晋世紀アヴェンゲリオン~アソウ、来日~
西暦2006年、国民の格差拡大による世界的危機、「コイズミインパクト」から復興しつつあった現代に、突如、「アベ」と呼ばれる謎の使徒が襲来する。「アベ」は、その正体も目的も不明だが、オチョボグチから飛び出すさまざまな増税、年金問題、教育法改悪、憲法改悪、非核三原則の無視などで国民に戦いを挑んできた。この謎の敵「アベ」に国民が対抗する唯一の手段が 「汎用人型決戦兵器アヴェンゲリオン」である。政府直属の特務機関「ミンシュ」の世田谷支部「ニコタマ」によって主人公、碇シンゾを含む3人の少年少女がその操縦者に抜擢された。しかし、アヴェンゲリオンが出撃したトタンに、謎の敵「アベ」はトットと敵前逃亡し、その後に現われた「フクダ」も、わずか1年で逃亡してしまった。そして、人類を滅亡させるために放たれた「コイズミ」「アベ」「フクダ」の三使徒によって、百年に一度のミゾウユウの危機を迎えた国民に、これまでの三使徒の流れをフシュウしていない前代未聞の無知無教養な使徒「タロウ」が現われた。「タロウ」は自分の言ったことも三歩あるけば忘れてしまうニワトリのような知能しかなく、ブレまくった発言で国民を右往左往させ続けた挙句、未だ政権の座にしがみついている。今、国民の命運を懸けた新たなる戦いの火蓋が切って落とされる。果たして「タロウ」の正体とは? 少年たちの、そして国民の運命は?
主題歌 「残酷な自民のセージ」
残酷な~派遣切り捨て~国民よ~奴隷にな~れ~♪
チャンチャンチャチャチャ~ チャチャチャチャチャチャ~チャ♪
チャンチャンチャチャチャ~ チャチャチャチャチャ~チャ~♪
向かい~風が今~支持率を下げても~♪
政権だけを~ただ死守して~大増税しよう~♪
官僚と~癒着して~絞り取ることに夢中で~♪
国民は~まだ知らない~裏で糸引く経団連~♪
だけどいつか~気づくでしょう~その背中には~♪
近い未来に~絶望した~国民がいること~♪
ナンミョ~の~言いなりになり~給付金~2兆円バラ撒き~♪
官僚の~言いなりになり~天下り~やりたい放題~♪
やることすべて~選挙対策~目先の金で~国民騙せ~♪
やることすべて~政権の維持~口先だけで~国民騙せ~♪
第八話 「アソウ、来日」
ヘーゾー 「Mi55-D輸送ヘリ!やっぱアメリカは最高やなあ!こんなことでもなけりゃ、一生乗る機会なんかないよ。まったく持つべきものは友達って感じ!なあ、シンゾ!」
シンゾ 「ええっ?」
アキエ 「毎日おんなじ部屋の中じゃ息苦しいと思ってね、たまの日曜だからデートに誘ったんじゃないのよ」
ヘーゾー 「ええっ?それじゃ今日はホンマにアキエさんとデートっすか?この帽子、今日のこの日のためにこうたんです~!アキエさ~ん!」
シンゾ 「お、お前!アキエさんはボクの彼女だぞ!」
ヘーゾー 「何言ってんのや!お前には亜愚寝酢チャンとか西田ヒカルとか、大作ジョンイルさまの下女が何人もおるやないか!」
シンゾ 「馬鹿野郎!あいつらは久本マサミや石原サトミや上戸アヤと一緒で、大作ジョンイルさまに忠誠を誓った操り人形なんだよ!僕とセックスしてくれるのはアキエさんだけなんだ!」
アキエ 「ほらほら、2人とも、ケンカなんかしてないで眼下を見てごらんなさい。豪華なお船が太平洋をクルージングよ」
ヘーゾー 「おおっ!空母が5、戦艦が4、大艦隊だ!ホンマ、アメリカって最高やな!これならニポンも何から何まで民営化して、国民の財産をアメリカにじゃんじゃん上納しても、沖縄の自然を破壊してじゃんじゃん基地を作っても、誰も文句なんか言わへんやろ!あはははは~!」
国民の生活を根底から破壊する新たなる使徒、「アソウ」が現われたことにより、政府直属の特務機関である「ミンシュ」は、現状のプロトタイプのアヴェンゲリオンでは対抗できないため、日米アンポンタン条約にのっとり、アメリカから最新型のアヴェンゲリオン弐号機と、そのパイロットである「踏襲・アソウ・フロッピー」を呼び寄せた。そして、アヴェンゲリオン弐号機を乗せた米軍空母と、その護衛艦の様子を見に、シンゾたちは在日米軍の軍事用ヘリでやって来たのであった。シンゾたちを乗せたヘリは、航行中の空母に着陸した。
アキエ 「ご苦労さまです!私はミンシュの葛城三佐です!」
タモガミ 「おおっ!わざわざ三佐のおでましとは、ご苦労さまです。しかし、こんなところまで三佐が迎えに来るとは、もしかして私たちの軍備を信頼していないのでは?」
