「食の安全」より「食の安心」
今日(12日)の夕方にアップした日記には、2点、気になる部分があったので、確認するために、2時間ほどで削除した。それで、読んでない人のほうが多いと思うので、説明しつつ現時点までに分かったことを書いてくけど、まず1点目は、愛知の「浅井」が三重の「ノノガキ穀販」に事故米を売ってたって部分に関する記述だ。あたしは、テレビでの「ノノガキ穀販」の野々垣勝社長のインタビューを見て、そこで「浅井からはすべて食用米として仕入れており、まさか事故米だとは思わなかった」って意味の言葉を繰り返してたことから、その通りに書いた。そして、「愛知県の接着剤製造業「浅井」から事故米を買わされてた三重県の米穀販売業「ノノガキ穀販」は~」って書き方をした。これは、事故米だと認識した上で買ってたのなら、「事故米を買ってた」って書くとこだけど、騙されて買わされてたと思ったから、あえて「買わされてた」って書き方をした。
でも、その日記をアップしたあと、夕方からのニュースを見てたら、前日から沈黙を守ってた「浅井」の社長が、この「ノノガキ穀販」の社長の言いぶんに対する反論を述べるために、インタビューに応じてたのだ。「浅井」の社長は、「野々垣は事故米とは知らなかったと言っているが、そんなハズはない」って言った。そして、記者からの「それなら事故米だと告げた上で売っていたのですか?」って質問に対して、明確に「そうだ」とは答えなかったけど、「通常の食用米はキロ300円なんだから、(自分の売ってた米は)キロ50円というだけで分かるだろう」って言ってた。
つまり、ハッキリと口に出して「事故米」だと相手に告げなくても、通常の6分の1の価格なんだから、お米を扱ってる業者なら分からないワケがないってことみたいだ。「浅井」の社長としては、双方が暗黙の了解で続けて来た悪事なのに、オオヤケになったトタンに、「私は知りませんでした」「私は被害者です」っていう「ノノガキ穀販」の社長の態度にムカついたってことだ。だけど今度は、これを受けて、「ノノガキ穀販」の社長が、「1キロあたり50~130円で仕入れ、70~160円で売っていた。通常よりも若干安かったが価格からも食用米だと思っていた」って反論した。こうなって来ると、完全に水かけ論だし、責任のなすり合いでしかないと思う今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、今はここまでしか分かってないので、ここで一応マトメると、一時的にアップした日記には「ノノガキ穀販は事故米とは知らずに買わされてた」ってニュアンスの書き方をしちゃったけど、それは、片方の言いぶんしか聞いてなかった時点でのことだったので、双方の言いぶんを聞いた現時点では、「浅井とノノガキ穀販とが醜い責任のなすり合いをしてる」ってことになる。耐震偽装問題の時に、マンションの販売会社と建設会社とが醜い責任のなすり合いをしてたけど、アレとソックリだと思った。
まあ、「ノノガキ穀販」は、862トンもの汚染米を食用米として、京都、愛知、岐阜、三重など、1府8県の12の精米業者や米穀販売業者へ転売してて、そこから先は、これらの地域の数百軒にも及ぶ飲食店などへ出荷されてたんだし、中にはテレビや雑誌でも紹介された有名なレストランなども複数あるそうだから、知ってて売ってたのか、それとも知らずに売ってたのかで、責任問題は雲泥の差になるだろう。だから必死になるのも分かるけど、「浅井」の社長が言ってた「通常の食用米はキロ300円」てのがホントなら、「ノノガキ穀販」の社長が言ってる「1キロあたり50~130円で仕入れ」ってのは、とても「通常よりも若干安かったが価格からも食用米だと思っていた」って言葉には結びつかないと思う。
だけど、ここで、「浅井」が悪い、「ノノガキ穀販」が悪い、いや両方が悪い‥‥なんて始めちゃうと、耐震偽装問題と同様に政府の思うツボで、この問題の元凶を見逃すことになっちゃう。ここで目を向けなきゃならないのは、行政の対応だ。だって、「浅井」から「ノノガキ穀販」へ流れた862トンもの汚染米は、1つの菓子業者と11の米穀販売業者などへ転売されて、そこから先は、お菓子になって流通したり、東海地方や関西地方の数百軒の飲食店で「主食のご飯」として売られてたのだ。
