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2008.12.02

人を裁くということ

つい、こないだ、2008年になったばかりだと思ってたら、もう今日から12月なの?‥‥って感じでスタートした師走だけど、まずは、あたしとおんなじ秘密結社「J」のメンバーたちへの連絡事項、今日、12月2日(火)は、夜8時から、bay FM の「ON8」を絶対にお聴き逃しなく~♪‥‥ってことで、いくら12月に入ったからって、やっぱり「来年のことを言うと鬼が笑う」ってワケで、あたし的には、どうして鬼を笑わせちゃいけないのかが分かんない。つーか、いっつも恐い顔をしてる鬼を笑わせてあげるんだから、逆に感謝して欲しいくらいだし、「笑う門には福来たる」って言葉もあるように、怒ってるよりは笑ってるほうがいいだろう。

で、鬼に笑ってもらうために来年のことを言うけど、来年の5月から、有無を言わさずに始まっちゃうのが「裁判員制度」だ。ちなみに、「有無」は、「ゆうむ」じゃなくて「うむ」って読むので、そこでマンガ読みながら鼻クソをほじくってる太郎くん、よく聞いときなさいね!ちゃんと聞いとかないと、大人になってから恥をかくわよ!‥‥なんてのも織り込みつつ、車を運転しながらラジオを聴いてたら、この裁判員制度がとにかく不評で、裁判員に選ばれたのに辞退したがる人が続出してるらしい。来年の裁判員候補者に通知を開始したトタンに、専用コールセンターには、連日、800件から1000件もの問い合わせが相次いでるんだけど、そのうちの半分は、「どうしたら辞退できるのか?」っていう質問なんだそうだ。

そりゃそうだよね。法律の知識がまったくない一般市民を集めて、そこらの万引き事件くらいを裁かせるんならともかく、「死刑にするか無期懲役にするか」なんていう強盗殺人事件とかの凶悪事件を裁かせるってんだから、言い換えれば、車の免許を持ってない人に、F1を運転させて時速350キロでサーキットを走らせるようなもんだ。テレビのニュースでも、通知が届いたっていう65才のおばちゃんのコメントを流してたけど、「法律のことなんか何も知らないのに、どうしたらいいのか分からない。それなのに正当な理由がないと辞退できないだなんて、本当に困っている」って言ってた今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、あたしは、最初に言っとくけど、今回の「裁判員制度」には、賛成でも反対でもない。ただ、ひとつだけ言わせて欲しいのは、国民のほうから望んで始まった制度じゃなくて、国のほうから一方的に押しつけて来た制度なんだから、最低でも「やりたくない人は自由に辞退できる」ってことにしないとおかしいんじゃないの?‥‥ってことだ。そして、百歩ゆずっても、もしも強制するんであれば、「辞退できるケース」を明確にすべきなんじゃないの?‥‥ってことだ。

だって、あたしは、ラジオで「裁判員制度」の説明をしてるのを聴いて呆れ果てたんだけど、この「辞退できるケース」ってのが、あまりにもデタラメなのだ。ラジオでは、当局が発表した「辞退できるケース」「辞退できないケース」ってのを挙げてたんだけど、どれもアヤフヤで、キチンとした線引きがない。たとえば、「入院中」なら辞退できるけど「通院中」は辞退できない‥‥って言っておきながら、「通院中」でも、辞退できるケースもあるって言う。それなのに、それが明確じゃなくて、「これこれなら辞退できると思うけど、もしかするとダメかもしれない」なんて言ってるのだ。

でもまあ、こんなのは別にいい。あたしが、自分の耳を疑ったのは、「ナンバー1のキャバクラ嬢は辞退できる」ってのだ。その理由は、「ナンバー1のキャバクラ嬢が休むと、お店に大きな損害を与えるから」ってもので、まあ、それは理解できる。あたしがぶっ飛んだのは、「これはあくまでもナンバー1のキャバクラ嬢だけで、ナンバー2以下は辞退できない」って部分だ。なんじゃこりゃ?

