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2008.09.12

カビ毒の実態をインペイする農水省

「三笠フーズ」が猛毒の事故米を食用に転売してた問題で、農水省は、最初は「焼酎メーカーだけ」って言ってたのに、その次には「菓子メーカーも」って言い出した。だけど、農水省は、その菓子メーカーの名前を始めとして、他の数十社の業種も名前も明らかにせず、必死にインペイしようとしてる。これって、耐震偽装問題の時の国交省の対応とソックリだよね。最初はヒューザーだけだったのが、ジョジョに奇妙に拡大して行き、国交省の責任が問われるとこまで行ったら、結局、姉歯元建築士とかのトカゲのシッポ切りで幕引きを図り、ホントの黒幕は逃げ切っちゃった。そして、バカを見たのは、耐震偽装マンションを買わされた消費者だけってことで、被害者たちは泣き寝入りするしかなかった。

今回も、発覚から1週間後には、給食業者や福祉施設、保育園などへも転売されてたことが判明して、被害はどんどん広がり続けてるのに、太田農水大臣は完全に危機感ゼロ。トボケた顔で「これからは立ち入り検査を抜き打ちにしましょう」だなんて、過去のことには触れる気まったくなしで、全容解明にはほど遠い無責任ぶり。このバカ、「日本国内では心配しなくていいと思っているが、日本は消費者がやかましいから食の安全を徹底して行く」って言ってなかったっけ? ウナギからお野菜からニポン人の主食であるお米に至るまで、偽装に次ぐ偽装だらけなのに、何が「日本国内では心配しなくていい」だよ、まったく。

今回、判明したのは、「三笠フーズ」が、今年の5月から7月にかけて、大阪府内のロンダリング用のダミー会社を2社から4社ほど通過させて、事故米を食用に偽装して、13の給食業者に転売されてたってことだ。そして、これらの給食業者で調理された事故米は、大阪市内の百数十ヶ所の高齢者福祉施設や医療施設へ配られていて、すでに入所者たちに食べられてたことも分かった。また、この他にも、京都や和歌山の十数ヶ所の福祉施設などにも、事故米が直接納入されてて、施設内で調理されて入所者や職員たちが口にしてたことも判明した。これらの事実に対して、農水省は、今までとおんなじに「健康被害の報告はありませんので」なんて無責任なことをノタマッてるけど、いくら、ごく微量を一度食べただけでも100%肝臓ガンになる「地上最強の天然発ガン物質」だとは言え、食べてすぐガンになるハズはないと思う今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、最初は大阪の「三笠フーズ」だけだと思ってたのが、しばらくしたら、愛知の「浅井」と「太田産業」もおんなじ不正転売をしてたってことが分かった。そして、ここでのポイントは、「三笠フーズ」が「米粉加工会社」なのに対して、「浅井」は「接着剤製造会社」で、「太田産業」は「肥料製造会社」だったってことだ。農水省は、「糊(のり)」の原料として事故米を売ってた。だから、「糊」を扱ってない「米粉加工会社」が大量に事故米を買い続けてるってことは、普通に考えても怪しいことだ。だけど、農水省は、事故米が出るたびに自分のほうから「三笠フーズ」に連絡して、大量に斡旋して、お得意さんとして扱って来た。そして、「糊」を作ってるハズの「接着剤製造会社」の「浅井」までもが、「糊」の原料として仕入れた事故米を食用として転売してた。

この事実から分かることは、「糊」の原料として仕入れた事故米を食用として転売することが、「糊」を作るよりも遥かに美味しかったってことだ。人件費や電気代をかけて、マジメに「糊」を作って、わずかな単価で売るよりも、食用に偽装して右から左へ流し、1キロ3円で仕入れたものを70円で売ったほうが、遥かに美味しかったってことだ。そして、こんなに美味しいことなら、他にも数多くの会社がやってたハズだ。だから、農水省は、「これからは立ち入り検査を抜き打ちにしましょう」だなんて無責任なことを言ってないで、1日も早く、これまでに事故米を売った業者名をすべて公表して、そこから先の流通ルートもすべて公表する責任がある。