それなのに、農水省や該当地域の市町村では、ほとんどの飲食店を把握していながら、これらの店名を公表しようとしない。それどころか、京都の保育園で、子供たちの給食に汚染米のお赤飯を出されてたことについて、京都市は「この米を一生食べ続けても害はない」ってノタマッた。太田誠一農水相にしても「中国のギョーザ中毒事件と比べれば、わずか60万分の1の量にすぎず、人体に影響はないとこの私が断言する」なんて言ってたけど、秘書の自宅を架空の事務所にして、数千万円もの事務所費を計上してた大ウソつきに「断言」されても、誰ひとり信用しないだろう。
それよりも、太田誠一には、テレビカメラの前で、かいわれ大根をムシャムシャと食べた菅直人みたいに、全国民が見てる前で、メタミドホスとアフラトキシンB1に汚染されたご飯をパクパクと食べてもらいたいもんだ。そして、子供たちやお年寄りたちに汚染米を食べさせておいて、平然と「一生食べ続けても害はない」ってコメントを出した京都市長には、一生、汚染米を食べ続けて欲しいと思う。コイツラの言葉って、「自分は食べてないから関係ない」ってのが見え見えで、ホントに腹が立つ。自分の子供が汚染米を食べさせられてた親の気持ちなんか、ミジンも分かってない。
‥‥そんなワケで、今回、京都市の「上賀茂保育園」と介護老人保健施設「洛和ヴィライリオス」に残ってた給食用のお米から検出されたのは、食品衛生法の基準(0.01ppm以下)の2倍にあたる0.02ppmのメタミドホスだった。で、無責任な太田誠一や京都市が繰り返してる「安全」て言葉は、この食品衛生法の基準値による認識なんだろうけど、食品衛生法の基準値なんてもの自体が、単なる「推測」でしかないのだ。動物実験で実害が出た量を人間の平均体重に換算して、「この量を摂取したら人間にも害がある」って量を試算する。そして、それを「安全基準値」によって100倍したものだ。
つまり、「この量を摂取したら害がある」って量を100倍にもしたものを基準値に設定してるんだから、その2倍や3倍くらいなら食べたところで問題なんかない‥‥っていう認識なのだ。だけど、このメタミドホスって殺虫剤は、もともとが「極めて毒性が高い」って理由から、ニポンでは「農薬取締法」によって、製造も輸入も使用も禁止されてるほどの猛毒なのだ。そして、この基準値を決める動物実験てのは、メタミドホスの場合は、犬を使って行われてる。ようするに、「犬に害のある量」から試算されてるワケで、犬と人間の体の構造がまったくおんなじならいいけど、肉食動物である犬と、雑食動物である人間とでは、いろいろと違う部分もある。人間が食べても何も問題ないのに、犬には食べさせちゃダメってものもたくさんある。それなのに、こんなテキトーな実験で決められたことを鵜呑みにしてもいいんだろうか?
さらには、ヒトクチに「基準値」って言っても、食品によってさまざまに分けられてる。メタミドホスの場合なら、国際基準値とされてる「コーデックス委員会」のものなら、単位を「ppm(mg/kg)」として、大豆なら「1.0」、キャベツなら「0.5」、ジャガイモなら「0.05」、タマゴや肉なら「0.01」ってふうに決められてる。これは、洗うことによって排除できるかできないかってことなど、複数の見地ら細かく決められてる。そして、これに対するニポンの「食品衛生法」では、大豆が「0.05」、キャベツが「1.0」、ジャガイモが「0.25」ってふうに、国際基準とは大きく違う。これは、食べる量を始めとして、これまた複数の見地から細かく決められてる。分かりやすくするためにフランク・ザッパに言うと、大豆をそんなに食べない国の人なら、国際基準の「1.0」でも大丈夫だろうけど、納豆やお豆腐を始めとして、たくさん大豆を食べるニポン人の場合は、独自の「食品衛生法」で定めた「0.05」じゃないと危険だってことだ。
で、カンジンのお米に関しては、国際的にも、ニポン的にも、個別の基準値が定められてないのだ。お米にはメタミドホスなど使わないってことが国際的な大前提になってるから、わざわざ個別の数値なんか設定してないのだ。太田誠一が「安全だ」「問題ない」って連呼してるのは、食品衛生法における「その他の食品の基準値」の「0.01ppm以下」を引き合いに出して言ってるだけで、こんなものはまったく根拠にならない。だって、国際的には「1.0」の大豆をニポンではその20分の1の「0.05」に設定してるってことは、「どれだけの量が残留してるか」ってことだけじゃなくて、「どれだけの量を食べるか」ってことにこそ大きなポイントがあるからだ。
