親子ガエルの目に映ったモノ
ゆうべは、「ふたご座流星群」を見る他に、もうひとつ、楽しみにしてたことがあった。それは、新しいカエルのおもちゃの進水式だった。お風呂に入るのが趣味みたいなあたしにとって、長風呂のお供と言えば、お湯に浸かりながら遊ぶおもちゃたちなんだけど、一番遊ぶことの多かったカエル君が、ずいぶん前に壊れちゃって、なかなかおんなじものが見つからなくて、ずっと探してたのだ。これは、カエルのお尻から長い管が伸びてて、その先に小さなラグビーボールみたいなピコピコがついてて、それを握ると空気が送られて、カエルの後ろ足が伸びてピョンと跳ねるやつの「お風呂でも遊べるバージョン」なのだ。
1年半くらい前に、出先でタマタマ入った100円ショップで見つけたんだけど、「親子ガエル」って書いてあって、背中に小さなカエルを乗せてたんだけど、親のほうがマンガみたいにヘンテコな顔なのに、子供のほうはミョ~にリアルで、そのアンバランスさがあまりにもおかしかったのと、何よりも「お風呂でも遊べる」って書いてあったから、つい、買っちゃったものだ。それで、実際にお風呂で遊んでみたら、最初は普通に泳がせてただけだったのに、次々と新しいワザを発明しちゃって、あたしにとって、それまでの主役だったアヒル隊長よりも、遥かに使用頻度の高いパートナーになっちゃった。
だけど、お風呂に入るたびに遊びまくってたら、一番大切な伸び縮みする足の部分が裂けちゃって、もう、どうしようもなくなっちゃったのだ。それで、近所の100円ショップに行ってみたら、似たのはあったんだけど、おんなじ「お風呂でも遊べる親子ガエル」は売ってなかった。だから、それからは、アヒル隊長を沈めて、お湯の中で手を離して、水面から飛び出る時のスタイルに得点をつけて遊ぶ「シンクロアヒルド・スイミング」とか、お風呂用のジグソーパズルで遊び続けてた今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、この「お風呂用のジグソーパズル」ってのも、ずいぶん前に100円ショップで見つけたんだけど、これは、まだまだ現役だ。お風呂マットみたいな、硬いスポンジみたいな素材でできてて、ぜんぶをバラバラにしてお風呂に浮かべて、お湯に浸かりながら完成させるようにできてる。縦が5個、横が7個の35ピースだから、幼稚園児でも簡単にできそうなんだけど、ところが、意外と難しい。何でかって言うと、普通のジグソーパズルって、一番外側にあたる部分のピースは、その面がまっすぐになってるからすぐに分かるけど、これは、ワクがあって、そのワク自体の内側に凹凸があって、そこにピースをはめ込んでくようになってる。つまり、すべてのピースの上下左右に凹凸があるのだ。だから、ピースの形を見ただけじゃ、どれが外側なんだか分かんない。
さらには、普通のジグソーパズルって、2つとしておんなじピースがないから、違う場所には合わないようになってるけど、これは、ぜんぶおんなじ形なのだ‥‥っていうか、4面とも出っ張ってるものと、4面ともへこんでるものの2種類しかないのだ。そして、4面とも出っ張ってるものはぜんぶおんなじ形だし、4面ともへこんでるものもぜんぶおんなじ形だから、いくらでも間違えてはめ込むことができちゃうのだ。あたしのは世界地図なんだけど、アメリカと中国を入れ替えることもできるし、アフリカの南端とオーストラリアの西半分を入れ替えることもできるし、南極とカナダを入れ替えることもできちゃう。
