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2007.11.20

カラスの勝手

ここ2~3日のネットニュースの見出しを流し読みしてたら、「世界びっくりニュース」のとこに、こんな記事があった。


「『黒猫は縁起悪い』は迷信、イタリアで啓発イベント」 (ローマ 17日 ロイター)

イタリアでは17日、動物愛護団体が主体となって「黒猫の日」のイベントが開かれた。多くの国で汚名を着せられる黒猫だが、かつて「黒猫は悪魔の手先」などとされていたイタリアではそれが極端で、「黒猫は縁起が悪い」という迷信を信じる市民によって黒猫の殺害が横行。当地の動物愛護団体AIDAAによると、同国内では昨年1年間に推定6万匹の黒猫が殺害されたという。AIDAAでは、17日、国内200カ所に情報センターを設置し、道行く人たちに黒猫に関するチラシを配ったり、嘆願書への署名を募ったりした。同団体ではまた、愛猫家として知られるローマ法王ベネディクト16世あてに、支援を求める書簡を送ったという。


‥‥あたしは、一番好きな猫のガラは白黒ブチなんだけど、次に好きなのは黒猫だし、「魔女の宅急便」の黒猫ジジも大好きだし、なんたって最愛なのが「サイボーグ・クロちゃん」だし、あたし自身、自分の前世は黒猫なんじゃないかって思ってるほどの黒猫マニアだから、このニュースにはビックル一気飲みしちゃった。そして、ただ「黒猫に生まれた」って理由だけで殺されて来たたくさんの猫たちのことを思うと、おんなじ人間として、心から申し訳なく思った。

だから、あたしは、殺された黒猫たちに成り代わって、今、勉強中の黒魔術を使って、イタリア全土に最強の呪いをかけてやった。こんなバカバカしい迷信なんかを鵜呑みにして、何の罪もない黒猫を殺した人たちが、次は絶対に黒猫に生まれ変わり、今度は自分が殺される番になるようにと‥‥なんて恐ろしい感じでスタートしてみた今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、もちろん、この「黒魔術」のクダリは冗談だけど、なんでこんなことを書いたのかって言うと、脳みその回路が直列つなぎの人って、こうしたニュースを耳にすると、「イタリア人は酷い」っていう短絡的な結論に持ってくからだ。この短い記事をキチンと読めば、黒猫を殺してるのもイタリア人なら、それを止めようとしてるのもイタリア人なワケで、むしろ、こうした啓発イベントが行なわれたってことは、他の同様の国よりも素晴らしいってことになる。

イタリアに限らず、中世のヨーロッパでは、「猫は魔女の使い」って信じられてて、日常的に猫殺しが行なわれてた。何しろ、人間に対してだって、「魔女狩り」なんてことが行なわれてたんだから、当時の人たちは、猫を殺すことなんて何とも思わなかったんだろう。そんな中で、特に黒猫は、その外見的なイメージからか、集中的に殺されてた。やっぱり、丸々と太ったブチの猫と、しなやかで神秘的な黒猫が並んでれば、黒猫のほうが「魔女の使い」って感じがするからだろう。

猫が大好きなあたしは、どんな猫でもみんな大好きだけど、黒猫の美しさや神秘さには、他の猫とは一線を画した独特のものを感じる。「魔女の宅急便」のジジだって、黒猫だからイメージがピッタリなのであって、あれがもしも三毛猫だったら、絶対におかしいと思う。だから、殺すとか殺さないとかの話は別にして、昔の人たちが黒猫だけを特別のものとして見てたってことに関しては、モットモなことだと思う。エドガー・アラン・ポーの名作、「黒猫」にしたって、主人公の男が残酷に殺したプルートーって猫が黒猫だったからこそ物語の恐怖感が加速してくんであって、プルートーがブチ猫だったら、名作にはなってなかったと思う。