だって、ナンバー1のキャバクラ嬢が辞退できる理由が、「お店に大きな損害を与えるから」って言うんなら、ナンバー2やナンバー3がお店をお休みしたって、それなりに損害を与えるだろう。たとえば、そのお店のナンバー1の売り上げが月に500万円で、ナンバー2の売り上げが490万円だったとしたら、ほとんど変わらないじゃん。それなのに、ナンバー1は辞退できるのに、ナンバー2は辞退できないだなんて、これほどおかしな話はない。

五反田のキャバクラ「エヴァンゲリオン」の場合なら、ナンバー1のレイちゃんと、ナンバー2のアスカちゃんが、このお店の2枚看板で、毎月のようにナンバー1とナンバー2とを争ってる。だから、先月はレイちゃんがナンバー1だったけど、今月はアスカちゃんのほうがナンバー1になるかもしれない。そして、もしも来年の6月に裁判の呼び出しがあったとしたら、ナンバー3のミサトが、6月がお誕生日だから、この月だけはたくさんのお客から指名されて、ナンバー1になるかもしれない。こんな状況なのに、レイちゃんが、「あたしはナンバー1だから辞退します」なんて言って、それでOKなワケ? あまりにもデタラメだと思うんだけど。

つーか、もっと基本的なこととして、仮に、ナンバー2のキャバクラ嬢が、正直に裁判に参加したとする。そして、強盗殺人事件の裁判を担当させられたとする。で、このキャバクラ嬢以外の裁判員たちの意見が、死刑と無期懲役とで半々に分かれてて、あとは、このキャバクラ嬢の判断でどっちかに決まるって状況になった時に、「めんどくさいしぃ~~よく分かんないからぁ~~このサイコロを振ってぇ~~偶数が出たら死刑にしてぇ~~奇数が出たら無期懲役にするぅ~~」って言い出して、サイコロで偶数が出たらどうすんだろう? いくら凶悪犯罪者だとは言え、それなりの人権はあるワケで、こんなことで簡単に死刑になっちゃってもいいんだろうか?

もちろん、他の裁判員や、プロの裁判官のいる場所で、実際にこんなセリフを言ったり、サイコロを振ったりしたら、とがめられるだろう。だけど、法律のことも何も分からない一般市民が、どっちを選んだらいいのかぜんぜん分からない状況に置かれたら、口には出さなくても、頭の中で、何らかのサイコロを振るんじゃないだろうか? たとえば、決断を迫られてるのに、どうしても自分の意思じゃ決められなかった場合に、ケータイをパッと開いて、画面に表示されてた時間が偶数だったら死刑、奇数だったら無期懲役‥‥とか。

‥‥そんなワケで、今のニポンでは、約85%の人が死刑に賛成してて、残りの約15%の人が死刑に反対してる。もちろん、これは、「条件つきで賛成」とか「条件つきで反対」とかの人たちも入ってるので、100人のうち85人が無条件で死刑を支持してるワケじゃないけど、とにかく、こんな感じの割合になってる。そして、あたしが言いたいのは、「死刑は絶対に反対」っていう人たちのことだ。これは、全体の10%にも満たないんだけど、それでも、そういう考えの人たちがいることは事実だ。

たとえば、小学生の女の子を2人誘拐して、性的なイタズラをした挙句に、2人とも殺した事件があったとする。そして、この事件の裁判では、あまりにも悪質だってことで、裁判員の過半数が死刑を支持して、この犯人は死刑が確定したとする。で、この事件とまったくおんなじに、小学生の女の子を次々と誘拐して、ぜんぶで20人もの女の子を惨殺した事件があったとする。普通に考えたら、どう見たって死刑だよね。でも、この裁判で集めた裁判員が、偶然にも、全員が「死刑は絶対に反対」っていう思想の人たちだったとする。そしたら、2人殺した犯人は死刑なのに、20人殺した犯人は無期懲役になっちゃうじゃん。

