マナ板の誓い
あたしのマナ板は、キッチンのシンクの上にぶら下げてある。何でかっていうと、マナ板って、使い終わったあとにしばらくホッタラカシにしとくと、ナニゲにバイ菌とかが繁殖しちゃいそうな気がするから、使ったらソッコーで洗うようにしてるからだ。マナ板を使い終わったってことは、これから作ったものを食べるワケで、食べ終わるまで、使ったマナ板をそのまま放置しとくのがイヤなのだ。だから、あたしは、マナ板と包丁だけは、お料理が終わった瞬間に洗うようにしてる。包丁は、洗ったらすぐに拭いて仕舞うんだけど、マナ板は大きいから、拭くとフキンがビショビショになって、今度はそのフキンをお洗濯しなきゃなんなくなるので、永遠のループに巻き込まれそうな気がしちゃう。あたしって、汚れたものをそのままにしとくのが大っ嫌いなので、もうお料理はできてるのに、とりあえずフキンを洗濯機に入れて、スタートさせてからご飯を食べようと思っちゃう。そして、フキン1枚だけを洗うワケには行かないから、ちょっと着ただけで、見た目はぜんぜん汚れてなくて、洗おうか、もう1回着ようか悩んで、保留のカゴに入れといたブラウスとかを持って来て、一緒に洗うことになる。そうなると今度は、柔軟剤も入れなきゃってことになるんだけど、そんな時に限って、柔軟剤が切れてたりする。で、今からスーパーに行くワケにも行かないし、でも、洗濯機にはお水を入れ始めちゃってるし、あ゛ーーーーどうしよう!‥‥って思ってるうちに、せっかく作ったお料理は中途半端に冷めちゃうし、洗濯機は中途半端な量のお水と中途半端な量の洗濯物が入ったまま一時停止にしてる中途半端な状況になってるし、あたしのストレスは頂点に達しちゃって、耳の穴から煙が出てきちゃう今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?(笑)
‥‥そんなワケで、ヒサビサにマクラの一気書きをしてみたワケだけど、この調子で書いてると、ホントに耳の穴から煙が出てきちゃいそうだから、ここからは普通に書くことにする。で、マナ板をどんなふうにぶら下げてるのかっていうと、シンクの上にある収納棚のフチに、U字型のフックがいくつか並んでるので、そこに、マナ板のハシッコに開いてる穴を引っかけるってワケだ。シンクの上の収納棚は、イスに乗らないと出し入れできないほど高いし、フックの位置にも手は届かないんだけど、マナ板の長さが45cmくらいあるから、マナ板の穴とは反対側を持ってヒョイっとやると、ちょうどフックに引っかけることができるってワケだ。
それで、あたしは、このぶら下がってるマナ板を取ったり、使ったあとに洗ってからフックに引っかけたりって動作を10年以上も続けて来た。それも、一度のお料理中に、何度も取ったり引っかけたりすることもある。たとえば、最初にお魚をさばいたりする場合、いつもは、ワインや焼酎の2リットルの紙パックを展開図にひらいたやつをマナ板の上に広げて、マナ板が汚れないようにしてるんだけど、紙パックの展開図よりも大きなお魚だったり、さばき方をリトル失敗しちゃったりすると、お魚の血が、紙のまわりに流れ出て、マナ板の面に直接ついちゃうことがある。そんな時には、お魚をさばき終わってから、まずはマナ板を洗って、パッとフックに引っかける。
そして、お魚を焼いたり煮たりしてるうちに、ぶら下げたマナ板の水分がポタポタと落ちて、ある程度は乾くから、そしたら、またマナ板をパッと取って、今度はお野菜を切ったりする。ようするに、生臭いままのマナ板で、お野菜を切るのがイヤだってワケだ。だから、一度のお料理でも、2~3回くらい、マナ板をフックから取ったり引っかけたりすることがある。そして、これを10年以上も続けて来たんだから、あたしは、もうフックの位置を見なくても、パッとマナ板を引っかけることができちゃうのだ。体が、フックの位置とか距離感とかを覚えてるから、いちいち目で確認する必要がないってことだ。
