送では、最初っから、「落選確実の私が、借金をして、三度立候補いたしましたのは~」って自分で言ってる。

つまり、奥崎謙三にとっての政見放送ってのは、お金さえ払えば全国民に自分のメッセージを伝えられる「絶対の場」ってワケなのだ。そして、その中では、数え切れないほどの「放送禁止用語」や「差別用語」が乱れ飛んでる。たとえば、以下の部分なんて、政見放送じゃなかったら、NHKどころか、地方局だって流せないだろう。


「(前略)無知蒙昧な野蛮人であり重症のキチガイであります人類に知らせる手段として、無知蒙昧な野蛮人であり重症のキチガイであります人類を象徴する天皇ヒロヒトと田中角栄を殺したいと私は思いましたが、政治家、国家、国法を守っている警察官の警戒が厳しくて殺すことができないので(後略)」


奥崎謙三は、たった6分ほどの政見放送の中で、この「無知蒙昧な野蛮人であり重症のキチガイであります人類」って言葉を何度も何度も何度も何度も繰り返してるし、他にもいっぱい「放送禁止用語」や「差別用語」を使ってる。それどころか、当時の天皇と総理大臣を「殺そうとした」ってことまで言ってる。だけど、こんな内容でも、政見放送っていう大義名分があれば、「支那そば」って言っただけで反省文を書かされるNHKで、最初から最後までちゃんと流してくれちゃうのだ。

だけど、不思議なことに、おんなじ年の1983年の参院選でのこと、東郷健の政見放送で、「めかんち」「ちんば」って言ったら、NHKはその部分の音声を勝手にカットしちゃったのだ。どんなことなのかって言うと、政見放送の中で、目の不自由な歌手の竜鉄也と、足の不自由な八代英太と、ゲイの東郷健とで、コンサートを行なった時のエピソードを話して、その中で、チケットを買ってもらおうとした人から、「めかんちやちんばの(コンサートの)キップなんか誰が買うか」って酷いことを言われたってことを話したのだ。そして、そういった差別のない世の中にしたいってことを話してるだけで、「差別用語」って言えば「差別用語」だけど、話の流れを考えれば、「誰かを差別する」ために使ったのではなく、「自分たちが差別された」ってことを伝えるために使ったことは一目瞭然だ。つまり、農家の人が自分のことを「百姓」って言ったのと似たようなパターンだ。

だから、奥崎謙三の「無知蒙昧な野蛮人であり重症のキチガイであります人類を象徴する天皇ヒロヒトと田中角栄」と比べたら、ぜんぜんマシだと思う。それなのに、おんなじ年に行なわれた衆院選と参院選で、奥崎謙三の政見放送はノーカットで放送されて、東郷健の政見放送は本人に無断でカットされたのだ。そして、怒った東郷健は、NHKを公職選挙法違反で訴えて、一審では勝訴したんだけど、最終的には、1990年に最高裁で敗訴しちゃって、「政見放送でも差別語の使用はけしからん」てことになっちゃった。

でも、これって、ものすごく変なんだよね。だって、これよりも4年も前の1979年の東京都知事選の時には、東郷健は「オカマ」「パンパン」「メカケ」「サド」「マド」「ホモ」って連発してるし、もっと前の1974年の参院選の時にも、「キチガイ」「精神病院行き」「パンパン」「メカケ」「オカマ」「支那人」って連発してるのに、両方ともノーカットで放送されてるんだよね。他にも、「めくら」だの「つんぼ」だの「おし」だの「チンチンが勃起した」だのって言いたい放題なのに、すべてノーカット。それなのに、自分たちが差別されたってことを「人から言われたカギカッコ付きのセリフ」としてしゃべった時だけ無断カットされるなんて、あたしは、どうしても理解できない。さらには、最高裁が「政見放送でも差別語の使用はけしからん」ていう判例を出したのに、その後も、「放送禁止用語」や「差別用語」を使ってる他の候補者の政見放送がノーカットで流され続けてることも理解できない。

‥‥そんなワケで、あたしは、ダメならダメで、すべての候補者の「放送禁止用語」や「差別用語」をヒトコト残らずにカットすべきだと思う。第一、最高裁がダメだって判断したのに、それから20年近くもホッタラカシだなんて、ものすごく変な話だと思う。結局、夜8時以降は選挙活動をしちゃいけないって決まりがあるのに、それを取り締まる警察のほうが所轄によって認識がマチマチで、ちゃんと警告する警察もあれば、見て見ぬフリをする警察もあったために、いつの間にか、「拡声器を使わなければ問題ない」っていう暗黙のインチキルールができちゃったのとおんなじことだろう。だから、これから立候補する「当選する気なんかないけど自分のメッセージを世の中に訴えたい人たち」は、これでもか!これでもか!っていうくらい「放送禁止用語」や「差別用語」を連発してみるのも、後世へとYOU TUBEの映像を残すための作戦だと思う今日この頃なのだ。


「奥崎謙三の政見放送」
http://www.youtube.com/watch?v=t3EALg22uMY


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