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2008.06.01

シャロン・ストーンの災難

シャロン・ストーンが、カンヌ映画祭でのインタビューで、「中国四川省の大地震はチベット弾圧に対する報い(カルマ)だ」って発言したとかで、中国からの大ブーイングの嵐を受けた。それで、中国国内では、シャロン・ストーンを化粧クリームの広告に使ってるクリスチャン・ディオール社の製品の不買運動が起こった。それに対して、ディオール社は、「中国国内の広告からシャロン・ストーンを外す」ってことと、シャロン・ストーンからの謝罪のコメントをリリースした。ディオールの上海のオフィスから、中国の人たちに向けてリリースされたのは、次のコメントだ。


“I am deeply sorry and sad about hurting Chinese people.”

(私は、中国の人々を傷つけてしまったことを深く反省し、また悲しく思っています)


もちろん、こんなコメントくらいじゃ収まらないのが中国の人たちだろうけど、ここで、新展開が訪れた。このコメントの主であるシャロン・ストーン本人が、「私は謝罪なんかしていません。あのコメントは、ディオール社が勝手に発表したものです」って言い出したのだ。シャロン・ストーンは、「問題になっている発言をしたことは認めますが、長いインタビューの中であの部分だけを切り取り、私の意図したものとは別の意味に受け取られるようにインターネット動画などで流した人たちに問題があるのです」って言ってる。そして、「だから、謝罪する気持ちなどまったくありません」って言ってる。

つまり、ディオール社は、真実をキチンと伝えて正しく解決する道よりも、ウソをついてでも騒ぎを鎮静化する道を選んだってワケだ。これは、ビジネスとしてはジンジャエールな選択だったのかもしれないけど、あたしは、何か起こるたびに、偏向的な報道や不確かな情報を鵜呑みにして、大勢で大騒ぎする中国の人たちの気質に危惧してる。これこそが、中国政府の望む「真実に目を向けさせなくなる」ってことだからだ。これは、中国の人たちにとって何よりも良くないことで、周りに流されてイキオイだけで短絡的なヒステリーを起こしてるだけじゃ、いつまで経っても腐りきった中国政府に利用されてるだけだと思う今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、まずは、どんどん尾ヒレがついて広まってったシャロン・ストーンの問題発言そのものを紹介する。


“I’m not happy about the way the Chinese are treating the Tibetans because I don’t think anyone should be unkind to anyone else.”

“And the earthquake and all this stuff happened, and then I thought, is that karma? When you’re not nice that bad things happen to you?”


いつもの「きっこ訳」だけど、直訳するとこんな感じだ。


「私は、すべての人たちが他人に対しての思いやりの心を持つべきだと思っていますので、中国におけるチベットの人たちの扱われ方には問題があると思っています」

「そして、地震は起こりました。それで、私は思ったのです。これはカルマではないのかと? あなたが良くないことをしている時、あなたにも災いが降りかかったことはありませんか?」


で、この発言の前後に彼女が何を言ってるのかっていうと、「自分は20年以上も慈善活動を続けて来た」ってことや、「中国の人たちを支援したい」ってことや、「そのために自分の友人が代表をつとめる慈善団体と協力して、募金活動を始める準備をしている」ってことだ。だけど、彼女が言うには、「私にインタビューした香港のインタビュアーは、私の発言のこうした部分をすべてカットして、問題発言の部分だけを報道したのです」ってことだそうだ。

確かに、あとからアメリカのニュースで報じられたインタビューのロングバージョンには、最初に報道されたショートバージョンとは違って、こうした発言も含まれてるし、前後をちゃんと聞いて全体的な流れを見れば、シャロン・ストーンが酷いことを言ってるようには聞こえない。あたしは、別にシャロン・ストーンのファンでもないし、別に肩を持つワケでもないし、普通に中立の立場で見て、そう思った。彼女が言ってるのは、要約すると、こんな感じのニュアンスのことだ。


「私は、被災した中国の人たちを支援したいと思っています。そのために、今、私の友人が代表をつとめる慈善団体と協力して、募金活動を始める準備をしています。ただ、これとは別に、人間にはカルマというものがあります。悪いことをすれば、その報いが自分にも降りかかります。私は、中国におけるチベットの人たちの扱われ方は、決して良い状況とは思っていません。ですから、中国の皆さんも、自分たちが辛い思いをした今、長年、苦しみ続けているチベットの人たちの気持ちも考えてみてはどうでしょうか?」


‥‥そんなワケで、これは、激しく「きっこ風味」だけど、シャロン・ストーンが伝えたかったのは、こういうことだったと思う。もちろん、「地震が起こったのはチベット弾圧の報いだ」って取られるような言い回しをしたことはイージーミスだったと思うけど、ホントに伝えたかったことが重たい問題だったからこそ、強い言い方をしちゃったって部分も否めないし、すべての発言をちゃんと聞けば、彼女の真意は小学生でも理解できるハズだ。そして、あたしは思うんだけど、大騒ぎしてる人たちのうち、いったいどれほどの人たちが、キチンとすべての発言を聞いて、ビミョ~なニュアンスまでを理解して、その上で騒いでるんだろう?って。

あたしも、ネット上でマッチポンプを繰り返してる最低最悪のニュースサイトで、何度も「発言の一部」だけを切り取られて、尾ヒレをつけられた捏造ニュースを流されて来た。だけど、記者が自分で誰かのブログのコメント欄を荒らしに行って火をつけて、それで「誰々のブログが大炎上!」だなんて記事を垂れ流すクソニュースサイトだの、1から10までデマしか流さない頭のおかしいメルマガだの、こんなもんに釣られるようなアホなんかいないと思ってた。

でも、これが、信じらんないことに、多少はいるんだよね。そして、こうしたアホ記事を鵜呑みにするような「さらなるアホ」たちって、今回のシャロン・ストーンの発言に関しても、きっと、「シャロン・ストーンが『中国四川省の大地震はチベット弾圧に対する報いだ』って発言して大問題になってる」っていう認識しかないんだよね。真実はぜんぜん違うのに、ホントに、おめでたい人たちだ。

悪意を持ったヤツラがデマばかり書き込むことでもオナジミの「ウィキペディア」でも、「シャロン・ストーン」の項目で取り上げられてる彼女の発言は、「チベット問題への中国当局の対応がよくないから(四川大地震が)起きた。これはカルマかしら」って部分だけだ。それも、このコメントは、あたしが引いた正確なコメントとは違って、ネット上で流されてる「意図的に編集したコメント」なのだ。こんなものを仮にも「百科事典」を名乗ってる「ウィキペディア」が掲載してんだから、あまりにも酷すぎる。ちなみに、英語の「ウィキペディア」の「Sharon Stone」の項目には、できる限り誤解が生じないように、あたしが引いたコメントの全文がキチンと掲載されてる。

‥‥そんなワケで、あたしは、シャロン・ストーンとは比べ物にならないほど規模は小さいけど、彼女とおんなじように、悪意を持ったクルクルパーによって、発言の一部だけを意図的に切り取って編集したアホ報道をされて、すごく不愉快な思いをして来た。だから、彼女の気持ちがよく分かるし、彼女の「問題になっている発言をしたことは認めますが、長いインタビューの中であの部分だけを切り取り、私の意図したものとは別の意味に受け取られるようにインターネット動画などで流した人たちに問題があるのです。だから、謝罪する気持ちなどまったくありません」ってコメントは、すごくカッコイイと思った今日この頃なのだ。


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