ウソをついたらペナルティー
マレーシアでは、昨日の3日、これまで副首相だったナジブ・ラザク氏が、晴れて首相の座に就いた。これは、去年の3月の総選挙で、アブドラ・バダウィ首相の政党が3分の2の議席を確保できなかったためで、ようするに、1年も前から決まってたことだ。そして、明日の5日は、F1の第2戦、マレーシアGPの決勝戦が開催される。これまた毎年の恒例行事なんだから、ずっと前から分かってたことで、こうした大イベントが連続してるマレーシアでは、国民の間に、いつにない盛り上がりが起こってる。
屁のツッパリにもならない北朝鮮のポンコツ人工衛星なんかに大騒ぎして、ワザと誤報まで流して国民を混乱させて、ミサイル防衛費をガッポリとせしめるために過剰報道を繰り返してるニポンとは違って、おんなじアジアの国でも、東南アジアの国々の人たちは、貧しくても「みんなで楽しむ」ってことを知ってるんだろう。
それなのに、嗚呼それなのに、それなのに‥‥って、久しぶりに五七五の俳句調で嘆いちゃうけど、マレーシアGPの決勝戦を目前にして、バリチェロはギアボックスのトラブルで5グリッド降格になっちゃったし、ライコネンはKERSのトラブルで白煙を噴いちゃうし、今回のレースのことだけでもレオタード姿の小さいきっこたちがハレホレ音頭で踊り出しちゃってるのに、先週の開幕戦のオーストラリアGPの問題が、ナンダカンダとキューテックな波紋を広げてる。
そして、あまりにも波紋が広がりすぎちゃって、もはやツェペリやリサリサ先生の修行を受けても対抗できないほどになっちゃったけど、岩の上のカエルにパンチを打ち出して、カエルを殺さずに岩だけを破壊するほどの波紋を体得してるあたし的には、春になったらカエルが出て来てゲロゲ~ロってワケで、「アナタガスキヨ」を「ヨキスガタナア」って言っちゃう青空球児好児フレーバーで言うと、「オーストラリアGP」は、さしずめ「リプンラグアリラトスーオ」ってことになるだろう。
ちなみに、マクラーレンの部分から全力で突っ走ってるのは、ここんとこ、国民を愚弄し続ける自民党の腐れ外道どものことばっか書いてたから、ギャグの腕がなまっちゃったかもしれないからだ。腐れ外道と言えば、子組の白銀本気さんがお約束の長ドスで叩き斬ってくれればいいんだけど、今回は赤目の代貸が風の総長のOKをもらって来てくれなかったから、別人かと思えるほどブクブクに太っちゃったジョニー大倉とともにダッフンしちゃった今日この頃、皆さん、あたしが何を言ってんのか理解できましたか?(笑)
‥‥そんなワケで、アイドリングの肩慣らしも済んだとこで、ここからは意味が分かるようにちゃんと書いてくけど、あたしは、3月29日の日記、「レギュレーションと戦う男たち」の冒頭で、3位に入賞したトヨタのトゥルーリが、レース後、25秒のペナルティーを受けて、ポイント圏外の12位へと降格になり、4位から12位までのドライバーが1つずつランクアップしたってことを書いた。そして、「この裁定はおかしい」ってことも書いた。
もちろん、あたしは、テレビの録画を観てただけなので、3月29日の日記を書いた時点では、画面に映らないとこで、どんなやりとりがあったのかなんて知らなかった。ただ、あたしは、トゥルーリがセーフティーカー導入中にハミルトンを抜いたのは、反則をしたワケじゃなくて、自分がコースアウトして順位が変わっちゃったのを「元に戻しただけ」なんだから、これをペナルティーにするのはおかしい‥‥って思っただけだった。でも、翌日から、いろんな情報が入って来て、この茶番劇には、呆れ果てちゃうような「裏の事情」があったってことが判明したのだ。
まず先に、結論から書いちゃうけど、トゥルーリのペナルティーは取り消しになって、最初の順位通り、トゥルーリは3位ってことになった。だけど、すべての順位が戻ったワケじゃなくて、今度は、4位から3位へ繰り上がってたハミルトンが、ナナナナナント! 失格になっちゃったのだ! そして、それどころか、最悪の場合は、F1に参戦できなくなるっていう厳罰が下されるオソレまで出てきちゃったのだ! 危うし、F1界のオバマ大統領!‥‥ってことで、続きはCMのあとで!
