ゴルフ場の谷のナウシカ
ここ数日、帝国華撃団‥‥じゃなくて、ナントカ寒気団が来てるとかで、あまりにも寒い日が続いてる。それで、昨日、コンビニに行った時に、肉まんが食べたくなって、そのコンビニの肉まんの保温器を見たら、あたしの一番好きな「井村屋」だったので、思わず、レジにいた店員さんに、「あの~、肉‥‥」って言ったとこで、ハッとした。あたしは、ベジタリアンだったのだ。どこかで出されたものにお肉が入ってた場合には、残すよりはマシだから感謝して食べるけど、自分でお金を払って買ったり注文したりする場合には、お肉の入ってるものは絶対に選択しない。これが、あたしが実践してる「ゆるいベジタリアン」だから、仕事場に肉まんの差し入れがあって、1人に1個ずつ配られたら食べるけど、自分でお金を払って肉まんを買うのは、NGだったのだ。それで、「肉まん」の「肉」って言ったとこでハッと気づいたあたしは、「あの~、肉‥‥の入ってない肉まんて、アンまんだけですか?」って、意味不明なことを質問しちゃった(笑)
「肉の入ってない中華まんて、アンまんだけですか?」って聞けば良かったんだけど、「肉まんください」って言いかけた途中で、あわてて車線変更したもんだから、トンチンカンな聞き方をしちゃったってワケだ。だけど、その店員さんは、「そうですね。ナントカまんもナントカまんもナントカまんも肉が入ってますから、肉が入ってないのはアンまんだけですね」って、ちゃんと答えてくれた。それで、あたしは、「そうですか。すみませんでした」って言って、そのやりとりを終わらせることができたんだけど、これからの寒いシーズンに肉まんが食べられないってのは、スーパーひとし君もガックリと肩を落としちゃうほど、なかなかショッキングな世界ふしぎ発見だった。
あたしは、もともとお肉は好きじゃないから、自分から進んで焼肉やステーキを食べようとは思わないし、お仕事の付き合いで焼肉屋さんに行ってたころも、カルビとかは1枚か2枚で十分で、あとはキムチとかサラダとか野菜焼きとか海鮮焼きとかを食べてた。だから、あたしは、肉まんにしても、お肉が食べたいワケじゃないから、「肉抜きの肉まん」てもんがあれば、それこそがあたしの望んでる食べ物だってワケだ。お肉なんか入ってなくても、タケノコやシイタケがタップリと入ってれば、きっと、すごく美味しいハズだと思う今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、あたしは、コンビニの肉まんには、単なる食べ物ってことだけじゃなくて、プラスアルファの意味があると思ってる。それは、俳句の季語としての、その季節の到来を実感させてくれるって意味だ。「俳句の季語としての」って言っても、残念ながら、肉まんやアンまんは、まだ俳句の季語にはなってないんだけど、たとえば、「やきいも」とか「鯛焼」とか「今川焼」とかが冬の季語なんだから、肉まんやアンまんだっておんなじだと思う。
だけど、歳時記によっては、「蒸饅頭(むしまんじゅう)」も冬の季語になってる。でも、これまた残念ながら、これは、酒粕を小麦粉で練ってセイロで蒸したニポンの蒸饅頭のことなのだ。そう言われても、現代では、こんな蒸饅頭、そこらで買うことはできないし、見たことも聞いたこともない人もいるだろう。寒くなると、そこら中のコンビニでいっせいに売り出す肉まんやアンまんのほうが、誰でも知ってるだろうし、誰でも食べたことがあると思う。つまり、歳時記が作られた何十年も前なら、コンビニもなかったし、肉まんやアンまんは中華街にでも行かないと食べることができない珍しい食べ物だったんだろうけど、今じゃ、ものすごくメジャーになったってワケだ。だから、酒粕で作ったニポンの蒸饅頭を冬の季語にしてるのは構わないけど、時代の流れに合わせれば、肉まんやアンまんのほうが、遥かに冬の季感があると思う。
