右を向いた三角形
ネットウヨクたちのヒーローにして21世紀の爆笑王、田母神のトシちゃんだけど、またまた「アパ」との濃厚な癒着が明らかになっちゃった。18日の防衛省の発表によると、石川県の航空自衛隊の「小松基地」が、基地周辺の民間宿舎を公費で借り上げてるんだけど、2003年以来、ずっと、全契約の4割近くがアパの物件だったんだって。
こうしたことって、普通は、平均的にやらなきゃなんない。たとえば、どこかのお役所が10台の車を購入することになったとしたら、トヨタ、ニッサン、ホンダ、ミツビシ、マツダ、スバル、スズキ、ダイハツ‥‥って、すべての国内メーカーから平均的に購入しなきゃなんない。細かいことを言うと、スズキはニッサンとくっついてるから、ニッサンの車を買えばスズキの車は買わなくてもOKとか、いろいろとあるんだけど、ようするに、1つのメーカーの車ばかりを買うのはダメってワケだ。
で、小松基地の周辺には十数軒の不動産会社があるし、アパの本社がある金沢市までエリアを広げると数十軒もの不動産会社がある。そして、これらの会社の物件の中から、小松基地の周辺で基地が必要としてる規模の物件だけをピックアップして、それを公平に割り算すると、アパの物件数は全体の1割以下、数パーセントになる。つまり、これが、何の根回しもなかった場合の公正な公費の使い方ってことなのだ。それなのに、実際には、小松基地が公費で借り上げてた全物件数の4割近くをアパの物件が独占してた上に、それが、2003年以来、6年間も続いてたのだ。
ちなみに、田母神のトシちゃんは、1998年から99年にかけて、第6航空団司令として、この小松基地のトップのイスに座ってた。そして、その時に、アパグループの元谷外志雄と知り合い、現在に至るまで公私混同のディープな癒着を続けて来た。こないだの国会の参考人招致でも、6月の平日に行われた元谷外志雄の出版記念パーティーに、公用車を使って平然と出席してたことを何の臆面もなく話してたから、田母神のトシちゃんの次元を超越した感覚だと、アパに協力することも「公務の一環」だって認識してたんだと思う今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、田母神のトシちゃんのトンデモ論文については、「日中関係史」を専門とする都留文科大の笠原十九司(とくし)教授は、「国際法の常識を知らない軍の上層部というのでは戦前と同じ。あまりにも酷すぎる。小学校から勉強し直した方がいい」って言ってるし、「近現代政治史」を専門とする山口大の纐纈(こうけつ)厚教授は、「根拠がなく一笑に付すしかない。レベルが低すぎる」って言ってる。
また、慶応大の小林節教授は、「民族派右翼の主張と同じであまりに稚拙」って切り捨ててるし、早大の水島朝穂教授は、「内容の酷さは言うまでもないが、最高幹部が底の抜けたような政治的発言をして300万円もの賞金をもらうのは資金援助に近い」って言及してる。他にも、数多くの有識者たちが揃って呆れ果ててる事実がすべて物語ってるから、あたしがここで繰り返す必要はないと思う。
あたしは、いつも言ってるように、人の考え方は人それぞれだから、世の中にはいろんな意見があっていいと思ってる。だから、田母神のトシちゃんみたいな考え方の人がいてもいいと思うし、それを論文に書いて発表するのも自由だと思ってる。「日本も核武装すべきだ」なんて言ってるキチガイにしたって、キチガイにはキチガイなりの考えがあるんだろうから、自由に発言すればいい。ただ、今回の場合は、それを「航空自衛隊のトップ」っていう立場でやったから問題なのであって、自衛隊を辞めてからやれば何も問題はなかったのだ。