極端な話、国際基準値の2倍のメタミドホスが残留してる「2.0」の大豆を1粒食べるよりも、食品衛生法の「その他の食品」の基準値をクリアしてる「0.01」のご飯をお茶碗に1杯食べたほうが、摂取するメタミドホスの総量は多くなるってワケだ。だから、今回の事件の最大の問題点は、「ニポン人の主食であるお米」だったってことになる。それなのに、農水省は、最初は「焼酎」や「お菓子」しか公表しなかったし、とうとう子供の給食やレストランなどでも「主食」として使われてたってことがオオヤケになったら、大慌てで「害がない」「問題ない」って連呼し始めたのだ。
ハッキリ言わせてもらうけど、害がなきゃ何でもいいってんなら、どんなに不衛生なものでも、残飯でも、一度100度以上に熱して滅菌してから加工すればいいってことになる。何年か前に、韓国で、残飯やゴミをギョーザに混ぜてた工場があったけど、アレだってOKってことになっちゃう。あたしたち消費者が求めてるのは、「安全」じゃなくて「安心」なのだ。「安全」なのは当たり前のことで、その上で「安心」を求めてるのだ。小さな子供がいるお母さんなら、自分のことはともかくとして、常に「子供に食べさせても大丈夫か」ってことを考えてるだろう。
それなのに、自分の子供を預けてる保育園の給食で、「極めて毒性が高い」って理由で国内では禁止されてる殺虫剤が、基準値の2倍も混入したお米が使われてたのに、これほどの大事件に対して、責任省庁のトップである大臣や、該当地区の市長が、口を揃えて「安全だ」「問題ない」って連呼するなんて、あまりにも国民の感覚と乖離(かいり)し過ぎてる。さらには、西日本の一般の飲食店にも大量に出回ってて、一般の人たちも食べ続けてたってことが分かったんだから、「ここ10年で西日本での肝臓ガンの死亡者が異常に増えた」って事実とは無関係だってことをキチンと立証しない限り、とてもじゃないけど「安全」だとは思えないし、当然、「安心」なんかできやしない。
今回の汚染米が「主食」として出回ってた飲食店は、今のとこ、関西地方や東海地方の数百軒の飲食店だけだけど、こんなことが過去5年以上に渡って行なわれてたって実態を考えれば、他の地域の飲食店でも出回ってた可能性も十分にある。そして、食肉の偽装、魚の偽装、野菜の偽装と来て、とうとう主食のお米までが農水省ぐるみで偽装されてたってのに、政府側の人たちって、揃いも揃って消費者のことなんか眼中にない。国民の健康なんてまったく考えてない。
太田誠一が、大ウソをついてまで「安全だ」「問題ない」って連呼してるのはジンジャエールとしても、フクダちゃんの尻ぬぐいのために「消費者行政推進担当大臣」に抜擢された野田聖子までもが、開口一番、「風評被害に対する懸念」を熱弁したのには呆れ返った。仮にも、消費者の立場で行政を考えなきゃならないトップの人間が、何よりも先に考えたのが「企業側の利益」だなんて、こんなバカ女を大臣にしたのは、どこのどいつだ!‥‥って、もちろんフクダちゃんだけど。それにしても、太田誠一が「レイプする人は元気があっていい」って言ったことに対して、女性でありながら必死に擁護しただけのことはある。野田聖子ほど、国民、消費者、女性の感覚とかけ離れた人はいないだろう。
‥‥そんなワケで、あと1ヶ月で消えてく人たちのことは置いといて、問題の汚染米のことだけど、何よりも不思議に思うのは、政府も企業も、メタミドホスのことにしか触れないってことだ。あたしたちが心配してるのは、こんな殺虫剤なんかじゃなくて、「地上最強の天然発ガン物質」って呼ばれてるアフラトキシンなのに、こっちについては、饒舌な太田誠一ですら、腫れ物のように触れようとしない。で、あたしは、最初に「気になる点が2点ある」って書いたけど、2点目のほうが、このアフラトキシンに関することなのだ。だけど、ずいぶん長くなっちゃったから、この2点目については、明日の日記で書こうと思う今日この頃なのだ。
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