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2008.12.25

食べ物を捨て続ける国

今、世界では、毎年、約1300万人の人が餓死してるって言われてる。でも、これは、あくまでも「日本国際飢餓対策機構」のデータによるもので、別の調査機関によると、「アフリカだけで年間に約1900万人の人が餓死し続けている」ってデータもある。だから、正確なことは分からないけど、複数の機関のデータの平均値をとると、最低でも年間に1500万人以上の人が餓死してると思われる。年間に1500万人てことは、1日あたり4万人以上ってことで、1時間に1700人、1分間に28人てことだ。つまり、2秒に1人ずつ、世界のどこかで餓死してる人がいるってことになる。そして、何よりもつらいのが、このうちの4人に3人が、5才未満の子供たちだってことだ。

せっかく命を授かって生まれて来た子供が、病気や事故や戦争で死んでしまうのもかわいそうだけど、食べるものがなくて飢え死にしてるなんて、これほどかわいそうなことがあるだろうか。そして、そんな子供たちが、世界中に数えきれないほどいて、クリスマスイブの今日も、今、この瞬間も、2秒に1人ずつ、世界のどこかで餓死し続けているなんて、おんなじ地球に一歩先に生まれた大人の1人として、言葉にならないほどつらい。それは、単に「かわいそう」っていう気持ちだけじゃなくて、莫大な量の食べ物を捨て続けてるニポン人としての「申し訳ない」っていう気持ちがあるからだ。

ニポンでは、年間に約7000万トンの食べ物が消費されてるんだけど、このうちの3分の1以上にあたる約2500万トンは、ゴミとして捨てられてる。これは、他の国々と比較すると異常な割合で、ニポンは世界一の「食べ物をムダにしてる国」なのだ。ニポン人が捨て続けてる食べ物は、年間にすると100億人ぶん以上の量になり、365日で割り算すると、毎日3000万人ぶんの食べ物を捨ててることになる。つまり、ニポン人が捨ててる食べ物だけで、世界中で餓死してる1500万人の人たち全員に、1日に2食、毎日ずっと食べ物を与えることができると思う今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、現実的には、ニポン人が捨て続けてる某大な量の食べ物を世界中の困ってる人たちのとこへ運ぶなんてムリだし、実際に運ぶとなると、その食べ物の何倍ものお金が掛かる。だから、あたしは、そんなことしろとは言ってない。ただ、年に一度のクリスマスなんだから、あたしたちが毎日ムダにしてる食べ物の量と、世界中で餓死してる人たちを救える食べ物の量とがおんなじ量だってことを漠然としたイメージだけでいいから想像してみて欲しいと思っただけだ。だって、クリスマスって、そういうことを考えるための日だからだ。

みんな普通だと思ってゴミを捨ててるんだと思うけど、あたしたちニポン人て、他の国の人たちと比べると、食べ物に限らず、信じられないほど大量のゴミを捨て続けてる。書籍版の「きっこの日記 R」でも言及したけど、ニポンには、1840基ものゴミ焼却炉がある。これは、全世界にあるゴミ焼却炉の7割にもあたる数で、これらが連日稼働し続けてるんだから、ニポン人の出すゴミの量が尋常じゃないってことが分かると思う。

ちなみに、他の国のゴミ焼却炉の数は、アメリカが150基、ヨーロッパの国々はほとんどが100基以下だ。ニポンの2倍の人口のアメリカでさえ150基で間に合ってるんだし、人口が約8300万人のドイツでも、わずか49基しかない。それなら、このニポンだって、どんなに多くても100基もあれば十分だろう。それなのに、アメリカの12倍、ドイツの38倍もの数のゴミ焼却炉をこの狭い国土に林立させて、それらをフル稼働させてるのだ。

そして、「燃えるゴミ」だけでもこんなアリサマなのに、「燃えないゴミ」や「産廃」に至っては、もう最悪だ。何しろ、船に積み込んで沖へと運び、八丈島沖や高知沖の水深の深いエリアへと海洋投棄し続けてるんだから。その量は、毎年200万トン以上にも上る。これは、産廃の海洋投棄を禁止した「ロンドン条約」にも違反してるのに、ニポン政府は、長年ずっとトボケまくり、こうした海洋投棄を続けて来た。言うなれば、「空缶のポイ捨て」ならぬ、国家規模の「産廃のポイ捨て」ってワケだ。だから、八丈島沖や高知沖の深海の底には、何千万トンていう産廃の山ができてるって推測されてる。

