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2008.06.14

猫の風物詩

暑くなったら「夏」、寒くなったら「冬」ってのは、あまりにもフランク・ザッパだけど、こうした気温の変化だけじゃなくて、東京に住んでても、多摩川の土手の桜が咲いたり、街路樹が紅葉になったりって、いろんなことで季節の到来を感じることができる。もちろん、こうした嬉しいことばかりじゃなくて、花粉で鼻がムズムズして来たら「春」の到来を感じたり、ガス代の請求金額が高くなって来たら「冬」の到来を感じたりって、あんまり嬉しくないパターンもある。だけど、これだって、ひとつの風物詩として捉えれば、「ああ、去年の花粉の季節から、もう1年が巡って来たんだなあ‥‥」なんて、それなりに感慨にふけることができる。ツツーって鼻水が垂れてても(笑)

で、あたしの個人的な風物詩のひとつとして、「マックスのお土産」がある。猫たちの中で、マンションの2階のあたしのお部屋まで、自分で階段を上って来て、ドアの前でニャーニャー鳴いたり、ドアをカリカリと引っかいたりしてあたしのことを呼ぶのは、マックスとジジの2匹だけなんだけど、マックスの場合は、あたしを呼びに来るだけじゃなくて、アリガタ迷惑なお土産を持って来ることがある。前にも書いたけど、ヤモリとか、カマキリとか、セミとか、あたしの苦手なその辺のラインナップだ。

それで、完全に死んでるか、元気マンマンならいいんだけど、ほとんどが「瀕死の状態」だから、あたしは困ってる。死んでると思って、セミを割箸で拾おうとした瞬間に、突然、「ビビビビビーーーー!」って暴れ出すから、あたしは、シリモチをつくほど驚いて、心臓が止まりそうになる。ヤモリとかトカゲの場合は、鳴きはしないけど、まだピクピクと動いてるのに、土に埋めるワケにもいかないし、だからってトドメを刺すなんてできないし、結局、空き箱の中に入れて、自然に死ぬのを待ってから、土に埋めるようにしてる‥‥って、その部分の話は置いといて、あたしは、マックスが「どんな生き物を持って来るか」ってことで、季節の移り変わりを感じてる今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、あたしは、このアリガタ迷惑な風物詩に関してだけは、ホントに困ってる。特に、夏のセミの季節になると、多い時には2~3日おきくらいに持って来るし、それも、ドアの前にソッと置いてあるのだ。だから、あたしは、夏になってセミが鳴くようになると、毎朝、ビクビクしながらドアを開ける。

でも、冬になると、月に一度くらい巨大なコオロギとかヤモリとかを持って来るだけだから、あんまり気にしなくなる。春も、猫が捕るような生き物は少ないから、ワリと安心だ。最近も、3月か4月に、瀕死のヤモリを持って来てからは、2ヶ月くらい何もなかったので、もう忘れかけてた。それで、今朝、まったくの無防備でドアを開けたら、足元にチョウセンニンジンみたいな物体が置いてあるから、あたしはギョッとしちゃった。

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よく見ると、シッポの取れたトカゲで、お腹を上にしてて、見た感じは死んでるみたいだった。だけど、今までの経験から、割箸で持った瞬間にピクピクと動きだす可能性が「大」だったから、あたしは、まずは玄関に置いてある護身用の鉄パイプで、ソーッと押してみた。それで、何度かやってもぜんぜん動かなかったから、ようやく安心して、割箸ではさんで持ち上げた。そしたら、背中がタマムシみたく虹色に光ってるトカゲで、すごくキレイだったんだけど、死んでることが確認できたから、駐車場の植え込みに埋めに行った。

あたしは、「トカゲさん、ごめんね‥‥」って言って埋めたんだけど、あたしの気持ちは複雑だ。マックスが、あたしのために、がんばって生き物を捕まえてくれて、あたしを喜ばせるために階段を上って持って来てくれたんだから、その気持ちはとっても嬉しい。だけど、たとえ小さな生き物でも、その命を奪ってるってことに、ものすごく申し訳ない気持ちになる。

あたし的には、お金を持ってなくて何も買うことのできない猫が、あたしのために「何かしてあげたい」って思ってくれて、自分にできることを一生懸命にやってくれてるんだから、もう、いじらしくていじらしくて、抱きしめてウリウリしちゃいたいほど嬉しいし、実際、抱きしめてウリウリしちゃってる。だからなのか、マックスは、何かを捕まえてあたしのとこに持ってけば、あたしが喜ぶって思ってるんだと思う。それで、この風物詩が繰り返されてるんだと思うから、あたしにも原因があるってワケだ。

‥‥そんなワケで、あたしとしては、お花でも持って来てくれたら嬉しいんだけど、猫には猫の価値観があるワケで、きっと、自分が興味のあるものを相手も興味があり、自分が嬉しいものを相手も喜ぶって思ってるんだろう。だから、お花なんかには興味のない猫だから、手の届くとこにツツジが咲いてても、そのお花には目もくれずに、ツツジの下にガサガサともぐり込んでって、虫だのトカゲだのを探すってワケだ。

