イラク帰還兵の願い
アメリカ人のジョー・ウィラーさん(31)は、5年前、2003年の3月から11月までの8ヶ月間、アメリカ陸軍の衛生兵として、イラクへ派兵された。現地に着くまでは、少なくとも自分たちは「平和のために働く」「正しいことをする」って信じてたそうだ。だけど、イラクに着いてみたら、アメリカ軍のやってることはメチャクチャだった。
ウィラーさんの証言によると、何の罪もないイラク市民たちを「アイツは目つきが怪しい」という理由だけで、その場で射殺するなんて日常チャーハン。軍用車でパトロールをしていると、イラクの子供たちがガムやチョコレートをもらいに車の近くに集まって来るんだけど、そうした子供を射殺する兵士もいたそうだ。そして、何よりも恐ろしいのは、こうした「イラクの民間人の射殺」が、上官の命令によるものだったってことだ。ウィラーさんは、次のように証言している。
「輸送の任務中は、上官から『近づいて来る人間は無差別に射殺しろ』と命令された」
「何のためらいもなくイラクの民間人を射殺する兵士がたくさんいたが、こうした兵士たちに対して、上官は、イラク人を殺した褒美として『4日間の特別休暇』を与えていた」
ウィラーさんの証言の中で、あたしが一番衝撃を受けたのが、「銃撃戦の最中に逃げ遅れた女性をレイプする兵士がいた」という話だ。外では激しい銃撃戦をしているのに、逃げ遅れた女性を近くの建物に連れ込み、複数の兵士たちがレイプしてから射殺する‥‥ということが普通に行なわれていたそうだ。
ウィラーさんは、衛生兵として派兵されてたんだから、本来の任務は、負傷した兵士たちの手当てってことになる。だけど、ある日のこと、ウィラーさん自身も、上官から人殺しを命じられた。市内をパトロール中の軍用車に乗っていたところ、同乗していた上官から、たまたま通りかかった現地のタクシーの運転手を「アイツは怪しいから射殺しろ」と命令されたと言うのだ。だけど、ウィラーさんがその運転手を見た限りでは、怪しいところなど何もなかった。そして、何の証拠もないのに、どう見ても民間人であるタクシー運転手を殺すことなどできないと、ウィラーさんは上官の命令にそむいた今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、ウィラーさんは、悪夢のようなイラクでの任務が終わって帰還した。だけど、何の罪もない民間人を射殺するように命令する上官や、その命令に従って平然と人殺しを続ける仲間の兵士たち、そして、レイプした女性を笑いながら射殺する兵士たちを8ヶ月もの間、目の当たりにして来たことから、帰還後のウィラーさんは、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しむことになる。理由のない恐怖感に駆られたりする日々が続き、何でもない物音が砲撃の音に聞こえたり、夜中に飛び起きて、隣りで寝ていた奥さんに殴りかかったこともあったそうだ。ウィラーさんの知り合いの兵士にも、帰還後、幻覚や幻聴に悩まされている人たちが多いそうだ。自分の娘の顔が血まみれに見えたり、奥さんの口から血が流れ出しているように見えたり、誰もいないのに悲鳴が聞こえたりと、多くの帰還兵たちがPTSDに苦しんでいるそうだ。
ウィラーさんは、PTSDによって日常生活にも支障をきたすようになったため、除隊して、治療に専念することにした。そして、何とか病状は良くなったけど、アメリカ軍によるあまりにも酷すぎるイラクでの民間人殺害行為やレイプ殺人などを糾弾するために、「イラク戦争に反対する帰還兵の会」(IVAW)に参加して、平和活動を始めることにした。ウィラーさんは、次のように訴えている。
「アメリカや日本のメディアは、イラクやアフガンの戦争について、真実をまったく伝えていない。現地で行なわれていることは、何の罪もない民間人を手当たり次第に殺しているだけだ。そして、無事に帰還できた私たちの中にも、帰還後にPTSDによって凶悪犯罪を引き起こしてしまった者もたくさんいる。こうした悲劇を終わらせるためには、1日も早くすべての兵士を撤退させるしかない」
‥‥そんなワケで、このウィラーさんが、平和活動のために来日した。イラク戦争の開戦5年目にあたる3月19日から、全国各地で平和を訴えるイベントが行われているけど、それに合わせて来日したウィラーさんは、20日の東京での講演を皮切りに、精力的に平和のメッセージを伝えて回った。22日には、原子力空母の危険性を訴えるために横須賀を訪れて、「アメリカの原子力空母は、過去に何度も放射能漏れの事故を起こしているのに、軍と政府がインペイして来た」ということを伝えた。そして、自衛隊のイージス艦の事故にも触れて、「市民の生活を脅(おびや)かす危険な軍用艦など必要ないと、市民が平和の声を上げ続けて行くことが大事です」と語った。
そして、23日に沖縄入りしたウィラーさんは、参加を予定していた県民大会には、スケジュールの都合で参加できなかったけど、大雨の中、6000人もの人たちが集まったということを聞き、「平和のための活動がこんなに盛り上がっているのか」と感激したそうだ。そして、25日に、沖縄県庁で行なわれた記者会見では、イラクで自分が体験した地獄のような「アメリカ兵による民間人殺戮行為」の実態などを報告した上で、次のように語った。
