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2007.11.07

妄想温泉

Onsen1
今年の夏はヤタラと暑くて、連日の熱帯夜にも苦しまされたけど、それだけじゃなくて、9月になってもずっと真夏日が続いてて、「いったい、いつになったら夏が終わるんだろう?」って感じだった。ニポンでは、昔から「暑さ寒さも彼岸まで」って言われてる。これは、冬の寒さを引きずってた春も、春のお彼岸、つまり、3月21日ころの「春分の日」を過ぎれば暖かくなって来るし、夏の暑さを引きずってた秋も、秋のお彼岸、つまり、9月23日ころの「秋分の日」を過ぎれば涼しくなって来るってことだ。で、どんなに残暑が厳しい年でも、たいていは、この「暑さ寒さも彼岸まで」って言葉の通りに、9月の下旬には過ごしやすくなってたんだけど、今年は、9月の下旬どころか、10月になってもなかなか涼しくならなくて、暦の上では晩秋に入っても、まだ半袖で過ごせる日が続いてた。

10月の下旬になって、ようやく朝晩には肌寒さを感じるようになって来たけど、それでも昼間は、ブラウスの上に七分袖のカーデを羽織るくらいで外を歩けたし、11月に入った今でも、とてもコートを羽織るような気温じゃない。だから、温泉が大好きなあたしが、毎年、この時季の楽しみにしてる「妄想温泉」も、なかなか楽しむことができなかった。「妄想温泉」てのは、実際には温泉に行けないあたしのヒソカな楽しみで、簡単に言えば、お風呂に温泉の素を入れるってだけのことなんだけど、これにも、ちゃんとした手順があるのだ。

まず、テレビ東京で、「いい旅・夢気分」だとか「土曜スペシャル・紅葉の名旅館」だとかを放送する日を選んで、その放送時間に合わせて、すべての準備を始める。お風呂にお湯をためて、その時の放送内容に合わせた温泉の素を入れて、お酒とオツマミの用意をしてから、放送が始まるまでお湯に浸かる。そして、ゆっくりと温まったら、お酒を飲みながら番組を見る。そうすると、あたしが食べてるのは、マルハのサバの味噌煮のカンヅメとキュウリのキューちゃんなのに、画面に映し出される豪華絢爛な名旅館のお料理を一緒に食べてるような気分になれるのだ。そして、番組が終わったあとに、もう一度、お風呂に入ると、ほろ酔い加減で、ホントに温泉に入ってるような気持ちになって来るし、肩までお湯に浸かって目をつぶると、さっきテレビで見た紅葉の山々が蘇って来る今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、あたしは、こんなことを今の時季のヒソカな楽しみにしてるワケだけど、今年は、いつまでも暖かいから、なかなか妄想を楽しむことができなかった。だけど、いくら暖かい日が続いてるって言ったって、これから永久に暖かいワケはなく、いつかは寒くなるんだから、こないだ、川崎のパチンコ屋さんに行った帰りに、安売りのドラッグストアに寄って、温泉の素を買って来ておいた。いつもは、大好きなツムラの「登別カルルス」と、あとはバラ売りのやつをいくつか買うんだけど、今回は、お仕事を長期休業中ってことで、ゼイタクな買い方はやめて、ツムラの「日本の名湯」の5個入りを1箱だけにした。

で、これは、定価が1袋が90円だから、5個入りだとホントは450円なんだけど、安売り店だから298円になってて、1袋あたり60円てとこだった。内容は、「登別カルルス」は当然として、あとは、「濁河(にごりご)」「嬉野(うれしの)」「龍神」「山代」で、あたしは、「登別カルルス」と「山代」以外は初体験だったから、すごく楽しみだった。それで、温泉の素を買って来たからには、早く「妄想温泉」に入りたくなっちゃうのが人情ってもんで、あたしは、「寒くなんないかな~」って思ってた。だけど、これは、いつでもいいから寒くなりゃいいってワケじゃなくて、テレビ東京で温泉番組や旅行番組をやる日に寒くなんないと意味がないワケだから、そんなに都合良くは行かない。

これも、昨日の日記の「深夜番組の見方」とおんなじで、録画しといて自分の都合に合わせて観ると、湯冷め‥‥じゃなくて、興ざめしちゃうのだ。何でかって言うと、テレビの放送日や放送時間のほうに自分を合わせて、いろいろと準備するからこそ、ホントに温泉旅行に行ったような妄想にひたれるからだ。だから、あたし的なサイコーのシチュエーションてのは、テレビ東京の土曜の夜の2時間スペシャルで、名湯めぐりの番組をやってて、次の日曜日の早朝に、テレビ朝日の「秘湯ロマン」があって、担当の旅人が大好きな春馬ゆかりちゃんだったら、もうパーフェクトだ。

