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2008.01.12

ニボシの気持ち

Y895
昨日の日記で、お醤油味のお雑煮は「カツオブシのダシ」だけど、お味噌汁は「ニボシのダシ」だってことを書いた。そしたら、何人かの人から、「ニボシは値段が高くないですか?」っていうメールをいただいた。確かに、ちゃんとした作り方をしてる立派なニボシは、大きな袋に入ってるのが380円とか450円とかして、とても手がでない。だからって、いくら値段が安くても、添加物だらけのダシの素なんて恐くて使えない。

で、もったいぶらずに言うと、あたしが愛用してるのは、ヤマキの粉末の「にぼしだし」だ。にぼしそのものを粉末にしたものだから、ダシの素みたいには溶けない。だから、お味噌汁の底ににぼしの粉が残るのがイヤな人は、ダシをとったあとにフキンとかで濾(こ)さなきゃなんない。だけど、あたしの場合は、子供のころから、普通のニボシも取り出さないで、具の1つとして食べて来たから、このにぼしの粉末も、わざわざ濾したりしない。だって、もったいないし、メンドクサイし、入ってたほうが栄養があるからだ。濾さなくても、お味噌汁を飲み終わるころに、お椀の底ににほしの粉がちょっとだけ残ってる程度だから、最後に飲んじゃうだけだ。

この、ヤマキの「にぼしだし」は、140g入りで、あたしが買ってるスーパーだと、200円ちょいだ。それで、口がジッパーになってるから、すごく使いやすいし、何よりも嬉しいのが、「瀬戸内海産にぼし粉100%」ってとこだ。もちろん無添加で、袋には次のように書いてある。


『瀬戸内海産のかたくちいわしを酸化防止剤を一切使用せず「にぼし」に仕上げ、だしがとりやすい粉末に仕上げました』


そして、「10gで味噌汁五~六杯分のだしがとれます」ってことだから、1袋でお味噌汁が70~80杯も作れる。1杯あたり、3円程度だ。だから、健康にもいいし、味も美味しい上に、値段的にも、添加物だらけのダシの素よりも安いと思う今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、あたしは、ダシをとったものを「捨てる」ってことができない。湯豆腐やお鍋をする時に、最初に土鍋の底に昆布を入れてダシをとるけど、あれって、すごく美味しいから、捨てる人はいないと思う。特に、具の少ない湯豆腐の場合は、ダシをとったあとの昆布を食べやすい大きさに切って、また、土鍋の中に戻して、ポン酢とかで食べるとメッチャ美味しい。おでんの昆布だって、具の1つとして入ってるけど、ある意味、ダシも兼ねてるワケだ。

だから、この昆布のダシとおんなじで、あたしの場合は、ニボシでもオカカでも、もったいなくて捨てられない。だけど、あたしはひとり暮らしだから、お味噌汁は2杯ぶんずつしか作らない。朝作って、1杯飲んで、残りは夜のぶんだ。だから、ホントのニボシでダシをとるとしても、使うのは5匹くらいなので、そのたった5匹のニボシで何か別のお料理を作るなんてムダなことはできないから、そのままお味噌汁の具として食べちゃってる。

でも、もしも定食屋さんみたいなとこで働いてて、何十人ぶんものお味噌汁を作るんなら、ニボシだって何十匹も使うワケで、それなら、いろいろと利用できる。たとえば、ダシをとったあとのニボシをザルに上げておいて、時間のある人は天日で乾かす。ヒマな人は、ラップをしないで冷蔵庫に入れとけば、2日くらいで乾く。時間の無い人は電子レンジで水分を飛ばせばいい。それで、フードプロセッサーで粗めの粉末にして、フライパンで炒って、お醤油、みりん、ちょっとのお砂糖で味を調えて、最後に白ゴマを加えれば、美味しいイワシのフリカケができる。あたしは、フードプロセッサーなんて持ってるワケないから、普通にスリバチを使ってるけど。

あたしは、今、愛用してるヤマキの「にぼしだし」を発見するまでは、普通のニボシを使ってた。もちろん、あんまり高いのは買えなかったから、大袋で300円以内のを使ってた。で、ニボシでダシをとる時って、頭と黒いハラワタをとったほうが、上品な味になる。だけど、あたしは、もったいないから丸ごと入れちゃって、頭もハラワタもぜんぶ具として食べてた。でも、そんなあたしでも、ちゃんと頭とハラワタをとってダシをとる場合があった。それが、「フリカケ製造週間」の時だった。

あたしの場合は、イワシのフリカケも重要なオカズの一品だから、時々は自作してた。で、「そろそろフリカケを作ろう!」って思い立ったら、その日から1週間が「フリカケ製造週間」の始まりだ。いつもは丸ごとダシに使ってたニボシだけど、この日からは、頭とハラワタをとって、本体だけでダシをとる。そして、頭とハラワタはちっちゃいタッパーに入れておいて、ダシをとった本体は、ザルに上げてから、お皿に乗せて冷蔵庫に入れておく。これを1週間続けると、ある程度の量になるんだけど、外食したりお味噌汁を作らなかった日があった場合には、それまでのぶんをフリーザーに移したりして、製造週間を延長する。

とにかく、「これだけあればオッケー!」って量が溜まればいいワケなんだけど、ここでのポイントは、乾いてるニボシもあれば湿ってるニボシもあるってことなのだ。1週間前のものはカラカラに乾燥してるけど、昨日のものはまだ湿ってて、乾燥の具合が一律じゃない。だから、昨日とかオトトイとかのぶんは、電子レンジでリトル乾かしたりして、おんなじくらいにしなきゃなんないのだ。そして、あとは、溜めておいた頭とハラワタと一緒にフードプロセッサーに入れて、粗めの粉末にするんだけど、ここでのポイントが、「ダシをとってないニボシを1~2割ほど加える」ってことなのだ。