季語の本意ってのは、言うまでもなく季感なワケで、その季語を読んだだけで、「ああ、春だな~」とか、「夏なんだな~」とかって、感じることができないと意味がない。だけど、実際には、旧暦に沿って作られてる歳時記を見ると、「七夕」や「西瓜」や「朝顔」が秋の季語に分類されてたりして、現代の季感とは合ってない季語もたくさんある。
たとえば、「大掃除(おおそうじ)」って季語は、普通の感覚で考えたら、誰でも「年末」の季語だと思うだろう。「大掃除」は、年賀状を書いたり、おせち料理を作ったり、お正月のお飾りを準備したりするのとおんなじに、年末のイベントの1つだからだ。だけど、歳時記を見ると、「大掃除」は春の季語に分類されてる。これは、何十年も前には、毎年4月になると、その地域の役場からそれぞれの家庭に、「大掃除をするように」っていう通知があったからだそうだ。だけど、今じゃ、ちゃんと支払ってるハズの年金に関しての通知すら来なくなっちゃったんだから、大掃除の通知なんて来るワケがない。
それなのに、現代では無くなっちゃった何十年も前の習慣が、そのまま歳時記に掲載されてるワケで、この辺が、現実の生活と歳時記とのギャップの1つになってる。たとえば、これが動物や植物だったらどうだろう。「花鳥風月」って言うくらいだから、歳時記には、たくさんの花や鳥、動物や虫が季語として掲載されてる。だけど、その中の1種類の鳥が絶滅したとしたら、植物が絶滅したとしたら、もう、その鳥や花を見ることができなくなるんだから、歳時記から削除することになる。
「そんなに簡単に絶滅なんかしないだろう」って思ってる人もいるかもしんないけど、人間による環境破壊は、恐ろしいほどのスピードで加速してる。たとえば、植物だけを見ても、1900年から2000年までのたった100年間で、30万種もの植物が、人間による伐採や環境汚染によって絶滅しちゃったのだ。これは、単純計算すれば、1年間に3000種ずつ、1日に8種ずつ絶滅してるってことになるけど、実際には、この100年間の最初のころは、1週間に1種くらいの割合で絶滅してた。そして、それが、どんどん酷くなって来て、2000年を迎えるころには、1日に20種から30種もの植物が絶滅し続けるようになったのだ。つまり、平均すれば、1日に8種ずつ絶滅してるってことになるけど、今現在は、1日に20種から30種もの植物が絶滅し続けてるってことで、今のまま進んで行けば、これからの100年間では、30万種どころか、その3倍から4倍もの種類の植物が絶滅しちゃうってことになる。
だけど、これは、地球上に限りない種類の植物があったとしたらの話であって、実際には、今、地球上に残ってる植物は、確認されてるものだけで約20万種、未確認のものを推測してプラスしても約22万種って言われてる。つまり、あたしたち人間は、この100年間で、地球上に存在してた植物の半分以上の種類を絶滅させちゃったってことなのだ。そして、今のスピードで絶滅してけば、あと50年もしないうちに、地球上のすべての植物は絶滅しちゃうのだ。
でも、これは、算数の話であって、実際には、地球上のすべての植物が、あと50年もしないうちに絶滅しちゃうなんてことはアリエナイザーだ。何でかって言うと、人間は、自分たちにとって利用価値のある植物に関してだけは、栽培したり、品種改良したり、植林したりしてるからだ。だから、お米を始めとして、数多くの穀物や野菜や果物、そして、木材として利用価値のある植物は、あと50年で絶滅したりはしないと思う。だけど、逆に、人間にとって利用価値のない植物は、どんどん絶滅させられてくだろう。
‥‥そんなワケで、地球上のすべての動植物は、何らかの因果関係の上に成り立ってる。だから、いくら人間にとって利用価値がないって言っても、それは、目の前のことだけしか見てないワケで、「風が吹けば桶屋が儲かる」的な理屈で見れば、どんな雑草だって、どんな小さな虫だって、すべての生き物は、どこかで人間の役に立ってるハズだ。それなのに、目先の利益だけにとらわれて、大切な山を伐採してゴルフ場なんかを造っちゃうなんて、人間て、どうしてこんなに愚かなんだろう。
