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2008.04.07

ジャニスとジョン

あたしは、古い音楽が好きなんだけど、その音楽が流行ってた時に聴いてたのと違って、あとから聴いてるワケだから、時代背景とかを体感してるワケじゃない。そして、ほとんどのバンドやミュージシャンを「ベストアルバム的な聴き方」しかしてない。たとえば、T-REXにしても、イギー・ポップにしても、フェイセスにしても、The Whoにしても‥‥って書き出すとキリがないんだけど、1枚目のアルバムがどうで、2枚目のアルバムがどうで‥‥ってことは、あんまり分かんない。ほとんどが、ベストアルバムしか聴いてないから、それぞれのバンドやミュージシャンの代表曲しか知らないのだ。

だから、ジャニス・ジョプリンて言えば、パッと浮かぶのは、「ムーブオーバー」と「サマータイム」と「クライベイビー」くらいだ。そして、どんなイメージなのかって言えば、60年代の「ヒッピー」とか「サイケデリック」とか「フラワームーブメント」とかって感じのイメージしかない。何しろ、あたしが生まれた時には、すでに死んでた人だし、時代的に接点がないから、こんな漠然としたイメージしかないってワケだ。

特に、あたしの場合は、入口が違かった。最初に、古いニポン人の女性シンガーの曲を探して聴いてた時に、浅川マキとか、カルメンマキ&OZとか、金子マリ&バックスバニーとか、石川セリとか、あたしの琴線に触れた人たちが、みんな、ジャニス・ジョプリンの影響を受けてるみたいだったから、それで、あたしは、ジャニス・ジョプリンを聴いてみたってワケだ。浅川マキの場合は、寺山修司つながりで聴いてみたってこともあるけど、こうした60年代から70年代にかけての女性シンガーの多くは、少なからず、ジャニス・ジョプリンの影響を受けてる部分もあると思う。金子マリの場合なんか、「下北沢のジャニス」とかってキャッチフレーズまであったみたいだし。

だから、あたしは、「ジャニスが好き」ってよりも、「ジャニスの影響を受けたニポンの女性シンガーが好き」ってことになる。レゲエで言えば、最初っからリー・ペリーを聴いてたワケじゃなくて、まずはボブ・マーリィを好きになって、そのボブのレゲエの師匠がリー・ペリーだったってことを知って、あとからリー・ペリーも聴いてみたってのとおんなじような感じの今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、パッと浮かぶ曲が3曲くらいしかないあたしが、ジャニス・ジョプリンのことを語るなんて、3本しか映画を観てない人が、チャップリンのことを語るようなもんなんだけど、ジャニスは、あたしが生まれる前の1970年10月4日、27才という若さで亡くなった。死因は、ヘロインの食いすぎだったそうだから、覚醒剤の食いすぎで死んだのと比べたら、遥かに幸せだったと思うけど、死のうと思って食ったワケじゃないんだろうから、ヒトコトで言えば「事故死」ってワケだ。もしも生きてたら、今年で65才だったワケで、それなりに強力なオバチャンになってただろう。

で、そんなジャニスを題材にした‥‥っていうか、普通の主婦がジャニスに成りすますっていう映画、「歌え!ジャニス・ジョプリンのように」が公開されたのが、4年前、2004年のことだった。あたしは、このウサン臭い邦題がダメで観なかったんだけど、原題は「Janis et John (ジャニスとジョン)」ていうフランスの映画だ。このタイトルからも分かるように、普通の主婦がジャニスに成りすますだけじゃなくて、ジョン・レノンに成りすます男性も登場するんだけど、邦題の酷さと、ニポンの配給会社の宣伝コメントが酷かったので、あたしは、食べず嫌い的に観なかった。

だけど、今、GyaOで無料配信してるので、「タダならいいか」ってことで観てみたら、これが、バツグンにいい映画だった。フランス映画なので、フランス語がチンプンカンプンなあたしは、字幕を読まなきゃなんなくて、そこだけがメンドクサかったんだけど、歌とかは英語だし、変に凝った映画じゃなくて、単純明快なストーリーで、頭をカラッポにして楽しむことができた。それから、保険会社で働いてる主役のダメ男が、アベシンゾーにソックリで、個人的にあたしのツボだった(笑)

アベシンゾーに顔も性格も似てるダメ男と結婚しちゃって、人生に疲れ果ててた主婦が、ヒョンなことからジャニス・ジョプリンのニセモノを演じることになるんだけど、最初は嫌がってたのに、だんだんその気になってって、そのうちに、バンドの仲間たちとマリファナを吸ったりするようになって、どんどんハマッてく様子が、ある意味、シンデレラストーリーだった。とにかく、ジャニス・ジョプリンやジョン・レノンの曲だけじゃなくて、T-REXやThe WhoやClashなんかの曲も使われてるし、この辺の時代の音楽やマリファナが好きな人なら、ケッコー楽しめることウケアイだ。

‥‥そんなワケで、ジャニスに成りすます役の女優、マリー・トランティニャンは、この映画を撮り終わった2003年に、当時の恋人だったフランスのロックミュージシャンのベルトラン・カンタとケンカをして、突き飛ばされた拍子に、頭を強打して死んでしまった。41才の若さだった。そして、翌年の2004年に、マリー・トランティニャンの遺作として、この映画が公開されたってワケだ。

で、この映画のスゴイとこ‥‥っていうか、マリーのスゴイとこ‥‥っていうか、とにかく、この映画は、「えっ?」って感じなのだ。マリーは、生涯に4回結婚して、それぞれのダンナとの間に1人ずつの子供がいるんだけど、この映画の監督、サミュエル・ベンシェトリが、4人目のダンナなのだ。そして、ジョン・レノンに成りすます男の役で登場する俳優、フランソワ・クリュゼが、1人目のダンナなのだ。ようするに、マリーが今まで結婚して離婚した4人の男のうち、最初のダンナが共演者で、最後のダンナが監督なのだ。そして、この撮影が終わったあとに、5人目の男である恋人に殺されたのだ。

さらには、アベシンゾーに似てる主人公と保険契約を結んでて、愛車のアストンマーチンをぶっ壊しちゃうオジサンが、このマリー・トランティニャンの実際のお父さん、ジャン・ルイ・トランティニャンなのだ。そして、このジャン・ルイ・トランティニャンは、若いころにブリジット・バルドーの恋人だったんだけど、この映画での自分の娘、マリーの役名が、何の因果か「ブリジット」っていうのだ。つまり、マリーは、自分の元ダンナ2人だけじゃなくて、自分のお父さんとまで一緒に映画を作ったってワケで、すごくやりにくかったんじゃないかって思うし、これから観てみる人は、こんな裏話も知った上で観てみると、より楽しめると思う。

‥‥そんなワケで、「歌え!ジャニス・ジョプリンのように」っていう邦題は最悪だけど、観てみるとなかなか楽しめる映画だったので、興味を持った人は頭をカラッポにして楽しんで欲しい。5月4日まで無料配信してるので、まだ日にちもタップリあるし、本編の時間はそんなに長くないから、軽い気持ちで楽しむことができる。それから、あたしからのアドバイスとしては、最後の長いエンドロールのあとに、ちょっとしたオチ‥‥っていうか、オマケの映像がある。だから、エンドロールの途中で消したりしないで、ちゃんと最後のオマケまで観て欲しいと思う今日この頃なのだ。


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「歌え!ジャニス・ジョプリンのように」(5/4正午まで)
http://www.gyao.jp/sityou/catedetail/contents_id/cnt0008789/

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