‥‥そんなワケで、多くの先進国は、30年も前から、地球の環境問題と真剣に取り組み出して、「脱ゴミ焼却炉」の方向へと進み始めた。これは、「人間が出すゴミが環境を汚染しているのだから、それならゴミの量を減らすようにしよう」っていう、問題の根本原因を直視したマット―な考え方だ。たとえば、ドイツの場合なら、現在のゴミ焼却炉は49基だけど、過去には300基もあった。それがすべて稼働してたんだから、ドイツの人たちはそれだけのゴミを捨ててたってことになる。だけど、「このままじゃいけない!」って思ったドイツ政府は、国をあげてのゴミ削減運動を展開して、商品のムダなパッケージや包装をやめさせることから始めた。その結果、企業や商店、各家庭から出るゴミの量は7割以上も少なくなり、全国にあったゴミ焼却炉の数が6分の1でまかなえるようになったのだ。

だけど、ゴミ問題にしても原発にしても、常に世界の流れに逆行してる時代遅れのニポンの場合は、すべての問題に対応して来たのが「政官財の癒着」を大義としてる自民党だったから、どれもこれもおかしな方向へ行っちゃった。普通、人間の出すゴミによる環境破壊が問題視されたら、ドイツのように、まずはゴミの量を減らすように考えるのがマトモな行政なのに、ニポンの場合は、ゴミの量は減らさずに、全国に1840基もあるゴミ焼却炉をより強力なものへと交換し始めたのだ。これは、もちろん、各ゴミ焼却炉メーカーと各自治体とが癒着してるからで、ここにも官僚たちの天下りがあり、自民党議員たちが口利きのパイプ役を担ってる薄汚い世界がある。

つまり、税金を食い物にしてる守銭奴どもの頭には、問題を根本的に解決しようなんて考えはミジンもないってことだ。それどころか、こうして他の国の何十倍も出る異常な量のゴミを金儲けの手段にしてるんだから、「まずはゴミの量を減らそう」なんて考えるワケがない。だからこそ、自民党の議員たちだって、ゴミの削減にはまったく手をつけずに、自分たちと癒着してるメーカーに最新式のゴミ焼却炉を開発させて、それを税金で買い取り、まだ使える焼却炉を解体して大量の産廃を作り出してるってワケだ。

あたしの住んでる世田谷区でも、しばらく前から、ゴミの分別が変わった。今までは「燃えないゴミ」として出してたプラスティックやゴムなどが、今月からは「燃えるゴミ」として出さなきゃいけなくなった。これは、プラスティックやゴムを燃やしてもダイオキシンが出ないって謳い文句の最新式のゴミ焼却炉が導入されたからで、その裏では、ゴミを減らされたら困るっていう政府のスタンスがチラチラと垣間見える。これじゃあ、完全に本末転倒だ。

‥‥そんなワケで、すべての先進国は、「消費の拡大こそが国家の発展だ」っていう幻想を追いかけて、ここまで進んで来た。そして、地球の悲鳴が聞こえて来て、それが先進国のエゴだったってことに気づいた多くの国は、「ムダなゴミを生み出さないような政策」に転換した。だけど、ニポンの場合は、未だに方向を換えようとはしない。それは、この国の政権を握ってるのが、「政官財」の癒着の上に成り立ってる自民党だからだ。

政府が本気で環境のことを考えたら、最新式のゴミ焼却炉を導入するよりも先に、まずはゴミの削減に乗り出すだろう。だけど、ニポンの場合は、コンビニのお弁当のパッケージしかり、スーパーの精肉や鮮魚のトレイしかり、あたしたちの手元に来たらゴミになっちゃう「ムダな物」で成り立ってる企業がいっぱいある。そうした企業は、ゴミを製造して成り立ってるワケで、企業と癒着してる政党が政権を握ってる以上、そうした企業も守らなきゃなんないのだ。

賞味期限が近づいて来たら、まだ食べられるのに捨てられちゃうコンビニのお弁当にしても、ホントにムダを省こうとか、ホントにゴミを減らそうと思ったら、もっと少なめに作ればいいだけのことだ。でも、常に「多めに作って余ったら捨てる」っていうシステムこそがニポンを発展させて来たワケだし、そうした「ムダな部分」や「ゴミになる部分」にしがみついて成り立ってる企業がいっぱいあるワケだ。そして、そうした「ムダ」や「ゴミ」をナリワイにしてる企業を成長させて来たのが、国民よりも環境よりも癒着企業のことを優先してる自民党ってワケだ。

