築地市場移転で都が情報隠しの疑い
「築地市場移転で都が情報隠しの疑い」(世田谷通信)
東京都の中央卸売市場築地市場の移転予定地とされている江東区の豊洲地区の土壌から、昨年、高濃度の発がん性物質「ベンゾピレン」が検出されていたが、民間の検査機関からこの報告を受けた東京都が情報を公開していなかったことが分かった。築地市場の移転が計画された当初、豊洲地区の土壌から1キログラムあたり最大5.1ミリグラムの「ベンゾピレン」が検出されたため、東京都は詳しい調査を民間の検査機関に委託した。その結果、当初の報告の115倍にあたる590ミリグラムもの「ベンゾピレン」が検出され、東京都は2008年6月にこの報告を受けたのにも関わらず、この時期に行なわれていた専門家会議には報告せず、専門家会議が終了した半年後の11月になってから関係者らにメールで伝えたという。そのため専門家会議では当初の「最大5.1ミリグラム」という数値を前提に汚染対策が検討された。担当者は「ベンゾピレンは専門家会議の調査対象になっていなかったため報告書の記載に気づくのが遅れた。情報隠しではない。専門家からは健康に影響が出る値ではないと聞いている」と釈明しているが、検査を依頼した側の説明としては非常に矛盾している。また専門家会議が終了してから関係者だけにメールで報告したという経緯は、移転計画を予定通りに進めるための「情報隠し」と見られてしまうことも否めないだろう。築地市場の移転計画は石原慎太郎都知事の肝入りで強引に進められているが、市場の利用者らからの反対の声だけではなく、莫大な税金を投入することに疑問を持った多くの都民からも反対の声があがり続けている。(2009年1月26日)
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