ブラジャー炎上
あたしには信じられないことなんだけど、朝から夜までつけてたブラジャーを洗わずに、次の日にまた身につける人がいるそうだ。それも、100人のうち2~3人とかじゃなくて、100人のうち10人以上もいるって聞いて、あたしは、食べてた大福がノドに「んがんぐ!」って詰まっちゃうほど驚いた。たとえば、一度つけたけど、やっぱり別のブラにしようと思って変更して、ほんの一瞬しか身につけなかったブラとか、せめて、2~3時間だけつけてたけど何かの事情で外したブラとかなら、お洗濯しないでも分かる。だけど、いくら汗をかかない時期だとしても、朝から夜まで1日中ずっと身につけてたブラをお洗濯しないなんて、ちょっと考えられない。
もちろん、どこかに旅行したり、泊まりの出張をしたりして、うっかり着替えのブラを忘れちゃった場合とか、そうした特殊なケースの時は別だけど、自宅に帰って来て、ショーツのほうはちゃんと洗うのに、ブラだけを洗わないなんて、その辺の感覚が分かんない。下着をお洗濯するってことは、目で見て汚れてるか汚れてないかに関わらず、「一度身につけたものは洗う」っていう、文明を持った人類の当たり前のことだと思ってたのに、いくら見た目は汚れてないブラだとは言え、1日中ずっと身につけてた下着を次の日も身につけるなんて、やっぱり、あたしには考えられない。
だって、ハンドバッグに入れてるハンカチなんか、一度も使わなかったとしても、4日も5日も経ったら、あたしは新しいハンカチと交換して、それまでバッグに入れてたほうはお洗濯してる。普通はそうでしょ? あたしの場合、出先で手を洗った時とかに使う小型のハンドタオルもバッグに入れてるから、たいていはそっちのほうを使うので、オシャレなハンカチは使うことが少ない。だけど、もしも目の前に福山雅治がいるような場所でハンカチを使うような状況が訪れたら、こんなハンドタオルなんて見せられないから、そういう時のために、女性らしいオシャレなハンカチも持ってるってワケで、言うなれば「勝負ハンカチ」ってワケだ。
こんなふうに、たとえ一度も使ってないハンカチでも、何日か過ぎたらお洗濯するようにしてるあたし的には、世の中の9割の女性と同じく、一度身につけた下着は、ショーツでもブラでも夜のプレイ用の特殊な下着でも、すべてちゃんとお洗濯してる。ちなみに、「夜のプレイ用の特殊な下着」は持ってないから、もしも持ってたらの話だけど、もしも持ってたとしたら、特に丁寧に手洗いすると思う今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、あたしは、特別にキレイ好きなワケでもなく、特別に神経質なワケでもなく、ごく普通の平均的な感覚だと思うけど、この感覚によって、知らず知らずに損をしてる部分があるってことに気づいた。それは、「ブラジャーの寿命」だ。ブラって、身につけてることよりも、洗濯機で洗ったり干したりを繰り返すことによって、ジョジョに奇妙に劣化してく。つまり、まったくおんなじブラを買ったとしても、身につけるたびにお洗濯してるあたしと、毎日繰り返して身につけて1週間に1回しか洗わない森三中の黒沢さんのほうが、何倍も長持ちするってワケだ。
でも、そんなもん身につけてたら、デリケートな部分がゾウの皮膚みたいになっちゃいそうだから、あたしは、一度身につけたブラは、絶対に洗わないと気がすまない。だからって、ヤミクモに洗ってるワケじゃなくて、下着だって大切にしてるから、ちゃんとブラジャー用のネットに入れて、一番ゆっくりの回転の「オシャレ着洗い」のボタンを押して洗ってる。そして、特に大切にしてるのとか、刺繍が凝ってるのとかは、生ぬるいお湯で丁寧に手で押し洗いしてる。それに、干す時も、ブラの形を崩さないための特殊ハンガーにセットしてから、直射日光に当たらないように、風通しのいい日陰で陰干ししてる。だから、あたしは、下着のお洗濯には、ずいぶん気を使ってるほうだと思ってる。
