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2009.03.23

キンピラゴボウ狂想曲

あたしは、ニンジンも好きだし、キャベツも好きだし、タマネギも好きだし、ジャガイモも好きだし、お野菜は何でも好きなんだけど、ゴボウもすごく好きだ。ゴボウの場合は、他のお野菜と違って歯応えがあるから、ご飯のおかずだけじゃなくて、お酒のオツマミにも向いてる。まだ、お肉を食べてたころは、3cmくらいの乱切りにしたゴボウをおんなじくらいの大きさに切った鶏のモモ肉とコンニャクと一緒に甘辛に煮たのが大好きだった。作った日はご飯のおかずにして、味が染みた次の日には、温め直してお酒のオツマミにすると、これがバツグンの美味しさなのだ。

で、お肉を食べなくなったあたしは、主にキンピラゴボウを作って楽しむようになったんだけど、ハッキリ言って、ゴボウって高い。あたしの行くスーパーだと、だいたい1本200円くらいもする。その上、煮物やキンピラって、できれば大量に作っておきたいから、2本は欲しい。そうすると、ゴボウだけで400円になっちゃって、他の食材も必要なお料理の場合には、大変な出費になっちゃう。だから、あたしにとってのゴボウは、「なかなか手の届かないお野菜」ってワケで、ものすごくタマに「2本で200円」とかになってる時に、心の中で小さくガッツポーズをしつつ買ってるような感じだった。

それで、3日前の木曜日のこと、いつものスーパーに行って、いつも真っ先に覗くワゴンのとこに行った。ここには、お野菜や果物の傷みかけてるものが格安で並んでるのだ。たとえば、小松菜1袋、水菜1袋、トマト1個、ブロッコリー1個、ダイコン半分が詰め合わせになってて、200円になってたりする。もちろん、小松菜や水菜はしなび始めてるし、トマトは熟しすぎてブヨブヨしてるけど、使いようによっては使えるものばかりだ。そして、オトトイは、ここで「キンピラゴボウセット」を発見しちゃった。モヤシの袋くらいの大きさの真空パックの中に、細切りにしたゴボウとニンジンが入ってて、定価がいくらなのかは知らないけど、75円のシールが貼ってあった今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、あたしは、1つしか残ってなかったその「キンピラゴボウセット」を手に取り、すぐに裏を見た。そしたら、ゴボウもニンジンも国内産で、ちゃんとした工場で加工されてるものだった。ただ、消費期限がこの日までだったから、このワゴンに入れられてたのだ。それで、あたしは、ソッコーで自分のカゴに入れた。量としては1人前くらいだけど、日曜日の夜の9時から「釣りバカ日誌17 あとは能登なれハマとなれ」があるから、お酒でも飲みながらゆっくり鑑賞しようと思ってて、そのために何かオツマミを用意しとこうと思ってたからだ。

だけど、この日は、すごく疲れてたから、キンピラは作らなかった。消費期限は木曜日までだったけど、真空パックになってたから、このまま冷蔵庫の野菜室に入れとけば、まだ2~3日は大丈夫だと思ったからだ。それで、週末は、徹夜のお仕事があったり何だりで、結局、土曜日の深夜にキンピラゴボウを作ることになった。この時も、疲れてたし眠かったんだけど、日曜日もお仕事と用事がいっぱいだったから、映画が始まる前にキンピラゴボウを作る時間がなさそうだったからだ。

それで、土曜日の深夜の2時ころ、キンピラゴボウを作ろうと思ったら、キッチンの蛍光灯が点いたり消えたりし始めた。しばらくは点いてるんだけど、ビミョ~にチリチリしてて、突然、パッ!パッ!パッ!って点滅して、またチリチリが始まるって感じだ。でも、お料理するのにはそれほど影響もないし、あたしは、そのまま調理を開始した。で、まずは、真空パックの袋の裏の「作り方」を見た。あたしは、キンピラは普通に作れるけど、これは加工品だから、何か特別の手順とかがあると思ったからだ。