ちなみに、バブル時代にゴルフ場の乱開発が行なわれた千葉県は、県の総面積の約20%がゴルフ場にされちゃった。そして、ニポンの気候に合わない芝を育てるために、ものすごい量の農薬が散布され続けてて、それが土に染み込んで、雨によって周りの川へと流れ、数え切れないほどのお魚が死に続けてる。それどころか、周りの田畑にも、ゴルフ場の農薬が流れ続けてる。千葉県で、長年、無農薬の農業をやってた人は、周りの山に3つもゴルフ場を造られてから、自分の畑の作物からも高濃度の農薬が検出されるようになって、ついに、畑を捨てて他県に引越ししちゃった。
ゴルフ場で働いてるキャディーさんの多くは、芝に撒く農薬に苦しめられている。中には、酷い健康被害にあって、仕事を辞めた人も数え切れないほどいる。それなのに、そんなゴルフ場へ出かけて行って、高いお金まで払って、深呼吸なんかしちゃってる人がいっぱいいる。中には、嫌煙権を振りかざして、隣りの人のタバコの煙にまで文句を言ってるような健康ヲタクが、ゴルフ場に行って、農薬だらけの空気を吸い込んで、スガスガシー顔なんかしちゃってるんだから、あたしは、「バッカじゃないの?」って思っちゃう。
ゴルフ場を経営してるのは、大手のゼネコンの子会社だったり、ホニャララ団のフロント企業だったりするワケで、コイツラは、自民党の森派の議員や官僚たちとベッタリ癒着してる。そのため、環境省が、ゴルフ場の農薬の散布状況や付近の水質検査を行なう場合には、3ヶ月も前に電話で連絡しとくのが通例になってる。だから、連絡を受けたゴルフ場は、3ヶ月後の検査で合格するように、農薬の散布量を減らしたり、検査日の数日前からはいっさい散布しないなど、対応してるってワケだ。そして、それでも基準値を上回る残留農薬が検出されちゃった場合には、そこはベッタリと癒着してる身内同士なワケだから、チョチョイのチョイと数字を書き換えてもらうってスンポーなのだ。
国民から巻き上げた年金保険料を好き勝手に使い込み、知らぬ存ぜぬで逃げ回ってる社会保険庁しかり、天下りどもが勢ぞろいしてるゼネコンや外郭団体と手を組んで、談合に次ぐ談合で税金を山分けしてる国土交通省しかり、接待の嵐でやりたい放題の防衛省しかり、コイツラの頭の中には、国民のことや環境のことなんか考えてる脳みそは1ミリグラムもない。あるのは、テメエたちの私利私欲のことだけだ。小池百合子を始めとした歴代の環境大臣が「環境破壊大臣」て呼ばれてるのだって、その立場を利用して、かけがえのない自然を自分たちの私利私欲のために破壊し続けて来たからだ。そして、その最大にして最悪なのが、ゴルフ場の乱開発に絡んだ利権なのだ。
‥‥そんなワケで、世の中が不景気になってくれたオカゲで、ホニャララ団のフロント企業によるゴルフ場の乱開発だけは下火になってくれたけど、今までに造られちゃったゴルフ場は、全国に2300もある。そして、そこに散布されてる農薬は、かつては年間に約2.5トンとも3トンとも言われてた。ここ数年は、減農薬を実施してるゴルフ場も増えて来たので、最盛期よりは減少傾向にあると思うけど、それでも、あたしに言わせれば、たかが遊びなんかのために、かけがえのない国土に危険極まりない農薬を散布し続け、それが、川へと流れ出て、多くの動植物を殺し続けてるなんて、これほど愚かなことはないと思う。遊びのために、広大な土地に自生してた植物をすべて殺して、その土地の気候に合わない植物をムリヤリに植えて、そのために農薬を撒き続けるなんて、もしもナウシカがいたら、なんて言うだろう? そして、今から50年後、100年後の歳時記には、いったい何種類の植物の名前が残ってるんだろう?‥‥なんて思った今日この頃なのだ。
★ 今日も最後まで読んでくれてありがとう♪
★ 1日1回、応援のクリックをお願いしま~す!
↓ ↓
人気blogランキング
| 固定リンク