これは極端な例だけど、とにかく、「死刑は絶対に反対」っていう思想の人の場合は、その事件の内容を個別に判断するとか、情状面を審議するとか、そんなことは関係なく、大前提として「死刑はナシ」って考え方があるワケだ。つまりは、その事件の内容だけじゃなく、現在のニポンの法律も、過去の判例も、すべてを無視して、自分の中だけにある自分の法律をベースにして裁くワケだから、ものすごく偏った結果になっちゃう。

死刑になるか無期懲役で助かるかっていうギリギリのラインにいる被告のほうにしたって、たまたま選ばれた裁判員が、死刑賛成派が多いか死刑反対派が多いかによって、自分の命が決まっちゃうワケだ。自分の犯した犯罪の内容を審議されるんじゃなくて、どんな考え方の裁判員に当たるかってことで刑が決まるちゃうんだから、まるでギャンブルだ。ホントに、こんなことでいいんだろうか?

‥‥そんなワケで、あたしは、現在は死刑があるんだから、最低でも、死刑に賛成してる人だけを裁判員に選ぶべきだと思う。そうすれば、「死刑もありうる」っていうところから審議を始められるワケで、あくまでも個々の犯罪の内容によって、どんな刑が妥当なのかを話し合って行けるからだ。逆に、「死刑は絶対に反対」っていう思想の人を裁判員にしちゃったら、たとえ100人を無差別に虐殺したテロリストを裁く場合でも、現行の法律を無視して、「最高刑は無期懲役」ってとこからスタートしちゃう。これじゃあ、とても公平な裁判は望めない。

死刑廃止論者にも、それぞれの主張があるんだろうし、ヨソの国が死刑を廃止するのも、国連が死刑廃止の方向へ動くのも、それぞれの理由がある。だから、そうしたことは自由に主張すればいい。だけど、今のニポンには死刑制度があって、その上であたしたちは生きてる。だから、今のニポンで凶悪犯罪を犯したら、「死刑もありうる」っていうところから審議を始めなきゃならない。

死刑廃止論者って、往々にして現行の裁判を利用して自分たちの主張をアピールしようとする。そして、そのために、鬼畜のような凶悪犯に惨殺された、何の罪もない被害者のご遺族たちが、何年も何年も苦しむことになる。あたしは、誰がどんな主張をするのも自由だと思うけど、死刑廃止論者が現行の裁判を利用することだけはルール違反だと思う。だって、一見、人権を大切にしてるような顔をしてるクセに、やってることは多くの人を苦しめてるからだ。これじゃあ、航空幕僚長の肩書きを悪用して、自衛隊内部の洗脳を続けて来たクルクルパーと、やってることはおんなじだ。

‥‥そんなワケで、あたしは、今回の「裁判員制度」に対して、賛成でも反対でもないって言ったけど、それは、キチンとした人選ができるんなら「賛成」だし、テキトーな人選しかできないのなら「反対」って意味だ。だから、今の人選だと、「反対」ってことになる。だって、本来は無期懲役が妥当な被告が、キャバクラのナンバー2のおねえちゃんの気まぐれで死刑にされちゃったり、本来は死刑になって当然の凶悪犯が、裁判を自己主張の場に利用する死刑廃止論者によって無期懲役にされちゃう恐れがあるからだ。つまりは、公平な裁判が行われなくなる可能性が大きすぎるってワケで、実際に、「法律のことなんか何も知らないのに、どうしたらいいのか分からない」って困惑してるおばちゃんのとこにも通知が届いてるんだから、とてもキチンとした人選が行なわれてるとは思えない。だから、あたしは、こんなデタラメな裁判員制度なんかを導入するよりも、高知県警の捏造したデタラメな証拠や証言だけを採用して、無実の市民に濡れ衣を着せて刑務所送りにした、高松高等裁判所の柴田秀樹裁判長のようなオッペケペーを一瞬で懲戒免職できるような制度こそを作って欲しいと思う今日この頃なのだ。


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