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2008.01.22

梅昆布茶の宇宙

今日は「大寒」だし、どうしても「寒い」ってことに関連した話題が続いちゃうけど、あたしの好きなホットドリンクは、コーヒー、緑茶、ほうじ茶、玄米茶、梅昆布茶、ホットカルピス、ホットドクターペッパーだ。だけど、あたしは、この中で、梅昆布茶だけは、どうしても「ホットドリンク」って感じがしない。もちろん、「ホット」だし、湯呑やコーヒーカップで飲むから「ドリンク」なんだろうけど、他のホットドリンクが完全に「ドリンク」なのに対して、梅昆布茶だけは、「お吸い物」って感じの味だからだ。

お味噌汁のことを「ドリンク」って言ったら違和感があると思うけど、それとおんなじで、あたしは、昆布茶や梅昆布茶って、いくら「茶」って名前になってても、「ドリンク」よりは「スープ」のジャンルなんじゃないかと思ってる。湯呑で飲むから、かろうじて「お茶」としてのステイタスを保ってるだけで、お椀で飲んだら「お吸い物」になっちゃうと思う。そんな「お吸い物」みたいな梅昆布茶だけど、あたしは「好き」って言っときながら、もう何ヶ月も飲んでなかった。

つまり、あたしの梅昆布茶に対する「好き」の種類は、コーヒーみたいに毎日飲むような「好き」じゃなくて、何かの拍子にものすごく飲みたくなる「好き」なのだ。それで、あたしが、何ヶ月も梅昆布茶を飲んでなかったのは、ただ単に「お家になかったから」ってだけで、もしもあったら、1ヶ月に2回くらいは飲んでたと思う‥‥なんてことを考えながらスーパーに行ったら、昆布茶と梅昆布茶が250円になってたので、久しぶりに飲みたくなって、好きな梅昆布茶のほうを買ってみた今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、あたしは、何ヶ月ぶりかで梅昆布茶を飲むことになったんだけど、小さな缶を開けてみたら、中の粉の袋が2袋に分かれてた。だから、あたしは、「メーカーもお客様のことを考えてくれてんだな」って思いつつ、片方の袋を開けたら、全体的に細かい粉末が入ってるだけで、あの梅の赤いツブツブが入ってない。で、「あれ?普通の昆布茶と間違えちゃったかな?」って思って缶を見たら、ちゃんと「梅こんぶ茶」って書いてあるんだけど、なんとなく変な感じだ。それで、よくよく見たら、ナナナナナント! 「伊藤園」て書いてある!

缶の色もデザインもソックリだったから、あたしがいつも飲んでる「玉露園」の梅昆布茶だと思い込んで買ってきちゃったけど、ソックリに作られた「伊藤園」のだったのだ。あたしは、「玉露園」の梅の赤いツブツブが入ってるのが好きだったのに、「伊藤園」のほうは、梅も他とおんなじ粉末にして、全体的に混ざってるのだ。もう、ガッカリだよ。

だけど、もう袋を開けちゃったし、返品することもできないから、あたしは、仕方なく飲むことにした。それで、付属のスプーンにスリキリ1杯の粉を湯呑に入れて、お湯を注ぎ、「ナンミョーホーレンソー、ナンミョーホーレンソー」ってお題目を上げながら、かき回した。やっぱ、ナンミョー系の企業の梅昆布茶を作る場合には、お題目は欠かせないからだ(笑)

で、飲んでみたら、これがビミョ~だった。極端にまずくはないんだけど、好きな「玉露園」の梅昆布茶だと思い込んでたぶんの精神的ギャップもあるし、何よりも、梅までが粉末になって全体に混ざっちゃってることが大きかった。あたしが「玉露園」の梅昆布茶を好きなのは、基本的にはシンプルな昆布茶を飲みながら、時々口に入って来る梅の赤いツブツブで梅の味を感じるのが好きなワケで、最初っから全体的に梅の味がしてるなんて、ワビもサビもあったもんじゃない。

それに、赤瀬川原平さんの発見した「沈殿した梅昆布茶をかき回すことによって形成される湯呑の中の銀河系」だって、梅の赤いツブツブが入ってないと実験できない。ま、原平さんの場合は、回転寿司を見ても「元禄宇宙」だって言うくらいだから、回転してるものはだいたい「宇宙」になっちゃうけど、10回のうちに1~2回しか成功しない「梅昆布茶の銀河系」に関して言えば、あたしが梅昆布茶を飲む時の楽しみの1つなのだ。

緑茶を飲む時に、「茶柱が立った♪」って喜ぶのとおんなじで、梅昆布茶を飲む時には、必ず、3分の1くらい飲んでから沈殿するのを待って、それから、お茶が渦巻きになるように湯呑に回転運動を与えて、静かにテーブルに置いて、「銀河系」ができるかどうか観察する。そして、うまくいった時には、茶柱が立ったのとおんなじに、何かいいことがありそうな気分になる。これがあたしの楽しみの1つなのに、梅の赤いツブツブが入ってない梅昆布茶じゃ、最初からアタリの入ってないクジを引くようなもんで、あたしは、完全に脱力しちゃった。

