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2008.04.25

「うば捨て山制度」の犠牲者たち

20日の日曜日、山形県山形市岩波で、長橋安男さん(58)と、お母さんのキミ子さん(87)が、無理心中しているのが見つかった。お母さんは首を絞められてベッドで亡くなっていて、息子さんは物置小屋で首を吊っていた。政府の宣伝機関である中央の新聞には、「遺書には母親の病気について触れてあった」として、「介護疲れによる無理心中」って書かれてた。だけど、これは大ウソだ。

この2人は、お母さんの年金だけで生活してた。お母さんが、数年前に脳梗塞で倒れ、それからは寝たきりの生活になり、誰かがついてないとお水を飲むこともできないし、トイレにも行けないから、息子さんが仕事をやめて、つきっきりで介護するしかなかったのだ。そして、最近では、寝た切りのお母さんが認知症まで発症してしまったため、息子さんの生活は、すべて、お母さんの介護だけに向けられていた。母ひとり子ひとりの母子家庭で、息子さんは介護のために働くこともできず、お母さんのわずかな年金だけで生活してたのだから、その厳しさは想像できるだろう。

無理心中するしばらく前に、この息子さんと会った近所の男性は、この息子さんが「高齢者医療制度」の話をして、「今でも生活ができないのに、母の年金から保険料まで引かれるようになったら、私たち親子はもう死ぬしかない」と言っていた、と証言してる。他にも、この息子さんから、「高齢者医療制度が始まったら、私たちに将来はない」と聞かされたという人もいるという。

そして、無理心中をする数日前のこと、近くの畑の空地で、古い洋服やアルバムなどの家財道具を焼いている息子さんの姿を近所の人が見ている。こうした状況から、この息子さんは、自民党とナンミョー党の「数の暴力」によって強行採決された「高齢者医療制度」が始まったことに絶望して、もうこの国で生きて行くことはできないと思い、身のまわりをキレイにして、ずっと介護して来たお母さんの首を絞め、自らも首を吊ったということが分かるだろう。


‥‥そんなワケで、今日も「いかがお過ごしですか?」はナシにして行くけど、例によって、政府の宣伝機関である中央の新聞は、この無理心中の原因をどうしても「介護疲れ」ってことにしたいみたいで、ほとんどの新聞には、「高齢者医療制度」の「高」の字すら書かれてなかった。だけど、地元の「山形新聞」には、次のように書かれている。


後期高齢者医療制度(長寿医療制度)でこれまで保険料負担のなかったキミ子さんの保険料が生じることについて、安男さんが「支払うのが大変になる」と漏らしていたという。

「山形新聞の記事」
http://yamagata-np.jp/news/200804/21/kj_2008042100304.php


そして、この記事には、次のようにも書かれている。


安男さんは温厚な性格で、献身的にキミ子さんを介護していると近隣住民の間で評判だった。近所の60代女性は「とてもお母さんを大事にしていたのに。どうしてこんなことになったのか」と話した。


山形県警が発表した内容の中から、都合のいい部分だけをピックアップして編集した中央の新聞記事と、記者が現場まで足を運び、近所の人たちから様子を聞いてまわった山形新聞の記事とは、内容の精度だけでなく、報道としての姿勢も雲泥の差だ。こうした事実を知るにつけ、「介護疲れ」としか報道しない中央のマスコミは、政府による情報操作の一端を担っているとしか思えなくなって来る。

長年、愛情を持ってお母さんの介護を続けて来たやさしい息子さんが、このタイミングで無理心中したというのは、どう考えても、「後期高齢者医療制度」のスタートこそが、ピストルのヒキガネを引かせたとしか思えない。実際、「介護疲れ」も多少はあっただろうけど、山形新聞の記事を読めば、社会的弱者を切り捨て続ける冷酷な政府の政策に、生きて行く希望を失い、将来への不安から無理心中したことが分かると思う。

