驚愕の罰金1億ドル!
8月26日のトルコGPは、録画予約しといたビデオデッキの中でテープがグチャグチャになっちゃって、何日もあとからお友達に借りて観たので、日記には書けなかったけど、マッサとライコネンのワンツーで、フェラーリが勝った。9月9日のイタリアGPは、ちゃんとテレビで観てて、アロンソとハミルトンのワンツーで、マクラーレンが勝ったんだけど、宇宙イチ無責任なクルクルパーが、「職責にしがみつくことなく」とかトンチンカンなことをノタマッちゃったオカゲで、そっちのツッコミが忙しくて、F1のことが書けなかった。そして、「ちょっと遅れたけど、さあ書こう!」って思ったトタン、今度は、すべてをほっぽり投げて「ボクちゃん、やめちゃうも~ん」と来たもんだから、またまたF1のことが書けなくなっちゃって、あたし的にはモンモンとしてた。
で、そんなこんなのうちに、昨日の13日、ついに、6月からずっと騒いでたマクラーレンのスパイ疑惑問題に、FIA控訴院の裁定が下り、ナナナナナント! マクラーレンは「有罪」になっちゃった! で、ビックル一気飲みなのが、そのマグナム級の罰で、「今季のコンストラクターズポイントをすべて剥奪」ってのと、「罰金1億ドル」だ! 「1億円」じゃなくて「1億ドル」だよ? つまり、ニポン円にして、「約115億円」の罰金ってことだ!
これには、いつでも沈着冷静なマクラーレンのロン・デニス代表も、松田優作バリの過剰演技で、「なんじゃ、こりゃ~!」って叫ぶだろうと思ったのもトコノマ、余裕のブチカマシで、「もしも、私たちがこの罰金を受け入れるとしても、マクラーレンの銀行口座を見てもらえば分かるように、私たちは毎年4億5000万ドルから5億ドルもの収益を上げている上に、たった1ドルの負債もないチョー優良企業なのだから、屁のツッパリにもなりませんよ!」と来たもんだ。サスガ、本物のセレブは違うねぇ~! これが朝青龍だったら、二度とモンゴルから戻って来ないと思う今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、この「マクラーレンのスパイ疑惑問題」ってのは、フランク・ザッパに言うと、フェラーリのマシンに関する極秘情報をマクラーレン側が入手して、そこから得た情報をマクラーレンのマシン、「MP4-22」に使ってたんじゃないのか?‥‥って疑惑だ。で、コトの起こりは、3ヶ月前の6月、フェラーリが、チームのテクニカルマネージャーのナイジェル・ステップニー(47)を告訴するって発表したことから始まった。
このステップニーってのは、シューマッハ兄が5年連続でワールドチャンプになった時代のドリームチームのチーフメカニックでもあり、10年以上もフェラーリにいるベテランだ。だけど、テクニカルマネージャーまで上り詰めるも、2006年のシーズンが終わり、シューマッハ兄が引退して、直属の上司だったテクニカルディレクターのロス・ブラウンも長期休暇を取り、チーム自体が新体制へと変革した時に、ナニゲに御用済みっぽくなっちゃった。チームの最前線からは外されて、ファクトリー勤務になっちゃったのだ。それで、ステップニー自身は、その人事異動に不満を持ってて、他のチームに転職先を探してたそうだ。
それで、その時のフェラーリ側の訴えってのは、このステップニーが、フェラーリに対する不満を口にしてるとか、態度が悪いとか、そんなレベルのことだった。それで、あたしは、「なんでそんなことで訴えるんだろう?」って思ったんだけど、しばらくすると、今度は、フェラーリのマシンの給油口の周りに不審な白い粉が落ちてて、それが、チームに恨みを持つステップニーが燃料タンクに何かを入れたんじゃないかとか、変な疑惑が次々と伝えられるようになって来て、最終的には、フェラーリのマシンに関する社外秘の書類をステップニーがコッソリと持ち出して、それをコピーして、マクラーレン側に渡したってことにまで発展しちゃった。
もちろん、ステップニーは、この訴えの内容をずっと否定し続けてるんだけど、マクラーレン側には、確かに、フェラーリのマシンに関する社外秘の書類が渡ってるのだ。それを入手して、スパイだって言われてるのが、マクラーレンのチーフデザイナー、マイク・コフラン(48)で、彼の自宅からは、「フェラーリF2007」に関する大量の書類が見つかってる。つまり、フェラーリ側のスパイがステップニーじゃなかったとしても、フェラーリ側の誰かが、マクラーレンのコフランに社外秘の書類を渡したことは事実で、これが、大問題へと発展しちゃったってワケなのだ。