それに、所詮は100円のおもちゃだから、書いてあることもワンダホーで、ワクの下のとこに、一応、「国境及び縮尺は正確ではなく、パズル用にデフォルメされています。スペースの都合上、すべての国名は表記されていません。」て但し書きがあるんだけど、その偏り具合がサイコーなのだ。ヨーロッパとかは、これでもか!って感じで、すべての国名が克明に書かれてるのに‥‥って、軽いオヤジギャグを織り込みつつも、アフリカなんか、面積も広いし50以上の国があるってのに、書いてあるのは12個だけだ。それなのに、北極海のほうにあるノバヤゼムリャだのノボシビルクス諸島だのピオルネ島だの、ほとんどの人が聞いたこともないような地名が書かれてたりしてる。
あたしは、ノバヤゼムリャだけは、ロシアが核の実験場にしてるってことで知ってた。今じゃ、表向きは「核廃棄物の処理場」って名目で、実際には巨大な「プルトニウム生産工場」を造って運転してることから、「ロシアの六ヶ所村」って呼ばれてることとか、大量の排液を北極海へ垂れ流ししてて、放射能でクジラとかが汚染され続けてるってことも聞いてたから、この名前だけは知ってた。だけど、ノボシビルクス諸島だのピオルネ島だのなんて、生まれてから一度も聞いたことがなかった。それで、このパズルを買って来たころ、どんなとこなのか知りたくて、インターネットで調べてみたんだけど、ノボシビルクス諸島のほうは少しだけ情報が見つかったのに、ピオルネ島のほうは1件もヒットしなかった。
それで、気になって気になって仕方なかったあたしは、このパズルが印刷ミスなんじゃないかって思って、「ピ」を「ビ」に変えて検索してみたり、「ピオルネ」を「ピオネル」にして検索してみたんだけど、それでも見つからなかった。そして、ロシアの地図を探して、ピオルネ島って書かれてるあたりを探してみたんだけど、これに似た名前の場所はどこにもなかった。だから、未だに、ピオルネ島がどんな島なのか、そして、ホントにあるのかどうかも分かんないのだ。
‥‥そんなワケで、書いてあって当然の国名が、タップリとスペースがあるのに、ナゼか書かれてなかったり、誰も知らないような島の名前が、ぜんぜんスペースがないのに、ワクにハミ出してまでムリに書かれてたりと、イマイチ掲載の基準が分かんない世界地図なんだけど、それでも、まあまあそこそこ使えるワケで、お風呂で遊んでるうちに、あたしは、「名前は知ってても、どこにあるのか正確には知らなかった」って国はほとんどなくなった。とにかく、自民党の山本一太みたいに、「イラクは安全だ!」とか言って自衛隊のイラク派遣を強引に推進してたクセに、バラエティー番組の「白地図にイラクの場所を書き込むクイズ」で、お笑いタレントでさえ正解してたのに、自分だけ堂々と大間違いしちゃうようなことにだけはなりたくないからね。
で、いくら「意外と難しい」って言っても、何度も何度もやってれば、だんだん早くできるようになって来る。この世界地図は、中国やアメリカやカナダみたいに大きな国は別々の色になってるけど、アフリカはぜんぶベージュとか、南米はぜんぶ黄色とかってなってるから、「ベージュのピースを集めればアフリカ」ってワケで、そうした点ではやりやすい。ただ、ここがポイントなんだけど、テーブルの上に広げてやるのとは違って、これは、お風呂に浮かべてやるワケだから、裏になってるピースを表向きにすると、波が立って他のピースの上下が逆になったり、あれこれ探してるうちに、いくつかのピースが背中のほうに流れて行ったりしちゃって、欲しいピースを探し出すのが大変なのだ。
それでも、おんなじパズルを何度もやってれば飽きて来るワケで、ここで登場するのが、あたしの発明したオリジナルの遊びなのだ。「ピースの形が2種類しかない」ってことを利用して、あたしが最初に思いついたのが、ぜんぶのピースを裏向きに浮かべて、ワクも裏向きにして、すべてカンだけでハメ込んでって、最後に表向きにする。そうすると、当然、地図はメチャクチャなんだけど、これを果てしなく繰り返してれば、いつかはミラクルが起こって世界地図が完成するんじゃないか?って考えたのだ。だけど、実際にやってみたら、ピースの上下左右がおんなじ形だから、ただ単に「違う場所にハメ込んじゃう」ってだけじゃなくて、「違う場所に違う向きでハメ込んじゃう」から、成功する確率なんてアリエナイザーだって気づいたのだ。
