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2008.05.18

カンガルー族議員の思惑

オーストラリアで計画されてた政府によるカンガルーの大量虐殺は、オーストラリア国内はもとより世界中の動物愛護団体からのモーレツな抗議によって、一度は白紙撤回された。だけど、昨日、こんなニュースが報じられた。


「カンガルー大量駆除、一転実施へ=動物愛護団体の反発必至」(時事通信)

オーストラリアの首都キャンベラ近郊で野生のカンガルーが大量に繁殖している問題で、土地を保有する国防省は16日、他の土地に移動させる方針を撤回し、安楽死による大量駆除に踏み切ることを明らかにした。実施時期は明らかにされていないが、動物愛護団体からの反発は必至だ。この土地に生息するカンガルーが絶滅の危機にある動植物を荒らすことから、国防省は3月、約400頭について矢で動きを止めた後、薬物注射で処分する計画を立案。これに対し、内外の動物愛護団体から「冷酷な行為」と猛反発が起きたため、同省は計画を取りやめ、他の土地に移す方針を示していた。(2008年5月16日) 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080516-00000108-jij-int


3月に、この残虐な計画が発表され、4月には白紙に戻されたのに、5月になったら「やっぱり殺します」って、オーストラリアの政府って、言ってることがニポンの自民党みたいにオッペケペーだ。まるで、3月末で期限切れになって、30年ぶりに不当な「ガソリン暫定税」がなくなったと思ったのもトコノマ、わずか1ヶ月で「数の暴力」による強行採決で、5月からは前よりもガソリンが高くなっちゃったのとおんなじだ。そして、こんな残虐なことをするヤツらが、ニポンの捕鯨に対してギャーギャーと文句を言うなんて、強盗が泥棒に説教してるようなもんだと思う今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、あたしは、いつも「人の考えは人それぞれ」だって言ってるし、自分と違う意見を頭ごなしに否定するべきじゃないって言ってる。だけど、あたしは、スジの通らないことは大っ嫌いだ。自分の国の中で、野生動物を大量虐殺しようとしてるヤツラが、どうしてニポンの捕鯨に対して文句を言えるんだろう? あたしには、この感覚がまったく理解できない。

で、最初から説明すると、このカンガルー大量虐殺計画は、もともとはもっと大きなものだった。オーストラリアの国防省が所有する広大な土地には、約6000頭の野生のカンガルーがいるんだけど、当初の計画は、この半数の「3000頭を射殺する」ってものだった。これは、増えすぎたカンガルーたちが植物を食べ尽くしちゃうセイで、この土地に生息する希少種のトカゲや蛾が絶滅する恐れがある‥‥ってのが表向きの理由なんだけど、実際には、カンガルーの肉や革を扱ってる企業と政府とが癒着したビジネスだって言われてる。ようするに、ニポンに土建屋の利権で私腹を肥やす「道路族議員」がいるように、調査捕鯨の関連企業に天下りしてるヤツラと癒着してる「捕鯨族議員」がいるように、オーストラリアには「カンガルー族議員」てのがいるんだろうね。

P5
そして、ロックバンド「ミッドナイト・オイル」の元ボーカルで、現在のオーストラリアの環境大臣、ピーター・ギャレットは、選挙の時に、「野蛮な日本の犯罪者集団による残酷な捕鯨をやめさせるために、我が国は海軍の戦艦を出動させ、実力行使すべきだ!」っていう過激な公約を掲げてた。それで当選して、政権交代したんだから、あたし的には、いつオーストラリアの戦艦がやって来て、ニポンの捕鯨船を攻撃するのか、去年からずっと待ってるんだけど、いっこうに来る気配はない。ニポンの捕鯨船を暴力的に攻撃したのは、グリーンピースの一部の異常な過激派だけだった。

あたしは、ピーター・ギャレットが、2004年に労働党から出馬して初当選した時、少なからず期待をしてた。なぜなら、ピーター・ギャレットは、バンド時代から一貫して「反核」と「反米軍基地」を叫び続けて来た「スジの通った男」だと思ってたからだ。だけど、これが大間違いだった。ピーター・ギャレットは、当選したトタンに、絵に描いたようなダブルスタンダード野郎にパンサーチェンジしちゃったのだ。

労働党がピーター・ギャレットに白羽の矢を立てて出馬させたのは、もちろん、名前と顔が売れてたからだ。つまり、ニポンの選挙で、大きな党が議席数を稼ぐために、バカなタレント候補を乱立させるのとおんなじようなものだったのだ。そして、ミゴトに当選したピーター・ギャレットは、党からの命令で、「反核」や「反米軍基地」などの昔からの主張を封印させられちゃったのだ。ようするに、「郷に入れば郷に従え」ってことで、本人としては「青天の霹靂」だっただろう。ピーター・ギャレットとしては、政治家になれば、今までの自分の主張をより現実的なものにできると思ったから出馬したのに、当選したトタンに、党からの命令で、「反核」も「反米軍基地」も口にしちゃいけなくなるなんて、こんなの本末転倒だ。

