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2008.12.27

フランク・ザッパな日々

今日は、まず1通のメールを紹介する。


お名前:て―坊
コメント:きっこさん、初めまして。福岡県の南の方にすんでおります、て―坊と申します。1番上は17才、下は2才の 女の子3人、男の子2人の母ちゃんです。きっこさんのblogは、倒錯(盗作)芸術家(あんまり酷いので、名前も覚えていません)の辺りから、頻繁に読むようになりました。多分、私がきっこさんにメールを送るなんて事は一生無いだろうなと思っていました。(きっこさんにメールしたくないというのではなくて、コレはどうしてもきっこさんに話さなくては!!と思うようなことは起こらないだろうという意味です)で、いったいどんな事かと申しますと、、、、いつもきっこさんが「フランク・ザッパ」と書いている言葉がありますよね。私は、あれは、「フランク」と、「大雑把」を抱き合わせて、きっこさんが作った造語だと26日の朝まで思っていました。ずっと前に観た映画「クロスロード」が気になって気になって、とうとうアマゾンで注文して、子ども達へのクリスマスプレゼント(私が観たいのに変ですね)にしたのです。案の定、上2人の子どもは気になって私と一緒に観ました。すると、そこに出てくる若かりしSteve Vai が、気になってしまいWikiで検索を掛けて読んでいたら「フランク・ザッパ」という言葉が。ええ~!実在した人の名前だったんだ。と初めて分かったのでした。ギター好きのきっこさんなので、きっとSteve Vaiもご存知かと思います。映画「クロスロード」も、知っているかしら?20ン年前なので、多分きっこさんが小、中学生位の時です。観ていなかったら、一度観てみてくださいませ。最後のギターバトルは、かっこいいです。これから、ますます寒くなります。以前ケガをした所が痛んだりしていませんか?いろいろ大変かと思いますが、ご自分の体も大事になさってくださいませ。良いお年をお迎えください。


て―坊さん、どうもありがとうございます♪ あたしが総理大臣になったアカツキには、あなたを「少子化担当大臣」に任命しますので、これからもハンザツに‥‥じゃなくて、ヒンパンに読みに来てくださいね‥‥ってことで、何でこのメールを紹介したのかっていうと、他の人からも今までに何通も「フランク・ザッパって『フランクで大雑把』という意味ですよね?」ってメールが届いてたからだ。それで、てー坊さんのメールを紹介させていただいた今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、あたしより年上の人なら、ほとんどの人が「ディープパープル」を知ってると思うし、あたしより若い人でも、音楽が好きなら、「ディープパープル」って名前くらいは知ってると思う。ニポンでの知名度としては、ビートルズやストーンズを10とすると、きっと9くらいだと思う。そして、「ディープパープル」を知ってる人なら、ほとんどの人が「スモーク・オン・ザ・ウォーター」を知ってると思うし、代表曲の1つにあげると思う。詳しいリリックまでは知らなくても、「ジャッ、ジャッ、ジャーッ、ジャッ、ジャッ、ジャジャーッ」ってギターと、「スモ~~~クオンザウォ~~タ~~ホニャホニャララ~~♪」ってとこくらいは知ってると思う。ようするに、「歌詞の内容までは知らないけど、曲だけは知ってる」って人がいっぱいいると思う。

で、この曲のタイトルの「スモーク・オン・ザ・ウォーター」ってのは、直訳すれば「水の上の煙」ってことで、ここまでは誰でも分かると思うけど、この「水」が何の水なのか、この「煙」が何の煙なのか‥‥ってことまでは、あんまり知ってる人はいない。そこで、フランク・ザッパに説明しちゃうけど、この「水」ってのは、スイスのレマン湖のことで、この「煙」ってのは、フランク・ザッパのライブ会場が燃えてる煙なのだ。

1971年、あたしが生まれる1年前のこと、「フランク・ザッパ&マザーズ」は、スイスのレマン湖のほとりのカジノホテルでライブをやってた。そこで、コーフンした熱狂的なファンが、上に向けて「フレアガン(花火銃)」を発射しちゃった。たぶん、ロケット花火が飛び出すみたいなヤツだと思うんだけど、それで天井に火がついて、またたく間に燃え広がり、会場は全焼しちゃって、フランク・ザッパのバンドの機材とかもぜんぶ燃えちゃった。そして、たまたまレコーディングのためにモントルーに来てて、レマン湖越しにこの様子を見てたのが、ディープパープルのイアン・ギランだったってワケで、こんなリリックが出来上がったってワケだ。


「Smoke on the water」

We all came out to montreux
On the lake geneva shoreline
To make records with a mobile
We didn't have much time
Frank Zappa and the Mothers
Were at the best place around
But some stupid with a flare gun
Burned the place to the ground
Smoke on the water, fire in the sky