アキエ 「幕僚長、決してそんなことはありません。誰よりも戦争が大好きな幕僚長には、絶大なる信頼をおいております。今日はどうしても視察したいという部下たちを連れて来たのです」
タモガミ 「それが、あの少年たちなのですか?」
アキエ 「ええ、彼らはアヴェのパイロットです」
タモガミ 「ほほう、そうですか。まあ、弐号機のパイロットも少女ですからね、ははははは~!」
一方、シンゾたちは、初めての空母に興奮気味であった。特に、アメリカが大好きでミリタリーヲタクのヘーゾーは、見るものすべてに興味津々で、広い甲板の上を走りまわっていた。そこに、アヴェンゲリオン弐号機のパイロットである踏襲・アソウ・フロッピーが現われた。
アソウ 「ハロ~アキエ!元気してた?」
アキエ 「まあね~!あなたも、背、伸びたんじゃない?」
アソウ 「そ、他のところもちゃんと女らしくなってるわよ」
アキエ 「ふふふ、みんな、紹介するわ!アヴェンゲリオン弐号機専属パイロット、セカンドチルドレン、踏襲・アソウ・フロッピーよ!」
シンゾ 「えっ?女の子?」
アソウ 「なに?女じゃ不満なの?‥‥っていうか、零号機のパイロットも女の子だって聞いてるけど?」
シンゾ 「い、いや別に‥‥」
アソウ 「ふ~ん、君が初号機のパイロットの‥‥」
シンゾ 「碇、碇シンゾです‥‥」
アソウ 「噂は聞いてるわ。サンインセンの戦いでみっともないマネをしたってね‥‥」
シンゾ 「‥‥」
アキエ 「こらこら、アソウ、そんなこと言っちゃダメよ」
シンゾ 「いいんです、アキエさん。どうせボクは‥‥」
アソウ 「ふ~ん、噂通りにウジウジした子みたいね」
シンゾ 「‥‥」
立ち場のなくなったシンゾは、何とか空気を元通りにしようと、あたりをキョロキョロと見まわして、横たえてあった巨大な弐号機に目を止め、そちらのほうへ歩いて行った。すると、そのあとをアソウも追った。
シンゾ 「赤いんだ‥‥弐号機って。知らなかったな‥‥」
アソウ 「違うのはカラーリングだけじゃないわ。所詮、零号機と初号機は、開発過程のプロトタイプとテストタイプ、訓練無しのあなたなんかにいきなりシンクロするのがそのいい証拠よ。けど、この弐号機は違うわ。これこそ実戦用に作られた、世界初の本物のアヴェンゲリオンなのよ。正式タイプのね!」
ドドーン!
シンゾ 「あ‥‥あ‥‥なんだろう?」
アソウ 「水中衝撃波!爆発が近いわ!」
シンゾ 「あれは?‥‥まさか、使徒?」
アソウ 「あれが?本物の?」
シンゾ 「どうしよう?アキエさんのとこに戻らなくっちゃ!」
アソウ 「チャ~ンス!」
その時、シンゾたちの乗った空母の前方の護衛艦が、一瞬のうちに真っ二つになった。続いて、後方の護衛艦も爆発した。
ビー!ビー!ビー!
オペレーター 「各艦、艦隊距離に注意の上、回避運動!」
タモガミ 「状況報告はどうした?」
オペレーター 「目標、確認できません!」
タモガミ 「クソッ!何が起こっているんだ?」
そこに、アキエがやって来た。
アキエ 「ちわ~!ミンシュですが、見えない敵の情報と的確な対処はいかがっすか?」
タモガミ 「今は戦闘中だ!見学者の立ち入りは許可できない!」
アキエ 「これは私見ですが、どう見ても使徒の攻撃ですねえ」
タモガミ 「うるさい!全艦任意にアパ機雷を発射!」
アキエ 「あらあら、強度不足で政府から使用禁止にされてるアパ機雷を使うなんて、これまたムダなことを‥‥」
タモガミ 「やかましい!」
そのころ、アソウたちは、弐号機のエントリープラグに乗り込もうとしていた。
アソウ 「さあ、行くわよ!」
シンゾ 「えっ?」
アソウ 「あんたも来るのよ!」
シンゾ 「ねえ、プラグスーツに着替えてどうすんだよ?」
アソウ 「あんたバカァ?決まってるじゃない!弐号機でアレをやっつけるのよ!」
シンゾ 「そんなあ‥‥アキエさんの許可は?」
アソウ 「勝ったあとにもらえばいいのよ!さ、あたしのミゴトな操縦を目の前で見せてあげるから、あんたも一緒に乗って!ただし、ジャマはしないでね!」
シンゾ 「‥‥」
アソウ 「フシュウ、ハンザツ、ミゾウユウ、カイガ、ユウム、ヨウサイ、テイマイ、ハジョウ、ジュンポウマンポ、シュウビ、カンツイ、ケンゼン、カンカ、キハン‥‥」
シンゾ 「バグだ!どうしたの?」