それでも、普通のお洋服の何倍もヘビロテなのが下着ってワケで、気がつくと、ワイヤーが突き出てたりもする。そして、一度でもワイヤーが突き出ちゃうと、チクチクと縫って直しても、しばらくするとおんなじ場所から突き出て来るようになる。で、刺繍がほつれ始めてたり、真ん中のちっちゃいリボンが取れかけてたり、白いレースの部分が黄ばみ始めてたりした場合には、サスガに寿命ってことで、捨てることになるんだけど、ブラの場合は、ここからがメンドクサイ。ショーツの場合は、ジョキジョキとハサミで切って、外から見えない紙袋とかに入れて、他の燃えるゴミと一緒に出しちゃうだけだからラクなんだけど、ブラの場合は、燃える部分と燃えない部分があるから、本格的に解体しなきゃなんないのだ。
‥‥そんなワケで、あたしは、前に、1.8リットルとか2リットルとかの紙パックのニポン酒や焼酎、ワインなんかで、口の部分だけがプラスティックになってるヤツ、アレの解体がメンドクサイってことを書いた。ワンタッチで口の部分が外れるならいいのに、アレって、外にお酒が漏れないようにシッカリと接着してある上に、紙もぶ厚くて内側がコーティングしてあるから、ハサミで切るのが大変なのだ。その上、あたしの場合は、あの紙パックを広げて、お魚を捌く時のマナ板にしてるから、ある程度はキレイに解体しなきゃなんなくて、ものすごくメンドクサイ。そして、それよりもメンドクサイのが、何を隠そう、ブラの解体なのだ。
ブラは場合は、全体的な部分は「布」だから燃えるゴミだけど、ワイヤーやホックは「金属」だから燃えないゴミになる。そして、ストラップを調整するとこは、金属のもあれは硬いプラスティックみたいなのもあるし、ワイヤーもグラスファイバーみたいなカーボンみたいな燃えるんだか燃えないんだか判断できない素材のものもある。さらには、伸び縮みするゴムの部分って、火をつければ燃えると思うけど、燃やしたら有毒な煙が出そうだから、切り取って燃えないゴミのほうに入れるべきなのか、いつも悩んじゃう。
そして、伸び縮みするゴムの部分で悩み始めると、ブラだけじゃなくて、ガードルとか、ボディスーツとか、ボディシェイパーとかでも悩み始めちゃう。あんなに全体的に伸び縮みするものを燃えるゴミと燃えないゴミとに分別するなんて、ミスターマリックでもマギー司郎でも不可能だろう。でも、セロならできるかもしれない‥‥なんてことも織り込みつつ、話をブラに戻すと、さらにメンドクサイのが、あたしが多用してる補正ブラだ。これは、カップの下にワイヤーが入ってるだけじゃなくて、ワキにもボーンが入ってて、これまたグラスファイバーみたいなカーボンみたいな判断しにくい素材だから、解体が大変な上に、解体したあとの分別も悩みまくっちゃうのだ。
‥‥そんなワケで、ワリと最近のことだけど、4~5年くらい前に買った1枚のブラが、とうとう寿命を迎えた。1年くらい前にワイヤーが突き出たんだけど、すごくフィットするお気に入りの1枚だったから、縫って直して使ってた。で、何ヶ月かしたら、またワイヤーが突き出て、それから、後のホックが外れやすくなった。でも、ワイヤーはまた直して、ホックは少し浮いてたから、ペンチで挟んで直して、まだ使ってた。だけど、ついに、3回目の「ワイヤー突き出る事件」が起った上に、全体的に色褪せて来て、みすぼらしくなっちゃったから、とうとう捨てることにした。
それで、メンドクサイけど解体して、まずは、燃える部分だけを燃えるゴミの日に出した。そして、燃えない部分は別の袋に入れて置いといたんだけど、そんなある日のこと、一部の人は写真を見たことがあるハズのあたしのカラシ色のパーカーをお洗濯したら、フードの部分に通ってたヒモが抜けちゃった。このヒモは、抜けないように両端が結んであったんだけど、片方の結び目がほどけてたみたいで、洗濯機の中で回ってるうちに、もう片方のハシッコが他の洗濯物に絡まって、引っぱられちゃったみたいなのだ。
あたしは、とにかく干して乾かしてから、そのヒモを通そうとしたんだけど、これがまったく入らない。ヒモの通ってた部分が、ほとんどヒモとおんなじくらいの直径しかない上に、丈夫なスウェット地みたいな硬い生地で、しかもフードのフチだからカーブしてる。それで、どうしたもんか悩んでた時に、ハッと思いついたのが、例のブラのワイヤーだったのだ。細いワリにシッカリしてるし、ほど良い弾力もあるし、ちょうどいい具合にカーブしてるし、これならヒモを通すのに最適だって思った。