だけど、多くの消費者が気づき始めてるように、今回の問題は、農水省が「分かっててやってたこと」なのだ。だって、「糊」の専門業者の何十倍、何百倍も、食品の専門業者が「糊」の原料を買うなんて、誰が見たっておかしいじゃん。それ以前に、毎回毎回、何百トンもの事故米が売れ残らないほど、「糊」の需要があるワケないじゃん。いったいニポン人が、どんだけ「糊」を使ってると思ってるんだよ。あたしなんか、学生時代にチューブの「ヤマト糊」を買ったのが最後で、ここ20年以上、「糊」なんか一度も買ってないよ。今は、他に便利な接着剤がいろいろと出てるし、昔ながらの「糊」の需要は格段に落ちてるだろう。それなのに、これほど大量な原料がダブつかずに、業種の違う会社が飛びついて買ってただなんて、マトモな人間なら「おかしい」って思うのが普通だよ。

つまり、農水省は、「糊」に使われてないことを知ってた上で、「三笠フーズ」を始めとした会社に事故米を売ってたことになる。そして、それを裏付ける資料も見つかったのだ。それは、内閣府の食品安全行政を行なう「食品安全委員会」のホームページで見つかった。「食品安全委員会」のホームページに、今年の5月14日付で、「平成19年度における食品安全確保総合調査実施状況」って報告があるんだけど、そこを見ると、食の安全に関する16項目の調査について報告されてる。


1.食品に含まれるフランに関する安全性評価に資する情報収集調査

2.食品に含まれるクロロプロパノール類に関する安全性評価に資する情報収集調査

3.食品安全に関する緊急時対応訓練の効果的な実施に関する調査


‥‥ってふうに続いてて、16項目それぞれの調査状況が、PDF資料として読めるようになってる。そして、この16項目の中の12番目に、こんな項目がある。

  
12.食品中に含まれるカビ毒(オクラトキシン、アフラトキシン、ゼアラレノン)の汚染実態調査


これこそ、今のあたしたちが、何よりも知りたいことだよね。それなのに、他の15の項目は、すべて「調査終了」になってて、誰もが自由に調査状況を知ることができるのに、この項目だけは、不思議なことに、調査が途中で打ち切られてて、「中止」になってるのだ。あまりにも不自然で、怪しさマンマンなので、皆さん、下記のリンクから見てみて欲しい。


「平成19年度における食品安全確保総合調査実施状況」(食品安全委員会)
http://www.fsc.go.jp/senmon/anzenchousa/anzenchousa19keikaku.html


‥‥そんなワケで、去年、輸入食品のカビ毒を調査してた内閣府の「食品安全委員会」は、不思議なことに、今年の5月14日付のリリースで、この調査を打ち切りにしたと発表した。そして、今年の5月から7月にかけて大量に出回った「三笠フーズ」の偽装米で、この問題が発覚したってワケだ。もちろん、このリリースは、「平成19年度」の調査に関するものなので、「食品安全委員会」がカビ毒の調査を「中止」したのも、去年のことだ。だけど、それをあえて5月に発表したってことは、政府は、少なくとも今年の5月の時点では、国内にカビ毒に汚染された食品が出回ってるってことを把握してて、その責任を回避するために「調査はしてなかった」っていう虚偽のリリースをして、先手を打っておいたとも考えられる。

ここからは、頭脳は子供でもベッドでは大人、迷探偵キッコナンの推測だけど、去年、カビ毒について調査してた「食品安全委員会」は、お米を原料とした複数の食品が「アフラトキシンB1」に汚染されてたことを発見したとする。そして、その汚染ルートを調べてみたら、農水省が売りさばいてた事故米だってことが分かった。これは大変だってことで、「食品安全委員会」はすぐに内閣府へと報告したんだけど、上からは何も言って来ない。そして、しばらくして届いたのは、「今すぐにこの調査を中止しろ」っていう、我が目を疑う内容の指示書だった。これは、長年、事故米の処分で民間企業を利用して来た農水省が、内閣府に圧力をかけたもので、その傘下機関である「食品安全委員会」としては、その指示に従うしかなかった‥‥ってことだ。