だから、あたしは、この論文‥‥って言うか、あたしには小学生の「作文」にしか見えないんだけど、このお粗末な作文の内容に関しては、別に何も言うつもりはない。そんなことよりも、あたしが問題だと思ってるのは、田母神のトシちゃんとアパの元谷外志雄との関係であり、その背後で糸を引いてたアベシンゾーであり、すべてのシナリオを書いてたモリヨシローに関してだ。
‥‥そんなワケで、コイズミ政権下で、小松基地のトップの座にいた田母神のトシちゃんは、おんなじ考えを持つアパの元谷外志雄と仲良しになった。そして、2002年には、自衛隊の高級幹部を育成する「統合幕僚学校」の校長になり、勝手に「東京裁判」などをテーマにした講座を新設しちゃって、「東京裁判の本質」「東京裁判史観」「大東亜戦争史観」なんかの講義を一般課程に盛り込んじゃった。もちろん、これらは、田母神のトシちゃんが以前から繰り返して来た通りに、歴史的事実や現在の政府見解を否定する内容で、過去の過ちを反省して平和を目指すことを「反日」と呼び、他国を武力で制圧することを「愛国」と呼ぶ、時代錯誤のズレまくったものだった。それにしても、あたしたちの税金を使って、こんな北朝鮮みたいな洗脳教育が行なわれてたなんて、今さらながらに全身が脱力しちゃう。
で、ここまでも問題なんだけど、ここからがもっと問題なんだよね。コイズミ政権からアベ政権に変わったトタンに、アベシンゾーは、この田母神のトシちゃんを「第29代航空幕僚長」へと大抜擢しちゃったのだ。完全な確信犯だよね。自分は政治家だから、これまでの政府見解に反することは言えない。だから、自分とおんなじ考えを持った人間に自衛隊内での重要なポストを与えて、内部から少しずつ洗脳して勢力を拡大してこうってやり方。まるで、2・26事件みたいだ。
ちなみに、2月26日は、MAXのりっちゃんのお誕生日でもあるんだけど、そんなプチ情報も織り込みつつ、ここまでの流れで、ナニゲに全体像が見えて来たと思う。さらに、もっと分かりやすくするために、官房副長官時代のアベシンゾーの発言と、航空総隊司令官時代の田母神のトシちゃんの発言を比べてみよう。
アベシンゾー 「小型であれば原子爆弾の保有も使用も問題ない」
トシちゃん 「日本が絶対に核武装をしないと宣言するのは馬鹿げている」
アベシンゾー 「北朝鮮など核攻撃で焦土にしてペンペン草1本生えないようにしてやる」
トシちゃん 「中国に対抗するためには日本が自立した国となり核武装を行うことが必要」
‥‥う~ん、あまりにも「類は友を呼ぶ」って言うか、「同類、相憐れむ」って言うか、ホントに気の毒な人たちだと思うけど、あたしの個人的な感想は置いといて先へ進むと、この世紀末的なトシちゃんのお言葉は、アパの元谷外志雄が主催する「日本を語るワインの会」に何度も出席した中での発言だ。そして、元谷外志雄と言えば、アベシンゾーの後援会、「安晋会」の副会長だってことはオナジミだろう。
で、ここからは、2年ほど時計の針を戻して、アパが行なってた悪質な耐震偽装問題について振り返ってみる。昔から「きっこの日記」を読んでた人なら、すべての流れが分かってると思うけど、3年前に姉葉やヒューザーの耐震偽装問題が発覚して、その中で、イーホームズの藤田東吾社長(当時)が、「アパのマンションにも耐震偽装がある」ってことを告発した。そしたら、藤田社長は、意味不明な別件逮捕で身柄を拘束されちゃって、長いこと自由を奪われた上に、会社も潰されちゃった。それで、藤田社長は、身柄が自由になってから、命を懸けてアパを告発した。それが、2006年10月17日の日記、「こんな国など信じられるか!」で公開したプレスリリースだ。
そしたら、元谷外志雄は、アパのホームページ上に、この藤田社長のリリースの内容を「事実無根」であり、藤田社長を「名誉毀損での訴えを検討中」だってコメントした。それを受けて、藤田社長は、次のコメントを出した。
アパグループ 元谷外志雄代表殿、元谷芙美子殿
貴殿らは、私に対して、名誉毀損での訴えを検討中と貴社のHPにて掲げております。
