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2008.09.28

政権交代による政治の浄化

親がF1レーサーだったから、その息子もF1レーサーを目指すって場合には、親がどんなに偉大なレーサーだったとしても、親の七光だけじゃチャンプにはなれない。たぐいまれなる素質と、人一倍の努力がなければ、デビューすらできない厳しい世界、それがF1だ。もちろん、F1に限らず、プロ野球などの他のプロスポーツでも、すべて実力だけがモノを言う世界だ。だけど、ニポンの政治家の場合は違う。どんなにバカでも、親がお金を使って一流大学を卒業させてくれるし、卒業後は、遊び半分に秘書のマネゴトでもしてれば、自動的に政治家になれる。それは、親の地盤を丸ごと受け継ぐことができるからだ。

で、今のニポンの「暫定政権(笑)」である麻生内閣の特徴は、こうした二世、三世の世襲議員ばかりで組閣されてるってことで、ようするに、親の七光の集まりだってことだ。もちろん、あたしは、世襲議員がすべてダメだって言ってるワケじゃない。そりゃあ、アベシンゾーみたいなオッペケペーもたくさんいるけど、100人に1人くらいは人並みに使える議員もいるとは思う。だけど、あたしが世襲議員を嫌ってるのは、その政治家として能力の無さなんかじゃない。あたしが世襲議員を嫌ってるのは、世襲が続けば続くほど、特定企業や官僚との癒着が濃厚になって行って、国民のためじゃなく、その特定企業や官僚に便宜を図るための政治を始めるからだ。

今、この国がこんなふうになっちゃったのは、誰もが認めてるように、「政官財」の癒着によるものだ。そして、それは、自民党による長年の独裁と、その中での世襲議員たちによる私利私欲の構図がもたらしたものだ。親の地盤を丸ごと受け継いだ二世、三世議員は、確実に選挙で勝てる支持者だけでなく、数々の癒着企業も丸ごと受け継ぐ。たとえば、コイズミがバカ息子に地盤を譲れば、コイズミのパトロンである川崎タクシー株式会社もオマケについて来るってスンポ―なのだ。そして、今までコイズミが国交省に口利きをしてた便宜を今度はバカ息子がおんなじように図ってくってワケで、この「政官財」の癒着が連綿と続いて来た今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、こうした世襲議員ばかりで組閣された麻生内閣は、発足した次の日に、官房長官の河村建夫が、談合事件に絡んだ企業から献金を受け取ってたことが発覚しちゃった。そして、その次の日には、少子化担当大臣の小渕優子が、自民党とベッタリ癒着してる日本道路興運から何年にも渡って多額の献金を受けてたことや、国と請負契約を結んでた「山内工業」からも寄付を受けてて、公職選挙法に違反してたことが発覚した。これにしたって、小渕優子が総理大臣の娘だったからこその献金であって、何のバックも持たない単なる一議員だったら、決して発生しなかったハズだ。

さらに、次の日には、財務大臣の中川昭一が、国交省から建設業法違反で指名停止処分を受けた会社の社長から献金を受けてたことが発覚した上に、今度は、成田反対派と日教組を誹謗中傷して、就任早々、野党から罷免を要求されてる国土交通大臣の中山成彬にも、違法献金が発覚しちゃった。中山成彬が支部長をつとめる自民党宮崎県第1選挙区支部が、国交省が発注した公共工事での談合がバレて摘発された企業2社、造船会社の「サノヤス・ヒシノ明昌」と車両メーカーの「日本車両製造」から数回に渡って献金を受けてたのだ。

ま、中山成彬の場合は、今日27日にも、宮崎市内での自民党宮崎県連の会合で、「私は日本の教育のガンは日教組だと思っている。日教組をぶっ壊すために火の玉になる」とかってダメ押しの発言をしちゃってるから、もう辞任か更迭は間違いないと思うけど、そんなことよりも、あたしが言いたいのは、これほど連発する「企業との癒着」の問題だ。これじゃあまるで、あたしたち国民のためじゃなくて、自分たちが癒着してる一部の企業に便宜を図るために組閣された内閣みたいじゃん。

自民党の議員たちは、こうした違法献金の問題が発覚するたびに、「便宜は図っていない」ってお決まりのセリフを繰り返すけど、実際に便宜を図ったかどうかってことはともかくとして、こうした関連企業からの献金をホイホイと受け取ってる姿勢自体が、とても「国民の代表」とは思えないのだ。