ちなみに、「lake geneva (レイク・ジュネーヴ)」ってのは、「レマン湖」の別名だ。それから、このリリックには「To make records with a mobile」って書いてあるから、「移動式のレコーディングスタジオ」ってことで、大きなトラックの中がスタジオになってるみたいなヤツなのかもしれない。で、恒礼の「きっこ訳」は、文字数は無視して、雰囲気に重点を置いてみた。


「湖面の上の煙」(きっこ訳)

俺たちゃモントルーにやって来た
なんたってレマン湖のほとりだぜ
「オ」じゃなくて「レ」だから間違えんなよな(笑)
何しに来たのかって?
そりゃあ移動式スタジオでレコーディングするためさ
ロックスターの俺たちにゃ時間がないからな
そしたらよ、フランク・ザッパとマザーズがライブをやってたから
ノリノリで眺めてたら
どっかのバカが花火の銃をぶっ放しやがって
アッと言う間に会場は火の海さ
湖面の上には煙が広がり、炎は空へと立ち上ったぜ


‥‥そんなワケで、カンジンの「flare gun」については、単なる「銃」だって言ってる人もいれば、「火炎放射器」だって言ってる人もいるけど、その時、会場で見てたイアン・ギラン本人は、「照明弾」だって証言してる。夜、自分たちの位置を知らせるために空に撃つアレだ。だけど、別の目撃証言では、お祭りの時とかに使う花火の玉が飛ぶ「花火の銃」だって言ってる人もいる。ま、どっちにしても、ライブ会場で「火炎放射器」なんて使うファンはいないと思うから、「照明弾」とか「花火の銃」とかによる「事故」だったんだと思う。

で、「こりゃあ大変なことになった!」とライブ会場から逃げ出したイアン・ギランは、レマン湖の対岸にある自分のホテルへと戻って来た。そして、そのホテルの窓から見た光景が、「Smoke on the water, fire in the sky」だったってワケだ。だから、ライブをメチャクチャにされた上に、高価で大切な機材がぜんぶ燃えちゃったフランク・ザッパは「ツキ」に見放されてたってことで、その様子を歌にして大ヒットしちゃったイアン・ギランは「ツキ」に恵まれてたってことになる。

だけど、フランク・ザッパの災難は、こんなもんじゃなかった。この火事のすぐあとに行なったロンドンのライブで、ホントの災難が待ち構えてたのだ。これもコーフンした熱狂的なファンが原因なんだけど、今度はファンがステージに乱入しちゃって、演奏中のフランク・ザッパを高いステージから突き落としちゃったのだ。フランク・ザッパは、全身を複雑骨折して、一時は命も危ぶまれるほどの重症を負った。これほど災難が続き、完全に「ツキ」に見放されたからこそ、自分の娘に「ムーン」て名前をつけたのかもしれない‥‥なんてことも言ってみつつ、ここで、あたしは、あることに気づいた。

それは、去年の4月のあたしの転落事故だ。皆さんご存知の通り、て―坊さんも心配してくださってるように、あたしは、去年の4月の終わりに歩道橋の階段から落っこちて、ものすごい大ケガをして、8ヶ月もお仕事ができなくなった。もちろん、全身を複雑骨折したフランク・ザッパよりは軽いけど、あまりの痛さで寝返りを打つこともできず、ずいぶん苦しんだ。だけど、ホントに苦しかったのは、体の痛みよりも、お仕事の面での痛みだった。あたしは、本職のヘアメークのお仕事がすべてできなくなり、何本ものレギュラーを失った。これはホントに痛かった。

フランク・ザッパも、この事故により、大切なバンド、マザーズが解散することになっちゃって、大好きだったライブもできなくなった。ま、不屈のアイデアマンのフランク・ザッパだから、この事故を契機にスタジオでの音作りの方向へとシフトして、もっとスゴイ作品を生み出すようになったんだけど、とにかく、「高いとこから落ちて、大ケガをして、自分のお仕事ができなくなる」って流れは、あたしもフランク・ザッパとおんなじだったのだ。

それで、気になって、去年の4月の日記をサラッと読み直してみたら、ナナナナナント! 4月14日の日記、「Born To Be Wild」で、あたしは、フランク・ザッパのことを書いてたのだ! それも、エリオット・イングバーのことを取り上げて、そこからの流れで、「このエリオット・イングバーは、これまたあたしの大好きなフランク・ザッパのマザーズ・オブ・インベンションに参加してたことでも、あたし的にはオナジミだ。」って書いてた。