こんなふうに推測してみると、「防衛省」と「山田洋行」って言うよりも、「国交省」と「日本ERI」みたいな構図が見えて来る。事件の発覚のタイミングや、民間企業だけに火をつけてトカゲのシッポ切りで片づけようとしてる流れとかも、耐震偽装問題の時とソックリだ。100回近くに及ぶ立ち入り検査で、何も見抜けなかったって言うのも、普通なら考えられないことで、この事実ひとつ見ても、農水省と三笠フーズとが裏で癒着してたことの証明だろう。そこには、三笠フーズ側から農水省の担当者への接待があったかもしれないし、現金のキックバックがあったかも知れない。耐震偽装問題の時は、この辺のことはすべて闇へと葬り去られ、イーホームズの藤田社長が、その著書「月に響く笛/耐震偽装」で国交省の担当者の実名まであげて告発したけど、警察は自民党からの圧力でまったく動かなかった。

‥‥そんなワケで、ここで話を戻して、関西の医療施設へ事故米を使った食品を納入してた給食業者の1つ、「日清医療食品株式会社」の9月11日付のリリースを紹介する。


「三笠フーズ株式会社による汚染米使用に関するお知らせ」

弊社近畿支店において5月1日以降弊社仕入先より購入した『もち米』に、三笠フーズ株式会社による汚染米が混入していた事実が判明いたしました。
現在までに判明している事は、購入数量704kgで119箇所の事業所で使用されておりますが、現在までのところ、健康被害等の報告はございません。
尚、当該『もち米』の在庫は既に使用を中止いたしております。
多くの関係者にご迷惑とご心配をお掛けいたしましたことを心よりお詫び申し上げます。
弊社は、日頃より「安全で安心な食事サービスの提供」に心掛け、衛生管理体制の徹底に努めてまいりましたが、この度のケースを厳粛に受け止め一層の安全管理強化を図る所存でございます。
何卒今後とも一層のご支援を賜わりますようよろしくお願い申し上げます。
詳細な事実については現在調査中であり、判明次第お知らせいたします。
平成21年3月期の業績にあたえる影響については確定次第お知らせいたします。

以上

「日清医療食品の公式リリース」(PDFファイル)
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120080911040480.pdf


‥‥って、この「日清医療食品株式会社」も、昨日の日記で紹介した「喜界島酒造」とおんなじで、今回のことについてしか書いてない。去年はどうだったのか、一昨年はどうだったのか、いったいいつから「三笠フーズ」と取り引きをしてたのか、まったく触れてない。昨日も書いたけど、「三笠フーズ」のほうが「少なくとも5年前からやっていた」って言ってて、従業員は「10年以上前からやっていた」って言ってんだから、最低でも過去5年間に渡っての取り引き状況を公表すべきだろう。それなのに、まるで農水省の無責任オヤジみたいに、「現在までのところ、健康被害等の報告はございません」なんて言われたって、こんな短期間でガンの被害なんて分かるワケがない。それに、仮に肝臓ガンが発症したとしたって、何が原因かを特定したり証明したりできないんだから、結局は、多くの被害者たちは泣き寝入りするしかないってワケだ。

それにしても、まだまだ広がり続ける今回の「無差別大量殺人事件」に対して、農水省も、各企業も、「今回のことに関してはキチンと対応するし、今後のことについてもキチンと考えて行くけど、過去のことはしょうがない」って態度が見え見えだ。ホントに誠実に対応しようと思ったら、すべての関連企業の名前を公表して、それぞれの過去の取り引き状況も公表して、全容解明につとめるべきだろう。それなのに、まるで「過ぎちゃったことは仕方ないじゃん」って感じで、どこもこの問題を掘り下げようとはしない。それは、過去にさかのぼって掘り下げたら、大変なことになっちゃうからだ。

‥‥そんなワケで、もしも、これで、国内に事故米が流通しなくなって、西日本の肝臓ガンでの死亡者が激減して、東日本とおんなじくらいの「普通の数」に戻ったとしたら、農水省は、いったいどうするつもりなんだろう? 事故米を扱ってた100を超える企業は、いったいどうするつもりなんだろう? マサカ、「三笠フーズ」の冬木三男だけを逮捕して、何年か刑務所に送るだけで、元凶の農水省は何も責任を取らずに、過去に肝臓ガンで死んで行った百万人を超える被害者やご遺族に対しては、完全にスルーしちゃうんだろうか? あたしは、耐震偽装問題の時の前例から見ても、今回、少なくとも過去5年間に渡る「三笠フーズ」との取り引き状況をすべて公開した企業以外は、今後もまったく信用できないって断言しちゃう今日この頃なのだ。


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