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2008.03.02

私を生んでくれてありがとう

「クーペ」っていうと、一般的にはスポーツタイプの乗用車のことだと思う人が多いと思うけど、マニアックな人なら、元落語家の「林家クーペ」のことをパッと思い浮かべちゃうと思う。林家クーペは、その昔、林家三平の弟子だったんだけど、これがまた、とにかく素行が悪かったそうで、ナナナナナント! 9回も破門になっちゃう。野球だったら延長戦があったんだけど、落語の場合は9回でジ・エンドってワケで、気がついた時には、親の財産も食いつぶし、女房子供にも逃げられて、酒とギャンブルに溺れて、落語家から落伍者へ‥‥ってのは、ご本人のプロフィールに書いてあることで、あたしが言ったワケじゃない。

そんな林家クーペだけど、破門になったワケだから、今は「林家」じゃなくなって、「クーペ」だけになっちゃった。今は、聖蹟桜ヶ丘で「スタンド・バイ・ミー」っていうライブバーをやりながら、mihimaruGTの「気分上々↑↑」を作曲したピアニストのShifoさんと、「クーペ&Shifo」ってユニットを組んで、歌手活動を続けてる。元憂歌団の木村充揮さんを「ハスキーボイス」と呼ぶんなら、クーペさんは「ダミ声」って感じで、ブルージーな中にもニポンのソウルがあって、ついついガマの油やバナナを買わされそうになっちゃうような味わいがある。

で、どん底の生活をしてたクーペさんが、立ち直るキッカケになったのが、別れた娘さんから届いた25年ぶりの手紙だった。どこに住んでるのかも分らなかった娘さんからの「生きているうちに一言言いたい。私を生んでくれてありがとう」という手紙を読んで、クーペさんは心を入れ替えた。そして、このことを歌った「25年ぶりの手紙」で、55才にしてメジャーデビューを果たした。その後、クーペさんは、糖尿病と脳梗塞で右半身が不随になったんだけど、歌い続けることをリハビリとして、今もがんばってる‥‥って、ここまでは、クーペさんのオフィシャルサイトにも書いてあることだし、あたしが繰り返して取り上げることでもない。あたしがクーペさんのことを取り上げたのは、まだこの先があったりする今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、あたしは、2ヶ月くらい前に、このクーペさんのことを日記に書こうと思って、クーペさんのいろんな歌を聴いたり、ライブ映像を観たり、クーペさんについて書かれてるサイトやブログを読んだりしてた。そしたら、あたしが以前からチョコチョコと覗いてて、何度かメールのやり取りもしたことのあるサイト、めきしこさんの「ヘタレチップス」で、クーペさんのことを取り上げた「ヘタレ論 クーペ」がアップされてた。それで、さっそく読んでみると、めきしこさん独特の切り口で、名作の「ヘタレ論 チェ・ゲバラ」や、六ヶ所村について書かれた「被曝の日々」などと並ぶワンダホーな内容で、これだけ書かれちゃったら、あたしの書くことは残ってないや‥‥ってことになっちゃった。

それで、あたしは、クーペさんのことを日記に書くのは諦めたんだけど、あまりにもワンダホーな「ヘタレ論 クーペ」にも、1点だけツッコミドコロがあった。それは、クーペさんの略歴を紹介してる冒頭に、「1748年4月山口県に生まれる」って書いてあったことだ。今も現役で歌ってるクーペさんなのに、今から260年も前の江戸時代に生まれたなんて、アリエナイザーだ。それで、あたしは、めきしこさんに、「1748年って書いてあるけど、1948年の間違いじゃないですか?」ってすぐにメールした。そしたら、めきしこさんいわく、「クーペさんご本人も読んでくれたのに、本人も気づかなかったのかな?」ってことだった。で、あたしならトットと直すとこなんだけど、めきしこさんは、あえて「1748年」をそのままにしといて、最後に「コソッと後日談」として、あたしからツッコミを入れられたことを補足した。サスガ、濃いサイトを運営してる人は、こうした点も濃い!

だから、クーペさんのことを詳しく知りたい人は、「ヘタレ論 クーペ」を読んでいただくとして、あたしは、ココから先のことを書いてくけど、そんなこんなもありつつ、日々は流れて、こないだの2月20日、あたしは、女性レゲエシンガーのMetis(メティス)ちゃんの新曲、「母賛歌」を紹介した。ガンと闘うお母さまに捧げたこの歌は、母ひとり娘ひとりの母子家庭で、Metisちゃんを育てるために、昼も夜も働きづめだったお母さまのこと、だけど、いつも笑いのたえない生活だったことなどが歌われていて、全編に、お母さまへの愛と感謝の心が満ち溢れてる。あたしは、あまりにも自分と母さんのこととオーバーラップしちゃって、最後の「私を生んでくれてありがとう」というところで、涙が止まらなくなった。