たとえば、中山成彬の場合なら、中山成彬が支部長をつとめる自民党の支部が、大阪市の「サノヤス・ヒシノ明昌」と名古屋市の「日本車両製造」の2社から、2005年から2006年にかけて数回の献金を受け取ってた。だけど、この2社は、国交省と旧日本道路公団が発注した鋼鉄製橋梁(きょうりょう)工事で談合したとして、2005年の9月に、公正取引委員会から排除勧告を受けてるのだ。この流れを見れば、どうしても国からの仕事が欲しかった2社が、自民党に献金をして、その見返りとして国交省と旧日本道路公団の内部情報を流してもらったって思うのが普通だろう。これこそが「政官財」の癒着だって、誰もが思うだろう。

今回発覚した他の違法献金、官房長官の河村建夫の献金も、少子化担当大臣の小渕優子の献金も、財務大臣の中川昭一の献金も、すべてこれとおんなじパターンだ。その政治家が担当してる分野での仕事をナリワイとしてる企業が、その政治家に献金して、その政治家が癒着してる省庁とのパイプを作ってもらったり、内部情報を流してもらったりして、一般の企業は知り得ない「落札予定価格」を事前に手に入れてたってワケだ。

ようするに、公明正大に運営してる企業には公共事業が回らずに、自民党の議員に献金してる企業にばかり公共事業が斡旋される仕組みってことだ。それも、公平な入札が行われれば、競争の原理が働いて遥かに安く済む工事が、こうした自民党の仲介による談合によって、何割も高い金額で落札され続けてる。仕事を発注する国のほうは、どうせ国民から巻き上げた税金なんだから、どんなに高くても関係ないし、それどころか、あんまり安く済んじゃうと、翌年の予算をガッポリともらえなくなっちゃうから、自分たちのフトコロを潤すためにも、こうした「政官財」の癒着を利用して、ワザと税金のムダ遣いをしてるってワケだ。ちなみに、国交省が発注してる事業だけでも、年間に数百億円もの税金がムダ遣いされてるって言われてる。

‥‥そんなワケで、単純に考えれば、こうした「政官財」の癒着がなくなるだけでも、あたしたちの税金は数兆円も浮くワケで、消費税なんか増税しなくても、十分にやって行けるのだ。だけど、現実には、発足してわずか3日で、4人もの閣僚の「特定企業との癒着」が発覚したっていう今の麻生内閣の酷さを見れば分かるように、自民党が政権与党である限り、この「政治家と官僚と特定企業だけが得をするシステム」ってものは、いつまでもエンエンと続いてくってワケだ。つまり、あたしたちの納めてる税金が、あたしたちのために正しく使われるようにするためには、政権交代しかないってワケだ。

ニポンは、こと政治においては、とても先進国とは言えない。それは、有権者1人1人が、自分のことしか考えずに支持政党を決めたり、投票したりしてるからだ。そして、政党のほうも、支持率を上げるための対策が、地方へのバラ撒きなど、ガツガツした目先のことばかりだからだ。地球温暖化が加速し続けてて、化石燃料の枯渇も目前に迫ってて、今やすべての先進国が一緒になって地球のことを考えなきゃいけない時なのに、それでも地方票を獲得するために地方に道路を作ろうとしてる自民党なんて、愚の骨頂としか言えない。そして、そんな目先のお金で自民党なんかに投票する有権者も、本物の愚か者だ。自分の子供や孫の世代のことまで考えて貴重な1票を投じてこそ、初めて先進国の国民だと言えるし、これこそが先進国の政治だからだ。

去年、11年ぶりに政権交代が実現したオーストラリアは、ものすごい好景気だった。2004年、2005年、2006年と、当時のジョン・ハワード首相ひきいる自由党と国民党の保守連合政権の政策によって、株価は毎年20%ずつ急上昇し続けてた。1996年までの労働党政権下では10%もあった失業率が、保守連合が政権をとってからは急激に改善されて、わずか4%にまで減少した。労働条件もニポンより遥かに良くなり、国が定める2006年度の最低賃金は、時給1300円と、ニポンの2倍近い。株価が毎年20%ずつ上昇してる好景気で、失業率も半分以下に改善されたんだから、もしもこれがニポンだったら、国民の8割以上がこの政権を支持するだろう。