「後期高齢者医療制度」だけが無理心中の原因のように決めつけることも偏向的だと思うけど、そのヒキガネを引いた最大の原因にはまったく触れずに、単なる「介護疲れ」として報道するなんて、あまりにも偏向的すぎると思う。そりゃあ、山口2区の補選の最中なんだから、首の皮一枚でつながってる与党としては、全国のお年寄りたちが大激怒してる「うば捨て山制度」については、今、一番触れて欲しくない部分だと思う。だけど、こんなコソクな手段を使ってまで情報操作なんかしなくたって、ノーパンしゃぶしゃぶの常連で、耐震偽装事件の元凶で、叩けばホコリだらけの史上最低の候補者なんかに投票するほど、山口2区の有権者はバカじゃないと思うんだけど。

‥‥そんなワケで、社会的弱者切り捨ての先駆者、コイズミは、自民党とナンミョー党の「数の暴力」を使って、この最悪の「後期高齢者医療制度」を強行採決させた。自民党のいつもの「とりあえず法案を通すことが先だ」の精神で、内容も決まらぬまま、まったく議論されないまま、「予算の削減ありき」で推し進められた。だから、ほとんどの国民が、こんな制度が作られてたことすら知らなかっただろう。何しろ、自民党の中にも、こんな制度が作られてたことを忘れてた議員もたくさんいたほどなんだから。

で、制度開始の1ヶ月前になって、大慌てで内容を決めたもんだから、国民に対する告知がぜんぜん行き届かなかっただけじゃなく、保険証が届かなかったり、間違った金額が引き落とされたりと、全国でパニックになった。そしたら、何でも他人ゴトのフクダちゃんは、「保険証が届かなかった人は、免許証の提示でもいいことにします」ってノタマッた。でも、全国の75才以上のお年寄りで、免許証なんか持ってる人って、いったいどれほどいるんだろう? だいたいからして、政府は、高齢者に免許証を返還するようにって、何億円もかけてPRして来たじゃん。

とにかく、「ほとんどのお年寄りの状況は以前よりも良くなります」っていう、クチサキ番長、マスゾエちゃんの無責任なコメントとは正反対に、低所得者の支払額が大幅に増えたり、医療時間の短縮によって今まで受けられていた治療が受けられなくなったりと、全国の数えきれないほどのお年寄りに悪政の波が押し寄せた。そして、このあまりにもお粗末な「後期高齢者医療制度」に対しては、自民党内からも「見直すべき」との声が噴出してる。山崎派からは、「この制度を見直さないと、とうてい選挙は戦えない」との声まで出てる。それなのに、フクダちゃんは、こう言ってのけたのだ。


「あのねえ、この制度についてはね、もう十分に国民に説明したでしょ?私はちゃんと説明して来ましたよ。いろいろなとこでね。もう十分に説明したんだから、何も問題ないでしょ?」


でも、ホントに十分に国民に説明したのなら、山形県の長橋さん親子が無理心中することもなかっただろう。そして、長橋さん親子の遺体が見つかった20日、フクダちゃんがどこで何をしてたのかって言うと、衆院補選の応援のために、山口2区を訪れていた。いくら支持率が10%台にまで急降下したとは言え、いつもテレビで見ている総理大臣が来県したんだから、地方の人たちにとっては、芸能人が来たのとおんなじ感覚で、多くの人たちが集まった。

そして、山口県下松市での応援演説にも、市内は当然として、近隣の市民たちも駆けつけて、大盛況になった。そこで、フクダちゃんは、例の調子で、ヒョーヒョーとした演説を続け、たくさんの拍手をあびていた。ここのとこ、叩かれっぱなしのフクダちゃんだったから、久しぶりの拍手の嵐にご満悦の表情だった。だけど、そんなフクダちゃんも、アベシンゾーに負けず劣らずの「KY」だから、話題が医療問題へと進んだところで、ウッカリとこんなことをノタマッちゃった。


「お年寄りの医療にはね、たいへんなお金がかかるんですよ。今までは若い人が支えてくれてたけどね、これからはお年寄りも少しくらい負担してくれてもいいじゃないの?」


この瞬間、それまで笑顔と拍手に包まれていた市民たちが、一気にフリーズしちゃった。隣りに立ってたノーパンしゃぶしゃぶ候補も、表情が凍りついちゃったのに、場の空気がまったく読めないフクダちゃんは、このあとも応援なんだか妨害なんだか分かんない演説を続けた挙句、国民の8割が「反対」してる「ガソリン暫定税」についても、「税金の不足ぶんはどこでまかなうんですか?いつまで(ガソリン税を)下げてるんですか?」って聴衆に向かって問いかけて、さらに会場をシーンとさせちゃった。そして、しまいには、「私が何を言っても民主党は反対ばかりするからねえ‥‥」と、楽天イーグルスの野村監督も真っ青な「ボヤキ」の連発(笑)