もしかしたら、猫は、もっと原始的な本能として、動かない植物よりも、動く動物に興味を示してるだけなのかもしれない。たとえば、ネコジャラシやリボンで遊ばせる時も、動かさないでおくとぜんぜん興味を示さないのに、チョコチョコっと動かしたトタンに、目を輝かせて臨戦態勢に入るからだ。だから、猫が動いてるものに興味を示すのは、もともとは「生きるために食べ物を手に入れる」って本能からで、猫は肉食動物だから、「動いてるものが食べ物だ」っていう判断基準からなんだと思う。

猫の目が変化して、夜でもよく見えるようになるのは、相手から自分を見ることができない暗闇こそが、食べ物になる小動物を捕獲するチャンスだからだ。そして、猫は寝てても小さな物音に反応して耳を動かすけど、これも、敵にしろ食べ物にしろ、他の動物の存在を感知するための習性だ。だから、もしも猫が草食動物だったら、視覚や聴覚よりも、嗅覚のほうが発達して、暗闇で目は見えないけど、土の下のどこにイモが埋まってるのかを匂いだけで探し出して、掘り起こして食べてたと思う。

‥‥そんなワケで、「動くものに興味を示す」ってのは、一般的な猫の場合の話だ。すごく前のことなので、細かいことまでは覚えてないんだけど、どこかの新聞で、「お金を拾って来る猫」の記事を読んだことがある。ひとり暮らしのおばあさんが、庭に来る野良猫にご飯をあげたら、毎日、顔を見せるようになった。そして、毎日ご飯をあげてたら、ある日のこと、100円玉をくわえて来て、目の前にポトッと落としたそうだ。それで、おばあさんは、100円玉を拾って、猫の頭をなでてから、ご飯をあげた。

そしたら、2~3日後に、今度は50円玉をくわえて来た。それからというもの、数日ごとに、どこからかお金を拾って来るようになった。だけど、500円玉の時もあれば、ゲームセンターのコインの時もあったそうで、サスガに猫には、お金とゲームセンターのコインの違いまでは分かんなかったみたいだ。それでも、そんなことが半年だか1年だか続いてたら、何万円ていうお金が貯まったそうで、その記事には、「じゃりんこチエ」の小鉄みたいなツラ構えをしたゴッツイ猫の写真と、大きな瓶に貯まったお金の写真も掲載されてた。

道に落ちてるお金を拾ったら、交番に届けなきゃいけないワケで、拾ったお金を自分のものにしたら、「拾得物ナントカ罪」になっちゃう。だけど、この場合は、猫が拾って来てくれたお金を自分のものにしたんだから、法律には触れないような気もする。その点については、記事には何も書かれてなかったんだけど、考えようによっちゃ、猫が拾って来たお金をおばあさんが貯めてたんだから、これがホントの「ネコババ」だ(笑)‥‥なんてのも織り込みつつ、あたしが不思議に思ったのは、「道に落ちてるお金は動いてない」ってことだ。

たとえば、猫の目の前で、コインを弾いてクルクルとコマのように回せば、興味を示すと思う。だけど、道に落ちてて動いてないコインを見つけて、どうしてそれを拾おうと思ったんだろう? どうしてそれを拾っておばあさんに届ければ、喜んでもらえるって思ったんだろう?

コインだけじゃなくて、他にもいろんなものを拾ってったんなら、この猫は、「動いてなくても金属的な光沢のあるものに興味を示す」とか、何らかの特別な感性を持ってたって考えることができる。だけど、この猫の場合は、丸いお金だけを拾ってて、時には間違えることがあっても、ゲームセンターのコインなんだから、これは間違いのうちには入らない。そして、「銀色に光ってる丸いもの」に興味があるって仮定すると、茶色い10円玉も拾ってたことにツジツマが合わなくなる。

‥‥そんなワケで、頭脳は子供でもベッドでは大人、迷探偵キッコナンに推理してもらうと、これは、「人間の匂いのする丸いもの」に興味を示したんじゃないかって思う。まあ、どんな理由だったとしても、おんなじ「猫のお土産」なのに、瀕死のトカゲやセミを持って来られるあたしから見たら、たとえ10円玉でも、お金を拾って来てくれるなんて羨ましい限りだ。だから、あたしは、これからは、マックスに毎日500円玉を見せて、匂いを嗅がせて、何とかお金を拾って来てくれるスーパーキャットになってもらおうと思ってる。そうすると、マックスがたくさんのお金を拾って来てくれる季節になれば、「ああ、自民党とナンミョー党が滅びて世の中の景気が良くなったんだなあ‥‥」って実感して、別の意味での風物詩を味わえると思う今日この頃なのだ(笑)


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