だけど、こんな好景気にも関わらず、オーストラリアの有権者たちは、ハワード首相ひきいる保守連合政権に「NO!」を突きつけたのだ。それは、オーストラリアの人たちが、現在の好景気よりも、労働党のケビン・ラッド党首が掲げた「イラク駐留オーストラリア軍の早期完全撤退」と「地球温暖化に対する京都議定書の批准」のほうを選択したからだ。もちろん、これだけじゃなくて、経済発展を重視したハワード首相が、コイズミ並みの知能でヤタラと公営事業の民営化を推進したことによって、国民の間に所得格差が広がったことなども原因だ。だけど、今回の政権交代の主軸になったのは、オーストラリアの有権者の多くが、目先の景気よりも、イラク侵攻や地球の温暖化について訴え続けたラッド党首の考え方こそを「未来のためだ」って判断したからだろう。

今年の春までオーストラリアに住んでたお友達に聞いたら、オーストラリアの人たちって、学生からお年寄りまで多くの人たちが、政治にすごく興味を持ってて、「自分の1票がこの国を動かしてる」って意識がとても強いそうだ。だから、たとえ、今が好景気であっても、常に未来のことを考えてて、「このままじゃいけない」って思えば、すぐに支持政党を変えるそうだ。だから、そうした国民性もあって、現在の好景気よりも、未来の子供たちのために、「地球温暖化に対しては京都議定書の規定を早期に実現する」って言ってるラッド氏のほうを支持したんだと思う。

‥‥そんなワケで、オーストラリアでは、政権交代が実現しただけじゃなくて、ブッシュやコイズミと仲良しだったハワード首相までもが議席を失うっていう、あまりにも劇的な本物の民主主義が炸裂しちゃったワケだ。そして、あたしは、この「政権交代」には、単に「国の政策が変わる」っていう表面的なことだけじゃなくて、「政治の浄化」っていう大きなメリットがあると思ってる。オーストラリアの人たちの多くは、「保守連合政権が11年も続くとは思ってなかった」って言ってたそうだけど、わずか11年のことを「11年も」って表現してるのを見れば分かるように、先進国にとっては、1つの政党や連合が10年以上も政権を握ってることは「長い」って感覚なのだ。1つの政党が長く政権を維持してれば、そこには必ず企業や官僚との癒着が生まれるし、二世、三世なんていう世襲議員がはびこってくれば、その癒着はさらに深いものになる。その極みが、発足早々からボロボロと企業との癒着が発覚し続けてる今の麻生政権てワケだ。

何しろ、60年もの長きに渡って、自民党がこの国を牛耳って来たんだし、二世どころか三世、四世なんていう恥知らずの世襲議員までがノコノコと出て来ちゃったんだから、そこには、たとえブラックジャックでもメスを入れることができないほどの悪性のガン細胞が全身に転移してるに決まってる。たとえば、今回の汚染米問題でも、大ウソつきのマスゾエちゃんは、選挙対策なんだか知らないけど、いつものように何の裏付けもなしに、口先だけで「全容解明します」とか抜かしてた。だけど、その数日後には、農水省が「島田化学工業」の「米でんぷん」の不正転売に関して、「記録が残ってないので不正転売先の特定は困難でした」って言って、事実上、全容解明を断念したって発表したじゃん。これにしたって、調査に着手するまでにワザと時間を掛けて、「島田化学工業」に記録を破棄させる時間を与えた結果なんだから、誰がどう見たって、「政官財の癒着をバレないようにするためのインペイ」でしかないってことだ。

こないだの自民党の総裁選デキレースで、厚顔無恥な小池百合子が「コイズミお父さんが築いた改革路線に、小池姉さんがちょっと優しさを加えて守って行きます!」なんてノタマッてたし、他のヤツラも「天下りを廃止します!」なんて心にもないことを平然と連呼してたけど、自分たちこそが、長年、既得権益のオコボレにあずかって来た、この「政官財」の癒着の中心人物たちだってのに、何言ってんの?って感じだよ、まったく。それどころか、長年の一党独裁で、自民党が支持率をキープするための景気対策やらアメリカへのオベンチャラやらで発行し続けて来た国債の総額は、2004年度で900兆円を超えちゃった。