土曜の夜、温泉の素を入れたお風呂でゆっくりと温まって、お風呂から出たら土曜スペシャルが始まる。そして、美しい景色や気持ち良さそうな温泉、美味しそうなお料理を見ながらお酒を飲み、番組が終わったら、もう一度、お風呂に入ってから、早めにお布団に入って、グッスリと休む。で、早起きして、もはや芸術の域にまで達してる「秘湯ロマン」の映像を楽しみながら、温泉に浸かるゆかりちゃんのウナジに「萌え~」ってなりつつ、お風呂を沸かしなおしておいて、番組が終了したらお風呂に入る。これが、サイコーのパターンなのだ。

‥‥そんなワケで、あたしの一番好きな「登別カルルス」をはじめとした濁り湯系の温泉の素は、2回以上、沸かしなおすと、濁りの成分が凝固しはじめて、ブツブツしたカタマリになって来る。そして、そのぶん、お湯の色はだんだん薄くなって来るから、薄い色のお湯の中にブツブツが浮かんでて、ぜんぜん風情がなくなっちゃう。だけど、1回目の沸かしなおしまではキレイな色だから、この土日のパターンなら、気持ちよく浸かることができるのだ。そして、早朝から極楽気分の「妄想温泉」に入れたことで、精神的にもすごく癒されて、なんだかやさしい気持ちになって来るから、そのあと、渡辺篤史が、他人の家のドアだの階段の手すりだのを歯の浮くようなオベンチャラで褒め始めても、ぜんぜんツッコミを入れなくても済むようになる(笑)

それにしても、テレビ朝日の「お宅訪問」での渡辺篤史のオベンチャラは、ある意味、現代のタイコモチ芸とも言える伝統性を感じるよね。どんなにセンスの悪いヘンテコな家でも、ドアを開けて出て来た夫婦がツッコミどころ満載のヘンテコなファッションをしてても、そうした部分にはいっさい触れずに、まるで警察の麻薬犬が微量の麻薬の隠し場所を探し当てるかのように、何とかして褒める場所を探し出して、当たり障りのないとこを百万倍くらいに大ゲサに褒めまくるもんね。どんなにつまんない芸人の芸を見ても、大ゲサに手を叩いて大笑いしてるフリをする関根勤も、なかなかのシラジラシサがあるけど、関根勤の場合は、その場のイキオイで押し切っちゃう強引なワザだから、まだまだ渡辺篤史のシラジラシサの足元にも及ばないだろう。渡辺篤史のように、その家の人までもが、あまりのシラジラシサに照れ笑いをしちゃうほどの領域まで行かないと、芸風として確立されたことにはなんないと思う。

そんなオベンチャラ芸の第一人者、渡辺篤史だけど、昔は、「俺たちは天使だ」っていう日本テレビの探偵ドラマに出てて、あたしは大好きだった。あたしが子供のころって、毎日、夕方に、「傷だらけの天使」だとか「探偵物語」だとかの再放送をしてたんだけど、その中でも、コメディー性の強かった「俺たちは天使だ」は、あたしの好きなドラマだった。主役は、養父で事務所の社長だった日景忠男とのホニャララ関係を清算するために、「おやじ、涅槃で待ってる」って遺書を残して、高層ホテルから飛び降り自殺しちゃった沖雅也で、渡辺篤史は「ナビ」っていうニックネームの部下だった。

あたしが、この役柄を良く覚えてるのは、ドラマの中でのナビの大好物が、アジフライを食パンにはさんで食べる「アジサンド」だったからだ。それまでのあたしは、「アジフライは白いご飯のおかず」って認識で、マサカ、パンにはさむなんて想像もしてなかったから、最初にナビの「アジサンド」を見た時には、「ゲゲ~!」って思った。だけど、ドラマの中で、毎回毎回、ナビが美味しそうに食べてるもんだから、あたしもだんだん食べてみたくなって来ちゃった。それで、母さんが晩ご飯のおかずにアジフライを作ってくれた時に、チャレンジしてみたのだ。

食パンにマーガリンを塗って、キャベツの千切りを全体に乗せて、その上にアジフライを乗せて、ソースをかけて、もう1枚の食パンでサンドイッチにした。そしたら、すごい厚みになっちゃって、食べるのが大変そうな感じになったんだけど、大きく口を開けてパクッと食べてみたら、これが、それまで食べたどんなサンドイッチよりも美味しかった。それで、あたしは、それ以来、「アジサンド」が大好物の1つになっちゃって、今でも、タマに食べたくなると、スーパーのお惣菜のコーナーでアジフライを買って来て、パンにはさんで食べたりしてる。

‥‥そんなワケで、あたしは、この「アジサンド」を食べるたびに、「俺たちは天使だ」のナビのことを思い出すワケで、そのたびに、「この素晴らしい食べ物をあたしに教えてくれた偉大な人物が、今や、他人の家をオベンチャラ言いながら回ってんのか‥‥」って思って、リトル悲しい気分になって、心に北風が吹いちゃうってワケだ。だけど、そんな時には、温泉の素を入れた「妄想温泉」で身も心も温まれば、1年中、温泉に浸かってるみたいな能天気男、コイズミみたく、「人生いろいろ、タレントもいろいろ」って思えて来て、落ち気味になった気持ちをグイッと持ちなおすことができちゃう今日この頃なのだ。


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