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2008.06.15

お父さん、ありがとう♪

今日は「父の日」だった。ニポン全国のアチコチで、お父さんに感謝の気持ちを伝えた人たちがいただろうし、これから伝える人もいるだろう。そして、お父さんがご健在じゃない人も、心の中で感謝の言葉を送っただろう。逆に、何の言葉もかけてもらえなかったお父さんもいるだろうし、ホントなら「ありがとう」って言ってくれたハズの子供に先立たれて、さみしい気持ちで1日を過ごしたお父さんもいるだろう。

あたしの場合は、父さんはいるけど、会えないので、心の中で「ありがとう」って言っただけだ。あたしが小学生の時に、母さんと離婚した父さんは、新しい家庭を作った。だから、あたしの父さんであることに変わりなくても、今は「他人の父さん」だ。だから、あたしは、父さんのことを考えるたびに、あたしは何も悪いことはしてないのに、こんな言い方はしたくないけど、なんか、「愛人」とか「メカケ」とか「2号」とかって立場みたいな、自分が日陰者みたいな気持ちになってきちゃう。

あたしは、父さんと会うことはできる。ケータイの番号もアドレスも知ってるし、会社も知ってる。そして、父さんも、あたしが連絡すれば、時間を作って会ってくれる。だけど、今日は「父の日」だ。時別な日だ。だから、父さんに感謝の言葉を伝えたり、プレゼントを渡したり、一緒にゴチソウを食べたり、父さんの大好きなアサヒスーパードライをついであげたりできるのは、父さんの「今の子供」の権利であって、あたしにその権利はない。

それで、あたしは、何でもない日はいつでも会えるのに、クリスマスイブだとか彼のお誕生日だとかの重要な日には常にスッポカされちゃう「2番目の彼女」みたいな気分を味わうことになる。それがイヤだから、あたしは、ずっと「父の日」を意識しないようにして来たし、この日記でも、「母の日」のことは何度も書いて来たけど、「父の日」のことは一度も書かなかった今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、父さんは元気でも、「父の日」に会うことのできないあたしは、今までずっと「父の日」の話題を避けて来たワケだけど、もう30代の半ばを過ぎたんだから、いつまでも子供みたいなことも言ってらんないし、自分の気持ちを切り替える意味でも、あえて今日は書いてみることにした‥‥って言っても、何を書こうか考えてるワケでもなく、思いついたことをタラタラと書いてくだけなので、脈絡がおかしかったり、オチもなかったりすると思う。

小学生の時、作文で「父さんのこと」を書かなきゃならない時が何度かあったんだけど、あたしは、そのたびに苦しんで来た。父さんは、月末に一度、母さんにお金を渡しに帰って来るだけで、それ以外は帰って来なかった。毎年の夏休みに数日間だけ、千葉県の房総の海に連れてってくれたけど、作文に書くのは「ふだん父さんのこと」だ。あたしは、ふだんの父さんのことを何も知らなかった。どんなお仕事をしてるのかも、好きな食べ物も、どんな人なのかも、何も知らなかった。当時のあたしが知ってたのは、月末になるとやって来て、母さんと言い争いをして、ドアをバタンと閉めて行くってことだけだった。

あたしの作文は、数少ない数年前の思い出を「今のこと」にして書いたり、母さんのことを父さんに変えて書いたりした「ウソの作文」だった。ウソを書かないと、原稿用紙を埋めることができなかったからだ。だから、クラスで作文を読み上げる時には、「ウソを読んでる」っていう引け目があって、すごくイヤだった。きっと、早く自分の番を終えたくて、抑揚のない棒読みで、早口で読んでたんだと思う。

だから、クラスの子たちが読み上げる、「テレビを観ながら晩ご飯を食べてたらお父さんに叱られた」とか、「お母さんのお洗濯の手伝いをしたらお父さんがお駄賃をくれた」とか、「お父さんに宿題を手伝ってもらった」とか、「お父さんと一緒にお散歩に行った」とか、そうした「ごく当たり前のこと」をすごく羨ましく思って聞いてた。男の子が、「お父さんのオナラの音は大きい」なんて読み上げて、クラス中がドッと笑っても、あたしは、「父さんのオナラの音なんて聞いたことがないや‥‥」って思って、逆に寂しい気持ちになった。

‥‥そんなワケで、あたしは、父さんと母さんが離婚しただけでも大ショックだったのに、中学生の時に母さんから「父さんには子供がいる」ってことを聞かされた時には、ものすごい嫉妬の気持ちが湧き起こって、頭がおかしくなるほど苦しんだ。。「離婚」だけなら、大人が主役の問題だから、子供は口を出しちゃいけないような雰囲気があって、あたしは、自分のほうからは触れないようにしてた。だけど、「子供」の話を聞かされた時には、もう大人だけの問題じゃないって思ったのだ。

