草なぎ報道、海外でも相次ぐ
「草なぎ報道、海外でも相次ぐ」(世田谷通信)
23日に起こったSMAPのメンバー、草なぎ剛容疑者の事件は、イギリスのタイムズ紙を始め、ロイター通信、BBCなど、多くの海外メディアが報道し続けている。しかしその内容は、事件そのものを伝えるというよりも、この程度の事件で大騒ぎしている日本のメディアの異常さを伝えているものが大半で、タイムズ紙では、このメディアの様子を「日本のメディアはカオスに突入した」と表現している。SMAPは日本とアジアの一部地域以外ではほとんど知られていないため、英語圏のメディアでは、まずSMAPがどのようなグループなのかということを説明をしているが、タイムズ紙では「日本の流行歌の歴史の中で、もっともビッグで、もっとも愛されていて、もっとも成功した少年バンド」と紹介している。この「少年バンド」という記述を見ても、記事を書いた記者自体がSMAPのことを正しく認識していないことが分かる。しかし記事では「警察官が彼を逮捕しようとした時に『彼は拳で殴りかかって来た』ため、警察官はそれをかわして保護用のシートで彼をくるんだ」という日本では報じられていない内容も書かれている。また記事では「鳩山邦夫総務大臣は怒り狂って、政府が手掛けた最大のキャンペーンから彼を下ろすと脅迫した」と書かれ、鳩山大臣のコメントとして「地デジへのシフトで新しいテレビを購入するための財政負担を国民にお願いしている時期に今回の事件はとても恥ずかしいことだ」と書かれている。全体的な論調を見ると、事件のことを伝えながらも、1人のテレビタレントが起こしたこの程度の事件が、トヨタなどのトップ企業や政府の問題にまで発展した異常さについて書かれており、その裏にある、政治の世界にまで強い力を持つ日本の広告業界と、視聴率至上主義のテレビ業界についても触れられている。また、SMAPのメンバーは、強い力を持つ所属事務所から、契約上、どのような仕事でも強いられるため長時間働かされているとも指摘している。G7終了後の会見に酩酊状態で臨んだ自民党の中川昭一前財務相の場合は、タイムズ紙を始め世界各国のメディアが「世界的な金融危機の時に日本はあんな酔っぱらいを財務担当にしているのか」と厳しい論調が相次いだが、同じ飲酒による問題でも今回の草なぎ容疑者に対しては、海外メディアは意外と同情的に見ているようだ。(2009年4月24日)
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