生理的にムリ
これは、あたしだけじゃないと思うけど、それまでは好きでも嫌いでもなくて普通に見てたり、どっちかって言えば好意的に見てたような人なのに、その人のたった一度の言動や行動を見ただけで、ものすごくイヤになっちゃうことってあると思う。「イヤになる」ってよりも、正確に言うと、「生理的に受けつけられなくなる」って感じだ。ブリーフを何枚も重ねて履いてて、お尻の部分に文字を書いてて、脱いだり履いたりしながら「嫌いじゃないけど生理的にムリ!」って言う変質者みたいな芸人がいるけど、まさに、あの「嫌いじゃないけど生理的にムリ!」って感覚だ。
あたしの場合、最近だと、ボクシングの内藤大助だ。あの八百長亀田に勝ったことで有名になって、バラエティー番組とかCMとかにも出るようになった人だ。あたしは、もともとは、内藤大助のことは好きでも嫌いでもなかった。「いつでもヘラヘラしてる人だな」とか、「なんかイライラするしゃべり方だな」とかは思ってたけど、別に嫌ってはなかった。それどころか、ずっと貧乏だったって話を聞いてたから、「有名になってお金に困らなくなって良かったね」って思ってた。
だけど、今から1ヶ月くらい前だったと思うけど、TBSの日曜日の「サンデージャポン」にゲストで出た時にたまたま見てたら、とんでもないことを言ったのだ。爆笑問題のどっちかか、他のレギュラーの誰かだったかは忘れたけど、男性の誰かから、「お金が入って来るようになったから、キャバクラとか風俗とかにも行くようになったんじゃないの?」って聞かれたら、「いや~そんなことないですよ」とか何とか言いつつも、「またまた~」なんて言われたら、リップサービスなのかホントなのか知らないけど、「たまにはね」とかって答えてた。
で、ここまでは何の問題もないんだけど、このあとに、爆笑問題の田中が話をおさめるために「でも内藤さんは美人の奥さんがいるからね」ってフォローを入れた。ようするに、「美人の奥さんがいるんだから、キャバクラや風俗には行く必要なんかありませんよね」って意味のフォローだった。それなのに、この親切なフォローに対して、内藤大助がヘラヘラと笑いながら言ったセリフは、とんでもないものだった今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、その時のやりとりは、こんな感じだった。
田中 「でも内藤さんは美人の奥さんがいるからね」
内藤 「でも、最近やらせてくれないから‥‥」
あたしは、自分の耳を疑った。スタジオも、一瞬、空気が凍りついたようになったけど、ちょうど話題が変わるとこだったので、この内藤の言葉には誰も触れずに、すぐに進行役の女子アナのほうに画面が切り替わって、ナニゴトもなかったかのように次のコーナーへと進んだ。だけど、あたしは、テレビの前で顔が赤くなるほど恥ずかしくなり、そして、全身で鳥肌実が演説を始めちゃうほどの寒気がした。あたしが、この内藤のトンデモナイ言葉を聞いて、テレビの前で恥ずかしくなったのは、自分が奥さんの立場だったらって瞬時に思っちゃったからだ。
夫婦にしても、カップルにしても、2人だけの秘めごとを公共のテレビで言うなんて、あまりにもデリカシーがないし非常識だ。女性の気持ちなんてミジンも分からない大バカ以外の何者でもない。それも、だらしない顔でヘラヘラと笑いながら「やらしてくれない」だなんて、どこまで恥知らずなんだろう。日曜日の午前中なんだから、小学生や中学生だって観てるだろうし、それ以前に、もしもこの放送を奥さん本人が見てたら、いったいどんな思いをしただろう。恥ずかしくて近所も歩けなくなるに違いない。
あたしは、もともと、ボクサーに水準の高いコメントなんか期待してないけど、いくらなんでもこうした「女性に対するデリカシーの欠落したコメント」ってのは、職業や立場や知能に関わらず、人間として絶対にやっちゃいけないことだ。たとえば、男同士で集まってエロ話でもしてる時ならともかく、全国放送のテレビでこんなこと言うなんて、とてもマトモな人間とは思えない。それで、あたしは、それまでは好きでも嫌いでもなく、どっちかって言えばリトル好意的に見てた内藤大助のことが、もう完全に「生理的にムリ」になったのだ。
内藤大助って、あたしの想像だと、きっと「いい人」だと思う。頭はそんなに良くなくても、人間としてはそれなりに「いい人」だと思う。だから、決して嫌いにはならない。ただ、このデリカシーの無さが、もう完全に「生理的にムリ」になったのだ。だから、この非常識なコメントを聞いてからのあたしは、何かの洗剤のCMで内藤大助を見ても、それまでは何とも思ってなかったのに、今は、白いタオルで顔をふいてる内藤を見ると、鳥肌が立つようになった。