母さんは、あたしが中学生になり、もうホントのことを伝えておいたほうがいいと思ったんだろう。あたしが小学生の低学年のころから、父さんには、外に「女の人」がいたってこと。その人のとこに入り浸ってて、家にはあまり帰って来なかったこと。そして、その人との間に子供ができたから、その人と結婚することにして、母さんと離婚することにしたってことなど、詳しい話をしてくれたのだ。

母さんとしては、その「女の人」に嫉妬してたと思うけど、子供のあたしから見たその「女の人」ってのは、「大好きな父さんを奪った敵」ってよりも、「大好きな母さんを苦しめてる敵」って見方をしてた。だから、あたしは、その「女の人」をものすごく憎んでたけど、母さんが感じてたような「嫉妬」は感じてなかった。だから、小学生の時のあたしは、複雑な状況下で苦しみつつも、ワリとノンキにしてられたんだと思う。

でも、中学生になり、母さんから「子供」のことを聞かされたあたしは、初めて、激しい憎しみをともなった「嫉妬」を覚えたのだ。父さんが母さんと離婚するのは、子供には分からない大人の事情があるんだろうから、それは仕方ない。そして、父さんが母さん以外の女の人と再婚するのも仕方ない‥‥って、あたしは、子供ながらに、ここまでは理解してるつもりだった。だけど、相手の女の人に子供ができて、そのために母さんと離婚して、相手と再婚したってことを知らされたあたしは、言葉じゃ説明できないような怒りと憎しみの感情が全身を駆け巡った。

その感情が「嫉妬」だって分かるまでに、それほど時間はかからなかった。そして、その「嫉妬」の向いてる先が、父さんの再婚相手でも、父さんでもなくて、その「子供」だってことが分かるまでには、しばらく時間がかかった。今でもうまく言えないけど、「あたしのほうが先に生まれたのに、あとから来た子供に父さんを横取りされた」っていうみたいな気持ちで、当時のあたしは、その子が男か女かも知らなかったのに、「今すぐに地球上から消えて欲しい!」って思うほど憎んだ。そして、「もしもあたしとおんなじ女の子だったら」って想像したら、その憎しみは何倍にもなった。

あたしのたった1人の父さんが、あたし以外の子供のことを「食事中にテレビを観るな!」って叱ったり、お家の手伝いをしたからってお駄賃をあげたり、宿題を手伝ったりしてるとこを想像すると、頭が爆発するほど悔しくて悔しくて、夜も寝られないほど嫉妬した。そして、それが女の子で、あたしも買ってもらったことのないようなお洋服や本や文房具を買ってもらったりしてるって想像したら、発狂しそうなほど嫉妬した。

もちろん、こうした感情は、子供ならではのものだ。冷蔵庫で冷やしたヌーブラをオデコに貼って、頭を冷やして考えれば、一番悪いのは父さんだ。仮に、父さんが妻帯者だってことを知った上で、その女が計画的に近づいて来たんなら、その女のほうの悪さの度合いもアップするけど、どっちにしても、悪いのは大人たちであって、子供には何の罪もない。それは、双方の家庭に言えることだ。だから、感情よりも理屈を優先して考えれば、双方の家庭の大人たちが加害者であって、双方の家庭の子供たちが被害者ってことになる。

つまり、離婚した家庭の子供であるあたしが、再婚した家庭の子供のことを恨むのは、理屈としては筋違いってことになる。だけど、こうした理屈は、凶悪な殺人犯に対する死刑の求刑を「重い」なんて言えるような「人の痛みの分からない人」だけに任せといて、感情の動物であるあたしとしては、自分の心の中から湧き起こって来た感情こそが、どんな法律や哲学や理論よりも優先すべき「人間としての本能」だと思ってる。

‥‥そんなワケで、子供のころのあたしは、世界一大切な母さんのことを裏切った父さんを憎みたいと思ってた部分もあった。だけど、あたしは、父さんのことを愛してる。憎みたいのに憎めない。だから、その代償行為として、相手の子供のことを憎んだのかも知れないし、この辺のことは、児童心理学の専門家じゃないと分かんないことだと思う。だけど、すべてを許せるようになった今としては、もうどうでもいいことだ。自分が大人になったから、何年間も父さんに会えなくても普通でいられるし、何年ぶりかで父さんに会えた時には、ちょっぴり「母さんに悪いな」って思うけど、父さんとの時間を楽しめるようにもなった。ただひとつだけ、未だに「父の日」だけは苦手なのだ。奥さんと2人の子供から「父の日」をお祝いされてる父さんのことを想像すると、何とも言えない切ない気分になって来るからだ。だから、あたしは、自分の父さんに「ありがとう」って言えないぶん、全国のお父さんたちに、感謝の気持ちを言おうと思った今日この頃なのだ。

全国のお父さん、ありがとう♪


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