立春大吉
今日、2月4日は「立春」だけど、これは、ただ単に「暦の上で春になった」って意味じゃなくて、「今日から新しい1年がスタートする」っていう大きな節目の日なのだ。これは、前にも書いたことがあるけど、季節と季節の節目である「節分」は、冬と春の節分、春と夏の節分、夏と秋の節分、秋と冬の節分ってふうに、本来は年に4回ある。だけど、その中で、冬が終わって新しい春を迎える2月3日の節分こそが、「1年のスタートの節分」てワケで、4つの節分の中で一番大きなイベントになってる。
つまり、昨日、豆まきをして、「鬼は外、福は内」ってやったのとか、コンビニで恵方巻きを買って来て食べたりしたのは、すべて、今日からの新しい1年を縁起良くスタートさせるための準備だったってワケだ。だから、いくら昨日、豆まきをしても、恵方巻きを食べても、カンジンの今日、ブルーな気分で学校や会社へ行ったり、ダラダラと仕事をしてたりしたら、何の意味もない。気持ちを新たにして、「さあ!今日から新しい1年のスタートだ!」って思わなかったら、いつまで経ってもホントの意味の「春」はやって来ないのだ。
ちなみに、豆まきの豆って、必ず「炒り豆」を使うけど、これは、災いをもたらす鬼の目のことを「魔目(まめ)」って呼ぶことにカケてあって、さらには、生の豆だと「芽が出る」、つまり、「目が出る」ので、鬼の魔目が出ないようにと、炒って火を通すってワケだ。そして、芽の出ない「炒り豆」を投げることによって、家の中の災いを外へと追い払い、魔を滅する、つまり、「魔滅(まめ)」ってことにもカケてあるってスンポーだ。こう聞くと、なんだかなぁ~って感じもするけど、こうした昔からのイベントって、ほとんどがオヤジギャグみたいなもんだから、「イワシの頭も信心から」ってワケな今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、本格的な豆まきをした人は、柊(ひいらぎ)の枝にイワシの頭を刺して玄関に飾ったりしたと思うけど、これこそがマサに、「イワシの頭も信心から」って言葉そのもので、イワシの匂いと柊のトゲトゲとで、追い払った鬼が戻って来られないようにするってワケだ。でも、ハッキリ言って、豆だのイワシだの柊だので追い払えるような鬼だったら、ぜんぜん恐くない。そして、ホントに災いをもたらすような凶悪な鬼を追い払うためには、最低でも、豆よりもBB弾、イワシよりもマスタードスプレー、柊よりもスタンガンが必要だと思うし、今どき、これくらいは装備してなかったら、入浴中に女湯に乱入して来る「変態ナマハゲ」だって追い払うことができない。
ま、そんなことは置いといて、何よりも大切なことは、今日からの新しい1年を少しでも安全に過ごすために、乗っかれるモノには乗っかっといたほうがいいってことだ。それで、あたしが毎年やってるのが、「立春大吉」の吉札だ。ようするに、「立春大吉」って書いた札を柱とかに貼っとくんだけど、こんなの単なる迷信でしかないのに、去年、これをやらなかったあたしは、4月の終わりに大ケガをして、12月までお仕事をすることができなかった。だから、迷信だとは思いつつも、今年は、キチンとやることにした。
この「立春大吉」ってのは、タテ書きにすると左右対称になることから、昔から縁起のいい言葉とそれてて、災いから身を守ってくれるって言われてる。それで、一番いいのは、今日の「立春」の日なんだけど、絶対に今日じゃなきゃダメってワケじゃなくて、今日から、2月19日前後の「雨水(うすい)」までを広義の「立春」としてるから、この間に札を書いて貼ればいい。もちろん、この期間のうちでも、できるだけ早いほうがいいんだけどね。
で、最初に、正式な吉札の書き方を説明しとくけど、こんなことできるワケがないので、あくまでも、これは、雰囲気作りのための説明として読んで欲しい。まずは、お風呂に入って体をキレイにしてから、新品の下着を身につける、お洗濯したものじゃなくて、買って来てから一度も着てない新品のものだ。もちろん、その上に着る洋服は、新品じゃなくていいんだけど、そこらに脱いであるセーターやデニムパンツじゃなくて、ちゃんとお洗濯してから、まだ一度も着てないものを身につける。これで、第1段階はOK。