‥‥そんなワケで、いろんなガラの猫がいる中で、昔から、黒猫だけは、特別なイメージを持った存在だった。だから、ヨーロッパだけに限らず、世界中に、黒猫に関する迷信がある。ニポンでは、「黒猫が枕元を通ったら悪いことが起こる」ってのが有名だけど、似たようなので、ドイツには、「クリスマスに黒猫の夢を見たら翌年は重い病気にかかる」って迷信があるし、アイルランドには、「月の出ている夜に目の前を黒猫が横切ったら伝染病で死ぬ」って迷信がある。そして、今でも年間に6万匹もの黒猫を殺してるイタリアには、「病気で寝ている人のベッドに黒猫が一緒に寝ると、その人は確実に死ぬ」って迷信がある。これは、もちろん、「黒猫は魔女の使い」ってことから来てるワケで、これに類似した迷信は、ヨーロッパ各国にある。

だけど、迷信てのは面白いもんで、おんなじヨーロッパでも、黒猫を「幸福の使い」としてるものも多い。たとえば、イングランドやスコットランドには、「黒猫が道を横切ると幸運が訪れる」「黒猫が玄関から入って来ると、その家は繁栄する」って迷信があって、結婚のお祝いに黒猫をプレゼントする習慣まであったのだ。これは、「結婚祝いに黒猫を贈ると新婦に幸せが訪れる」って迷信にならったもので、昔は本物の黒猫をプレゼントしてたみたいたけど、今は、黒猫のヌイグルミや置物だったり、黒猫の絵や写真のカードだったりするみたいだ。そりゃそうだよね。みんなから本物の黒猫をプレゼントされて、お家の中が黒猫だらけになっちゃったら、それこそ黒猫パラダイスで、とても新婚生活どころじゃなくなっちゃうもんね(笑)

で、他にも、フランスに、「黒猫は特別な能力をそなえた魔法の猫なので、大切にすると必ず飼い主に幸運をもたらす」って迷信もある。だから、悪い意味でも良い意味でも、黒猫は、他のガラの猫とは違って、特別な存在だったってワケだ。でも、これは、猫本人にしてみたら「人間が勝手に言ってること」であって、猫本人にしてみたら「ぜんぜん関知してないこと」であって、猫本人にしてみたら「体の色なんて個性の1つにしか過ぎないこと」なのだ。たまたま黒猫に生まれたってだけで、「魔女の使い」にされて殺されたり、「幸運の使い」にされて大切にされたりって、まったくもって「いい迷惑」って話なのだ。

‥‥そんなワケで、あたしは、この「黒猫」と似たような位置づけのものが、「カラス」だと思った。現在のニポンでは、ハトが「平和の鳥」ってことにされてるのに対して、カラスは「不吉な鳥」とされてる。だけど、これにしたって、「カラスは悪食」だとか、「カラスは他の鳥や小動物を襲う」だとか、そうした習性としてのイメージからじゃなくて、「カラスは黒い」っていう外見的なイメージから来てることに過ぎないと思う。だって、現実的には、ハトのフン害に悩まされてる人たちにしてみれば、カラスなんかよりもハトのほうが遥かに「害鳥」なワケだし、他にも、モズやカワウの大量発生によって被害を受けてる人たちだっている。あたしの大好きなスズメだって、見かけは可愛いけど、お米を作ってる農家の人たちにしてみれば、立派な「害鳥」だ。

だから、「人間にとって害がある」ってことだけで言えば、カラスだけが特別に悪い鳥ってことにはなんない。それなのに、いろんな害鳥がいる中で、「害」とか「迷惑」とか「不愉快」とかってことだけじゃなくて、「不吉」ってイメージを持たされてるのは、カラスだけなのだ。どんなにハトやスズメが人間に迷惑をかけても、ハトやスズメに対して「不吉」ってイメージは生まれない。それに対して、カラスの場合は、人間に対して何の迷惑もかけてなくても、ただ単に「黒い」ってだけで、「不吉な鳥」ってことにされちゃってる。