当選したトタンに、それまでの主張を一変させた大ウソつきと言えば、ニポンでは、根回しが大好きなヤンキー先生こと「義家弘介」が有名だ。ヤンキー先生は、いろんな場所で「憲法9条の大切さ」を訴え続けて来た上に、教育現場での「日の丸」と「君が代」の強制を激しく批判し続けて来た。それなのに、自民党から出馬して政治家になったトタンに、アッと言う間に「改憲派」へと早変わりしちゃった。そして、それまでの主張をクルリンパと180度も変えて、「日の丸」と「君が代」の厳守を訴え始めた。さらには、国際的カルト教団のナンミョーとも、ガッチリと固い握手なんかしちゃって、もう最悪‥‥。

ま、こんな口先だけで世渡りしてるペテン師なんかと同類に扱ったら、ピーター・ギャレットに申し訳ないと思うけど、長年ずっと主張して来たことを党の命令でコロッと変えちゃうなんて、あたしは、今までの主張を支持して投票した有権者たちに対する裏切り行為だと思うし、情けないチキン野郎だと思う。そして、ピーター・ギャレットの何よりも最悪なとこは、自分の二枚舌をゴマカスためのアジのヒラキナオリだ。「自国のカンガルーの大量虐殺を支持するクセに、ニポンの捕鯨を批判するのはおかしいのでは?」っていう多数の意見に対して、開いた口からエクトプラズムが出て来て幽体離脱しちゃいそうなくらいトンデモないことをノタマッたのだ。


「カンガルーは増えすぎたから間引きするだけだ。これはカンガルー自身のためなのだ。しかし日本の捕鯨は、一部の狂った犯罪者集団による悪質な凶悪犯罪なのだから、武力を使ってでも徹底的に阻止しなくてはならない!」


最初は「希少種のトカゲとか蛾とかを守るため」って言ってたのに、今度は「増えすぎたカンガルー自身のため」と来たもんだ。それにしても、約6000頭のカンガルーのうちの半分、3000頭も射殺することが、果たして「間引き」と言えるのだろうか? そして、「カンガルー自身のために間引きする」ってことが正当化されちゃったら、今後も、一定数を超えたカンガルーは、永久に殺し続けてくってことになっちゃう。さらには、殺したカンガルーで金儲けをもくろむ企業と政府との癒着については、いっさい答えていないのだ。あたしは、これほどの詭弁は、コイズミとアベシンゾー以来、聞いたことがない。

そして、多くの動物愛護団体や有権者たちから、「野生のカンガルーを殺すのは残酷だ!」「射殺という方法も酷すぎる!」って声が相次いだことによって、オーストラリア政府は、殺す数を400頭へと減らして、殺し方も「射殺」から「麻酔銃を打ってから薬物注射で殺す」って方法に変更した。でも、これは、「一度に3000頭を殺すのではなく、まずは400頭を殺して免罪符を作り、あとは定期的に殺して行く」ってことなのだ。

だって、「希少種のトカゲや蛾を守るため」だとしても、「増えすぎたカンガルー自身のため」だとしても、6000頭のうちの400頭だけを殺しても、ほとんど意味はないからだ。つまり、オーストラリア政府は、とにかく何頭でもいいから、テキトーな理由をつけて「税金でカンガルーを殺す」という前例を作り、それを今後の免罪符にしたいだけなのだ。一度でも前例を作っちゃえば、あとはやりたい放題ってワケで、コレって、読売のナベツネと経団連のミタライが、自民党とナンミョー党に働きかけてる「消費税の段階的引き上げ」とソックリのパターンじゃん。最初は「1年だけ」って言ってスタートした「ガソリン暫定税」が、30年以上も継続され続けて来て、国交省の官僚や天下りどもの好き放題に使われてるのとソックリのパターンじゃん。

‥‥そんなワケで、あたしは、一度は民意に耳を傾けて、カンガルーの大量虐殺計画を白紙に戻し、「増えすぎたカンガルーは、カンガルーの生息数が少ない低木林地に移動させる」ってことにしたオーストラリア政府が、わずか1ヶ月で、どうして「やっぱり殺す」ってことにしちゃったのか、推測してみた。だって、オーストラリアやイギリスの動物愛護団体が、キチンと現地調査をして、増えすぎたカンガルーたちを移動させる土地も調査して、十分に実現可能だってことを理解した上での計画変更だったのだ。

だから、移動するんじゃなくて、「どうしても大量のカンガルーを殺さなきゃならない理由」ってものがあるハズなのだ‥‥って、もったいぶらなくても、「カンガルー族議員」による癒着企業への便宜に決まってるんだけどね。殺す方法を「射殺」にしたのだって、麻酔銃で眠らせてから毒薬を注射して殺したら、その肉は食肉として出荷できなくなるからなのだ。ライフルでカタッパシから射殺すれば、革も肉も商品になる。ただ、それだけのことなのだ。

