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2008.11.30

地球の虫歯

地球の化石燃料は、あと40年で枯渇するって言われてて、そのために、今、化石燃料を使わない電気自動車だの水素自動車だのが開発されてる。化石燃料の枯渇の他にも、もちろん、地球温暖化を緩和させるためにCO2の排出を抑えるっていう大義名分があるけど、これは表向きの理由で、ホントはそんなことどうでもいいと思ってるのが人間だ。

だって、地球の化石燃料は40年後には無くなるけど、その前に、地球上のすべての森林が無くなっちゃうからだ。前にも書いたけど、今、地球では、1分間に30万平方メートルずつ森林が伐採され続けてる。これは、東京ドームにすると、6.5個ぶんの面積だ。それだけの広さの森林が、毎分毎分、地球上から消滅してる。そして、このままのスピードで森林伐採が続いてくと、31年後の2040年には、地球上からすべての森林が消滅しちゃうのだ。だから、もしもホントに地球温暖化をストップさせようって思ってるのなら、電気自動車なんか開発するよりも、森林伐採をストップさせることのほうが遥かに優先される。

それに、これは、去年までの計算だった。今は、40年後の化石燃料の枯渇に向けて、アメリカが先頭に立って、バイオ燃料への切り替えを始めてる。ようするに、トウモロコシとかで作ったバイオ燃料をガソリンの代わりに使うワケだけど、ものすごく巨大なトウモロコシ畑を作るために、今まで以上のスピードで森林を伐採してるのだ。だから、現状を踏まえた新たな試算によると、最悪の場合、あと20年で地球上から森林が消滅するって言われてる。だから、「和牛詐欺」や「エビの養殖詐欺」や「アコヤ貝の養殖詐欺」なんかに続いて、今度は「植林詐欺」を始めとした「エコ詐欺」なんかも蔓延してきちゃったんだと思うけど、人間て、ホントにどうしようもない生き物だよね。

書籍版「きっこの日記 R」を買ってくださった人は、201ページからの「大人のみなさんへ」を読んでくださったと思うけど、たくさんの人たちから「涙が止まりませんでした」って感想をいただいたあの章は、この「きっこの日記」のエントリーを大幅に加筆して、あの時点での最新データを詰め込んである。もう一度、読み返してもらうと、今、あたしたちが何をすべきか、何を最優先すべきかが分かると思う今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、この地球に生まれたあたしたちは、この地球で死んで行くしか道はない。SFの世界なら、月や火星に移住したり、太陽系より外の別の星に移住することもできるけど、現実問題としてはムリな話だ。そして、もしも何十年か何百年か先に、科学的に可能になったとしても、あなたは、別の星に行って、二度と地球に戻って来れずに、その星で一生を終えたいだろうか? 少なくとも、あたしの場合は、他の星には行ってみたいけど、死ぬ時は生まれ故郷の地球がいい。

それでも、何かの罰ゲームかなんかで、どうしても、どこか別の星に行って死ななきゃなんなかったとしたら、あたしは、消滅マギワの「大質量星」を選ぶ。そして、超新星爆発とともにコッパミジンになり、ブラックホールへと吸い込まれてく。何で、こんなにハデな最期を選ぶのかって言うと、この超新星爆発によって、周りに新しい星の赤ちゃんが生まれるからだ。

あたしたち人間とおんなじように、星にも誕生から死までの一生がある。星の誕生は、巨大な大質量星が死ぬ時に起こる超新星爆発がヒキガネになってる。無限の宇宙には、宇宙のガスや塵がたくさん集まってる暗黒星雲で部分があちこちにある。で、その近くで大質量星が寿命を迎えて超新星爆発を起こすと、その衝撃波によって、暗黒星雲の一部に密度の高い部分ができて、そこに強い重力が発生する。そして、その重力で、周りのガスや塵を吸い寄せて、どんどん大きくなってく。大きくなれば、重力も大きくなるから、さらに広範囲の物質を吸い寄せる。そして、加速度的に膨張してく過程で、高い熱を発するようになって、光り始める。これが、星の赤ちゃんの「原始星」だ。

それぞれの星の限界まで大きくなったら、今度は少しずつ収縮し始めて、そのぶん、内部の温度が高くなってく。そして、中心の温度が一定のラインを超えると、内部で核融合が始まる。最初は、水素がヘリウムに変わる核融合で、星をユデタマゴだとすると、白身の部分が水素で、黄身の部分がヘリウムで、黄身の表面の部分で核融合が起こってる感じだ。で、この核融合で発生する内部からのエネルギーによって、星の収縮がストップする。ようするに、縮もうとしてる星の力と、膨らもうとしてる内部からのエネルギーとが、あるとこでバランスを取って、星の大きさが安定するってワケで、これが、星の成人である「主系列星」だ。ちなみに、太陽を始めとした、夜空に輝くほとんどの星が、みんなこの「主系列星」だ。