‥‥そんなワケで、俳句仲間からお野菜を送っていただいたことをキッカケにして、ゼイタクなものを食べ続けてる最近のあたしだから、必然的に、マナ板を使う回数が増えて来た。メザシや納豆やお漬物だけでご飯を食べてた時は、マナ板を使うこともなかったけど、ここ1ヶ月くらいは、ほぼ毎日、マナ板を使ってる。それで、オトトイのことなんだけど、おんなじマンションの猫仲間の1人で、実家が北海道の奥さんが、ホタテを分けてくださった。ホタテって言っても、貝殻ごとのアレじゃなくて、中身だけがボイルしてあって、それが冷凍されてるやつが、ビニール袋に20個くらい入ってるのをくださったのだ。
貝殻ごとのアレは、そのまま焼いて、お醤油を垂らせば美味しいけど、貝殻がゴミになるし、早く食べないとダメになっちゃうから、なかなか大変だ。だけど、中身だけがボイルしてあって、さらに冷凍されてると、長持ちするし、使いたいぶんだけ解凍して使えばいいし、さらにはゴミも出ないから、すごく助かる。それで、あたしは、どんなお料理にしたら美味しそうか、脳内のスクリーンにスライドショーしてみたんだけど、お家にあるのはジャガイモとタマネギだけだったから、「ホタテとジャガイモとタマネギを煮る」ってのと、「ホタテとジャガイモとタマネギを炒める」ってのしか思い浮かばなかった。
だから、あたしは、せっかくのホタテを生かすために、スーパーへと欽ちゃん走りした。そしたら、中くらいのゴーヤが100円になってたから、群馬県産てとこが気になったけど、1本買うことにした。なんとなく、ホタテとゴーヤを塩コショウで炒めたら美味しそうな気がしたからだ。そう考えたら、すぐにイメージが固まって来て、あと、お豆腐も入れてみようと思った。ホタテとゴーヤとお豆腐を炒めて、塩コショウで味つけして、仕上げにレモンを軽く搾ったら、サッパリして美味しそうな感じになりそうだって思った。
だけど、お豆腐が安い日じゃなくて、1丁110円もしたから、レモンを買うのは諦めた。それなのに、ナニゲにお酒のコーナーを覗いてみたら、宝酒造の「焼酎ハイボール」がセールになってて、普段は1本115円なのに、この日は1本100円になってたのだ。缶チューハイって、ジュースみたいに甘いのがあるから、新製品を買うのは恐いんだけど、「焼酎ハイボール」なら、何度も飲んでるから味を知ってるし、ドライとレモンとシークァーサーがあるんだけど、どれも甘くなくてすごく美味しい。サスガ、焼酎のメーカーだけのことはある。
それで、あたしは、「ゴーヤのお料理にはシークァーサーだよな」‥‥って思った時には、すでにカゴの中にシークァーサーを入れ始めてた。そして、シークァーサー4本と、途中で飽きた時のことを考えて、レモンを2本入れた。お料理に使うレモンは、150円もしたからケチって買わなかったのに、缶チューハイのレモンの場合は、一瞬の躊躇もなく、「シークァーサーに飽きた時のために」なんて理由でサクサクとカゴに入れちゃうんだから、あたしの金銭感覚って、やっぱおかしいよね。
‥‥そんなワケで、結局、800円ちょいの散財をしちゃったあたしは、それでも、「ホタテとゴーヤとお豆腐の炒め物をタップリと作って、それをオツマミにして缶チューハイを6本も飲んで、それで800円ちょいなら、絶対にお得だよな~」なんて、自分に都合よく考え始めてた。このあとに起こる、想像を絶する大惨事のことなどツユ知らずに‥‥‥‥ってワケで、この続きは明日!お楽しみに!‥‥ってワケにも行かないだろうから、ちゃんと続きも書くけど、「ホタテとゴーヤとお豆腐の塩味炒め」は、あたしの想像を遥かに超える美味しさだった。北海道のホタテから出た旨味と、沖縄のゴーヤから出た苦味とが、その中間に位置する東京のお豆腐と石川のお塩とで結びついて、バツグンのハーモニーを醸し出してくれた。
