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2008.10.15

アキバでハバラなアキハバラ

今までにも何度か書いたことがあるけど、あたしは、東京生まれで東京育ちで東京以外には住んだことがないけど、秋葉原には行ったことがない。細かいことを言えば、今みたくワケの分かんない街になっちゃう前の「普通の電気街」だったころには行ったことがあるけど、「ヲタクの聖地」とか呼ばれるようになってからは、一度も行ったことがない。それで、昨日、お仕事で初めて会ったヲタク文化に詳しい人に、「あたしはアキバって行ったことがないんですよ」って言ったら、驚くべき答えが返って来た。


「今、『アキバ』なんて言ったら笑われますよ。今は『ハバラ』って言うんです。『アキバ』なんて言ってるのは田舎からやって来る子たちだけですよ。ははははは~」


へ~、そうなんだ。ちなみに、「アキバ」って呼び方は、今みたくなっちゃう前から、「普通の電気街」だったころから使われてた古くからの呼び名で、「ヲタクの聖地」になってからも、この昔からの呼び名を流用してたってワケだ。だから、この新しい「ハバラ」って呼び方は、ヲタクたちが考えた「自分たちのオリジナルの呼び方」ってことなのかな? どうでもいいけど。

とにかく、今までは、「アキハバラ」の1文字目、2文字目、4文字目をピックアップして「アキバ」だったものが、今は「アキハバラ」の後ろの3文字をピックアップして「ハバラ」になったってことで、これは、すごく「今どき」だと思う。だって、今の子たちって、「ハンパねえ」のことを「パねえ」って言ったりするように、言葉の後半だけを言うのが流行ってるみたいだからだ。だから、そのうち、動物園でカンガルーを見て、「あれ、カンガルーじゃない?」って言うとこを「あれ、ガルーじゃね?」とか言い出しそうな気がする今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、「秋葉原」の略称が「アキバ」から「ハバラ」へ変わったってことは、隣りの「御徒町(おかちまち)」の場合は、「オカマ」から「チマチ」へ変わったんだろうか?‥‥って、御徒町のことは、もともと「オカマ」とは言わないけど、秋葉原とおんなじに、1文字目、2文字目、4文字目をピックアップしてみたってワケだ。他にも、この方式を使うと、「千駄ヶ谷(せんだがや)」の場合なら、「センガ」が「ダガヤ」に変わる。「ダガヤ」だなんて、なんか、昔の「ドクタースランプ」に出て来たニコちゃん大王みたいだけど、コレって名古屋弁だよね?

で、他にもないか探してみたら、「神田」とか「五反田(ごたんだ)」があった。これらは、後ろだけにすると「ンダ」とか「タンダ」になるから、なんか東北弁みたいな感じがする‥‥って、東京のいろんな駅名の後ろの部分だけをピックアップしてたら、あることに気づいちゃった。それは、「新宿」の「ジュク」とか、「池袋」の「ブクロ」だ。あたしは、さっき、言葉の後半だけを言うのが「今どき」って書いたけど、「新宿」のことを「ジュク」って言ったり、「池袋」のことを「ブクロ」って言うのは、「今どき」どころか、あたしが生まれるずっと前から使われてた呼び名だった。

こないだリトル取り上げた「真・雀鬼」のシリーズでも、清水健太郎扮する桜井章一は、「ジュクの雀鬼」って呼ばれてる。このVシネマは、1970年代の設定だから、ちょうどあたしが生まれたころだけど、もっと古い日活映画とかにも、「ジュク」とか「ブクロ」とかって呼び方が使われてたような気がする。つまり、「ドラゴンクエスト」のことを「ドラクエ」って言ったり、「ポケットモンスター」のことを「ポケモン」って言ったりする通常の省略パターンとは違う、こうした「言葉の後半だけを残す方式」も、別に「今どき」ってワケじゃなくて、昔からあったってワケなのだ。

それで、あたしは、あたしなりに考えてみたんだけど、コレッて、語呂に関係してるんじゃないかって思った。「新宿」の場合も「池袋」の場合も、「ドラクエ」や「ポケモン」みたいには略すことができない。「シンジュク」を「シジュ」にしたらカッコ悪いし、「イケブクロ」を「イケク」にしたら言いにくい。それ以前に、「新宿」や「池袋」なんて、たかが4音か5音の短い名詞なんだから、いちいち略す必要がない。「ドラゴンクエスト」や「ポケットモンスター」は、毎回毎回こんな長い名詞を言ったり書いたりするのが大変だから、略称が生まれる必然がある。だけど、「新宿」や「池袋」なんて、今でもほとんどの人は、そのまま「新宿」とか「池袋」とかって言ってて、何の不都合もない。