そしたら、「作り方」の「1」に、「袋の中身をざるにあけて軽く水洗いをする」って書いてあったので、あたしは、その先を読まずに、愛用のステンレスのザルに中身をあけて、よく水洗いをした。袋の中には、下のほうに3分の1くらいニンジンが入ってて、上の3分の2くらいがゴボウだったんだけど、よく水洗いしたから、ザルの中で両方が混ざり合うような感じになった。で、次はどうするのかと「作り方」の「2」を見たら、こんなことが書いてあったのだ。


「ごぼうとにんじんは別々に分けておく」


おいおいおいおいおーーーーい! 書く順番が違うだろ? もう混ぜちゃったよ!‥‥つーか、最初にぜんぶ読まなかったあたしが悪いんだし、あたしも洗いながら「普通はニンジンはあとから入れるのに、一緒に混ぜちゃっても大丈夫なのかな?」って思ってた。だけど、すごく疲れてたし、眠かったから、「1」に「袋の中身をざるにあけて軽く水洗いをする」って書いてあったのを鵜呑みにしちゃって、「きっとゴボウとニンジンを一緒に炒め始められるように、ゴボウにだけ5割くらい火が通ってるとか、何らかの下準備がしてあるんだろう」なんて思ってたのだ。

それで、あたしは、一気にグッタリしちゃったんだけど、仕方ないから、気を取り直して、ザルの中でミゴトに混ざり合ってるゴボウとニンジンとを別々に分ける作業を開始した。だけど、この作業を始めたトタンに、蛍光灯の点滅が激しくなって、まるでクラブのストロボライトのように、パッ!パッ!パッ!ってのが止まらなくなっちゃったのだ。昼間なら、蛍光灯を消しても明るいから問題ないんだけど、この時間は真っ暗だから、何も見えなくなる。それで、とてもじゃないけどゴボウとニンジンを分ける作業なんてできないから、あたしは、自分のお部屋までザルとかボールとかを運んで来て、こっちで作業をすることにした。

この時点で、あたしの「やる気」は、ほとんど消えかけてた。だけど、1週間ずっとがんばって来て、ようやくゆっくりできる日曜日の夜に、大好きな「釣りバカ日誌」を観ながらお酒を飲むためには、どうしてもキンピラゴボウを作っとくことが必要だったから、あたしは、眠い目をこすりながらゴボウとニンジンとを別々に分けた。量の少ないニンジンは小さめのボールに入れて、ゴボウは元のステンレスのザルに入れた。

‥‥そんなワケで、あたしは、ようやく調理の続きを開始したんだけど、キッチンの蛍光灯を点けてみたら、また最初の「チリチリの状態とパッ!パッ!パッ!の状態の繰り返し」に戻ってた。すごく気になったんだけど、蛍光灯に取り付けるちっちゃなナントカ球を探したり、イスの上に乗ってそれを取り換えたりするほどのパワーは残ってなかったし、蛍光灯自体の寿命だったらムダになっちゃうから、このまま調理することにした。

そして、フライパンを火にかけて、ゴマ油を入れようとして、ここで「あっ!」って気づいたのが、「ゴマ油を切らしてた」ってことだった。ずいぶん前にキンピラゴボウを作った時に、ゴマ油が最後のちょっとになってたから、それだけじゃ足りなくて、サラダ油を足して作ったんだった。キンピラゴボウの味の決め手は、やっぱりゴマ油の香りだから、これは大きなマイナスだ。だけど、もうどうしようもないので、今回は、ぜんぶサラダ油で作るしかない。

