次々に消えてくニポンの文化
ワンルームのマンションとかに住んでれば、床はフローリングやカーペットでもいいと思うんだけど、2部屋や3部屋以上あるお家に住んでると、やっぱ、1部屋は「畳の部屋」が欲しいと思うのが、ニポン人のニポン人たるユエンだろう。夏の暑い夜は、ひんやりとした畳の感触が気持ちいいし、冬の寒い日には、地面からの冷気を防いでくれる。ニポンの気候と風土にピッタリとマッチしたのが、この「畳の文化」ってワケだ。ちなみに、あたしは、畳の六畳間には、畳の上にカーペットを敷いてるんだけど、それは、畳を汚したり日焼けさせたりすると、ここを出てく時にお金を取られちゃうからだ。だから、今みたく、賃貸物件の場合はジンジャエールだけど、もしも自分の買ったお家なら、せっかくの畳の上に、わざわざカーペットを敷くようなことはしないだろう。だって、畳っていいもんね‥‥なんて思ってたら、以前から懇意にしてるTMさんから、こんなメールが届いた。
お名前:TM
E-mail:xxxxx@xxxxx.com
コメント:きっこさん、お元気ですか?たいそうご無沙汰しております。BSE問題でお世話になりましたM子です。実は、私は転居を控えているのですが、先日、転居の予定先を下見に行き、大変な目にあってしまいました。他の部屋は何ともなかったのですが、畳敷きの日本間に入ったとたんに、変な刺激臭のようなものを感じたのです。そして、自宅に帰ったら、両目が真っ赤に腫れてしまい、2日間も治りませんでした。あまりにもひどかったため、不動産屋さんに調べてもらったら、この原因というのが「中国産のイグサを使った畳」だったのです。私は過去に「日本の畳には中国産のイグサを使っているものが多い」とか、「有機リン系農薬が水田散布量の20倍も使われている」とか、ひどいのになると「中国うなぎで問題になったマラカイトグリーンというヒ素入りの劇薬でイグサを着色している」とか、いろんな話を聞いていました。BSE問題の時には、品川森一先生の「古畳を飼料に使われた牛が農薬中毒を起こして死んだ」という発言も聞いていましたが、まさか自分がその被害に遭うとは思いませんでした。結局、不動産屋さんは何もしてくれないので、自腹で十数万円払って2部屋分の畳を替えることになってしまいました。今回はしかたありませんが、農水省の怠慢のせいで、これからも転居のたびに自腹で畳を替えることになったら、とてもやって行けません。以下、私の調べた「中国産のイグサを使った畳」に関する情報を添付しますので、ぜひ、きっこさんの日記で取り上げてください。
‥‥そんなワケで、今日はスペースの都合で、「いかがお過ごしですか?」は割愛しちゃったけど、TMさんが添付してくれた情報を見たら、ものすごく恐ろしいことがいっぱい書かれてた。人と環境にやさしい家づくりを提唱してる「みつ和総合環境研究所」のホームページによると、畳に使われる防虫シートや着色剤、防カビ剤などには、何の規制も設けられてないそうだ。そのため、どんなに危険な薬品でも使い放題で、現在、市販されてる畳のすべてに、接触毒性、発ガン性、催奇形性のある有機リン系農薬を使った防虫シートが入ってると言う。その上、市販されてる畳のほとんどは、ヒ素と重金属を含んだ着色剤で、人工的に着色されてるそうだ。とにかく、何の規制もないんだから、特に賃貸物件の場合には、より毒性の高い防虫シートが使われてる畳を選び、少しでも長持ちさせようって考えるだろう。
そして、安全な畳を製造、販売してる「健康畳 植田」のホームページには、「緊急速報 危険な畳 被害者続出」という見出しで、現在の畳の問題点を挙げている。これによると、「一般の畳店やリフォーム業者によって畳を取り替えてから、畳の部屋に入ることができなくなってしまった」というケースがヒンパンに起こってるそうだ。こちらでも、「みつ和総合環境研究所」とおんなじに、防虫シートや着色剤による被害の実態について書かれてるけど、何よりもビックル一気飲み‥‥って言うか、やっぱりな‥‥ってのが、コイズミ改革の規制緩和によって乱立しちゃった「偽装表示」なのだ。「健康畳 植田」のホームページによると、現在、畳の表面に張る「畳表(ござ)」は、約80%が中国からの輸入によるものらしいんだけど、それで作られた畳のほとんどは、「国産」て表示されて販売されてるそうだ。
