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2009.02.14

御手洗冨士夫という功罪

今年のお正月は、海外では「イスラエルによるガザ市民の大量虐殺」、国内では「大企業による派遣労働者の大量クビ切り」で幕開けした。そして、ついこないだまで、派遣切りの問題が連日報道されてたのに、今や、派遣切りの「ハ」の字も耳にしない。テレビをつければ、どのチャンネルでも、ギリはギリでも「派遣ギリ」より「義理チョコ」って言葉を多く聞く。ようするに、「ノドモト過ぎれば~」ってヤツで、一般の多くの人たちにとっては、ガザ地区で子供や女性が何百人殺されようが、所詮は「対岸の火事」なんだし、何千人、何万人の派遣労働者がクビを切られて路頭に迷おうが、所詮は「他人ゴト」なんだろう。

そして、カンジンの政権与党の自民党はと言えば、国民のことなんかホッタラカシで、どうでもいい「郵政民営化」のことなんかでスッタモンダと大騒ぎしてる。売国奴のコイズミまで登場しちゃって、モリヨシローの書いたシナリオ通りの三文芝居を披露して、バカなマスコミを賑わしてる。で、「何で今ごろ郵政民営化なの?」って言えば、それは、モリヨシローとベッタリ癒着してる経団連の御手洗冨士夫を守るために、キヤノン関連の裏金報道から国民の目をそらすためだ。

キヤノンの工場建設にともなって、30億円を超える巨額の裏金を受け取り、そのほとんどをキヤノンとトヨタの株に替えて、親族の名義で隠し持ってたことが発覚した、コンサルタント会社「大光」の社長、大賀規久は、ダンボール箱に何十箱もの動かぬ証拠がマウンテンなのにも関わらず、分厚いツラの皮で平然と「受け取っていない」と容疑を否認してるという。そして、友人である大賀の逮捕を聞いた御手洗のほうも、「友達が起こした事件なので非常に遺憾に思っているが、私もキヤノンもまったく関係ない」って、あまりにもシラジラシイことをノタマッてる。この恥知らずな守銭奴どもの往生際の悪さにも呆れ返るけど、それよりも、あたしは、御手洗の顔を見るたびに、自民党の肥大なるイエスマンの武部勤と区別がつかなくなる今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、仮にも経団連の会長って立場でありながら、自分の親友が、自分の名前を使って、自分の立場を利用して、長年に渡って莫大な裏金を手にして来たって言うのに、それに対して「私は関係ない」って、あまりにも「おいおいおいおい!」って気がする。で、まずは、今回の主役の大賀規久(65)と、御手洗冨士夫(73)との関係についてザクッと解説しとくけど、この2人は、大分県佐伯市の同郷で、子供のころからの友人だ。

何しろ、御手洗冨士夫の叔父でキヤノン創業者の故・御手洗毅元会長と、大賀規久の父親とは、無二の親友だったのだ。つまり、親の代からの知り合いってワケで、逮捕された大賀規久が「御手洗会長とは200年の仲だ」ってうそぶいてるのも、まんざら嘘じゃない。で、もうちょっと正確に言うと、御手洗は、大賀規久の兄と親友だったのだ。県立佐伯鶴城高校に通ってた御手洗は、同級生で親友の大賀くんの家に遊びに行った。そしたら、そこにいたのが、大賀くんの幼い弟、のり坊(規久)だったのだ。

つまり、数十年後に、冷血非道な派遣切りを連発する御手洗冨士夫と、悪質極まりない巨額の脱税事件を起こす大賀規久とは、御手洗が高校1年生、大賀が小学校2年生の時に知り合ってたのだ。そして、のり坊は、どんどん成長して、御手洗とおんなじ県立佐伯鶴城高校に入学するころには、身長180cmの立派な体格になってて、ラグビー部へと入部する。そう、ラグビーと言えばモリヨシローってワケで、いい年こいても取材の記者に暴言を吐いたり乱暴な態度をとるモリヨシローの野蛮さと、逮捕されても憮然とした表情で容疑を否認し続ける大賀のふてぶてしさには、あまりにも共通するイメージが満載だ。

そして、大きな体を活かしてラグビー部へ入部したのり坊だったけど、その脳みそもモリヨシロー並みのお粗末さだったようで、2年生の時に暴力事件を起こして退学になった。そんなことからも、地元では「暴れん坊」で名前が知れ渡ってたのり坊だけど、20才になったころから、実家が始めた建材店で働くようになった。そして、御手洗の親類の県議会議長、長田助勝のカバン持ちも始めて、少しずつ人脈を築き始めたのだ。だから、今回、長田助勝(80)も一緒に逮捕されたけど、コイツとも45年の付き合いってことになる。御手洗本人とは55年の付き合い、御手洗の親類とも45年の付き合いってことになる。