つまり、「ジュク」とか「ブクロ」とかっていう略称は、長くて言いにくいから短くしたんじゃなくて、「カッコ良く言うための略称」ってことになる。もちろん、今、「ジュク」だの「ブクロ」だの言ったら笑われちゃうけど、今から30年前とか40年前とかは、こうした言い方がカッコ良かったんだと思う。おんなじ時代に、「上野」のことを「ノガミ」って言ってたそうで、これは「上」と「野」を逆にして読み方を変えたパターンだ。これを見れば分かるように、「ウエノ」も「ノガミ」も3音だから、音数は省略されてない。それなら、普通に「ウエノ」って言えばいいじゃん‥‥って思うけど、わざわざこうして言い変えるのがカッコイイって思われてた時代だったワケだ。鼠先輩の「ギロッポン」もおんなじで、「ロッポンギ」でも「ギロッポン」でも音数は変わらないから、何のメリットもないのに、わざわざ「ギロッポン」て言ってる人たちがいたってワケだ。

そう言えば、あたしのすぐ上の先輩も、「自由が丘」のことを「オカジュー」って言ってた。これは、「自由」と「丘」を入れ替えたものだから、パターンとしては「ノガミ」や「ギロッポン」とおんなじなんだけど、ナニゲに「が」を省略してる上に、「ジユウ」って3音を「ジュー」って2音に変えてるから、トータルで2音も省略されてるスグレモノだ。だから、口に出して言ってみると分かるけど、「自由が丘に行こうよ」って言うよりも、「オカジューに行こうよ」って言うほうが、0.1秒くらい短縮できる。

ま、あたしの場合は、「二子玉川(ふたこたまがわ)」なんていう長い駅名のとこに住んでるから、ずっと前から「ニコタマ」っていう略称で呼ばれてるけど、この「二子玉川」を「ニコタマ」って呼ぶのも、「自由が丘」を「オカジュー」って呼ぶのも、カッコイイとかオシャレとかってよりは、長くていちいち言うのが大変だから省略したんだと思う。そして、それが、何十年も使われて来たうちに、何となくオシャレな愛称みたいな感じになっちゃったんだと思う。

それから、これは東京に住んでる人しか分かんないことなんだけど、あたしの住んでる地域には、いろいろとややこしいことがあるのだ。まず、あたしの住んでるとこは、世田谷区の「玉川」って地名で、所轄の警察も「玉川署」だし、郵便局も「玉川郵便局」だ。それなのに、目の前を流れてる川は「多摩川」で、少し下流へ行くと「多摩川」っていう駅がある。これは、かつては「多摩川園」ていう駅だったんだけど、多摩川園ていう遊園地が閉園したので、それにともなって「多摩川」って名前に変わったのだ。これは、あたしの住んでるニコタマもおんなじで、かつて遊園地があったころは、「二子玉川園」ていう駅名だった。

‥‥そんなワケで、「二子玉川」のことを「ニコタマ」って呼ぶのは、長い名前を短くするって意味の他に、「多摩川」と間違われないようにって意味もあったのだ。今でこそ、「二子玉川」と「多摩川」になったけど、昔は「二子玉川園」と「多摩川園」だったから、口で言っただけじゃ、すごくまぎらわしかった。渋谷とかで飲んでて、ベロベロになって歩けなくなって、仕方ないからタクシーを拾って、「フタコタマガワエンまで」って言ってから寝ちゃったりすると、間違って東横線の「多摩川園」に着いたとこで起こされる。

それで、「えっ?ここじゃないですよ!」って言って、そこから多摩川に沿って上流へと向かって、「二子玉川」に着いた時には、何メーターもヨケイに料金が掛かってるのだ。さらには、「二子玉川」で止まらず、そのままもっと上流まで行っちゃうと、小田急線の「和泉多摩川」の駅に着いちゃうし、さらに上流に行っちゃうと、京王相模原線の「京王多摩川」の駅に着いちゃうから、取り返しのつかないことになっちゃう。だけど、最初に「ニコタマまで」って言っとけば、間違える運転手さんはいない。

