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2008.06.05

エンタの神様

ナニゲに「テレビブロス」の番組表をパラパラと見てたら、テレビ東京の午後1時半からの映画で、スゴイことを発見しちゃった。6月2日(月)は、チャールズ・ブロンソンの「さらば友よ」なんだけど、次の日からがスゴイのだ。3日(火)が「グロリア」、4日(水)が「クイック&デッド」、5日(木)が「マイ・ビューティフル・ジョー」って、3日連続でシャロン・ストーンの映画が並んでた。

テレビ東京の午後1時半からの映画は、いつもおんなじ俳優の作品を連続で放送してて、先週はシルベスター・スタローンだったし、来週はハリソン・フォードだ。だから、おんなじ俳優の作品が続くのは、企画としてやってることで、偶然てワケじゃない。だけど、このタイミングで、シャロン・ストーンの作品を連発したってのは、テレビ東京としては、タナボタ的なタイムリーヒットだっただろう。

で、これは前号の「テレビブロス」のことで、今日は新しい「テレビブロス」の発売日だったから、あたしは、いつものように近所のコンビニで買って来て、いつものように清水ミチコさんの「私のテレビ日記」、龍ヶ崎あきらさんの「若者たちの神々」などの大好きなコーナーを読んでから、いつものように「ピピピクラブ」を読み始めた。そしたら、珍しいことに、編集部からの「おわび」が掲載されてたのだ。


「おわび」
前号(5/24号)掲載のP8~9「若手芸人座談会 ブレイクの本音に迫る!」におきまして、マナティ氏の発言に「『エンタ』は売れてない芸人には自分のネタをやらせてくれない」などという事実と反する内容がありました。かつ、これらの発言は、マナティ氏の発言意図とは異なります。視聴者の皆様及び、日本テレビ『エンタの神様』関係者、ならびに芸人の皆様に慎んでおわび申し上げます。


‥‥最近のお笑いに食傷気味のあたしは、この座談会の記事はザッと目を通しただけで、細かい内容は覚えてなかった。それで、さっそく、前号を手にとってパラパラとページをめくり始めた今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、あたしは、前号の「若手芸人座談会 ブレイクの本音に迫る!」を読み返してみた。この座談会の参加者は、マナティ―(芸歴6年目。ソーレアリア所属のピン芸人。元ドコモのOL)、川村エミコ(芸歴6年目。ホリプロ所属のピン芸人)など、8名が参加してて、中には「Oくん」とか「Kくん」とかのイニシャルにして、名前と顔を伏せている人もいた。で、問題を指摘されてるのは、冒頭からすぐの部分だった。


―芸人さんにとって『エンタ』って特別ですか?

マ 「『エンタ』は、若手芸人にとって”召集令状が来た!”みたいな感じ。『エンタ』は売れてない芸人には自分のネタをやらせてくれないんですよ。ネタをすでに番組サイドで用意してて、それをやってくれそうな人を探す、という番組の作り方なんです」

―それで必然的に売れてない若手に声がかかると?

マ 「『エンタ』でブレイクした人で残ってるのは、自分の持ちネタで出た人だけですね。他人が考えたネタをやったって、結局、不自然さが残っちゃうわけだし」

―なるほど、そりゃ召集令状って感じですね。

マ 「だから話が来た時は正直怖かったですよ。芸人なんだからやっぱり自分のネタやりたいじゃないですか?でも『エンタ』って、どのディレクターさんの仕事に入れてもらえるかで全然違うんです。幸い私は自分のネタをやらせてくれるディレクターさんだったからすごく良かった」

川 「私、お蔵入りになった。違う人だったけど」

Oくん 「僕はマナティーさんと同じディレクターさんだったけど、お蔵入りになりましたよ(怒)」

―まあまあまあ。


‥‥そんなワケで、これが流れなんだけど、この座談会の中では「マナティ―」って表記してあって、今回の「おわび」では「マナティ」って表記してあって、どっちが正しいのか分かんないから、両方とも「テレビブロス」の表記のまま書き写してみた‥‥ってワケで、「元ドコモのOL」ってことは、マナティ―さんて女性なんだね。申し訳ないけど、あたしは、この座談会に出てる人を誰ひとり知らないから、マナティ―さんが女性だってのも、今、初めて知った。