フランク・ザッパに関しては、「フランク・ザッパに言えば~」っていう「大雑把」の意味ではハンザツに‥‥じゃなくて、ヒンパンに使うあたしだけど、ミュージシャンとしてちゃんと取り上げることは少ないから、この4月14日の日記は珍しい。そして、この日記を書いた2週間後に、あたしは、フランク・ザッパとおんなじように、高いとこから落ちて、大ケガをして、自分のお仕事ができなくなったってワケだ。どう考えても単なる偶然だと思うけど、何だかイヤな感じがした。それで、「日記内を検索」で調べてみたら、事故から2ヶ月後の6月17日の日記、「さよならテレキャス」にも、こんな記述があった。

「‥‥そんなワケで、あたしの好きなギブソンのSGは、「AC/DC」のアンガス・ヤングの他にも、「THE WHO」のピート・タウンゼントとか、フランク・ザッパとか、あたしの大好きな人たちが使ってた。何で「使ってた」って過去形なのかって言うと、ピート・タウンゼントは最近は使ってないみたいだし、フランク・ザッパは故人だからだ。」

この日の日記は、タイトルからも分かるように、お仕事ができなくなって生活費に困ったために、ずっと大切にして来たテレキャスを売りに出した‥‥ってことを書いてる。とにかく、あまりにも足が痛くて、ぜんぜん治る感じがしなくて、精神的にもまいってて、気が弱くなってた時期だから、大切なものを手放してでもお金を作ろうと思ったんだよね。だから、「この日記を書いた2週間後に災いが訪れた」ってことじゃなくて、この日記を書いてた時が、すでに災いの真っ只中にいたってことになる。

だけど、あたしの足は治ったし、失ったお仕事も3割くらいは戻って来たし、売ったテレキャスはミラクルが起こって戻って来た。そして、何と言っても、長年の夢だった母さんの手術費用が貯まったし、愛するMAXに美奈子が戻って来た。つまり、日記にフランク・ザッパのことを書いても、災いが起こるどころか、いいことしか起こらなくなったってワケだ。だから、何の躊躇もなく書いちゃうけど、て―坊さんのメールにあるスティーブ・ヴァイは、フランク・ザッパがすごく可愛がってた弟子の1人だ。グラハム・ボネットとかデヴィッド・リー・ロスなんかとも一緒にやってたけど、基本はフランク・ザッパの弟子なので、フランク・ザッパ亡き今も、息子のドゥイージル・ザッパと一緒に活動してて、今年の1月には、一緒に来日公演も果たしてる。

で、てー坊さんの言ってる「クロスロード」って映画だけど、これは、「ベストキッド」で空手をやってたラルフ・マッチオ少年が主人公のユジーン君を演じてる映画だ。ユジーン君は、もともとは音楽学校でクラシックギターを勉強してたんだけど、クラシックよりもブルースに魅力を感じて、どんどん変な方向へ話が進んじゃって、最後には他人の身代わりで「ギター対決」をすることになっちゃう。それで、スティーブ・ヴァイと対決するんだけど、ブルースを追い求めてたハズのストーリーだったのに、スティーブ・ヴァイは、当時の流行のタッピング(ライトハンド奏法)とか多用して、ナゼかヘビメタ風味(笑)

そして、対するユジーン君は、テレキャスにボトルネックっていう一応はブルーススタイルなんだけど、相手のリフを繰り返すギター対決だから、ボトルネックでヘビメタっぽいリフを弾く。でも、実際に弾いてるのは、この映画の音楽を監修したライ・クーダーで、ラルフ・マッチオ少年は「弾いてる演技」をしてるだけだから、音はメッチャいい。あたしの大好きなテレキャスの音がちゃんと出てて、もう、たまんない。ストーリー的には、テクニックが上のスティーブ・ヴァイが勝った‥‥と思ったのもトコノマ、ユジーン君が、クラシックの学校で習ったパガニーニの「24のカプリース」の5番を弾き始める。お店に集まってた黒人たちは、ブルースは大好きだけどクラシックなんて聴いたこともない。それで、大ウケしちゃう。で、「なにくそ!」とスティーブ・ヴァイも一瞬で耳コピしたその曲を弾き始めるんだけど、上手く弾けずに負けちゃう‥‥っていう、アリエナイザーな部分とアリエールな部分がチャンプルーされたストーリーだ。

‥‥そんなワケで、痒いとこに猫の手が届く「きっこの日記」としては、最後のこの「ギター対決」のシーンをリンクしておくけど、偉大なるフランク・ザッパの弟子であるスティーブ・ヴァイの若き日の勇姿を楽しむとともに、ライ・クーダーがコッソリと弾いてるテレキャスの音を楽しんで欲しいと思う。そして、ちょっとでも興味を持てたら、フランク・ザッパが残した数々の芸術にも耳を傾けてみて欲しいと思う今日この頃なのだ。


「ギター対決」


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