‥‥そんなワケで、これはもっと前のことなんだけど、ワイドショーか夕方のニュースの中で、ゴミ問題の特集をしてた。それで、あたしは、ナニゲに見てたんだけど、その中で、「街のゴミがキチンと収集日を守って出されてない」ってことを取り上げてた。そして、都内で一番酷い街ってことで、新宿2丁目のゲイバー街を紹介してた。空も明るくなった明け方の5時くらいに、その日はゴミを出していい日じゃないのに、路地の一角にはゴミの袋が小山のように積まれてて、カラスがつついて生ゴミをあさってた。そして、その様子をカメラが映してるとこに、1人の小太りのおじさんが、両手に黒いゴミ袋を持って歩いて来て、その山の上に放り投げた。すかさず、レポーターが近づいて行って、声をかけた。
レポーター 「あの~すみません。今日はゴミの日じゃないんですけど、知ってますか?」
おじさん 「あ~ら、別にいいじゃないの~おっほっほっほっほ~」
レポーター 「でも、収集日を守らずにゴミを出す人が多いから、こうしてカラスが集まって来て、多くの人が迷惑してるんですよ」
おじさん 「そんなこと言ったってぇ~こんなにゴミが出してあるんだからぁ~あたしが出しても出さなくても一緒じゃな~い?」
レポーター 「他人がどうであれ、やっぱり公共のルールは守るべきだと思うんですが」
おじさん 「そんなに難しいこと言わないでぇ~おっほっほっほっほ~」
そして、おじさんは、ゴミをそのままにして、自分のお店へと帰って行った。あたしは、仕事がらゲイのお友達もたくさんいるし、ゲイに対して何の偏見も持ってない。だけど、この放送を見て、この場所がゲイバー街だったってことから、このおじさん個人に対してじゃなく、新宿2丁目のこの地域でお店をやってるゲイたちに対して、内藤ほどじゃないけど、「生理的にムリ」って感覚になったのだ。あたしは、どんな人であっても、こうした公共のルールやマナーを守らない人に対しては、ドン引きしちゃうのだ。だから、どっちかって言ったら好意的に見てた2丁目のゲイたちなのに、みんな自分のことしか考えてなくて、毎朝生ゴミを捨ててたってことを知ったトタンに、生理的に受けつけなくなっちゃったのだ。
‥‥そんなワケで、これとおんなじパターンに、あたしがこの世で「ゴキブリ」の次に嫌いな「タバコのポイ捨て」がある。どんなにステキな人でも、あたしの目の前でタバコのポイ捨てをしたら、その瞬間に「生理的にムリ」になっちゃう。最近だと、マニアックな人にしか分かんないと思うけど、Vシネマの「真・雀鬼」の清水健太郎だ。
GyaOで無料配信してて、2週間から1ヶ月に1回くらい続編に更新されるから、あたしはカレコレもう1年以上も観てるんだけど、これがなかなか面白い。これは、実際にいる桜井章一さんていう裏プロの麻雀打ちをモデルにしたVシネマなんだけど、その桜井章一さんの役を清水健太郎がやってて、桜井章一さん本人は、毎回、いろんな役で顔を出す。ホームレスのおじさんだったり、ヤクザの親分だったり、バーのマスターだったりで、これも楽しみの1つだ。
で、清水健太郎がシャブで刑務所に服役してる時だけは、加納竜が桜井章一さんの役をつとめるんだけど、それ以外は、ぜんぶ清水健太郎が演じてる。出所したすぐあとは、あまりにも太っててぜんぜん麻雀打ちに見えないんだけど、少しずつゼイ肉が落ちて来て、だんだんに見られるようになって来る。そして、ストーリーのほうも、だんだんに「何でもアリ」になって来る。だから、最初のころは、清水健太郎の太り具合だとか、ヤタラとドスをきかせた変な演技とかに文句を言いながら観てたんだけど、10作目を超えたころから、ちょっとイイ感じになって来た。
最後の最後まで暗くて重たい感じのストーリーだったのに、それまでずって恐い顔をしてた清水健太郎が、最後に少年みたいな顔をしてニコッと笑った時には、あたしは胸がキュンとした。これは、それまで何とも思ってなかった人に対して、何かのキッカケで「生理的にムリ」って思うのの反対のパターンだった。それまでは外見や演技に文句を言いながら観てたのに、この一瞬の表情だけで、清水健太郎に好感を持っちゃったのだ。そして、エンディングに清水健太郎の歌うバラードが流れる回もあるんだけど、これがすごくイイ。やっぱり、この人は、歌がいい。ここでも、高感度がアップした。
