ロリポップの悲劇
「ロリポップ」って言葉があるけど、これは「ポップなロリコン野郎」のことじゃなくて、棒の先に飴がついてる「ペロペロキャンディー」のことだ。だけど、アメリカのスラング(俗語)だと、男性の股関のチクワブを女性がペロペロする「フェラーリ行為」のことを指す。そして、F1ファンを始めとしたモータースポーツファンにとっては、ピットインして作業中のマシンのドライバーの前に出して、発進をストップさせとくためのプレートのことを指す。棒の先に丸いプレートがついてる形状が、ペロペロキャンディーに似てるからだ。
で、スラングだと男性のアソコを「フェラーリ行為」することをロリポップって呼ぶのに、F1のフェラーリチームはロリポップを使ってなくて、代わりに電光式のシグナルを使ってる。そして、全世界の何百万人、何千万人もの人たちが、あたしとおんなじ気持ちだと思うけど、フェラーリのピットのスタートシグナルの係のヤツ、ふーざーけーんーなーーーー!!ってことだ。一度のミスだって大事故につながる場合もあるF1のピット作業で、一度ならず二度までも、いったい、なんなんだ!
一度目は、マッサのピットインで、後ろからスーティルのマシンが来てるのに、ぜんぜん確認しないでスタートシグナルを出しやがって、それで発進しちゃったマッサは、ピットロードの中でスーティルとサイド・バイ・サイドになっちゃって、あと数センチで大クラッシュになるとこだった。マッサが下がって事故だけは回避できたけど、一歩間違えば大変なことになってた。幸いにも、マッサは罰金1万ユーロ(約162万円)だけで済んだから良かったけど、これで順位に変動でもあったら、シャレになんないとこだった。
そして、問題なのは、このあとだ。マッサに続いてピットインしたライコネンが、まだ給油してる最中だってのに、何をトチ狂ったのか、スタートシグナルが出ちゃったのだ。ライコネンは、給油リグが刺さったまま急発進しちゃった。給油してたクルーは、リアウイングに直撃されて、右後輪に巻き込まれて、足を轢かれて動かなくなっちゃった。周りのクルーたちが駆け寄り、倒れたクル―を助けながら、別のクルーが給油リグを抜こうとしたんだけど、なかなか外れない。ようやく外れて発進した時には、時間は大幅にロスしてた上に、次の周回で白煙を噴いてエンジンブローでリタイア‥‥って、お前はマクラーレンの回し者か!‥‥なんて叫んでみた今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、ライコネンには轢かれたクル―は、テレビの放送ではストレッチャーに乗せられて運ばれてく姿しか分からなかったから、あたしはすごく心配してたんだけど、今日になってから、「足と背中の打撲で軽傷」って報告があったので、とりあえずホッとした。そして、ライコネンは、「この事故は自分が少し早くスタートしてしまったことが原因で、責任は自分にある」って発言してる。これが、ホントにそう思ってるのか、クルーを思いやっての言葉なのかは分からないけど、スタートシグナルが出たから発進したことは間違いようだから、あたしは、ライコネンだけの責任とは思わない。
そして、こんなに大人なライコネンとは正反対なマッサは、自分のほうがあとから発進してぶつかりそうになったのに、相手のスーティルに文句を言ってる。マッサの言いぶんは、「スーティルは周回遅れだったんだから、あのような状況になったら、ボクに道を譲るのが常識だ。それなのにアクセルを踏んでボクと争うなんて、まったく無意味な行動だ」ってものだ。
あたしが見る限り、誰よりも責任が重いのは、やっぱり後方を確認せずにスタートシグナルを出したクル―だと思う。そして、スーティルが悪いかマッサが悪いかは、そのあとの問題だと思う。実際、マッサに罰金が科せられたんだから、FIAもマッサのほうが悪いって判断したんだろう。どっちにしても、優勝も取り消しにならなかったし、次のレースでのグリッド降格もなかったんだから、年俸10億円以上のマッサにしてみたら、たかが162万円の罰金で済んで、スーパーラッキー by マリンちゃんて感じだろう。