ダシをとったニボシをそのまま食べたことがある人は知ってると思うけど、ダシをとったニボシはほとんど味がしない。だからこそ、頭とハラワタをとっておいて、あとから加えることによって、お味噌汁が上品な味になる上に、フリカケのほうにも味が分配されるっていう、「双方メリット方式」をとってるワケだ。そして、これだけでも十分なんだけど、ここで、フリカケのほうをさらに美味しくするために、ダシをとったニボシ30匹に対して、新しいニボシを3~6匹くらい加えるってワケだ。

で、粗めの粉末にしたニボシをフライパンで乾炒りしたら、いよいよ味付けだけど、ここがポイントになる。火にかけたままのフライパンに、お醤油を垂らして、みりんを垂らして‥‥なんてやってたら、アッと言う間に焦げてダイナシティになっちゃうから、「火を止めてから味付けする」と「合わせ調味料を作っておく」ってことが大切だ。ちなみに、ニボシ35匹くらいに対しては、お醤油が大さじ1.5、みりんが大さじ0.5(みりんが無かったらニポン酒でもOK)、お砂糖が大さじ1、お塩をほんのちょっと(小さじ1/4~1/3程度)を合わせておく。

そして、ある程度炒ったら、火を止めて、フライパンをナナメにして、ニボシをフライパンのフチに寄せて、そこにこの合わせ調味料をかけて、お箸で全体に絡めるようにする。そうすると、せっかく乾かしたニボシが、また湿っちゃったワケだけど、これで、味が染み込むのだ。年を取って、ますますウザくなって来た金八先生が、「湿っているスポンジは水を吸いませんが、固く搾ったスポンジはタップリと水を吸収するんです!」って言ってたのとおんなじ理屈だ(笑)

それで、最後に白ゴマを大さじ2杯くらい加えて、今度は白ゴマも一緒に炒りながら、水分を飛ばすように、焦がさないように炒って行く。で、まだリトル湿ってるくらいの感じで、出来上がりだ。炊き立てのご飯に乗せれば、何杯でもお代わりできちゃうほど美味しい「イワシのフリカケ」の完成だ。ホントは、これにオカカを加えるともっと美味しくなるし、お好み焼きに入れる桜海老を粉末にして入れると、激しく美味しくなる。だけど、そこまでやると、「人が捨ててるものでも美味しいものが作れる」っていう基本理念から外れすぎちゃう。

たとえば、お豆腐を作る時にできる「オカラ」も、食べ物なのに、その9割以上が捨てられてる。そして、搾った「豆乳」よりも、捨てられる「オカラ」のほうが、遥かに栄養があるのだ。カルシウムは豆乳の5倍、食物繊維は豆乳の50倍、他にも、多くのミネラルを含んでる健康食品「オカラ」が、ほとんど利用されないで、そのまま捨てられてる。それも、以前は「一般廃棄物」として捨てられてたんだけど、1999年からは「産業廃棄物」に指定されたから、1トンあたり3万円もの費用を使って処理してるのだ。ちなみに、全国のお豆腐屋さんから出る「オカラ」の総量は、年間で100万トン近くにも上り、そのうちの80~90万トンが「産業廃棄物」として処理されてることになる。素浪人の花山大吉が生きてたら、涙を流して「もったいない!」って叫ぶだろうし、焼津の半次はひっくり返るだろうし、お咲ちゃんはコンニャク玉を飲み込んだような顔をしちゃうだろう。

ニポンは、時代に逆行した「世界一ゴミを捨ててる国」としてオナジミで、全国民が年間に捨ててるゴミの量は、2位以下の国を大きく引き離したダントツの1位を走り続けてる。それは、異常とも思えるゴミ焼却施設の数を見ても分かるけど、「まだ使えるもの」でも、「まだ食べられるもの」でも、次から次にゴミにしてるのは、バカのひとつ覚えみたいな「消費による経済回復」っていうコイズミの低能政策のタマモノだろう。だけど、あたしは、コイズミやアベシンゾーと違うから、「まだ使えるもの」や「まだ食べられるもの」を捨てるようには育てられてない。どんなものでも、感謝の気持ちを持って最後まで使い切る。使い切って捨てる時には、心の中で「ありがとう」って言って捨てる。母さんから、そう教わって来た。

‥‥そんなワケで、あたしは、ダシをとったニボシを捨てるなんて考えられないことダシ‥‥って、最後にオヤジギャグを織り込んでみつつも、別にケチケチしてるワケじゃなくて、普通の感覚でフリカケを作ったりしてる。おそば屋さんの厨房でダシをとってるとこをテレビで観ると、お湯を沸かしたお鍋に、山盛りのオカカを入れて、ワリとすぐに上げちゃってる。場合によっては、「追いガツオ」なんて言って、さらに大量のオカカを足したりしてる。高級な和食のお店の厨房とかでも、オカカをわしづかみにしてお鍋にどんどん入れてくけど、こういうシーンをテレビで観るたびに、あたしは、「あのオカカ、捨てちゃうのかな?」って思って、心配になって来る。もしも捨てちゃうんなら、あたしにくれれば、美味しいオカカのフリカケを作るのに‥‥なんて思っちゃう今日この頃なのだ。


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