もし、あなた達に真実があると確信しているのなら、どうぞ訴えて下さい。
私は、あなた達を通じて、今の日本が抱える闇を暴くために既に覚悟を決めております。
戦う気があるなら、今すぐにでも訴えなさい。
現実に、事業規模200億円に到るアパガーデン若葉駅前の物件が半年を越えて工事が停止している現状を前にして、あなた達がどういう理由で私を訴えるのか楽しみに待っています。
平成十八年十月十九日
藤田東吾
‥‥そんなワケで、ここから先は、誰もが記憶に新しいと思うけど、藤田社長が名指しした物件を始めとして、アパの数々のホテルの耐震偽装までもが発覚しちゃって、元谷外志雄と元谷芙美子は、夫婦揃って謝罪会見をひらくことになったってワケだ。そして、厚化粧のアイラインがドロドロと流れた元谷芙美子の黒い涙で、全国民が食欲をなくしたって言うのに、あの酷い謝罪会見に対して、みのもんたは「潔い!」って持ち上げて、アベシンゾーの親友の塩崎恭久官房長官(当時)は、こともあろうに「アパは立派だ!」ってコメントして、自民党を挙げてのアパ擁護を繰り広げて、全国民をダッフンさせたよね。
これで良く分かったと思うけど、コイズミ政権からアベ政権へと移行した流れの中で、耐震偽装問題と自衛隊の問題も大きく変化したってことだ。そこには、アベシンゾーを頂点として、アパの元谷外志雄と自衛隊の航空幕僚長の田母神のトシちゃんとを結ぶミゴトな正三角形が作られてたってことだ。そして、この正三角形を描いたのが、これまた元谷外志雄とベッタリ癒着してるモリヨシローだったってことだ。この3人は、全員が田母神作文を支持する思想の持ち主で、新しい捏造教科書を作り、この国を核武装して、「戦争のできる美しい国」にしようとモクロむ過激なメンバーだ。
繰り返すけど、あたしは、誰がどんな思想を持とうとも、それは自由だと思う。だから、民間の企業であるアパの元谷外志雄が、何を考えようがどんな本を出版しようが、もちろん自由だと思ってる。所詮は、ネットウヨクに毛が生えたようなもんなんだから、好きにしてればいいと思う。だけど、アベシンゾーや田母神のトシちゃんは民間人じゃない。そして、田母神のトシちゃんは、フロッピー麻生に「極めて不適切だ」って言われてクビになった。フロッピー麻生は「いくら日本に言論の自由があるといっても、政府見解に反する自論を持っているのなら任に就くべきではない」って言った。そりゃそうだろう。
‥‥そんなワケで、あたしは、田母神作文の内容に関しては触れるつもりもないし、その内容とおんなじことをノタマッてる人たちに関しても、それが民間人であれば、まったく触れるつもりはない。誰が何を考えようと自由だからだ。だけど、仮にもこの国の総理大臣が、その在任期間中に、政府見解をまっこうから否定する偏向的な思想に基づいて、自分の権限で航空幕僚長を選び、自衛隊内に自分の思想を蔓延させ、民間企業のパトロンを利用して勢力拡大に奔走したという事実は、徹底的に追及されるべき大問題だと思う。田母神のトシちゃんが事実上更迭されたのに、そのトシちゃんを操ってたアベシンゾーが何のオトガメもないなんて、こんなおかしな話はない。最低でも、航空幕僚長への任命責任を問うべきだ。何しろ、田母神のトシちゃんに航空幕僚長への内辞を出したのが2007年1月で、アベシンゾーが感慨深そうな顔で「私は今、この国の権力の頂点にいる!」ってノタマッたのが翌月の2月なんだから、アベシンゾーとしては、自衛隊のトップに自分とおんなじ思想の人間を配置して、いよいよ大好きな戦争ができるってことで、嬉しくて嬉しくて有頂天だったんだろう。ま、この辺のことを時系列で見れば、アベシンゾーの責任がどれほど重いかってことくらい、漢字も読めない総理大臣にも分かると思う今日この頃なのだ。
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