あたしは、この「真・雀鬼」のレギュラーメンバーの中だと、雀荘のマスター役の高橋和興(かずおき)さんが一番好きだ。とにかく演技がうまいし、顔もステキだし、いつもはやさしいのにココイチで男っぷりを出すし、すごくいい役者さんだ。最近は「仮面ライダーキバ」にも出てる。アメブロでヒッソリとブログも書いてるから、あたしはコッソリと覗きに行ってる。ま、そんなことは置いといて、この「真・雀鬼」は、普通にヤクザ同士の麻雀勝負の代走(代打ち)ばかりやっててもネタが続かないからなのか、だんだんに「何でもアリ」になって来た。
しばらく前には、麻雀を使って信者を洗脳するカルト教団と清水健太郎が麻雀対決してたし、今、配信してる19作目なんて、とうとうキチガイと麻雀対決するってストーリーだったから、あまりにも予想外だった。それも、そのキチガイの役が、西川きよしの息子なのだ。さらには、冒頭のシーンで麻雀を打ってるメンバーが、雨上がり決死隊のホトちゃんと山崎邦正だったから、あたしは出鼻をくじかれちゃったよ(笑)
‥‥そんなワケで、「真・雀鬼」には、他にもいろんな見どころがある。たとえば、清水健太郎の弟子のダイゴが、カラオケで「失恋レストラン」を熱唱したり、1970年代っていう時代設定に合わせるために、やりとりされるお札はみんな旧札だったりと、なかなか細かい部分にもコダワリがある。何しろ、雀荘は、ずいぶん前から全自働卓になってるから、1970年代っていう時代設定を明確にしとかないと、誰も積み込みとかのイカサマができなくなっちゃうからだ。
だけど、そんな「真・雀鬼」にも、1つだけ大きなミスがあった。何作目だか忘れちゃったけど、清水健太郎が、以前お世話になって、今は現役を引退してるヤクザの親分を訪ねてくシーンで、その時に乗ってた車が、日産の初代のシーマ、Y31だったのだ。Y31が発売されたのは1988年なんだから、1970年代に走ってるワケがない。1970年代なら、セドリックやグロリアの230か330の時代で、カクカクッとしてスタイリッシュになった430だって1979年からなんだから、ギリギリって感じだ。こんな旧車が走ってた時代に、いくらなんでもシーマなんかが走ってるワケがない。
ま、その辺のことは置いといても、なかなか面白い「真・雀鬼」で、最初はヤクザみたいだった清水健太郎も、15作目を超えたあたりから角が取れて来て、純粋で少年みたいな一面も見せるようになって来たし、弟子のダイゴとの絡みも、イメージ的には「傷だらけの天使」のオサムとアキラみたいな感じになって来たし、いい意味でアカ抜けて来た。だから、今は、いつでも「早く次のやつを配信してくれないかな~」って思ってるし、新しいのが配信されてれば、お酒を用意してのんびりと楽しませてもらってる。
それなのに、あたしは、1つだけ、どうしても許せないことがあるのだ。それは、清水健太郎が、タバコのポイ捨てばっかしてるってことだ。もちろん、これは、清水健太郎が自分の意思でやってることじゃなくて、台本に沿って演技としてやってることだから、そのシーンの撮影が終われば、ちゃんとスタッフが吸い殻を拾ってると思う。だから、あたしは、清水健太郎に対して「生理的にムリ」にはならないんだけど、それでも、カッコをつけて足元に捨てた吸い殻を靴でグリグリと踏むシーンを見るたびに、すごく不快な気持ちになる。
もともとが、ヤタラとタバコを吸うシーンが多い作品で、数えたことはないけど、たぶん5分に1回はタバコを吸うシーンが出て来ると思う。だから、普通に麻雀を打ちながらタバコを吸ってて、ちゃんと灰皿に捨ててるシーンでも、あまりにも回数が多いから観てるだけで喉がイガイガしてきちゃう。それなのに、さらに外ではポイ捨て三昧だなんて、いくらギャンブラーだとは言え、あまりにも公共道徳に無頓着すぎる。
‥‥そんなワケで、あたしは、「真・雀鬼」に関しては、あくまでも「演技」ってことで割り切って、タバコのポイ捨てのシーンが出て来てもガマンして観てるけど、やっぱり観てていい気分はしない。だから、実際にポイ捨てをするヤツは、どんなにステキな人でも「生理的にムリ」になっちゃう。だって、あたしは、タバコのポイ捨てをするヤツは、タバコを吸う資格がないと思ってるからだ。これとおんなじで、ジュースの空き缶をポイ捨てするヤツは、ジュースを飲む資格がないと思ってる。迷惑な場所に路上駐車するヤツは、車に乗る資格がないと思ってる。飼えなくなったペットをそこらに捨てるヤツは、ペットを飼う資格がないと思ってる。そして、3年連続で公約すら守れない無能な総裁しか選び出せない政党は、政権を担当する資格がないと思うし、そんな政党は「生理的にムリ」だと思う今日この頃なのだ。
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