あたしは、「あ~あ‥‥」って気分で、温まったフライパンにザルのゴボウをドサッと入れた。ジュ~!って音がして、いつもならゴマ油のいい香りがするとこなのに、何の香りもしなかった。それで、ザルを置こうと思ったら、ザルのフチのとこに1本だけゴボウが残ってたから、あたしは、もう一度、フライパンの上でザルを振った。だけど、何回振っても、その1本のゴボウはザルにくっついてる。それで、あたしは、指でつまんで取ろうとしたら、「いててっ!」ってことになった。指先に激痛が走ったのだ。

あたしは、ワケが分かんなくて、蛍光灯も点滅しててよく見えないから、自分のお部屋に戻って来て見たら、ザルのフチの部分から、細いステンレス線が飛び出してて、そこに1本のゴボウが引っ掛かってたのだ。あたしの指先からは、プチッと血が出てて、仕方ないから、カットバンを貼った。文章で書くと、「カットバンを貼った」っていう9文字のことなんだけど、クタクタに疲れてて眠い上に、蛍光灯が点滅してたり、ゴボウとニンジンを混ぜちゃったのを分けたりした挙句のケガだったから、「化粧台の引き出しからカットバン出して指に貼る」ってだけの行動が、果てしなくダルかった。

‥‥そんなワケで、あたしは、どこのバカが言い出した言葉なのか知らないけど、「心が折れる」って言い回しが死ぬほど嫌いだ。1年くらい前に、テレビでK1か何かの格闘技を観てたら、藤原紀香が出てて、ヤタラと「○○選手は心が折れてしまった」とか「心を折れないようにナントカ」とかって、この言い回しを多様してたので、もともと大嫌いな藤原紀香のことが、さらに大嫌いになった記憶がある。最近だと、WBCで不振だったイチローが、やっとヒットを打ったあとか何かに、「心が折れかけてました」とかって言ってるのをスポーツニュースで見て、好きだったイチローのことが嫌いになった。

あたしは、それほど、この言葉が嫌いなのだ。だって、こんな言葉、「よく恥ずかしくもなく使えるもんだ」って思わない? 言ってる本人だけが恥ずかしい言葉なら、誰が使おうと構わないけど、聞かされてるこっちまで恥ずかしくなるような言葉は、正直、公共の場では使わないで欲しい‥‥ってワケで、話をクルリンパと戻すと、クタクタの状態で作り始めたキンピラゴボウが、数々のアクシデントによってなかなか先に進まないあたしは、あたしの大っ嫌いな言葉で言うと、心が折れかけてた(笑)

あ゛ーーーーっ!やっぱり、この言葉を使うと、全身で鳥肌実が演説を始めちゃうくらい寒気がするね。ホント、気持ち悪い言葉で、男が「スイーツ」って言うのよりも、もっともっと気持ち悪い。しいて言えば、アルミ箔を口の中で噛みながら、黒板を爪でひっかく音を聞かされるのとおんなじくらい耐えられない。あたしの場合は、この言葉のあとに「(笑)」をつけて、あくまでもギャグで使ってるってことをアピールして気持ち悪さを緩和したけど、それでもやっぱり気持ち悪い。それなのに、世の中には、どうしてこれほどまでに恥ずかしい言葉を平然と口にできる人たちが生息してるんだろう? あたしには、絶対に理解できない感覚だ。

ま、そんなことは置いといて、カンジンのキンピラゴボウだけど、ゴマ油の代わりのサラダ油でゴボウを炒めて、あとからニンジンを加えてさらに炒めて、おおかた火が通ったとこで、一度、火を消してから、お醤油、お酒、みりん、お砂糖を混ぜておいたものを入れて、タカノツメの輪切りを散らして、全体にからめながら細火で和えるように煮詰めて行けば完成だ。だけど、ここに来て、またまたあたしの心が折れる(笑)ことが巻き起こったのだ。それは、お酒もみりんも切らしてたってことを思い出したのだ。