‥‥そんなワケで、フェラーリ側は、ステップニー1人のセイだってことにしちゃって、トットとステップニーをクビにして、あとは被害者ヅラをしてる。ステップニーの顔にバンソコが貼ってあったかどうかはしんないけど、ステップニーは1人で全責任を負わされちゃったってワケだ。で、このままじゃマクラーレンだけが悪者になっちゃうから、マクラーレン側も、大慌てで、7月の初旬に、こんなコメントを公式にリリースした。
「今年4月末に、マクラーレンの技術スタッフの1人が、フェラーリのある従業員から、フェラーリの技術情報に関する書類を個人的に受け取ったと聞いている。しかし、マクラーレンは、この件には一切関与しておらず、このような行為を断じて許さない。調査には全面的に協力するつもりであり、また問題の技術スタッフについては、本件に関する調査が終了するまで停職処分とした」
ようするに、マクラーレン側も、フェラーリにならって、コフラン1人のセイにしちゃって、「チームは関係ない」って形にしようとしたってワケだ。で、この、フェラーリのステップニーとマクラーレンのコフランは、昔っからの知り合いで、過去には、ロータス、ベネトン、フェラーリで、一緒に働いてたことがある。そして、今年の4月29日に、この2人が一緒に、バルセロナのレストランで食事してるとこが関係者に目撃されてて、これが、この疑惑を裏付けてるのだ。なんでかって言うと、翌日の4月30日から、バルセロナで、走行テストが行なわれるスケジュールになってたからだ。普通なら、どんなに仲が良くても、別々のチームに所属してる者同士が、テストの前夜に会うなんて、誰かに見られたら変な誤解をされちゃうから、絶対にしないハズなのだ。
で、ステップニーのほうは、書類を持ち出したことも、コピーしてコフランに渡したことも、すべてを全面的に否定してて、一方のコフランのほうは、「自宅に速達便で送られて来た」って言ってて、誰から送られて来たのかは明らかにしてない。だから、もしかしたら、ステップニーのことをかばってウソをついてんのかもしんないし、ホントに別の人間から送られて来たのかもしんない。ただ、1つだけ言えることは、実際に、フェラーリの社外秘の書類が、マクラーレンのコフランの手に渡ってたってことだ。
そして、マクラーレン側は、「すべてコフラン1人が個人的に行なったことで、チームは関与していないし、コフラン以外のチームフタッフは誰1人その書類を見ていない。だから、その内容をマクラーレンのマシンに利用してもいないし、フェラーリの知的所有権も侵してはいない」ってコメントしてたんだけど、今度は、これが崩れちゃったのだ。コフラン本人が、フェラーリ側の弁護士に提出した供述書には、自分が該当書類を持ってたことを認めた上で、次のように書かれてたのだ。
「私は、入手したフェラーリF2007に関する書類や設計書をマクラーレンに見せ、チームマネージャーのジョナサン・ニールにも見せ、他のチームスタッフたちにも見せました」
つまり、コフラン1人の単独犯罪で、チームはいっさい関係ない、コフラン以外の者は誰も書類を見てないっていうマクラーレン側の主張は、コフラン本人の供述によってくつがえされちゃったってワケだ。だけど、この問題に関して、7月末に臨時会議を開いたFIAは、「マクラーレンはフェラーリの機密書類を所持していたことは事実で、これは『国際スポーツ法典第151c条』に違反しているが、それがF1グランプリにおいて不正を行なうために使用されたという十分な証拠はないので、マクラーレンには何もペナルティーは科さない」っていうユルユルの判決を下した。「ユルユル」って言っても、ま、妥当っちゃ妥当だと思う。
だけど、この判決に不服なのが、当然、フェラーリ側ってワケで、「マクラーレンの行為が『国際スポーツ法典第151c条』に違反してるって認めた上で、それでも何のペナルティーも科さないってのは、どう考えてもおかしいだろ!」って言って、控訴しちゃった。それで、この問題は、FIA控訴院へ持ち込まれて再審議されることになって、その判決が、9月13日に出るってことになってたのだ。で、長かった話がクルリンパと輪を描いて、最初の「で、そんなこんなのうちに、昨日の13日、ついに、6月からずっと騒いでたマクラーレンのスパイ疑惑問題に、FIA控訴院の裁定が下り、ナナナナナント!‥‥」て部分につながるってスンポーなのだ。