ちなみに、この「多摩川」の駅から「二子玉川」の駅へと向かうための多摩川に沿った道路の名前が、「多摩堤(たまづつみ)通り」っていうんだけど、この道路に面した場所は、「玉堤(たまづつみ)」っていう住所なのだ。ややこしや~ややこしや~って感じで、とにかく、あたしの住んでる地域は、「玉川」と「多摩川」の表記がゴッチャになってて、口で言っただけじゃ区別がつかないのだ。だから、「二子玉川」のことを「ニコタマ」って呼ぶのは、省略だのオシャレだのってことよりも、一番の理由は、たくさんある似た名前の駅との差別化ってことなのだ。

‥‥そんなワケで、多摩川に近い東京側の駅って、下流のほうから、「多摩川」「二子玉川」「和泉多摩川」「京王多摩川」ってあるワケだけど、これを見れば分かるように、あたしの住んでる「二子玉川」だけが、「玉川」って表記を使ってる。これも、きっと、他の駅との視覚的な差別化の一環なんだと思うけど、これを見てて、ハッと気づいたことがある。それは、「新宿」の「ジュク」と「池袋」の「ブクロ」のことだ。「新宿」の「ジュク」も「池袋」の「ブクロ」も、さっきまでは「カッコイイ」ってことと「語呂」だけで決めた呼び名だと思ってたけど、理由はそれだけじゃないような気がして来た。それは、「差別化」って点に気がついたからだ。

「新宿」の場合なら、おんなじJR山手線の中に「原宿」がある。そして、「池袋」の場合なら、ワリと近くに、西武新宿線の「沼袋」がある。つまり、「新宿」も「ジュク」なら「原宿」だって「ジュク」だし、「池袋」が「ブクロ」なら「沼袋」だって「ブクロ」だってことだ。だから、誰かが先に「原宿」のことを「ジュク」って言い出したり、「沼袋」のことを「ブクロ」って言い出してたら、「新宿」や「池袋」は、この呼び名を使えなくなってたのだ。そして、「新宿」や「池袋」にしても、「二子玉川」を「ニコタマ」って言うような、自分の駅名にだけしか使えないような略称にしないで、あえて他の駅名にも併用できちゃう「ジュク」や「ブクロ」を選んだってとこに、あたしは、強い自己主張みたいなものを感じたのだ。

たとえば、自分が「渋谷」にいて、そこに友達から電話が掛かって来て、「今、ジュクらいるんだけど、すぐ来てくれない?」って言われた場合に、山手線に乗って、隣りの「原宿」で降りるか、3つめの「新宿」で降りるかってことだ。「池袋」と「沼袋」もおんなじで、「ジュク」と言えば「新宿」、「ブクロ」と言えば「池袋」ってことが、多くの人たちに認知されることこそが、すごく意味のあることなのだ。

「二子玉川」のことを「ニコタマ」って呼ぶようになったのは、似た名前の他の駅との差別化を図ったからだけど、「ジュク」や「ブクロ」の場合は、あえて他と間違えそうな略称を選択して、それを根づかせることによって、「新宿は原宿よりも上だ」っていういうアピールや、「池袋は沼袋よりも知名度が高い」っていう自己主張をしてるのだ。ようするに、差別化を逆手にとった手法ってことで、これはなかなか気合いの入った方法だと思った。

これとおんなじことを「二子玉川」でやるとしたら、「二子玉川」のことを「マガワ」とか呼ばなきゃなんない。こうすれば、「多摩川」も「和泉多摩川」も「京王多摩川」も「マガワ」なワケで、これほど併用できる駅名がありながら、「マガワと言えば二子玉川のこと」っていうふうに世の中に認知されたら、あたしの地元はムテキングになっちゃう。

‥‥そんなワケで、「秋葉原」の呼び名が、「アキバ」から「ハバラ」に変わったって話を聞いて、あたしは、「秋葉原もまだまだ甘いな」って思った。だって、「ハバラ」なら、ナニゲに「アキハバラ」だけにしか当てはまらない略称だからだ。「小田原」なら「ダワラ」だし、「柏原」なら「ワバラ」だし、「柳原」なら「ギハラ」だし、最後に「原」がつく名称でも、3文字をピックアップしたら、ある程度の推測ができちゃう。だから、「秋葉原」が「新宿」や「池袋」くらいのレベルを目指すためには、ここはひとつ、思い切って、「バラ」って呼び名にしたらいいと思う。そうすれば、最初のうちは、どこのことを言ってんだか分かんないけど、だんだんに浸透してって、そのうちに「バラと言えば秋葉原のこと」ってふうに世の中に認知したアカツキには、今の秋葉原が持ってる数々のマイナスイメージを多少は払拭できるかもしれないと思う今日この頃なのだ。


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