これは、生まれたばかりの赤ちゃんから寝たきりのお年寄りまで、すべての国民が1人あたり750万円の借金を背負わされてるってことで、4人家族なら有無を言わさずに3000万円の借金を背負わされてるってことだ。そして、この借金は、何もしなくても、ものすごいスピードで利息が増え続けてるのだ。それなのに、マンガしか読まない麻生のバカは、地方の票を集めるために、さらにこの借金を増やして地方へのバラ撒きをしようとしてる。ようするに、歴代の総理大臣が繰り返して来た過ちを何の反省もなく、また繰り返そうとしてるってことだ。これこそが「自民党の総裁など誰がやっても中身は同じ」ってことであり、何でこんなことをするのかって言えば、自分たちと癒着してる企業や官僚などの「既得権益仲間」を守るためであり、国民のことなんかまったく考えてないってことだ。

あたしは、自民党のことは大っ嫌いだけど、それは何でかって言えば、何度も繰り返して来たように、「政官財」の癒着によって、国民の血税を私物化して、仲間内で山分けしてるからだ。だけど、こと政治力に関しては、やっぱりそれなりに優秀な人材も豊富だと思ってる。でも、悲しいことに、最初は「この国を良くしよう!」っていう高い志で政治家になった人でも、こんなに腐りきった癒着の巣窟に身を置いてれば、だんだんに腐って来る。いつも献金してくれる後援会の企業の社長から頼まれれば、その企業のために根回しをするようになるし、そのためには省庁の官僚たちとも癒着して来る。そして、最初の高い志とは正反対の「権力の飼い犬」に成り下がるってワケだ。

だからこそ、今、この国には、政権交代が必要なのだ。安定した長期政権の上にアグラをかき、選挙の時だけペコペコと頭を下げて「国民のために」って心にもない言葉を連呼して、その裏じゃ癒着してる企業や官僚と一緒になってやりたい放題だったペテン師どもに、一度、反省する機会を与えてやるのだ。長年、国民を欺き続けて来たことを反省させて、もう一度、高い志を持ってたころの気持ちを思い出してもらう。これこそが、この国を良くするために必要なことなのだ。

今度の選挙で政権交代が実現したら、自民党の議員たちは、本気で必死になるだろう。今までみたいな「選挙の時だけの口約束」なんかじゃなくて、ホントに国民のことを考え、国民のために努力するようになるだろう。だって、そうしなかったら、もう次はないからだ。そして、ようやく政権をとった野党のほうだって、今まで以上に真剣に取り組むようになるだろう。公約だって、必ず守るハズだ。だって、そうしなかったら、「お前らだって自民党と一緒じゃん!」て言われちゃって、次の選挙で落とされるからだ。政権を失ったほうも、政権を獲得したほうも、双方が国民のために真剣に努力するようになる。これこそが、政権交代の最大のメリットなのだ。

国民を舐めきってる自民党の議員どもに、この国の主権は国民にあるってことを教えてやるためにも、今こそが政権交代の時なのだ。雲の上から国民を見下ろしてる自民党の議員どもに、有権者の力を教えてやるためにも、今こそが政権交代の時なのだ。逆に言えば、今、政権交代が果たせなければ、自民党のヤツラは、これまで以上に完全に国民を舐めまくり、国民など単なる奴隷だと思うだろう。国民など、自分たちが何をやっても、文句も言わずに黙って従うだけの「バカな働きアリ」だって思うだろう。

‥‥そんなワケで、2年前にはスウェーデンで政権交代が行われて、去年はオーストラリアに続いて、お隣りの韓国でも10年ぶりの政権交代が行われた。今年になってからも、4月には南米のパラグアイが、9月にはスロベニアが政権交代を果たした。ちなみに、パラグアイの右派政権は、世界最長の61年も続いてたんだけど、貧困にあえぐ国民たちが、とうとう「NO!」を突きつけて、歴史的な政権交代劇を繰り広げたのだ。これで、保守政党による長期政権は、このニポンが世界最長のギネス記録を更新することになったってワケだ。こんな最悪なギネス記録を更新して、全世界に民度の低さを晒すことにでもなったら、いよいよニポン人は恥ずかしくて海外旅行なんかできなくなるだろう。もうじき消えてく中山成彬は、「日教組の子供は学力が低くても先生になれる」って言ってブーイングの嵐を巻き起こしてるけど、あたしに言わせれば、「政治家の子供は学力が低くても政治家になれる」「総理大臣の子供は学力が低くても総理大臣になれる」っていうふざけたシステムのほうが、この国にとって遥かに問題だと思う。だから、1日も早い「政権交代による浄化」が必要だと思う今日この頃なのだ。


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