それで、これを解消するためにあたしが考えたのが、それぞれピースの裏側の「上」にあたる部分にマジックで印をつけて、「場所は間違えても向きは間違えない」って作戦だった。だけど、「裏にマジックで印をつける」って発想したことから、「それなら、いろんな色のマジックを使って、裏一面に好きな絵を描いて、もう1種類のパズルを作ってみても楽しい」って思いついちゃって、どっちにしようか迷ってるのが、今の状態なのだ。
‥‥そんなワケで、あたしは、こんな感じのお風呂ライフを続けてたんだけど、オトトイ、近くの100円ショップにお年玉のポチ袋を買いに行った時に、ついでに店内をウロウロしてたら、ナナナナナント! 夢にまで見た‥‥ってのは大ゲサだけど、あの「お風呂でも遊べる親子ガエル」が大量に入荷してるのを発見しちゃった! あたしは、思わず「あっ!」って声を出しちゃったほど感激して、1個1個をパッケージの外から見比べて、空気を送るピコピコに亀裂とかがないもの、管の途中に折れ目とかがないもの、ピコピコと管の接続部分がシッカリしてそうなものをいくつか選んでから、今度は、その中で、親ガエルの目のシールが可愛く貼れてるもの、前足の左右のバランスがいいものを選んだ。最終的には、候補ガエルを2匹に絞ったんだけど、どっちも良く見えちゃって、どうしても決められなかったから、「左右で迷った時は左」っていうあたしのルールに従って、左手に持ってたほうを買うことにした。
そして、ついに、わが家に二代目の親子ガエルがやって来たワケなんだけど、これは、すぐには遊べないのだ。パッケージから出したままだと、クルクルと巻いてあった管に巻きグセがついてるから、カエルが遠くに跳ばないばかりか、お風呂で泳がせるとぜんぜん前に進まないのだ。だから、まずは、楽しいカエルライフをエンジョイプレイするために、「管の巻きグセを取る」って作業をしなくちゃなんない。これは、一代目の時に苦労してアミ出した方法なんだけど、キッチンのシンクで、管がまっすぐなるように伸ばして、カエルのほうにもピコピコのほうにもマグカップとか湯のみとかをかぶせて、それを重しにして管が縮まないようにする。そして、沸騰させたお湯を管全体にかけて、そのまま放置しとくだけだ。
こうすれば、管の巻きグセが取れて、親子ガエルは、多彩で華麗なる泳ぎを披露してくれるようになる。ちなみに、ピコピコの部分は薄い塩化ビニールみたいなので、熱湯をかけると変形しちゃいそうな感じだから、マグカップとかをかぶせるのは、重しの他に、ピコピコの部分にお湯がかからないようにするって意味もあるのだ。どう? すごいでしょ? だけど、この「きっこ家の食卓」の裏ワザは、「お風呂でも遊べる親子ガエルの管の巻きグセを取る」ってことにしか使えないから、あまりにもマニアックな裏ワザなのだ(笑)
‥‥そんなワケで、あたしは、「ふたご座流星群」を見たあとに、冷えた体をお風呂で温めつつ、二代目の親子ガエルの進水式をしようって決めてた。そして、親子ガエルで遊ぶための必須アイテムである「登別カルルス」も、3日前に入れて、昨日で最後の「3回目の沸かし返し」だったから、すべての条件がそろってたのだ。何で「登別カルルス」が必須アイテムなのかってことは、このまま読んでけばオノズと分かって来るので、ここでは説明しないけど、とにかく、あたしは、いっぱい流星を見ることができたし、いつもより高いテンションでお風呂に入った。それで、しばらく温まってから、いよいよ親子ガエルの進水式ってワケで、あたしは、プールに飛び込むみたいな感じにバスタブのフチに親子ガエルを置いて、イキオイ良くピコピコを握った。
ピョ~~~ン!‥‥ポチャン!