一方、マッサに何癖をつけられたスーティルのほうは、「ピットレーンを走っていたら、突然、真横にマシンが現れたんだ。最初はまったく気づかなかったよ。マッサだと分かったから、ボクは少し左に寄って、彼を先に行かせようとしたんだ」ってコメントしてる。そして、スーティルの走行中にマッサをスタートさせたフェラーリチームに対しては、「まだビデオを観ていないから何とも言えない」と、この時点では非難することを避けた。それどころか、「(仮にそうだったとしても)ピットではみんな急いでるからね」って、心の広さを披露しちゃった。サスガ、余裕のピットスタートだけのことはある。
‥‥そんなワケで、昨日のF1第12戦、ヨーロッパGPは、スペインのバレンシアの市街地をサーキットにして行なわれる初めてのレースだったから、F1ファンはいろんな意味でワクワクしてた。ベテランもルーキーも誰もが初めて走るコースだし、市街地コースならではの長所も短所もあって、フタを開けるまで分からない期待感でドキドキしてた。
それなのに、スタートそうそう、なだそうそう、ここいらでそろそろ勝って欲しいと思ってた地元のアロンソが、オ-プニングラップで金子貴俊‥‥じゃなくて、中嶋一貴にオカマを掘られて、さっそくリタイア。ホームストレート前の巨大な観覧席を埋め尽くした地元のファンたちは、一気にドンヨリ雨雲ムード。そして、気持ちを切り替えて観戦を始めたものの、どこからか飛んで来た大きなビニール袋が、疾走するマシンの前をフワフワと横切ってく始末。この緊張感の無さに、思わず地井武男がサーキット内を散歩して横切りそうな気までして来た。
ま、そんなことは置いといて、あたしはあたしなりに楽しく観戦してたんだけど、マッサの2度目のピットインでスタートシグナルの指示ミスが炸裂した上に、ライコネンのピットインでトドメを刺されちゃったから、アリエナイザーな気分になっちゃったのだ。ホンダのピットクルーならともかく、天下のフェラーリのピットクルーが、こんなにも初歩的なミスを連発するなんて、どう考えても「ワザとやってる」としか思えなかった。もちろん、これは言葉のアヤだけど、そうとでも思わなかったら説明がつかないほどお粗末なミスだった。
今の給油リグは、安全のために燃料タンクにセットしないとガソリンが出ないシステムになってるそうだけど、それにしたって、給油リグを外さないまま発進して、もしもリグの上のホースの部分がちぎれたりしたら、そこからガソリンが噴き出す可能性だってある。1994年のドイツGPでは、ベネトンのヨス・フェルスタッペンのピットインで、リグを刺す前にガソリンを噴射しちゃって、一瞬後には引火して、ドライバーを乗せたままマシンが火の海になった。だから、ライコネンに対する今回のミスだって、こうした大事故につながる可能性があったってワケだ。マッサにしたって、結果こそ、ポール・トゥ・ウィンにファステスト・ラップのオマケまでついて、記念すべき100回目のレースを笑顔で終えることができたけど、これがすべて台無しになる可能性だってあったワケだ。
それなのに、すごく不思議なんだけど、マッサの件でも、ライコネンの件でも、敵も味方も誰1人、シグナルを出してドライバーにスタートを指示したクルーのことを責めてない。だから、あたしが代表して責めてるワケだけど、やっぱ、チームあってのレースだから、ドライバーもクルーには気を使ってるんだろうか? とにかく、あんなミスを連発して、一歩間違えば大事故につながってたし、実際にケガ人まで出してるのに、まったく責められないってことが、あたしには理解できない。
‥‥そんなワケで、あたし的には、何だかアト味の悪いレースになっちゃったけど、ライコネンに轢かれたクルーも軽傷だったし、マッサも罰金だけで済んだから、「ま、いっか!」ってことにした。そんなことよりも、今季限りでF1を引退しそうな雰囲気が漂ってたバリチェロが、ぜんぜんそんな気なんかないってことを公言してくれたことと、ホンダが水面下でアロンソにラブコールを送ってるってウワサを総合して妄想すると、バリチェロとアロンソのトレードってことも、無きにしもあらず‥‥ってことになる。そうなれば、バリチェロはルノーに乗れるワケで、少なくとも今よりは持ち味が生かせるようになるってことだ。ま、現実味はマックス・モズレーの羞恥心くらい薄いけど、そうなることを祈りたいと思う今日この頃なのだ。
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