ボバンババンボン、ブンバボン、バババ
ボバンババンボン、ブンバボン
いつ~もオイラはウソつき~♪
完全無所属の~フリ~♪
バッチリつかむぜ無党派層~♪
献金はまた来る~♪
ウソつきケ~ン!ワイロだケ~ン!
県民を騙すまで~♪
ウソつきケ~ン!ワイロだケ~ン!
恥だオオカミ少年ケンサク~♪
‥‥そんなワケで、どんなことなのかって言うと、オーストラリアGPの決勝戦が終わったあと、例の「セーフティーカー導入中にトゥルーリがハミルトンを抜いた」ってことについて、FIAのレース審議会が行なわれたんだけど、ここで審議員から「チームからトゥルーリを前に行かせるようにとの指示を受けたかどうか?」って質問されたハミルトンは、「そんな指示はなかった」って答えてたのだ。そして、この証言が決め手になって、「ハミルトンのほうが意図的にトゥルーリに抜かせたんじゃなくて、トゥルーリが勝手にハミルトンを抜いた」ってふうに理解されて、それで、トゥルーリはペナルティーを受け、ハミルトンは4位から3位へと繰り上がったってワケだ。
そして、あたしは、この時点で前回の日記を書いたんだけど、あたしは審議会でハミルトンがこんな証言をしてたことなんて知らなかったから、ただ単にテレビを観てただけの印象として、前回の日記に「裁定がおかしい」ってことを書いた。それは、ハミルトンのほうがトゥルーリを前に行かせたように見えたことから、2人ともが状況を理解してて、両者が納得した上での「順位の入れ替え」を行なったと思ったからだ。だからこそ、「裁定がおかしい」って思ったのだ。
だけど、このハミルトンの証言を聞くと、まるとトゥルーリが1人で勝手にハミルトンを抜いたみたいな話になってる。こりゃあおかしい。でも、FIAとしては、ハミルトンがこの証言をしたからこそ、トゥルーリにペナルティーを与えたワケで、こんな証言があったことを知ってたら、あたしもFIAの裁定は「しかたないかな?」ってくらいの感じに受け取ってただろう。
でも、このハミルトンの証言が、実は「森田健作」だったのだ。そう、「大ウソ」だったって意味だ。セーフティーカー導入中、ハミルトンは、チームから無線で「トゥルーリを前に行かせろ」って指示を受けてて、その指示に従ってハミルトンを前に行かせてたのだ。だけど、レース後の審議会に呼ばれて、審議員たちが来るのを待ってる間に、チームマネージャーのデイヴ・ライアンから、「審議員からチームの指示の有無を聞かれたら『なかった』と言え」って指示されたのだ。つまり、ハミルトンは、上司からの命令で、仕方なくウソをついたってワケだ。
で、何でこのウソがバレちゃったのかって言うと、ハミルトンは、まさかこんな命令をされるなんて思っなかったから、審議会に出る前に、メディアのインタビューを受けてて、そこで「チームからの指示でトゥルーリを前に行かせた」ってコメントしてたのだ。でも、この時点では、審議員たちはこの事実を知らずに、直接、ハミルトンから聞いた「チームの指示はなかった」って言葉を信用して、トゥルーリにペナルティーを科したワケだ。そして、翌日になって、このハミルトンのメディアへのコメントが発覚したため、あらためてハミルトンを呼び出して事情聴取したところ、「チームの指示でトゥルーリを前に行かせた」ってことと、「審議会ではウソをつくようにチームマネージャーから言われた」ってことを明かしたのだ。
そして、ハミルトンの証言通りに、チームの無線記録からチームの指示の事実も確認されたため、トゥルーリのペナルティーを取り消しにした上、審議会で虚偽の証言をした罪で、ハミルトンはオーストラリアGPでの成績を剥奪されたってワケだ。もちろん、これは、とりあえずの裁定であって、審議会での虚偽の証言は重罪だから、ハミルトンには、WMSC(世界モータースポーツ評議会)による、さらなる厳しいペナルティーが与えられる。どうなるかは、これから決まるんだけど、軽ければ「今後、1戦~数戦の出場停止」で、重ければ「今シーズンすべての出場停止」になる。
