六ヶ所村、再処理工場で原因不明の異常発生
「六ヶ所村、再処理工場で原因不明の異常発生」(世田谷通信)
使用済み核燃料再処理工場(青森県六ヶ所村)の高レベル放射性廃棄物のガラス固化試験において、ガラス溶融炉をかき混ぜるための金属棒が動作不良を起こしていたが、内部の金属棒をビデオカメラで調査したところ、先端部が90度も曲がっていたことが判明した。また、曲がった先端部が炉内を傷つけた可能性もあり、炉の一部を解体しないと金属棒を抜き取ることも原因を調べることもできないという。昨年11月に始まったガラス固化試験は、これまでに別のトラブルで二度中断し、その後も一部の不具合が解消できないとして、今年11月に予定していた試運転完了時期を来年2月へと延期したばかりだったが、今回の異常でさらなる延期を余儀なくされた。原燃の鈴木和史報道部長は「どうしてこんなに曲がったのか、初めてのことで想定していなかった」と戸惑いながらも「金属棒は一種の補助工具であり、ガラス固化技術そのものに問題はない」とこれまでの主張を繰り返した。しかし六ヶ所村の住民たちで作る「花とハーブの里」の菊川慶子代表は「ガラス固化はできないことが証明された。これは致命的なことで事業は白紙に戻した方がいい」とコメントしている。また核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会共同代表の青森県議、鹿内博氏も「金属棒の操作上の問題ではなく、炉の設計技術が未確立だということだ。再処理工場は商業施設だと言うが、これで実験施設にすぎないということが証明された」とコメントした。一方、監督官庁の経済産業省原子力安全・保安院の原子力事故故障対策室も「原燃の原因分析を待つしかないが、こう何度もトラブルが起きると、どうなんだ、と思う」と事業そのものに対する否定的なコメントを出した。(2008年12月12日)
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