そして、あたしが、カラスが黒猫と似てるって思ったのは、カラスって、「不吉な鳥」にされちゃってるだけじゃなくて、古くから、「神様の使い」とされてる一面もあるからだ。黒猫とおんなじように、カラスに関しても、世界中にいろんな伝説や迷信があるけど、有名なのは、「カラスは太陽の黒点からやって来た神様の使い」って話で、これは、世界の各地に伝わってる。たとえば、旧約聖書では、「太陽の黒点が姿を変えてカラスになった」ってことにされてて、カラスは雨を予知する特殊な能力を持ってることになってる。ギリシャ神話では、「太陽の神であるアポロンが可愛がってた白い鳥が、アポロンを怒らせたために、その罰を受けて黒い姿に変えられてカラスになった」ってことにされてて、こっちでも、太陽と深い関わりがある。

だから、古代では、「不吉の鳥」どころか、カラスは神様に近い存在で、良い意味での「特別な鳥」だった。ニポンでも、足が3本ある「ヤタガラス」が神様の使いってことになってて、サッカーのニポン代表チームのマークにもなってるから、見たことのある人も多いと思う。これは、4世紀の中ころ、神武天皇が大和朝廷を立てるために、熊野から大和へと向かってる途中で、熊野の山の中で道で迷っちゃったんだけど、その時に、天照大神が神武天皇に「ヤタガラス」を遣わせて、山を抜ける道案内をさせて、無事に大和に到着したって話がモトになってる。これが、もしも、カラスじゃなくて黒猫だったら、これがホントの「クロネコヤマト」なんだけど、そんなことは置いといて、神武天皇は、この「ヤタガラス」のオカゲで、東征に成功して、大和朝廷を立てることができたってワケだ。

で、この神武天皇の皇子か、側近の高官が埋葬されてるみたいだって言われてるのが、奈良県の明日香村にあるキトラ古墳なんだけど、このキトラ古墳の壁画にも、3本足のカラスの絵が残ってる。キトラ古墳の壁画は、「世界最古の天文図」って言われてて、星座の配置を示してるそうなんだけど、東の壁に「太陽と3本足のカラス」、西の壁に「月とカエル」が描かれてる。ちなみに、これは今日の話題とは関係ないことなんだけど、「機動新撰組 萌えよ剣」が大好きなあたしとしては、キトラ古墳の棺を納めてある部屋の四方の壁に、青龍、白虎、朱雀、玄武の四神が描かれていることが、個人的なツボでもある。

‥‥そんなワケで、この「ヤタガラス」の伝説の他にも、ニポン各地に「香良洲(からす)」っていう地名が残ってる。香良洲神社、香良洲町、香良洲道など、その多くは、カラスを神様の使いとして祀ってたり、その名残りだったりするワケで、今でも神事が行なわれてる地域もある。だから、カラスって鳥も、黒猫とおんなじように、色が黒かったってだけの理由で、人間の都合ひとつで、「不吉な鳥」にされて迷惑がられたり、「神様の使い」にされて祀られたりって、まったくもって「いい迷惑」な扱いをされて来たってワケだ。あたしは、2006年2月20日の日記、「然るべきシカの話」の中で、人間の都合ひとつで食料にされたり、精力剤にされたり、神様にされたり、害獣にされたり、天然記念物にされたりと、ハタ迷惑な扱いを受けて来た「ニポンの鹿」について書いたけど、鹿の場合には、まだ必然的な理由があった。だけど、人間の感覚による外見的なイメージだけで、黒猫やカラスを神様にしたり悪魔にしたりってのは、人間のエゴが丸出しで、あまりにも一方的すぎると思った。ま、この地球は、すべて人間のエゴだけで動かされてるワケだから、人間がどれほど自分勝手なことをしようとも、人間がどれほど動物を殺し続けようとも、それこそ「カラスの勝手」ってワケで、言葉がしゃべれない動物サイドからは何も文句は出て来ない。だけど、動物たちの心の声を聞かずに、調子に乗って自分勝手なことばっか続けてると、近い将来、人間に大きなシッペ返しが来ると思う今日この頃なのだ。


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