それで、あたしは、小さなボールにお醤油を入れて、お酒とみりんの代わりに、業務用の焼酎を入れた。すでに、ゴマ油の代わりにサラダ油を使ってるワケだし、とにかく、味なんかどうでもいいから、サッサと作ってトットと寝たかったのだ。それで、お醤油と焼酎を混ぜたから、あとはお砂糖を入れるだけだと思って、インスタントコーヒーの空き瓶を再利用してるお砂糖入れを棚から取り出した。そしたら、持った感じがナニゲに軽くて、あたしは、あることをハッと思い出したのだ。

しばらく前に、お砂糖を使った時に、もう、瓶の底がカラッポで、予備のお砂糖もなかったから、木曜日にスーパーに行った時に、いつもの「さとうきびのお砂糖」を買って来てたんだ。つまり、我が家には、お砂糖はある。ただし、まだ買って来たままの袋の状態で、この空き瓶のお砂糖入れには移してなかったのだ。だから、あたしは、この極限の状態の中、たった「大さじ1杯」のお砂糖を使うために、缶詰とかを仕舞ってるとこから「さとうきびのお砂糖」を出して、中身をこぼさないように気をつけながら袋の上の部分をハサミでナナメに切って、周りにこぼさないように気をつけながら空き瓶に移して、入り切らなかったぶんは、袋の口を輪ゴムできつくとめて、アリさんがやって来ない冷蔵庫の中に仕舞う‥‥っていう作業をしなきゃなんなくなったってワケだ。

「もうダメ、あたし‥‥」なんて言ってられないから、あたしは、「さとうきびのお砂糖」と空き瓶をもってお部屋に戻り、いらない広告を広げて、その上で「お砂糖の移し替え」を始めた。いつもは、キッチンのシンクの上に、まな板を渡して、その上でやってる。そうすれば、もしもお砂糖をこぼしちゃっても、そのまま流せるからだ。だけど、この日は、蛍光灯が点滅してたから、仕方なくお部屋に運んで作業した。だけど、お砂糖を移し替えながら、ふと時計を見たら、もう深夜の3時近くになってて、「あたし、いったい何をしてるんだろう?」って思って、一瞬、頭の中が真っ白になった。そしたら、瓶の口がお砂糖でマウンテンになってて、周りにパラパラとこぼれてた。

普通なら、ここで、「キーーーッ!」ってなっちゃうとこなのに、ホントにあたしはクタクタで、ヒステリーを起こすほどのパワーも残ってなかった。だから、瓶の口のマウンテンなお砂糖を広告の上に落として、こぼれたお砂糖を袋に戻すっていうジミな作業を黙々と続けて、ナニゴトもなかったかのようにキッチンへ行った。そして、お醤油と焼酎が入ったボールに、このお砂糖を大さじ1杯加えて、よく混ぜてから、キンピラゴボウに味つけをした。完成したキンピラゴボウを器に入れて、ラップして、冷蔵庫に入れたら、ここでキッコゲリオン初号機は活動限界を迎えちゃったから、フライパンやボールにはお水を入れとくだけにして、洗うのはあとにして、そのままベッドに倒れ込んだ。

‥‥そんなワケで、あたしは、今日、1週間のお仕事を終えて、無事に「釣りバカ日誌17 あとは能登なれハマとなれ」を楽しむことができた。ゴマ油の代わりにサラダ油を使い、お酒とみりんの代わりに焼酎を使ったキンピラゴボウだったけど、苦労の甲斐があって、なかなか美味しくいただくことができた。やっぱり、「釣りバカ日誌」や「男はつらいよ」を観ながら、のんびりとお酒を飲むのは、あたしにとって何よりの娯楽だ。そう言えば、とうとう「釣りバカ日誌」も次回の20回で終わりになっちゃうそうで、スーさんの年齢やハマちゃんの体調を考えるとジンジャエールなんだろうけど、ホントに残念なことだ。ハマちゃんとスーさんが釣りをする最後の舞台は北海道だそうだけど、2人には北海道の大自然の中で、最後の釣りをタップリと楽しんで欲しいと思う今日この頃なのだ。


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