アソウ 「あんたニポン語で考えてるでしょ?ちゃんとアキバ語で考えてよ!」
シンゾ 「分かったよ‥‥ヲタク、マンガ、アニメ、ドウテイ、ヘンシツシャ、ビショウジョ、メイド‥‥」
アソウ 「バカ!もういいわよ!思考言語切り替え、ニポン語をベーシックに!」
シンゾ 「‥‥」
アソウ 「アヴェンゲリオン弐号機、機動!」
ゴゴゴゴゴゴ‥‥
ゴゴゴゴゴゴ‥‥
オペレーター 「入電!アヴェ弐号機起動中!」
タモガミ 「なんだと?」
アキエ 「ナイス!アソウ!」
タモガミ 「いかん!起動中止だ!元に戻せ!」
アキエ 「かまわないわ!アソウ、発進して!」
タモガミ 「なんだと?アヴェ及びパイロットは我々の管轄下だ!勝手は許さん!」
アキエ 「何言ってんのよ、こんな時に!段取りなんて関係ないでしょ?」
タモガミ 「本気か?弐号機はB型装備のままだぞ?」
アキエ 「ええっ?」
しかし、アソウは、耐水対策が施されていないB型装備のまま、発進してしまった。
シンゾ 「海に落ちたらヤバいんじゃない?」
アソウ 「落ちなきゃいいのよ!」
シンゾ 「き、来た!」
アソウ 「どこ?」
シンゾ 「左舷9時方向!」
アソウ 「よっしゃあ!」
シンゾ 「でも、ほとんど武器が無いよ!」
アソウ 「定額給付ナイフで十分よ!」
シンゾ 「けっこうデカい!」
アソウ 「うりゃ~!」
ズサッ!
空母の上の弐号機をめがけて、海中から飛び出して襲いかかって来た魚類型の使徒に対して、弐号機は定額給付ナイフを突き刺した。しかし、全長が100m以上もある巨大な使徒に対して、刃渡りがわずか120cmしかないナイフを突き刺しても、ほとんどダメージを与えられなかった。使徒は、そのまま海中へと戻り、いったん深く潜水して、パワーを蓄積し始めた。
タモガミ 「それ見たことか!今の弐号機の装備では、使徒との戦闘はムリなのだ!」
アキエ 「そんなことないわ!黙って見てなさい!」
弐号機のエントリープラグ内でも、シンゾが心配していた。
シンゾ 「もう武器は何も無いよ!次に来たらやられちゃうよ!」
アソウ 「へへ~ん!あんたは何も知らないのね?」
シンゾ 「えっ?」
アソウ 「さっき使徒に突き刺した定額給付ナイフはね、相手を油断させるための武器なのよ」
シンゾ 「どういうこと?」
アソウ 「ほとんど効果のない攻撃をすれば、敵は油断する。だけど、あの定額給付ナイフは、突き刺してから3分後に、相手の消費エネルギーを大量に吸い取っちゃうのよ」
シンゾ 「えっ?」
アソウ 「ようするに、3分後に消費エネルギーを大量に吸い取るための目くらまし、それが、あの低い攻撃力なのよ」
シンゾ 「じゃあ、使徒を騙したってこと?」
アソウ 「あんたバカァ?使徒なんて、あたしたち政府が騙して消費エネルギーを吸い取るために存在してるんでしょ?」
シンゾ 「そりゃそうだけど、こんなやり方、あんまり好きじゃないな‥‥」
アソウ 「支配する側の人間が、きれいごと言ってんじゃないわよ!」
アソウの言った通り、3分後に使徒は、突き刺さっていた定額給付ナイフによって、大量の消費エネルギーを吸い取られ、自力では活動することができなくなり、海底深くへと沈んで行った。
オペレーター 「目標の活動反応停止!」
タモガミ 「本当か?」
オペレーター 「はい!」
アキエ 「ほらね!言った通りでしょ!」
タモガミ 「むむ‥‥」
そして、弐号機を乗せた空母は、無事に横須賀港へと到着したのだった。弐号機は「ミンシュ」へと運ばれ、来たるべき「タロウ」との戦いに向けて、細かい整備を受けることになる。一方、シンゾたちは、何事もなかったかのように翌日は中学校へ行き、いつもの教室で1時間目が始まるのを待っていた。
ヘーゾー 「ホンマ、顔に似合わず、いけすかん女やったな~」
シンゾ 「えっ?」
ヘーゾー 「昨日の弐号機のパイロットや」
シンゾ 「そうかな‥‥」
ヘーゾー 「ま、オレたちはもう会うこともないからええけど、シンゾは仕事やからしゃあないわ!同情するで、ホンマ!」
そこに、担任の先生と一緒に、制服姿のアソウが入って来た。
アソウ 「うふっ!今日からお世話になります、踏襲・アソウ・フロッピーです!よろしく!」
ヘーゾー 「うひゃ~!」
【終わり】
★今日も最後まで読んでくれてありがとう♪
★よかったら応援のクリックをお願いします!
↓
| 固定リンク