二代目の親子ガエルは、素晴らしい放物線を描いて、純白の湖面へと飛び込んだ。あたしは、即座に、「バスタブや蛙とびこむお湯の音」ってお祝いの1句を詠み、しばらくは、親子ガエルの優雅な泳ぎに見惚れていた‥‥なんてワケには行かなかった。だって、この親子ガエルって、背中に乗ってる子ガエルの重さのセイで、浮かべた時のバランスがヤタラと悪くて、最初の1回か2回のピコピコまでは何とかまっすぐに泳ぐんだけど、すぐに左右のどっちかに傾き出して、それでもピコピコを続けてると、昔の泳法の「のし」みたく、体をナナメにして進み出して、それでもピコピコを続けてると、シマイには完全に裏返しになっちゃって、背泳を始めちゃうんだもん。
でも、こんなことは、一代目の親子ガエルで学習済みってワケで、子ガエルは簡単に外すことができる。子ガエルのお腹には細い棒がついてて、それが、親ガエルの背中の小さな穴に差し込んであるだけだから、すぐに外すことができるのだ。それで、あたしは、まずは子ガエルを外して、親ガエルだけで泳がせた。これなら、上手に泳がせれば、ワリと長い間、ちゃんと泳いでくれる。だけど、これにも問題点があるのだ。それは、子ガエルの差し込んであった穴から、親ガエルの体内に少しずつお湯が入っちゃって、そのお湯のセイで、また傾き出しちゃうのだ。
だけど、荷造りご無用!‥‥じゃなくて、心配ご無用! ここからが、「登別カルルス」の意味が分かるってワケで、あたしは、親ガエルをお湯に沈めて、リズム良くピコピコを握り続けた。ピコピコを握るたびに、親ガエルの背中の穴からあぶくが出て、少しずつお湯が入ってく。そして、体内のほとんどがお湯でいっぱいになるまで続けてから、そっと手を離す。そうすると、親ガエルの本体は、周りのお湯とほとんどおんなじ比重になって、わずかに残ってる空気と、本体の薄いプラスティックの浮力だけで、水面下ギリギリに浮くようになる。
そして、後ろにはゴムの足がついてるから、その重さでお尻のほうがナナメに沈んで、少しだけ残ってた空気は前のほうに移動して、上にピョコンと飛び出た2つの目の部分に溜まる。そう、この状態にすると、目のまわりだけを水面に出した形になるのだ。だから、この状態でゆっくりと泳がせると、まるで、濁ったアマゾン川の水面とかをワニが目だけを出して泳いでるみたいになって、すごくカッコイイのだ♪
だけど、せっかくこの状態になっても、お湯が透明だと、沈んでる部分の本体がぜんぶ丸見えだから、普通の時とあんまり変わんない。だからこそ、登別カルルスのお湯が必要なのだ。理屈としては、他の色の濁り湯でもいいんだけど、何種類かで試してみたら、一番キレイでカッコイイのが、真っ白の登別カルルスだったのだ。真っ白な水面に目だけを出して、ゆっくりと進んでく謎の生物を見てると、お風呂が秘境の湖みたいに思えて来て、だんだんと神秘の世界へと引き込まれてく。
‥‥そんなワケで、あたしは、ふたご座流星群を見て、宇宙の神秘に触れたあとに、二代目の親子ガエルの進水式をやって、地球の神秘っぽいことにも触れたってワケだ。そして、それ以上に、100円ショップで買ったカエルのおもちゃのことだけで、こんなにも長い日記を書いちゃう自分自身の神秘性も再確認したってワケだ。だけど、あたしにとって、どっかの誰かが主観的に決めた「値段」なんてものは、何の意味もない。だって、あたしにとっては、興味もないキャラクターの何千円もするぬいぐるみよりも、この100円の親子ガエルのほうが、遥かに価値のあるものだからだ。あたしにとっては、マスコミの作り出したブームに乗せられて、1000円も2000円も払って観るバカバカしい映画なんかよりも、夜空を見上げれば誰にでも見える星のほうが、遥かに価値のあるものだからだ。だから、あたしは、これからも、自分の価値観だけで生きて行こうと思う今日この頃なのだ。
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