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2008.08.06

黙祷しないテレビ

今日は、63回目の「原爆の日」だけど、未だに数多くの被害者たちが苦しんでること、未だにアメリカは原爆投下を正当化し続けていて謝罪してないこと、そして、世界唯一の被爆国であるこのニポンが、その加害国であるアメリカの戦争に協力し続けてることなどから、数えきれないほどの原爆犠牲者たちの命がムダになったままだと言えるだろう。歴史を振り返れば、あたしたちニポン人だって、他国に対してとても酷いことをして来た。だから、あたしたちの国は、被害者でもあるけど加害者でもある。

でも、こと「戦争」に関しては、双方の国が冷静に過去のアヤマチを直視して、二度と同じ間違いを繰り返さないようにして行くことこそが、人間の知恵だと思う。どこかの国の人たちのように、声を大にして責任の所存を追及してるだけでは、問題の根本解決には至らない。被害者だ加害者だと騒ぎ立てることよりも、双方の国民ひとりひとりが、多くの犠牲者たちの無念を心に刻みつけて、二度と同じ間違いを繰り返さないように誓うこと。あたしは、これが、平和への道だと思う。

だから、毎年8月6日の午前8時15分と、8月9日の午前11時2分に黙祷することは、ニポン人として、とても大切なことだと思う。でも、今日の午前8時15分、広島の平和祈念式典の様子を中継してたのは、NHKの他には、民放ではテレビ朝日だけだった。式典で1分間の黙祷をしてる間、日本テレビでは「北京オリンピック」、TBSでは「後期高齢者医療制度」、フジテレビでは「下水の事故」、テレビ東京では「伊豆のイセエビ料理」を放送してた。そして、民放で唯一、式典を中継してたテレビ朝日でも、この1分間の黙祷の間、コメンテーターがペラペラとしゃべり続けてた。そして、誰1人、一緒に黙祷した人はいなかった。


‥‥そんなワケで、今日は「いかがお過ごしですか?」はナシにして行くけど、あたしは、今のテレビがどんなレベルなのかを調べるために、1分間の黙祷が始まってから、すべてのチャンネルをチェキして、30秒遅れで黙祷を始めた。だけど、式典を中継してたテレビ朝日にチャンネルを戻してから黙祷を始めたら、コメンテーターのおしゃべりが気になって集中できなかったから、テレビを消して、最初から黙祷をし直した。だから、今年のあたしの黙祷は、約1分遅れになっちゃった。

それにしても、1年365日ずっと放送してるテレビが、そのうちのたった1分間を戦争の犠牲になった人たちのために祈る、同じアヤマチを繰り返さないように心に刻む‥‥ってことが、どうしてできないんだろう。たとえば、ちょうどこの時間に、どこかで大地震が起こったとか、そうした緊急ニュースが飛び込んで来たのなら仕方ないけど、民放各局が平和祈念式典よりも優先して放送してたのは、マクラで挙げた通り、決して緊急を要する内容じゃなかった。それどころか、日本テレビに至っては、北京の「鳥の巣」の前で大ハシャギしてるレポーターが中継で映ってたから、あたしは、「この人の頭の中には、今この瞬間が原爆を投下された時間だなんて、きっとミジンも思ってないんだろうな」って思った。

この時間て、すべての民放が朝ワイドの生放送中なんだから、あたしの感覚だと、年に一度の広島の平和祈念式典は「中継して当然」だと思ってたし、最低でも黙祷の部分だけは中継して、スタジオの人たちも一緒に黙祷するもんだと思ってた。だけど、今まで、こんなふうに各局を調べてみたことなんかなかったから、今日はホントに驚いた。広島の式典で、4万5000人もの人たちが黙祷してる瞬間に、中央のテレビ局のほとんどが、まったく関係ない放送を垂れ流してる上に、唯一中継してたテレビ朝日でも、黙祷の間、ずっとコメンテーターがペラペラとしゃべり続けてるなんて、あたしは、世も末だと思った。

これが、世界唯一の被爆国の、それも首都圏のテレビ放送の実態なのだ。これが、今のテレビ番組を制作してる人たちのクオリティーなのだ。原爆の犠牲になった数えきれないほどの自国民に黙祷を捧げることよりも、どうでもいいような放送を垂れ流すことを優先してるのが、この国の情報の主軸を担ってるハズのテレビっていう媒体の実態なのだ。そして、これは、一見すると「テレビの堕落」ってふうに思えるけど、ホントはそうじゃない。この国を「アメリカと一緒に戦争のできる国」にしたい政府が、戦争の悲惨さを伝えるような放送をできるだけ自粛するようにと圧力をかけてるからなのだ。

今、テレビでは、あと何年かで「地デジ」に変わるからと、ヤタラと宣伝をしてる。そして、テレビの買い替えや専用チューナーの購入を煽り続けてる。だけど、あたしの周りの多くの人たちは、すでに「テレビ離れ」を起こしてるから、「地デジになったらテレビは観ない」って言ってる。さらには、値上げに次ぐ値上げで、生活必需品も買えないようなご時世の上に、いつ総選挙を行なうのかが決まらないうちから、自民党は消費税の大増税を連呼し続けてるんだから、わざわざ高いお金を払ってテレビを買い替えてまで、落ちるとこまで落ちたテレビ番組なんか観ようと思う人は少ないだろう。

あたしは、地デジ放送が始まったら、テレビを観る人は激減すると思ってる。だって、今は、インターネットで、ニュースでもスポーツでも音楽でも映画でもアニメでも、ありとあらゆるものが手に入るからだ。それも、テレビのように放送時間に自分を合わせるんじゃなくて、深夜だろうと早朝だろうと、自分の観たい時間に観ることができる。だから、あたしは、高いお金を払ってまでテレビを買い替えるよりも、もっと高性能なパソコンに買い替えたり、サブのパソコンを買ったり、ADSLを光に変えたりって、自分のインターネットの環境を良くすることにお金を使う人のほうが、遥かに多いと思う。

ようするに、すでに世の中では「自民党離れ」と「テレビ離れ」が始まってるってワケで、「自民党離れ」にトドメを刺すのが「消費税の大増税」であり、「テレビ離れ」にトドメを刺すのが「地デジの導入」だってワケだ。つまり、自民党が必死になってテレビでの情報操作をしたとこで、もう騙されるような人たちはほとんどいないってワケだ。だいたいからして、8月6日の午前8時15分に、原爆の「ゲ」の字も放送しないようなテレビなど、もうあたしたちには必要ないだろう。逆に、インターネットを見ると、今日8月6日には、数えきれないほどのブログが原爆の日について書いてる。平和を愛する数多くのミュージシャンやアーティストが、8時15分に黙祷したって書いてる。

‥‥そんなワケで、あたしは、これこそが国民のホントの声なんだと思う。ふだんは原爆のことや戦争のことなんか考えてないような人でも、今日だけは「考える日」なんだって、多くの人たちは知ってるのだ。テレビが報じなくても、みんな知ってるのだ。そして、それは、インターネットによる功績が大きいと思う。だから、あたしは、今年も「戦争を語りつぐ60年目の証言」をご紹介させていただく。「広島・長崎の原爆体験特集」ってとこの右にある「=目次=」をクリックすると、寺田修一さんの「枯れない涙」をはじめ、実際に広島や長崎で原爆を体験した人たちの貴重な体験談を読むことができる。あたしは、毎年、8月6日と9日には、これらの体験談を読み返して、心に刻み込むようにしてる今日この頃なのだ。


「戦争を語りつぐ60年目の証言」
http://www.geocities.jp/shougen60/


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