「在沖縄のアメリカ兵も、派兵前と比べると、戦地からの帰還後には人権意識が悪化しているようだ。アメリカでも多くの帰還兵たちが、私と同じようにPTSDに苦しんだり、帰還後に凶悪犯罪を起こしているので、沖縄でのアメリカ兵による度重なる凶悪犯罪も、戦地での異常な体験が原因のひとつではないかと思っている」
「アメリカは民主主義の国なのだから、『基地をなくして欲しい』と訴えている沖縄の多くの人たちの声や、アメリカ兵による凶悪犯罪の被害者たちの声に、もっと耳を傾けるべきだ。これほど多くの人たちが『基地をなくして欲しい』と訴えているのだから、アメリカ軍は基地を撤去して撤退すべきだ」
‥‥そんなワケで、アメリカ人のウィラーさんまでもが「アメリカ軍は基地を撤去して撤退すべきだ」って言ってるのに、未だに沖縄に居座り続けて、地元の住民たちを恐怖に陥れてる凶悪犯罪者の集団、アメリカ軍は、連日連夜、悪質な犯罪を繰り返している。自民党の売国政権による圧力によって、沖縄以外じゃ絶対に報道されないけど、沖縄のアメリカ軍のキャンプハンセン内の実弾射撃訓練場付近で、26日、大規模な山火事が起こった。アメリカ軍の演習場、それも、実弾が飛び交う実弾射撃訓練場なんだから、民間人は絶対に立ち入りできない場所だ。
沖縄以外の人たちは、ほとんど知らないだろうけど、沖縄のアメリカ軍の演習場では、ものすごい頻度で山火事が起こっている。まだ3月だってのに、今年に入ってからでも、すでに5回目なのだ。周りに民家のある場所で、月に2回もの頻度で大規模な山火事が起こるなんて、まるで戦場だ。そして、そのうちの何回かは、周りの民家のすぐ近くにまで、火の手が来てるのだ。
これに対して、アメリカ軍は、これまで「不発弾の処理をしていて爆発してしまったため」とかってテキトーな理由を発表して来たんだけど、今年になってからの5回の山火事だけを見ても、すべて実弾射撃場の周辺で起きているのだ。不発弾や廃弾の処理場は、ずっと離れた別の場所にある。つまり、これらの山火事は、すべて実弾の使用が原因で起こってるって考えるのが自然なのだ。そして、アメリカ軍の発表が、事実と矛盾してることはみんな知っているから、サスガに5回目ともなる今回は、今までとおんなじ大ウソの理由を言うワケにも行かず、今回は「ノーコメント」と来たもんだ。
いくら演習場の中だとは言え、周りに何軒もの民家があるような場所で、大規模な山火事を何度も何度も起こしておきながら、謝罪どころか、その原因までインペイし続けるなんて、どこまでニポン人をバカにすれば気が済むんだろう? そして、この事実を知っていながら、ずっとスルーし続けてるフクダちゃんとアオブダイ防衛大臣の他人ゴトっぷり。さらには、これほど危険なことを繰り返しておきながら、この3月からは、新たに「陸軍特殊部隊のライフル射撃場」までもが建設中だ。そして、これだって、地元の人たちはみんな大反対してるのに、防衛庁の売国奴どもが、住民の声を無視して強引に推し進めてるのだ。
その上、この大規模な山火事が起こった翌日の27日には、頭のおかしいアメリカ兵が乗った軍用車両が、うるま市の「沖縄高等養護学校」の正門から、突然、乱入して来て、学校の敷地内を走り回ってから出て行ったのだ。アメリカ軍は、2007年7月にも、この学校に装甲車で乱入した前科がある。沖縄県の仲村守和教育長は、「このような度重なる米軍の傍若無人な行動に対して、心の底から怒りをもって抗議する」って訴えたのに、「何でも他人ゴト内閣」の息のかかった外務省の沖縄大使、今井正は、いつもの調子で、「現在、事実関係を調査中です」ってスットボケたのだ。
この今井正ってヤツは、完全にアメリカ側の人間みたいで、この前の14才の少女の事件の時にも、辺野古のイソギンチャクも開いた口がふさがらなくなるようなことをノタマッた。「綱紀粛正、再発防止と言うが、基地がある限り米兵による事件はなくならない」「イラクなどの戦地で人殺しをしてきた海兵隊員が、日常的に県民の生活圏に入って来ることが極めて危険なのだ」っていう沖縄の野党議員たちの声に対して、この今井正は、こう答えたのだ。
「逆の発想として、米兵が沖縄の文化や歴史を知り、県民たちとの交流を深めれば、犯罪の抑制につながるでしょう」
おいおいおいおいおーーーーい! イラクやアフガンで民間人を殺しまくり、少女をレイプして一家をみな殺しにして、沖縄に戻って来てからも殺人、レイプ、強盗、放火などの凶悪犯罪を繰り返しているような異常者どもと、「交流を深めろ」だと? こんな殺人鬼どもと、手をつないでフォークダンスでも踊れってのか? 沖縄の歴史を知らせるってんなら、戦後、アメリカ兵どもがどれだけの沖縄の女性たちをレイプして来たのか、どれだけの民間人を残酷に殺して来たのか、そうした歴史を教えてやれよ!
‥‥そんなワケで、コイズミ、アベと続いた「何でもアメリカの言いなり内閣」の次は、自国民が殺されても「へぇ~そりゃあ大変だったねぇ~」で済ませちゃう、フクダちゃんの「何でも他人ゴト内閣」だから、沖縄の人たちの気持ちをまったく理解しようともしない大バカが「沖縄大使」なんかやってんだと思うけど、これほどの他人ゴトになって来ると、もはや、芸術的にすら感じる。だから、アメリカのほうや永田町のほうばかり見て政治をやってる政治家なんかには何も期待しないで、ウィラーさんの言うように、市民が平和の声を上げ続けて行くことが大事なんだと思った今日この頃なのだ。
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