‥‥そんなワケで、あたしは、この「伊藤園」の梅昆布茶をトットと使いきっちゃって、次こそ、王道である「玉露園」の梅昆布茶を買おうと思った。そのためには、「飲む」ってこと以外にも、どんどん使わないと減らないんだけど、この点だけは、「梅昆布茶で良かった」ってことになる。たとえば、緑茶やほうじ茶や玄米茶だったとしたら、お茶として飲む以外の利用法はない。ものすごく高級で新鮮な緑茶なら、「食べる」ってこともできるそうだけど、一般的には考えられない。だけど、梅昆布茶の場合には、最初に書いたように、「お茶」っていうよりも「お吸い物」、「ドリンク」っていうよりも「スープ」って感じのものだから、いくらでも利用できるのだ。

たとえば、一番簡単なのは、お茶漬けだ。お茶碗のご飯に、梅昆布茶をかけて、そこにお湯を注げば、昆布のダシが利いた美味しいお茶漬けになる。梅干を乗せたり、昆布の佃煮を乗せたりすれば、さらに美味しくなるし、お好みでお醤油をちょっと垂らすと、味に深みが出る。チューブのワサビがあれば、チョコっと入れると大人の味になるし、いろんな楽しみ方ができる。

それから、あたしがタマにやるのは、「梅昆布パスタ」だ。アルデンテに茹でたパスタと、パスタの茹で汁でサッと火を通したシメジに、梅昆布茶をかけて和えるだけだ。ポイントは、パスタの茹で汁を少しだけ加えることと、仕上げに焼き海苔を散らすこと。これで、すごく美味しいパスタができる。もちろん、どんなお野菜でもいいし、お好みでお肉やお魚を加えてもいいんだけど、あたしがいろいろとやってみた範囲では、シメジが美味しかった。

他にも、簡単な和え物にも利用できる。たとえば、輪切りでもタンザクでもいいから、テキトーに切ったキュウリに、梅昆布茶をかけて和えるだけで、ちょっとした箸休めができる。ポイントは、仕上げに白ゴマをふりかけることだ。こうした和え物の場合には、梅昆布茶と白ゴマの相性がピッタリなのだ。それから、白ゴマの代わりに、ゴマ油を和えても美味しい。夏場なら、このキュウリの和え物に、刻んだミョウガを加えると、冷酒やビールにバッチリのオツマミになる。

‥‥そんなワケで、梅昆布茶の使い道っていうと、よく耳にするのが、天ぷらの塩の代わりに使うってパターンだ。天ぷらの高級店に行くと、「エビは塩でお召し上がりください」なんて言われちゃうけど、天ぷらのネタによって、天つゆのほうが美味しいものと、シンプルにお塩だけで食べたほうが素材の美味しさを楽しめるものとがある。で、ちょっと気の利いたお店なら、普通のお塩の他に、抹茶塩とかを出してくれるんだけど、ワリと多くのお店で出してくれるのが、梅昆布茶なのだ。つまり、お塩の代わりに、粉末の梅昆布茶をつけて食べるってワケで、これがなかなか美味しいのだ。

ちなみに、あたしが好きなのは、梅昆布茶に一味唐辛子を混ぜて、お塩の代わりに使う方法だ。これは、梅昆布茶を普通に飲む時に、ちょっとだけ一味唐辛子を入れると美味しくなることから、相性の良さに気づいたんだけど、意外と使い道がある。たとえば、白身のお魚を唐揚げにする時に、コレを使うと、すごく美味しくなる。大きめのアイナメとかタラとかならヒトクチ大に切り分けるだろうし、小さなワカサギとかならそのままだろうけど、ポイントとしては、つけすぎるとしょっぱくなっちゃうから、全体にパラパラとふりかける程度にするってことだ。そして、その上から全体に片栗粉をはたいたら、あとは中火で揚げるだけだ。

ちなみに、あたしの場合は、東京湾とか横須賀とかで釣れたアイナメやカレイの場合は、ちょっと臭みがあるから、唐揚げにする場合には、塩コショウとカレー粉で味付けしてから、片栗粉をはたいて揚げる。そして、臭みのないアイナメやカレイの場合だけ、梅昆布茶と一味唐辛子を使う‥‥って言っても、正直なことを言うと、自宅のキッチンで揚げ物をするのは、汚れるし匂いがつくからイヤなので、もう何年もやってない。実際には、揚げ物オッケーのお友達のお家に行った時にしかやってないんだけど(笑)

‥‥そんなワケで、いくら梅昆布茶を早く使いきりたいからって、サスガに、お魚の唐揚げは作らないけど、お茶漬けやキュウリの和え物なら簡単にできる。だけど、お茶漬けばっか食べ続けるワケにも行かないから、基本的には、お茶として飲むのがメインになると思う。ただ、1つだけ心配なのが、梅昆布茶ばっか飲んでたら、ようやく使い切ったアカツキには、「しばらくは梅昆布茶は飲みたくないや」って気持ちになってそうで、好きな「玉露園」の梅昆布茶を買って飲もうって気持ちが消え去ってるような予感がするってことだ。もともと、「玉露園」の梅昆布茶を飲みたいがために、間違えて買った「伊藤園」の梅昆布茶を早く使いきろうとしてたのに、これじゃあ、本末転倒もいいとこだ。そして、こんなことを考え始めると、あたしの頭の周りには、「伊藤園」の梅昆布茶の缶と「玉露園」の梅昆布茶の缶がグルグルと回り始めて、原平さんの「梅昆布茶の銀河系」よりも壮大な大宇宙が広がり始めちゃう今日この頃なのだ。


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