あたしには、この「カンガルー自身のための間引き」っていう大義名分が、ニポンの捕鯨における「調査」っていう大義名分とオーバーラップして見える。ホントにクジラを調査するのなら、何も何百頭も殺す必要なんかない。今は、高性能のレーダーだって音波探査機だって水中カメラだって何だってあるんだから、1頭も殺さずに調査することは簡単だ。それに、他の野生動物の調査で、対象の動物を何百匹も殺すなんてケースは1つもない。

そして、他に移動させる土地があり余ってるのに、それでも何百頭も射殺することこそが「カンガルー自身のための間引き」だなんて、これほど意味不明な理屈は前代未聞だろう。結局、ニポンの捕鯨もオーストラリアのカンガルー虐殺も、そこに利権が絡んでるからで、そうしたお得意様たちのフトコロを潤すために、腐りきった政治家どもが税金を使ってかけがえのない命を奪い続けてるってシナリオなのだ。

ま、オーストラリアの政府が、オーストラリアの野生動物を大量虐殺するのは、オーストラリアの自由だと思う。たとえそれが、一部の政治家どもと癒着してる特定企業のための虐殺だとしても、他国の人間が批判することじゃないと思う。だって、あたしたちの国だって、おんなじことをしてるからだ。だから、動物のお肉を食べないあたしが、1人の人間として、ニポンの捕鯨やオーストラリアのカンガルー虐殺を批判することはできるけど、多くの動物を殺してる「ニポン人」しての立場になれば、他国のことは批判できない。

だけど、世の中には、自己チューな人たちが多いみたいで、自分は牛肉や豚肉を食べてるクセに、ニポンの捕鯨を批判してる人たちがいる。あたしにはトーテー理解できない感覚の人たちだけど、こうしたおかしな人たちには、「牛や豚は人間に食べられるために生産されてる家畜で、クジラのような野生動物とは命の価値がまったく違うのだ」っていう、極めて非科学的で、激しく自分勝手で、幼稚園児にも笑われちゃうほどトンチンカンな屁理屈がある。これは、アングロサクソン特有の考え方で、「黒人は奴隷になるために生まれて来たんだから、我々白人とは命の価値がまったく違うのだ」っていう思想をルーツにしてる。

そして、牛肉や豚肉を食べながら捕鯨を批判するオッペケペーどもって、こんな屁理屈をまるで伝家の宝刀のように振り回してるから、危なくて近寄ることもできない。動物の肉を食べてるから、血の気も多いしね。だけど、今回のケースになると、この伝家の宝刀も使えなくなって来る。だって、カンガルーも野生動物だからだ。でも、ニポンの捕鯨を激しく批判し続けるオーストラリアの環境大臣、ピーター・ギャレットは、さっきも書いたように、「オーストラリアのカンガルーを大量に処分するのは、カンガルー自身のためだ」って言い、「日本の捕鯨は凶悪犯罪だ」って言う。

ピーター・ギャレットは、イギリスの「デイリーテレグラフ紙」の3月12日付の記事、「Paul McCartney joins kangaroo cull protest (ポール・マッカートニーがカンガルーの間引きに抗議しました)」の中で、「オーストラリアでカンガルーを殺していながら、日本の捕鯨に反対するのは説得力に欠けるのでは?」という指摘に対して、「カンガルーの間引きは、人道的かつ適切に管理されたもので、カンガルー自身にとって必要な計画だ」と言いながら、「日本が南極海で行なっているクジラの殺戮行為には断固として反対する」って言ってる。だ~か~ら~、その二枚舌っぷりが批判されてるのに、その質問にさえもおんなじセリフを繰り返すなんて、サスガ、グリーンピースに在籍してたこともあるほどの環境保護運動のリーダーだけのことはある。大切なのは白人の命とクジラの命だけで、それ以外はどうでもいいんだよね、きっと。

‥‥そんなワケで、あたしは、平然と牛肉や豚肉を食べながら、ニポンの捕鯨やオーストラリアのカンガルー虐殺を批判してる人たちの神経も理解できないけど、このピーター・ギャレットみたいに、環境大臣としての立場で、カンガルーの大量虐殺を認めただけじゃなく、これほど残酷な行為を自分勝手な屁理屈で正当化しつつ、ニポンの捕鯨を激しく批判し続ける神経が、逆立ちしても理解できない。だけど、コイズミだのアベシンゾーだの、これほど酷い大ウソつきどもを総理大臣にして来たニポン人のあたしが、他国の環境大臣のことを批判するのは、それこそ、オーストラリア人がニポンの捕鯨を批判することとおんなじになっちゃうから、あんまり偉そうなことは言えないと思う今日この頃なのだ。


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