正確に言えば、今回のゴーヤは群馬県産て書いてあったけど、一応、沖縄の名産てことで、あたし的には、一皿の中で、ニポンの北端と南端とが手をつないでひとつになったって感じだった。大きなホタテ6個と、ゴーヤを1本と、お豆腐を1丁使ったから、ものすごい量で、大切にしてるシンガポールの大皿に盛りつけて、1人なのに豪快に食べた。あとは、ジャガイモを細い千切りにして、お水に晒してから、叩いた梅干しで和えた「ジャガイモの梅サラダ」も美味しかったし、缶チューハイを6本飲んだら、お腹が妊娠6ヶ月くらいにパンパンになった。もちろん、お料理は半分くらいしか食べきれなかったから、残りはタッパーに入れて、冷蔵庫に入れた。
それで、あまりにもお腹がいっぱいで苦しいのと、ホロ酔い気分になってたので、いつもなら食べ終わった食器はその場で洗うんだけど、この時だけは、「ちょっと休んでからにしよう」って思ったのだ。そして、「ジャガイモの梅サラダ」に使った深鉢にお水を入れてからシンクの中に置き、その上に炒め物に使った大皿を乗せて、そこにもお水を入れた。それで、「あとで洗おう」って思って、いったんコマーシャル‥‥じゃなくて、いったんお部屋に戻って来た。で、ソファーにドテッて横になったら、皆さんのご想像通りに、あたしは爆睡しちゃったのだ。
お腹がパンパンになるまで食べて、お酒もガブガブと飲んで、そのまま寝ちゃうなんて、体にもお肌にも悪そうな気もするけど、食べたものは健康的なものだから、プラマイ0ってことにしてみつつ、あたしの目が覚めたのは、次の日の朝だった。これだけ飲んで寝ると、いつもなら夜中におトイレで目が覚めて、それをキッカケにしてちゃんとベッドで寝直すのに、この日は本気で爆睡してて、朝までソファーで寝ちゃってた。そして、目が覚めたあたしは、おトイレに行ったり、シャワーを浴びたりして、ジョジョに奇妙にお仕事モードへと切り替えて行った。そして、キッチンへ行って、朝ご飯の支度をするために、マナ板をパッと取った瞬間、ナゼか手が滑った。
ガシャーーーーン!
マナ板が垂直に落ちたシンクの中には、ミゴトなまでに真っ二つに割れた大皿があった。あたしは、目の前で起こった現実を受け止めることができなくて、約10秒くらいボーゼンとしてた。そして、ハッと我に返ってから、あまりのショックで泣きそうになった。これ、シンガポールのお土産にいただいた大皿で、たった1枚しかなくて、ものすごく気に入ってて、もう15年くらい大切にしてたんだよね‥‥。
だけど、その下にあった深鉢は無事だったから、その点だけはロマンスの神様と広瀬香美に感謝した。この深鉢は、内側に桜の花びらが舞ってる柄で、10年くらい前に、ある俳句の全国大会で1位になった時に、いろいろといただいた副賞の中のひとつで、ボーイ・ミーツ・ガール、桜の深鉢~何よりステキな宝物~♪ フォーリン・ラブ、ロマ~ンスの神様どうもありがと~♪ よく割れる皿の下で~そう言えば守ら~れ~て~た~♪ これからも使い続けるよ~今週も来週も再来週もずうっと~~~オ~イエ~♪‥‥って、調子に乗って朝から歌いまくってたのもトコノマ、桜の深鉢を手にとってジックリと点検したら、オーーーーマイガーーーーー! フチが欠けてたーーーー!
‥‥そんなワケで、あたしは、ものすごく大切にしてたお皿が真っ二つに割れちゃった上に、これまた大切にしてた宝物の深鉢も欠けちゃったワケで、何とも言えないドンヨリした気分になっちゃった。深鉢のほうは、5mmくらい欠けただけだから、一応、食器として使うことはできるけど、それでも、どこを探しても破片が見つからなかったから、アロンアルファでくっつけることもできない。たぶん、乾くと硬化する粘土みたいな陶器用の補修材がありそうな気がするから、東急ハンズで探してみるつもりだけど、あたしは自分のウッカリぶりに情けなくなって、これからは、再放送の「水戸黄門」で八兵衛を見ても、決して笑わないようにしようと、頭上のマナ板に誓った今日この頃なのだ!なのだったらなのなのだ!(笑)
★ 今日も最後まで読んでくれてありがと~♪
★ 1日1回、応援のクリックをよろしく願いしま~す!
↓ ↓
■人気blogランキング■
| 固定リンク