それで、ここからが普通じゃムリなんだけど、山に湧き出てる「岩清水」を汲みに行かなきゃなんない。それがムリなら、近くの神社のお水をもらって来る。量は、コップに1杯ぶんか2杯ぶんあれば足りるので、ペットボトルに1本汲んで来れば十分だ。そして、お家に帰って来たら、正座して、心を落ち着けてから、「今も賜る天津水(あまつみず)を天(あめ)の真名井(まない)の真清水(まさやけるみず)と受けしめ給え」って唱えながら、そのお水をコップか湯呑みに注ぐ。それから、そのコップのお水の半分で口をすすいで、残りで手を清める。これで、第2段階もOK。
そして、ようやく吉札作りに入るんだけど、まずは、このお水を使って、精神を集中させながら墨を磨る。で、墨を磨り終わったら、「神火清明(しんかせいめい)、神水清明(しんすいせいめい)、神風清明(しんぷうせいめい)」って呪文を3回以上唱えてから、火打ち石で火花を散らすんだけど、火打石なんか持ってる人はメッタにいないと思うから、その代わりに、「ぬぼこ印」を結ぶ。「ぬぼこ印」ってのは、映画の「陰陽道」で、安部晴明とかがやってるヤツで、利き手の人差し指と中指だけをピンと伸ばして、顔の前をイキオイ良く真横に動かす印の結び方だ。これを「ふっふっふっ」って息を吐きながら、3回繰り返す。この、呪文から印までの流れは、邪気を祓うために必要な工程で、ホントは、このあとに、まだ他の呪文が続くんだけど、とてもそこまではできないので、一般的にはコレでOKとされてる。
ここまでの長い長い前置きが済んだら、いよいよ、用意しといた半紙か和紙に「立春大吉」ってタテ書きするんだけど、ここでのポイントは、これからの1年間、ずっと柱とかに貼っとくワケだから、書初めみたく大きく書いちゃうと、大変なことになるってことだ。柱に貼っても問題ない程度の大きさにしないと、誰かに見られたらカッコ悪い。それから、もう1つのポイントは、いつものお習字みたいに書くんじゃなくて、できるだけ左右対称になるように書くってことだ。普通のお習字だと、左は「留め」で右は「払い」だったりするけど、そうすると左右のバランスが違っちゃうから、お習字の書き方は無視して、できるだけ左右対称になるように書く。それから、もしも失敗して書き直した場合には、失敗したものにも効力があるので、捨てずに、どこかに大切に仕舞っておいたほうがいい。
あとは、この吉札をどこかに貼ればいいんだけど、基本的には、玄関に貼るのが一般的だ。だけど、あたしは、玄関には貼りたくないから、別の場所に貼ってる。そして、画鋲で留めたりセロテープで貼ったりするんじゃなくて、裏に糊(のり)を塗って、ベッタリと貼るのがポイントだ。それから、この吉札を貼った場所の床に、盛り塩をして、最低でも1週間、できれば「雨水」まではそのままにしておくんだけど、あたしの場合は、小皿にお塩をパラリと出して、それを置いてる。これで、すべてOKだ。
ちなみに、あたしの場合は、「立春」に限らず、お風呂には毎日入ってるけど、新品の下着なんか用意してないから、普通にお洗濯したものをつけてる。そして、「岩清水」を汲みに行くどころか、神社までお水をもらいに行くのもムリだから、ミネラルウォーターを使ってる。でも、一応は、それなりに気を使ってて、「エビアン」や「ボルヴィック」じゃご利益がなさそうだから、「六甲のおいしい水」とか「南アルプスの天然水」とかを使うようにしてる。その上、墨を磨ってる時間もないから、墨汁にミネラルウォーターを垂らして、それで書くようにしてる。これでも、あたし的には精一杯で、以前は、そこらのメモ用紙にサインペンで書いたのを貼ってた時もあるくらいだから、それと比べたら、ずいぶん良くなったと思う。
‥‥そんなワケで、あたしは、これでも、何にもしないよりはマシだと思うし、何よりも、ずっと続けて来たのをやめたトタンに大ケガしたんだから、迷信だとは思いつつも、今年はシッカリとやっとくことにしたってワケだ。どっちにしても、所詮は「イワシの頭も信心から」、つまり、「気の持ちよう」ってことで、これは、小麦粉を丸めただけのものを「特効薬」だって言って病人に飲ませると、ナニゲに具合が良くなったりするのとおんなじことだ。だから、去年、病気やケガが多かった人は、メモ用紙にサインペンで書いたって構わないんだから、試しにやってみるといいと思う。どんなにヘタクソな字でも、心を落ち着けて、新しい1年のスタートに立った新鮮な気持ちで書けば、少なくとも、テレビで堂々を大ウソをつき続けてるイカサマ占い師やペテン霊感師たちのデマカセなんかを信じるよりは、百億倍も効果があると断言してみる今日この頃なのだ。
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