‥‥そんなワケで、ニポンの食糧自給率は、1960年代には80%もあったのに、現在は40%を割り込んでる。ようするに、60%以上を輸入に頼ってるワケで、自分の国の食べ物を自分の国で40%しか生産できないなんて、とても先進国とは言えないだろう。これは、世界主要12ヶ国の中では最低だし、さらには、他の国の食糧自給率はほとんどが上昇し続けてるのに、ニポンだけは下降し続けてる。だから、このまま行けば、今よりももっと酷くなることは明白だ。

だけど、マクラの部分で触れたように、ニポンでは、年間に約7000万トンの食べ物が消費されてて、このうちの3分の1以上にあたる約2500万トンがゴミとして捨てられてるのだ。一方では「60%も輸入しないと食べ物が足りない」と言っておきながら、もう一方では、全体の36%にもあたる2500万トンもの食べ物を捨ててるのだ。これって、おかしくない?

捨てられてる2500万トンの食べ物の内わけなんて分からないけど、国産のものと輸入したものが平均的に捨てられてるって仮定すれば、2500万トンのうちの60%にあたる1500万トンが輸入した食べ物ってことになる。そして、ワザワザ輸入しても食べずに捨てちゃうのなら、このぶんは最初から輸入しなけりゃいいってことになる。そうすると、ニポンで年間に消費される食べ物は5500万トンてことになり、計算すると食糧自給率は51%になる。さらには、国産で捨ててた1000万トンをムダにしなければ、そのぶんも輸入量を減らせるんだから、計算すると食糧自給率は62%になる。

ようするに、今とまったくおんなじに農業や漁業をやってても、ゴミとして捨ててる食べ物のムダを無くせば、それだけでニポンの食糧自給率は大幅にアップするってワケだ。もちろん、そんなに簡単にできることじゃないけど、あたしは、「ムダを省く」ってことは、すべての基本になることだと思う。たとえば、自民党の総理大臣て、誰でも口をひらけば「増税!」「増税!」って言うけど、民主党を始めとした野党が言ってるように、まずは「省庁のムダ遣いをなくす」ってことが大前提だろう。毎年毎年、何十億円もの赤字を垂れ流してるような天下りの受け皿をいくつもそのままにしといて、どのツラ下げて「増税」なんて言葉が言えるんだろう?

原発にしたって、こんな狭い島国に、ホントに55基も必要なのかってことだ。たとえば、全国に数えきれないほどあるジュースの自販機にしても、ほとんど人が通らないような場所でも、24時間、電気をつけっぱなしにしてる。そうした自販機をすべて「人が来た時にだけ点灯する感知式」のものに変えただけで、原発1つぶんの電気を節約することができるって言われてる。たとえば、東京や大阪を始めとした全国の大都市の繁華街で、毎晩ずっと光り続けてるネオンサインや電飾などをすべて廃止にしたら、原発3~4基ぶんの電気を節約することができるって言われてる。

こんなふうに、ムダに使ってる電気を節約して行けば、まだまだ電力消費量を減らせるワケで、たとえ「原発の全廃」がムリだとしても、あたしたちの現在の生活水準を下げずに、原発の数を半数以下にすることは十分に可能なのだ。つまり、政府は、「原発の推進」を叫ぶ前に、まずは「電気のムダ遣い」をやめさせることが先だってことだ。そして、できる限りの節電政策をした上で、初めて、必要最低限の原発を稼働させてくださいって頭を下げるのがスジだろう。

‥‥そんなワケで、未だに戦後の幻想から目が覚めない時代遅れの政府は、「定額給付金」なんていう2兆円のバラ撒きで「景気が回復する」なんて思い込んでる。これほど地球が泣き叫んでるのに、まだ国民にムダな消費をさせて、大量のゴミを出させようとしてる。確かに、国民がお金を使わなかったら景気は良くならないけど、景気なんてモノ自体が「生産と消費の自転車操業」が生み出した幻想なんだし、そんなことを繰り返して来た結果が今の地球温暖化だろう。それなのに、まだそんなことにも気づかずに、国民にムダな消費を煽るなんて、これほど学習能力の欠落した政府など、今の時代には必要ない。これからの政府は、「企業中心」の社会から「国民中心」の社会へと舵をきってくれるような政党に任せるべきだ。そして、これからの企業は「ムダな物は作らない」って理念、これからの消費者は「ムダな物は買わない」って理念を持たないと、世界のどこかで2秒に1人ずつ餓死してる子供たちに申し訳ないと思う今日この頃なのだ。


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