のり坊の兄は、御手洗の同級生だったって人脈を利用して、御手洗と一緒にキヤノンの前身のキヤノンカメラに入社した。そして、それ以来、半世紀以上に渡り、御手洗家と大賀家とは、文字通り、家族ぐるみの付き合いが続いて来た。のり坊の兄は、実家の工務店「日建」を継ぐために、途中でキヤノンを退社したけど、それからも、さらなる付き合いが続いてった。その証拠に、御手洗がキヤノンの社長に就任してからは、御手洗は次々と「日建」に仕事を発注して来た。新宿のキヤノン本社の内装工事などもすべて「日建」だけに発注したり、御手洗自身の横浜の邸宅も「日建」に建てさせたのだ。

一方、弟ののり坊はと言えば、「御手洗について行けば甘い汁を吸える」とでも思ったんだろう。執拗なほどのタイコモチ生活を続けて来た。どれくらいのタイコモチだったのかって言うと、たとえば、御手洗がゴルフに行くって言えば、のり坊はすぐにゴルフ場を手配をして、送迎の車まで用意した。御手洗がどこへ行く時も付き添い、周りの人たちはみんな、のり坊のことを御手洗の私設秘書だと思ってたほどだ。そして、そんな関係性を利用して、のり坊は、御手洗に頼んで、自分の長男をキヤノンに入社させてもらう。2003年に行なわれたこの長男の結婚式には、すでにキヤノンの会長に就任してた御手洗が出席して、こうアイサツした。


「私は、社員の結婚式にはいっさい出ないことにしていますが、今日は特別に、新郎の親父の友人として出席しました」


こんな感じだから、のり坊と御手洗との癒着は、今どきの言葉で言えば「ハンパない」ってワケで、あまりにもディープすぎる。たとえば、大賀の実家の道路をはさんだ向かいには、「キヤノンシステムアンドサポート」の佐伯サービスセンターがあるんだけど、この建物と土地は、のり坊が役員をつとめる法人の名義になってる。他にも、のり坊が代表をつとめる内装工事会社や警備会社などは、業務のほぼ100%が、キヤノン関連の請け負いしかやってない。

‥‥そんなワケで、今回の巨額脱税事件だけど、東京地検特捜部は、すでに数年前から目をつけて、捜査を続けて来た。そして、容疑が固まったから今回の逮捕に至ったワケだけど、大手ゼネコンの「鹿島」や「九電工」を始め、多くの大企業を相手に、のり坊が莫大な裏金を要求することができたのは、もちろん、「御手洗会長の親友」っていう看板を背負ってたからだ。そして、キヤノン関連の事業を持って来るほうも、キヤノンの仕事にありつこうとするほうも、「キヤノンの仕事は大賀さんを通さないと‥‥」っていう暗黙の了解が出来上がってたのだ。

キヤノンの仕事が欲しい業者たちは、とにかく、のり坊に頼むしかないので、のり坊のコンサルタント会社「大光」にアイサツに行く「大光参り」が日常化してた。もちろん、手ぶらで行けるワケはないから、時代劇で言うところの「黄金色の菓子」を包んで行くワケだけど、こうしたことも、すべては「御手洗の威光」があったからできたことなのだ。

で、ここで全体の構図をフランク・ザッパに説明しとくと、まず、キヤノンが工場建設などの大きな仕事を発注して、それを「鹿島」などの大手ゼネコンが請け負う。そして、その下に、いくつもの下請け業者がぶらさがるワケだけど、ここで大手ゼネコンは「架空の下請け業者」を作り、のり坊へ渡すための裏金を作る。たとえば、鹿島がキヤノンから大きな工事の仕事を受注して、A社からE社まで5つの下請け会社に仕事を回したとする。だけど、実際には、A社、B社、C社、D社の4社だけが実在の業者で、残りのE社は「架空の下請け業者」なのだ。そして、実在する4社だけに5社ぶんの工事をやらせて、架空のE社へ支払った形のお金が、そのまま裏金として、9日に逮捕された大阪の「浪速コンサルタント」の社長、難波英雄(61)へ現金で手渡される。そして、この難波英雄が裏金の運び役となって、のり坊へと現金を届ける。現金を受け取ったのり坊は、その中から1割程度を謝礼として難波英雄へ渡す。そして、難波英雄のバックには関西のホニャララ団がついてるから、何かあればホニャララ団が動くってスンポーだ。

東京地検特捜部の調べでは、「鹿島」が約273億円で請け負った川崎市幸区の研究施設「キヤノン矢向(やこう)事業所」の建設工事を始め、大分県内の2つのキヤノンの工場建設などを巡って、「鹿島」と「九電工」は最低でも7億円以上の裏金を作り、その9割以上が現金の形でのり坊へと流れてたってことをつかんでる。そして、のり坊はと言えば、その現金を数千万円ずつに分けて都内の証券会社へ持ち込み、キヤノンの株を購入していた。これは、すべて、証券会社に記録が残ってる。