まあ、原料を海外から輸入しても、それを使って畳を作ったのがニポンなら、一応は「国産」て言えるような気もするけど、現在のJIS法やJAS法では、原産地と加工地が違う場合には、その両方を明記することになってる。だから、ニポンで販売してる畳で「国産」て表示できるのは、原料も加工もニポンのものに限るのだ。中国から輸入したウナギをニポンで蒲焼きにして、「宮崎県産」だの「四万十川産」だのって表示して卸してた業者が摘発されたのも、このJAS法に違反したってワケだ。
‥‥そんなワケで、現在、ニポンで販売、使用されてる畳の8割は、中国で生産されたイグサを使って、中国で「畳表」に加工されたものを輸入して、最終工程だけをニポンで行なってるものだ。だけど、それがすべて「偽装表示」ってワケでもないし、それがすべて「危険」だってワケでもない。わずかだけど、良心的な会社の場合には、ちゃんと「中国産」として販売してるし、輸入した「畳表」の残留農薬をチェキして、安全だと判断できるものしか使わなかったりしてる。だから、何から何まですべてがデタラメってワケじゃないけど、何よりのポイントは、「中国産だからダメ」ってことじゃない点だ。
最近、何かと、中国産のものを悪く言う流れになってるけど、中国産のものでも、ニポンの企業が現地に入って、生産から加工まですべてを指示してるようなものであれば、安全なものだってある。たとえば、通販の「ニッセン」や「セシール」で販売してる安い衣類や下着なんかは、ほとんどが中国製だけど、こっちの企業がすべてを監督してるから、鉛なんかまったく検出されないし、普通に安全だ。まあ、中国産の食品や衣類、玩具から、危険な物質が発見されるたびに、まるで鬼の首をとったみたいに大騒ぎするバカがいるけど、そういうヤツラってのは、ただ中国が嫌いなだけで、中国を悪く言うための材料として、これらのニュースに乗っかってるだけのアンポンタンだから、ほっとけばいいけど。
だいたいからして、ニポンで生産されてニポンで加工されてる純粋な「国産」の商品だって、中国産以上に危険なものがいっぱいある。それなのに、そうした現実からは目をそらして、自分の嫌いな他国のことばっか攻撃するのは、「消費者として安全な商品を手にしたい」っていうマットウな視点からの発言じゃないことが明白だ。そこにあるのは、ただ単に、自分の嫌いな国や民族の悪口を言いたいっていう小学校低学年レベルの稚拙な意識だけで、「食の安全」や「暮らしの安全」とは段違い平行棒ってワケだ。ま、こういったアンポンタンどもは、吉野家の狂牛丼を平気でパクパクと食べて、農薬まみれの畳に顔をつけて昼寝してるような鈍感なヤツラなんだから、未来永劫、無視しとけばいい。
で、畳の場合も、ウナギとおんなじで、別に中国の生産者だけが悪いワケじゃない。むしろ、悪いのは、消費者の健康なんてミジンも考えずに、お金儲けのことしか考えてないニポンの悪徳業者なのだ。たとえば、せっかく残留農薬の低い中国産の優良な「畳表」を輸入しても、そこに、極めて毒性の強い防虫シートや防カビ剤をタップリと使用して畳を作ってるのは、ニポンの畳業者なワケで、それを「国産」に偽装して販売してるのも、ニポンの畳業者なのだ。それなのに、中国の生産者に文句を言うのは、どっかの八百長ボクサーとおんなじくらい、スジが通ってない。
‥‥そんなワケで、毎月の家賃にも困ってるあたしの場合には、自分のお家を建てるなんてことは死ぬまでアリエナイザーだけど、もしも自分のお家を建てると仮定して、「このお部屋とこのお部屋は畳にしよう」って思って、その通りのお家が出来上がったとしたら、その畳の上にカーペットを敷くワケはない。完成した畳のお部屋の真ん中に、手足を伸ばして大の字に寝て、新品の畳の気持ちいい匂いを嗅ぎながら、幸せな気分を満喫したいと思う。だけど、現実的には、「畳の上に気持ち良く寝たい」っていう、ニポンに生まれたニポン人としては当たり前のような夢でさえ、インチキだらけのこの国では、すごく難しいことになっちゃった。何しろ、畳に使われる防虫シートや着色剤、防カビ剤などには、何の規制も設けられてないっていう、農水省の呆れ果てた怠慢があるワケだし、ヘタしたら、怠慢どころか、農水省の官僚が農薬会社からワイロをもらってて、あえて規制を設けないようにしてる可能性もある。じゃなかったら、ニポンの文化である畳が、これほどデタラメな状態になってる理由が見つからない‥‥なんてタタミかけてみた今日この頃なのだ(笑)
★ 今日も最後まで読んでくれてありがとう♪
★ 1日1回、応援のクリックをお願いしま~す!
↓ ↓
人気blogランキング
| 固定リンク