ま、そんなことはどうでも良くて、問題なのは、この座談会の記事の内容と、今回の「おわび」との「ツジツマの合わないこと」だろう。だって、今回の「おわび」を読むと、編集部サイドは、「『エンタ』は売れてない芸人には自分のネタをやらせてくれない」っていうマナティ―さんの発言を「事実と反する」とした上で、この発言自体を「マナティ氏の発言意図とは異なります」って言って謝罪してる。そして、その謝罪は、文句を言って来た日本テレビだけじゃなく、芸人にも向いてる。つまり、悪いのは「テレビブロス」だけっていう全面降伏の謝罪だ。

だから、「テレビブロス」側が、マナティ―さんたち若手芸人をかばって、自分たちだけを悪者にして、問題を丸く収めようとした‥‥って推測すればツジツマは合うけど、この「おわび」の内容をすべて信用するならば、座談会において、マナティ―さんは、こんな発言なんかしてなかったのに、編集でこんなふうに「創作」されちゃったってことになる。そして、そんなことが行われたのであれば、マナティ―さんの発言だけじゃなくて、それに続く川村エミコさんやOくんの発言も、編集によって「創作」されたってことになる。そうじゃないと、会話の流れがおかしくなるからだ。でも、これだけの長さの会話のやりとりを編集で「創作」しちゃうなんて、ホントにそんなことがあるんだろうか?

一般的に、こうした座談会や対談では、すべての会話を録音して、それを原稿に起こして、必要な部分や面白い部分を短くまとめて行く。だから、すべての発言がそのまま掲載されることなんかないし、自分の発言でも、ライターによって簡潔に書き直される場合もあるから、時として、自分の意図したものと変えられてしまう恐れもある。だけど、たいていの場合は、参加者にゲラを見せて、最終的なチェックを行なう。つまり、原稿の中に、本人の意図とは違った表現などがないかを本人に確認してもらうのだ。

‥‥そんなワケで、五月女ケイ子さんの「ニュー大人の時間ですよ」を読んでるあたしとしては、どうしても今回の疑問の裏に「大人の事情」がありそうだって想像しちゃうんだけど、ま、疑問は疑問のまま「お蔵入り」にしちゃうとして、『エンタの神様』の「エンタ」ってのは、もちろん「エンターテインメント」の略だ。番組がスタートしたころは、「あらゆるエンターテインメントを紹介して行く」って感じの企画だった。

だから、音楽や演劇など、いろんな特集をしてて、なかなか斬新で興味深い番組作りをしてた。だけど、視聴率至上主義の業界においては、どんなに良質の番組を作っても、数字がとれなきゃ意味がないってワケで、いろんな企画の中で、比較的、視聴率の良かった「お笑い」だけがクローズアップされるようになった。そして、コンニチに至る‥‥ってワケなんだけど、あたしが最後に観たのは、もう、2年くらい前だ。

それは、『エンタの神様』に出て来るお笑い芸人て、どれも「見てるほうが恥ずかしくなって来る」ようなのばっかで、なんか、ナンミョーのフレーバーを感じるからだ。これは、芸をしてる芸人だけじゃなくて、客席もおんなじなのだ。ナンミョーの洗脳信者に騙されて、久本雅美や岸本加世子の講演会とかに連れてかれると、会場を埋めつくしてる洗脳信者どもが、ぜんぜん面白くないギャグで大爆笑したり、変なとこで感動したり、とてもマトモとは思えない「気味悪い連帯感」が充満しちゃってるんだけど、『エンタの神様』のステージと客席の感じが、あの気味悪さとソックリなのだ。

‥‥そんなワケで、あたしは、あと何年かで「地デジ」になったら、ものすごい「テレビ離れ」が起こると思ってる。原油の高騰と「ガソリン暫定税」によって、この2ヶ月で、全国で100以上もの運送屋さんが休業、廃業したし、大豆の高騰で、都内だけでも3日に1軒のお豆腐屋さんが廃業し続けてる。他にも、小麦の高騰で廃業する個人商店が相次いでるのに、外ヅラばかり大事にしてるフクダちゃんは、庶民のことなんかまったく分かってないから、「若い人たちはもっとお米を食べて欲しいですね」なんて涼しい顔でノタマッてた。新しいテレビどころか、この国には、お米も買えない人たちがどれほどいるかってことが、まったく分かってない。それでもヘラヘラと笑い続けるフクダちゃんの不気味さこそが、本物の『エンタの神様』じゃないかと思う今日この頃なのだ。


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