‥‥そんなワケで、アメリカのタイコモチのコイズミが、「痛みをともなう改革だ!」って連呼して、大好きなアメリカに国民の財産を横流しするために始めた史上最悪のコイズミ改革だったけど、あの時、コイズミのペテンに騙されて自民党なんかを支持した地方の有権者たちが、この3年前の間違った選択によって、今、苦しんでるってワケだ。そして、それは、国民だけじゃなく、コイズミのあとを継いだ総理大臣たちも、おんなじってワケだ。

コイズミのあとを引き継いで、志も高く、鼻息も荒く登場して、「ワタクチは今、この国の権力の頂点にいる!」と叫び、北朝鮮の拉致問題を支持率稼ぎに利用し続けて来たアベシンゾーは、お友達を寄せ集めたオママゴト内閣の閣僚たちの相次ぐ不祥事で、拉致問題なんかには構ってらんなくなって、早々にホッポリ投げちゃった。「美しい国」どころか、政治家と官僚の醜い癒着ばかりが露呈された上に、野党からは、いつまでも逃げ続けてた年金問題について厳しいツッコミを入れられる毎日。そして、去年の夏の参院選の時に、年金問題を「ワタクチの内閣で最後の1件まですべて解決いたちまつ!」って公約したクセに、たったの1件も解決しないまま、仮病を使って政権をホッポリ投げちゃった。

アベシンゾーは、コイズミが遺した「負の遺産」さえなければ、もっと自分のやりたいようにできただろう。子供たちを洗脳教育して、お国のために喜んで命を投げ出すロボットを量産して、平和憲法を踏み潰して、非核三原則をぶち壊して、メイド・イン・ニポンの核兵器を作って、自分が生きているうちに、大好きな侵略戦争を始めたことだろう。だけど、この「自分にとっての美しい国を造る」っていうアベシンゾーの夢は、コイズミが遺したあまりにも多くの「負の遺産」によって、妨げられることになった。

そして、その次のフクダちゃんにしても、コイズミが「数の暴力」で強行採決した「うば捨て山制度」によって窮地に立たされてんだから、たまったもんじゃないよね。その上、長年に渡る自民党と官僚との政官癒着の構図が生み出した「年金問題」が、アベ内閣で噴出して、フクダ内閣までをも破壊してるんだから、いくら自民党の自業自得とは言え、アベシンゾーやフクダちゃんにしてみれば、「何でオレの時に‥‥」って気持ちだろうね。

さらには、メチャクチャになった今の世の中のほとんどの原因を作ったコイズミは、今やまるで政界のご意見番キドリで、アチコチにチラチラと顔を出しちゃ、その場の思いつきだけで無責任なことをノタマッて、ヨケイに世の中を混乱させてんだから、シャレにもなんないよね。だから、こんな時に総理大臣になったヤツは、文字通り「貧乏クジを引かされた」って思ってるだろう。

‥‥そんなワケで、障害者やお年寄り、難病患者や低所得者など、社会的弱者だけを冷酷に切り捨てて、巻き上げた税金を癒着企業や官僚や天下りたちにバラ撒き続けた史上最悪のコイズミ改革によって、この国も、とうとう来るところまで来たって感じがする。「改革」の名の下にコイズミが強行採決したのは、二度にも渡る「介護保険料引き上げ」を始めとして、「老人医療費の改悪」「生活保護老齢加算廃止」「生活保護生活扶助基準額引き下げ」「老年者控除の廃止」「厚生年金・共済年金保険料引き上げ」「国民年金保険料引き上げ」など、まだまだ挙げたらキリがないけど、ぜんぶで20項目を軽く超える「社会的弱者の切捨て法案」の数々だ。そして、コイズミが遺したこれらの「負の遺産」は、今の「うば捨て山制度」を皮切りに、今後も、次々と社会的弱者に襲いかかって来るだろう。政権交代しない限りは‥‥って思う今日この頃なのだ。


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