そして、太陽の半分くらいまでの大きさの星は、内部の温度が高くならないから、この水素からヘリウムへの核融合だけで終わっちゃう。内部の水素を使い切ると、ジ・エンドだ。だけど、太陽の半分以上の大きさの星の場合には、さらに温度が高くなるから、第二次補正予算を先送りしないで、第二次核融合が起こる。水素がヘリウムになったら、今度はそのヘリウムに点火して、ヘリウムが炭素や酸素へ変わる核融合が始まるのだ。さらには、太陽の10倍以上のチョー巨大な星になると、真ん中に「鉄」の原子核が出来るようになる。

‥‥そんなワケで、ここで一度、分かりやすく整理しとくけど、どんな星でも、原始星として誕生して、主系列星へと成長してく過程はおんなじだけど、その大きさによって、内部での核融合の過程が違って来るってワケだ。そして、そのために、晩年の形体が違って来る。地球を始めとした太陽の半分くらいまでの大きさの「小質量星」は、水素を使い切ってヘリウムへの核融合が終わると、ガスを放出して「白色わい星」になって、あとは長い年月をかけて冷えて行く。太陽の場合は、大きさはソコソコだけど「小質量星」なので、晩年になると「赤色巨星」になる。質量から計算すると、太陽の寿命は約100億年で、今、真ん中の50億年くらいだから、あと50億年くらいで寿命を迎える。

太陽の半分よりも大きくて、質量も大きい「中質量星」は、寿命を迎えると超新星爆発を起こして、そのあとは中性子星(パルサー)になる。そして、さらに大きくて、真ん中に「鉄」の原子核が出来た「大質量星」は、超新星爆発のあとにブラックホールが出切る。ブラックホールって、直訳すれば「黒い穴」だけど、これも立派な星なのだ。ただ、あまりにも強い重力によって、光さえも抜け出すことができないから、目で見たとしても真っ暗なワケだ。

で、話はクルリンパと戻るけど、これらの中質量星や大質量星が寿命を迎えて、最後にヒステリーを起こして超新星爆発しちゃった時に、近くに暗黒星雲があると、その衝撃波によって、新しい星の赤ちゃんが「オギャー!」って誕生するってワケだ。だから、あたしは、どうせヨソの星で死ぬんなら、政権末期の自民党‥‥じゃなくて、末期の大質量星に行って、超新星爆発でふっ飛びつつ、ブラックホールに吸い込まれて、自分の命が終わる代わりに、新しい星の誕生に立ち会いたいって思ってるのだ。

もちろん、こんなことは、どんなに科学が発達してもアリエナイザーなことで、1平方cmあたりに何百万トンもの重力が掛かってる大質量星なんかに行ったら、着いたトタンにスルメみたいにペチャンコになっちゃう。つーか、大質量星になんか、近づくことすらムリだってワケだ。だから、こんなことを言い出すと、これまたお得意の妄想モードになっちゃうけど、酸素もなけりゃ音も聞こえない宇宙空間で、「銀河鉄道999」が、平然と煙を上げながら「ポッポーッ!」って汽笛を鳴らしてられるのは、「時間は夢を裏切らない、夢も時間を裏切ってはならない」っていうアニメの世界の話だからだ。現実の宇宙は、アニメの世界よりも遥かに厳しい世界なのだ。

誰がどんな計算で出したのかは知らないけど、大宇宙には、2000億個以上もの銀河系があるって言われてる。そして、1つの銀河系の中には、約2000億個の星がある。つまり、大宇宙には、2000億×2000億個の星があるワケで、その数えきれないほどの星の中のパッとしない小質量星の1つである地球に住んでる上に、その地球の自然を破壊し続けてる虫歯菌みたいなあたしたち人間が、他の星に行って、そこで暮らすなんて、やっぱり、アニメの世界だけの話だってことだ。

ふと現実に戻って、何でこんな話題を書いてるのかって言うと、今週のNHKの「高校講座 地学」の深夜の再放送が、第7回の「星が死を迎える時」だったからだ。星座を見るのが大好きなあたしとしては、第1編の「宇宙の進化」が楽しくて、もう3回目だってのに、まだ毎週楽しみに観てる。鈴木文二先生と平野麻樹子ちゃんとのやりとりは、ワリとマジメで笑いどこが少ないけど、そのぶん、興味深い内容だから楽しめる。あたしが書いた星の核融合のことも、番組では、ちゃんとした図で説明しててすごく分かりやすいから、まだ観てない人は、最後にリンクしとくので、番組のホームページで観てみて欲しい。

‥‥そんなワケで、タマにはこうして宇宙のことを考えてみると、こんな小さな星ひとつも大切にすることができない人間の愚かさ、こんな小さな星の中の小さな島国ひとつも美しい姿のまま後世へ渡すことのできない人間の愚かさが、すごくよく分かると思う。地球の寿命は、まだ何十億年もあるってのに、地球の長い歴史の中で、ほんのマバタキくらいの時間、地上に現われた人間が、すべての化石燃料を使い果たし、すべての森林を伐採し尽くし、何万種もの生き物たちを絶滅させた挙句に、仲間同士で殺し合いまでしてるんだから、もう、どうしようもない。人間なんて、地球から見たら、ホントに「美しい歯をボロボロにする虫歯菌」みたいな存在だと思う今日この頃なのだ。


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「第7回 星が死を迎える時」(番組を観ることができます)
http://www.nhk.or.jp/kokokoza/tv/chigaku/archive/chapter007.html

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