‥‥そんなワケで、のり坊の兄の会社が建てた家に住み、のり坊の兄の会社が内装工事をした本社に勤め、のり坊と一緒にゴルフに行き、のり坊の息子を自社に入社させ、その結婚式にまで出席し、文字通り家族ぐるみでディープな付き合いを続けて来た御手洗冨士夫が、これほどドロドロに癒着してるのり坊が逮捕されたトタンに、平然と「私は関係ない」だなんて、どうしたらこんなに分厚いツラの皮になれるんだろう?‥‥って思う。去年の暮れ、キヤノンの大分工場が、非正規労働者をジャンジャンとクビ切りしながら、その一方で期間行員の募集をしてたって事実が発覚した時にも、御手洗は「それは派遣会社の問題だから私は関係ない」ってノタマッてたけど、ここまで来ると、人間国宝にでも指定したいほどの無責任オヤジだよね、まったく。

で、のり坊と御手洗との癒着は、これだけじゃない。のり坊の会社「大光」が、過去に受注した事業の95%がキヤノン関連だって事実からも分かるように、単に「御手洗会長の友人」てだけじゃ、名だたる大企業を相手に、ここまで食い込むことはできなかっただろう。で、のり坊がどうしてこんなに美味しくキヤノンの事業に食い込むことができたのかって言うと、それは、のり坊のバックに大分県知事の広瀬勝貞がいたからだ。この名前は、これから捜査が進む上で、イヤでも耳にするようになると思うから、今から覚えといたほうがいいと思うけど、この広瀬勝貞って男も、御手洗とベッタリ癒着してる。

たとえば、のり坊の「大光」の本社やキヤノンの大分工場の社員寮6棟が建ってる2万平方メートル近い広大な土地は、もともとは大分県が所有する県有地だった。そして、のり坊は、まだこの土地の売却計画を県が発表する前に、周辺の土地の半値以下で県から購入してるのだ。ホントなら、県が売却計画を発表して、そこに複数の企業なりが申し込みをして、一番高い金額を提示した相手に売却するのがスジだろう。だって、県の抱えてる赤字を補填するために県有地を売却するんだから、1円でも高く売りたいに決まってるからだ。

それなのに、ナゼか大分県は、キヤノンの御手洗の親友であるのり坊に対して、一般入札もしないで、周辺の土地が1平方メートルあたり1万8000円なのに対して、わずか7655円ていう半値以下で叩き売ったのだ。そして、のり坊は、その土地の一部に自分の会社の社屋を建て、残りをキヤノンの社員寮にしたってワケだ。ようするに、結局、甘い汁を吸ったのは、のり坊1人ってことだ。県有地ってことは、県民の財産でもあるのに、こんなやり方がマカリ通るなんて、税金を巻き上げられてる県民にしたら、たまったもんじゃないよね。

だけど、のり坊の「大光」のグループ会社には、数々の根回しメンバーが配置されてる。たとえば、のり坊が社長をつとめる警備会社「デューク」(大分市)には、大分県警のOBが少なくとも4人も雇われてる。これは、県警とのパイプを作っておくために必要な人事で、のり坊は、このパイプを使って、本来なら県警内部でしか知りえない情報も入手したり、逆に自分の要望を県警に伝えたりしてた。また、今回、のり坊と一緒に逮捕された長田助勝は、30年近くも大分県議を務めた自民党議員だし、他にも、関連会社には、元熊本国税局長の矢部龍二が監査役として名を連ねてて、のり坊とは長い付き合いがあるという。

‥‥そんなワケで、のり坊こと大賀規久は、現職の県知事だの、元県議会議長だの、元国税局長だの、県警のOBだの、大阪のホニャララ団だの、自民党森派の議員だのって、数々のパイプを利用して悪事の限りを尽くして来たワケだけど、こうしたパイプを作ることができたのも、すべては「御手洗冨士夫の親友」っていう印籠の力によるものだったワケだ。だから、今になって、御手洗が「私もキヤノンもまったく関係ない」だなんてノタマッても、そんな寝言が通用するワケがない。オムライス党の重野安正幹事長は、12日の記者会見で、「経団連の会長がトップを務める企業でこういう不明朗なことが行われた責任は非常に大きい」って指摘して、御手洗の国会招致を求める考えを示した。そりゃあ当然だろう。これほど悪質なことを長年続けて来て、いざ捜査のメスが入ったら、自分だけシランプリしちゃって、トカゲのシッポ切りで終わらせようだなんて、いくらニポンイチの分厚いツラの皮をしてる守銭奴でも、こんなデタラメは絶対に許せないと思う今日この頃なのだ。


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