‥‥そんなワケで、これで、この問題を知らなかった人はだいたいの流れが分かったと思うし、知ってた人は再確認できたと思うけど、 あたしが知りえたすべての情報を客観的に精査した上での雰囲気としては、マクラーレンのコフランが誰から書類を入手してたとしても、これは、スパイだの何だのって、こんなに大ゲサに騒ぐような問題じゃないように感じた。たまたま、フェラーリの書類を入手したコフランが、チームの仲間たちに、「オレ、こんなもの持ってんだぜ♪」って感じで、リトル自慢げに見せびらかしたってレベルの感じで、それが大騒ぎに発展しちゃったような気がする。
実際、FIAだって、当初は大した問題じゃないとして、何のペナルティーも科さなかったワケだし、その裁定に噛みついてコトを大きくしたのは、目の上のタンコブであるマクラーレンに消えて欲しいって思ってるフェラーリなワケだ。そして、フェラーリがコトを大きくした結果として、マクラーレンは今季のコンストラクターズポイントをすべて剥奪されちゃったワケで、今まで166ポイントでトップを独走してたマクラーレンは0ポイントでビリになり、143ポイントで2位につけてたフェラーリがトップへ踊り出たってワケだ。ちなみに、3位だったザウバーは86ポイント、4位だったルノーは38ポイントと、フェラーリは両チームともに大きく差をつけてるんだから、下から抜かれる心配はない。だから、唯一、自分たちの上にいたマクラーレンだけを蹴落とせば、残り4戦、どんなことがあっても、コンストラクターズポイントでのフェラーリの優勝は決定したってことだ。
ただし、ドライバーズポイントの剥奪はなかったから、現時点での1位がハミルトン、2位がアロンソっていうマクラーレンチームのワンツーは、このまま動かない。そして、92ポイントのハミルトン、89ポイントのアロンソに対して、3位のライコネンは74ポイント、4位のマッサは69ポイントと、フェラーリチームの2人は、残り4戦じゃ、なかなかひっくり返せないだけの差をつけられてる。だから、このまま行けば、フェラーリは、ドライバー2人は3位と4位なのに、相手チームがペナルティーを受けたことによって、コンストラクターズポイントだけ優勝しちゃうっていう、なんともカッコ悪い結果になっちゃう。
フェラーリチームは、こんな勝ち方をして、シーズン終了時にみんなで大喜びできるんだろうか? だから、あたしは、せめて残り4戦、ぜんぶライコネンが勝って、たとえ3位のままだったとしても、フェラーリのドライバーとしての意地を見せて欲しいと思う。でも、これは、ライコネンが好きで、フェラーリが好きなあたしの個人的な気持ちであって、F1ファンとしての気持ちとしては、来季のハミルトンとアロンソのことが心配だ。今回の裁定では、とりあえずドライバーズポイントの剥奪だけは免れられたけど、今シーズン終了後の12月に、マクラーレンの来季の出場についての検討が行なわれる。だから、最悪の場合、チームとして来季の出場が許可されなくなるケースもあるワケで、その場合には、数十年に1人の逸材であるスーパールーキーのハミルトンと、去年の王者であるアロンソの2人が、最低でも1年間、レースに参戦できなくなっちゃうのだ。
‥‥そんなワケで、そんなことにでもなったら、それこそフェラーリの思うツボで、来季はフェラーリの1人勝ちになっちゃうし、いくらフェラーリが好きなあたしでも、そんな勝ち方は納得できない。オトトシ、2005年のアメリカGPで、ミシュラン勢がみんなレースをボイコットしちゃって、ブリジストンを履いてたフェラーリ、ジョーダン、ミナルディの3チーム、たった6台だけで、最初っからフェラーリが勝つことが分かってたアホアホレースみたいな感じになっちゃうだろう。だから、絶対にそんなことにさせないためにも、マクラーレンのロン・デニス代表は、FIAのマックス・モズレー会長をワニ園に呼び出して、ワニの沼に突き落としてやればいいと思う今日この頃、このオチの意味が分かるのは、本物のF1ファンだけだろう(笑)
★ 今日も最後まで読んでくれてありがとう♪
★ 1日1回、応援のクリックをお願いしま~す!
↓ ↓
人気blogランキング
| 固定リンク