それで、この「母賛歌」を紹介して数日後のこと、本日2度目のナナナナナント! Metisちゃん本人から、ブログで紹介したことに対するお礼のメールが届いたのだ! そして、そのメールには、「メティママも一緒にブログを見て喜んでます」って書かれてた。「メティママ」ってのは、もちろん、「Metisちゃんのママ」のニックネームだ。それで、あたしもお返事したんだけど、あたし自身、いつでも母さんに「あたしを生んでくれてありがとう!」って思ってるから、Metisちゃんがお母さまを思う気持ちと、Metisちゃんを包み込むお母さまの大きな愛に、胸が熱くなった。

‥‥そんなワケで、世の中って、いろんなところに不思議な繋がりや共通点があったりするワケで、今日の日記を書くにあたって、クーペさんとShifoさんのブログに目を通したら、Shifoさんのブログの2月29日のエントリーに、クーペさんの娘さんのお誕生日のことが書かれてた。八王子での「クーペ&Shifo」のライブに、クーペさんの娘さんを招いたそうなんだけど、その時のことが書かれてた。

クーペさんの娘さんは、今、東京で1人暮らしをしてて、ヘアメークをしてる。そして、年齢もあたしに近いので、あたしは、あまりにも自分とイメージが重なっちゃう。お仕事のつらさや生活の厳しさも、ものすごくよく分かる。で、そんな娘さんが、先日、遠く離れて暮らしてるお母さまに、どうしても自分の思いを伝えたくて、「私を生んでくれてありがとうね」ってメールしたそうだ。そしたら、お母さまから返って来たメールには、こう書かれてた。


「自分(母親)は両親もいなくて、天涯孤独になるところだったのに、娘が出来たことで救われた。生まれてきてくれてほんとありがとう」


お母さまからの、この返信を電車の中で読んだ娘さんは、涙が止まらなくなり、花粉症のフリをしてゴマカシたそうだ。そして、この話を聞いたライブ会場の人たちも、みんな、感動のもらい泣きをしたそうだ。

‥‥そんなワケで、数日前に、ある人から、「3月3日の夜8時から、沖縄出身のシンガーソングライター、普天間かおりさんのライブがあって、インターネットでも同時配信される」っていうメールが届いた。これ、書いちゃってもいいかどうか分からないので、一応、お名前は伏せておくけど、秋川雅史さんの大ヒットした「千の風になって」を世に出した人からのメールだった。ようするに、テイチク関係者からお知らせだったんだけど、「現在彼女が歌っている『守りたいもの』『掴めないもの』という曲は、沖縄出身の彼女でこそ歌える曲だと思います。『家族』『絆』『命』が伝わるライブになると思います。是非、きっこさんのブログを読んでいる人達にも彼女の『歌』を聴いて頂けたらと思いメールさせて頂きました」って書いてあった。

それで、あたしは、普天間かおりさんの歌は大好きだし、タマに観てる「噂の東京マガジン」のエンディングにも使われてるから、観てみようと思った。それで、とりあえず、どんな配信サイトなのかをチェキしとこうと思って、そのメールに添付されてたURLにアクセスしてみたら、本日3度目のナナナナナント! 画面に映し出されたのは、クーペさんの顔だった!

最初に書いたけど、あたしは、2ヶ月くらい前に、クーペさんのことを日記に書こうと思って、いろんなサイトやライブ映像を観たりしてた。そんな中で印象的だったのが、この「ニッパーズギンザ」のインターネットライブだったのだ。それで、あたしは、またまた不思議な巡り合わせを体感しちゃったってワケだ。

この「ニッパーズギンザ」のインターネットライブは、テイチクレコードやテイチク系のタクミノートに所属してるアーティストの無料ライブを行なって、それをインターネットで無料配信してるんだけど、とにかく、音がすごくいい。そして、曲ごとに聴けるサービスも便利なので、あたしは、最初に「クーペ&Shifo」のライブを観てから、過去のライブもぜんぶ観せてもらった。それで、普天間かおりさんのライブも、この中で観てたのだ。普天間かおりさんは、第4回に登場してて、現在の「クーペ&Shifo」が第7回で、明日の夜に行われる第8回に、普天間かおりさんが2回目の登場‥‥ってことなのだ。もちろん、明日の夜8時にパソコンの前に座らなくても、いつでも視聴できるから、皆さんも、ぜひぜひご覧ください。

‥‥そんなワケで、あたしは、Metisちゃんがメティママへ伝えた「私を生んでくれてありがとう」って言葉、クーペさんの娘さんが、クーペさんやお母さまへ伝えた「私を生んでくれてありがとうね」って言葉、そして、お母さまから返って来た「生まれてきてくれてほんとありがとう」って言葉こそが、今、この国の人たち1人1人が、何よりも大切にしなくちゃいけない「思い」だと思ってる。そして、この「思い」が希薄になって来たからこそ、「人のことなんかどうでもいい」「自分さえ良けりゃいい」って人たちが増えて来て、そんな人たちが政治家や知事になっちゃうもんだから、沖縄の問題にしても、多くの人たちはフクダちゃんとおんなじで「他人事」なんだと思う。だから、あたしは、1人でも多くの人が、クーペさんやMetisちゃんや普天間かおりさんの歌を聴いて、「家族」「絆」「命」について、よく考えて欲しいと思った今日この頃なのだ。


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