千葉県の知事選の場合は、どんなに大ウソをついて有権者を騙しても「何のオトガメもなし」みたいだけど、スポーツマンシップに則って行なわれてるF1の世界では、たとえ上司からの命令によってウソをついたとしても、そのドライバーに厳しい罰が与えられるのだ。だから、これからハミルトンに厳しいペナルティーが科せられることはジンジャエールなんだけど、あたしの正直な気持ちとしては、ちょっとかわいそうだと思う。
いくらワールドチャンプとは言え、まだデビューして3年目の24才なんだし、13才の時から、ずっとマクラーレンに支援してもらってここまで上りつめて来たハミルトンにとっては、チームの上司の言葉は「絶対」なのだ。だから、チームのマネージャーでありスポーティングディレクターであるデイヴ・ライアンからの指示に逆らうことなんてできなかっただろう。それも、ハミルトンは、デイヴ・ライアンと一緒に審議会に呼び出されたたのだ。自分の隣りに、自分に対して「ホントのことは言うな」って命令した上司が座ってるのに、そんな状況で、「実は‥‥」なんてホントのことを言える人なんかいないだろう。
結局、ハミルトンにウソをつかせたデイヴ・ライアンは、この問題でチーム代表のマーティン・ウィットマーシュから停職処分を受けたんだけど、たぶん、このままクビになると思う。それにしても、ハミルトンが受けたダメージよりは、遥かに軽いだろう。ハミルトンの場合は、母国イギリスの数々のタブロイド紙にボロクソに書かれちゃって、ホントに気の毒だ。たとえば、「デイリースター紙」なんかは、そのものズバリ、「‘LIAR’ LEWIS (ウソつきルイス)」なんてタイトルの記事にしちゃってるし、他のタブロイド紙も一緒になって、まるで小沢一郎みたいにマスコミ総出で血祭りにあげちゃってる。そして、ハミルトン本人は、ものすごく落ち込んでて、「これまでのレース人生で最悪の事態になった」って言ってる。緊急に行なわれた記者会見で、ハミルトンは、こんなふうに語った。
「当時の経緯は、レース後の審議会に呼び出されて、審議員たちが来るのを待っていた時、同席していたチームマネージャーから『チームからの指示があったという情報は口にするな』と指示されたんだ。そして僕はチームマネージャーの言う通りにしたばかりに、結果として間違いを犯してしまった。これが僕の犯した罪だ。この3年間、僕を見守り、応援して来てくれたファンのみんなに心からお詫びを言いたい。僕はウソつきじゃないし不誠実な人間でもない。だけど僕はチームプレーヤーだから、チームから何かをやれと指示された時には、常にその指示に従って来た。でも今回は、それが大きな間違いだったってことに気づいたよ。これは僕にとって、とても大きな代償となった。今、僕は、みんなに謝るためにここにいる。すべてのレース関係者、すべてのファン、そしてトゥルーリに、心からお詫びしたい。そして、二度とこのような過ちは起こさないと約束する。」
‥‥そんなワケで、おんなじ「ウソつき」でも、上からの命令で仕方なくついたウソなのに、こうして厳しいペナルティーを受け、男らしくキチンと謝罪した24才のハミルトンを見てると、59才にもなって「ウソをつくことは悪いこと」っていう小学生レベルの道徳心もないどっかの犬知事に、ハミルトンの爪のアカでも飲ませてやりたくなって来る。ま、ホントに困るのは、あんな大ウソつきに県政を任せちゃった県民の皆さんなんだから、関係ないあたしがとやかく言うことでもないんだけど、ハミルトンを始めとした「立派な若者」を見るにつけ、この国の政治家や官僚どもの腐り具合が際立ってきちゃって、ホントに子組の白銀本気さんに頼んで、カタッパシから長ドスで叩き斬ってもらいたくなって来る今日この頃なのだ。
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