それで、あたしは、ブラのワイヤーを持って来て、片方の端にヒモの先端を沿わせて、絹糸できつく結わいた。そしたら、パーカーのフードの狭い穴に、面白いようにスイスイと入ってった。ワイヤーの長さは足りなかったけど、フードのほうをギョーザの耳を折る時みたくクイクイと縮めながらワイヤーを進めてったら、アッと言う間にヒモの頭が出て、無事に直すことができたのだ。
あたしは、寿命が来たブラを解体して、燃えるゴミと燃えないゴミとに分別したワケだけど、ブラのワイヤーは、燃えるゴミなんかじゃなかったってワケだ。ブラのワイヤーには、「抜けちゃったパーカーのフードのヒモを通すための道具」としての第二の人生が待ってたってワケだ。たったひとつの問題点は、これからのあたしの人生で、パーカーのヒモが抜けるなんてことが、あと何回くらい起こるんだろう?‥‥って点だけど、「備えあれば憂いなし」って言葉もあるように、いつ起こるか分からない災害に備えておくことこそが、不安な時代を生き抜くためのヌーブラ・ヤッホーってワケだ。そして、この教訓こそが、いらなくなったものは何でも捨てればいいと思ってる現代人に対して、あたしのブラのワイヤーが鳴らしてくれた警鐘だったってワケだ。
それでも、寿命の来たブラは捨てなきゃなんないワケで、捨てるために解体して分別するのは大変なワケで、富良野にも冬が来たワケで‥‥って、久しぶりに「北の国から2008~教訓~」なんて感じだけど、ブラを捨てる時に大変なのは、多くの女性の共通の悩みだったみたいで、ワコールが、「ブラジャー・リサイクルキャンペーン」を始めることになった。まだ先の話だけど、来年の2月12日の「ブラジャーの日」から、4月22日の「アースデイ」までの間、全国の約650のワコールの直営店やワコール製品を取り扱ってるお店に行くと、可愛らしい紙袋をくれる。で、その紙袋に、寿命の来たブラを入れて、シッカリと封をして、お店に持ってく。そして、全国で回収されたブラは、その袋ごと細かくされて、磁石にくっつく金属だけを取り除いたあとに、すべて産業用固形燃料にリサイクルされるってスンポ―だ。
ちなみに、今年の2月に、全国の直営店で試験的に行なってみた時には、6200人の女性から約30000枚のブラが集まって、3トンの産業用固形燃料にリサイクルできたそうだ。それなのに、なんてワンダホーな企画なんだろう‥‥って思ったのもトコノマ、説明をよく読んでみたら、こんなことが書いてあった。
「回収商品 ワコール製のブラジャー(他社製品は回収できません)」
気持ちは分かるけど、ワコールさん、ちょっと了見が狭いんじゃないの? 1つの紙袋に6枚までブラが入るんだから、サスガに6枚ぜんぶがヨソのメーカーのじゃ申し訳ないと思うけど、6枚のうち1枚か2枚くらいトリンプのが入っててもいいじゃん。つーか、リサイクル用の紙袋は、中を見られないように封をすることになってるのに、それでも「ワコール製のブラジャー」って明記してるってことは、結局は誰かが袋を開けて中を確認するの? それとも、個人個人のモラルに委ねるの? その辺をハッキリしてくんないと、「中を見られるのなら恥ずかしいから出したくない」って思う人もいると思うよ。
‥‥そんなワケで、あたし的には、本来はゴミになっちゃうハズのあたしの使い古しのブラが、産業用固形燃料にリサイクルされて、どこで何に使われるのかは分かんないとしても、何かを作り出すエネルギーとして真っ赤に炎上してくれるんなら、こんなに嬉しいことはない。だから、この企画には大いに賛成なんだけど、こうもハッキリと「ワコール製のブラジャー」って明記されちゃうと、せっかくの企画に参加できなくなっちゃう。だって、ワコールのブラは、縫製も作りもシッカリしてるから、ほとんど現役で愛用してるからだ。逆に、寿命が近づいてるのは、通販で買った中国製とかが多い。だから、あたしは、ワコールさんには広い心を持ってもらって、「どこのブラでも回収します」ってことにしてもらいたい。そうすれば、他社のブラを持ってった人たちだって、「今度はワコールのブラを買おう」ってことになる今日この頃なのだ。
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